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レモンサワー #1
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私はいつも、居酒屋でレモンサワーを飲んでいた。
グレープフルーツや梅も美味しいけど、やっぱりレモンを頼んじゃう。
仕事帰りに一人で寄る居酒屋で、一人で飲むレモンサワー。何を期待しているわけでもないけど、最低でも1時間は飲んでいる。
今日もいつもの居酒屋でいつものレモンサワーを飲んでいた。
「おい、あそこの人、一人じゃね?」
「は?何?ナンパでもすんのか?」
後ろから聞こえて来る声に、私の耳は赤くなる。
よくないな。
私は立ち上がり、会計へと向かった。
それからタクシーに乗って自宅へと向かう。
家に帰ると、不在票が入っていた。見ると、実家からだった。
実家には二年近く帰っていない。例年は年始に帰省していたのだが、今年は例のウイルスで断念していたのだ。
「もうすぐ12月かぁ。来年は帰りたいけどなぁ。そういえば何送られてきたんだろ」
私はスマホを取り出し、母に電話をかけた。
「もしもし?お母さん?」
『もしもし~みんちゃん?どしたの?』
変わらない声だった。私は笑って言った。
「何って、お母さんが送ってきたんでしょ?今日届いてたんだけど受け取れなかったから何入ってたのか聞こうと思ってね」
『あ!そうそう、すっかり忘れてたわ。みんちゃん去年来れなかったでしょ?だから渡せてなかったの。覚えてる?小学校の卒業式の時の』
そこまで言ったところで思い出していた。小学校の卒業式にしまってた記憶。あれから15年が経ったんだ。もう二度と開けることはないと、閉じ込めていた思い出。私は気付けば涙を流していた。
母との電話を終えると、会社に連絡をした。
これでいい。私はそう呟いて、灯を消した。
グレープフルーツや梅も美味しいけど、やっぱりレモンを頼んじゃう。
仕事帰りに一人で寄る居酒屋で、一人で飲むレモンサワー。何を期待しているわけでもないけど、最低でも1時間は飲んでいる。
今日もいつもの居酒屋でいつものレモンサワーを飲んでいた。
「おい、あそこの人、一人じゃね?」
「は?何?ナンパでもすんのか?」
後ろから聞こえて来る声に、私の耳は赤くなる。
よくないな。
私は立ち上がり、会計へと向かった。
それからタクシーに乗って自宅へと向かう。
家に帰ると、不在票が入っていた。見ると、実家からだった。
実家には二年近く帰っていない。例年は年始に帰省していたのだが、今年は例のウイルスで断念していたのだ。
「もうすぐ12月かぁ。来年は帰りたいけどなぁ。そういえば何送られてきたんだろ」
私はスマホを取り出し、母に電話をかけた。
「もしもし?お母さん?」
『もしもし~みんちゃん?どしたの?』
変わらない声だった。私は笑って言った。
「何って、お母さんが送ってきたんでしょ?今日届いてたんだけど受け取れなかったから何入ってたのか聞こうと思ってね」
『あ!そうそう、すっかり忘れてたわ。みんちゃん去年来れなかったでしょ?だから渡せてなかったの。覚えてる?小学校の卒業式の時の』
そこまで言ったところで思い出していた。小学校の卒業式にしまってた記憶。あれから15年が経ったんだ。もう二度と開けることはないと、閉じ込めていた思い出。私は気付けば涙を流していた。
母との電話を終えると、会社に連絡をした。
これでいい。私はそう呟いて、灯を消した。
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