1 / 1
令嬢、令和にあこがれた男たち
しおりを挟む
最終学歴の大学が偏差値約55の男、無職し続けて五十五年目の男、ブラック企業づとめの五十五歳の男……この三人とも、令和に、恋している。全部同じ、令和だ。
〝令和〟、これで、〝レイア〟だ。
「ああ……レイア……♡」
レイアは、Rカップであーる。
いま部屋で、ひとり、卒アルをながめる男がいる。彼は、レイアに恋して、五十八年目だ。
「レイア!」
いま部屋で、ひとり、会社から帰宅した男が、『レイラ』という歌詞の曲を替え歌で歌っている。彼、五十五歳。『レイラ』という歌詞の曲は、五十五歳が歌ってるだけあって、結構古い。
「結局ビジネスだ。そして、会社につとめてないと駄目だ。俺は、若い頃、ミュージシャンを目指していた。レッド・ツェッペリンリンっていうバンドのジミ・ペイジにあこがれてギターも練習したんだ。だが……ピンク・フロイドンドンのデイヴ・ジルモアが言っていたように、時の流れは残酷で、気づけば、もう五十五歳で、それ以前に俺のデビューシーンは遅れていて、もうおっさんだ。ああチクショウ! ……独身で語る相手もいないんだ! これは独り言なんだ! ……よく自殺しないでいきてるなとか思ったか? ……そうだ……黒魔術の本買おう。ジミ・ペイジは、アレイスター・クローリーのファンだというのもあって、黒魔術本、気になっていたんだ」
名古屋のどこかに呪われた会社がある。その会社は、黒魔術をもとにして、たてられた。よって、呪われた。
岐阜出身の令嬢、令和は、東京大学に進学して、ハーヴァード大学に留学。卒業。そして、オックスフォード大学に入学した。実は、この進学や留学、そして、卒業はすべて、コネによるものだ。でも令和自身はバカというわけではなく、学習態度はよいものだ。だがそれが東京大学に進学できるものだったかは微妙だ。そういった、秘密もあるのだ。
名古屋のビルのどこかにカジノをたてたものがいるようだ。
闇カジノも経営している、その、最終学歴の大学が偏差値約55の男、石黒。777と並ぶ瞬間を夢見ているギャンブラーたちをハメていく。いつかは、この儲けたお金で、令和をゲットしようっておもってる。
ある日の事、777が当てられた。その客を黒魔術で呪い殺そうとしたが、そのミスった黒魔術のせいで異世界転移しちゃったこの男。
一方、その日の晩、無職をし続けて五十五年の男、黒井はいまひとりで勉強をしている。散らかり尽くした、世界の終わりを感じさせるような部屋で。
「ルート7は、ナニムシイナイ――」
数学を勉強中の無職。
途中、寝ボケている。結果、意味のわからない言動と、詠唱をした。……結果、異世界転移。
ブラック企業、帰り。もう朝だ。電車も停車中。疲れ果て、道で倒れた、黒田、冬。真冬。
黒魔術によってたてられたブラック企業に勤務した経歴があるのに、定年退職せずに死ぬと、異世界転移できるようだ、その黒魔術の形式的に。
「あなた! 高校の時はいつもいきの駅で会う! こっちでも会えましたね!」
「あれ~、さっきまで勉強していたはずなんだが……ていうか、よくそんな昔のことまで覚えていましたね。そして、よくこのいまのホームレスっぽい僕見てあの時の僕とわかったものです」
「ああ、あれ、おまえ! おまえもか! すまなかったなあの会社の時散々コキ使ってさ!」
「いえ、社長……」と、内心イラついていった。死んだんだぞって顔で。
「レイア姫に会いにいけよ! すげえいい女!」
「レイア!」
「いや、名前までは知らないんだが、好きな女となんか似ていてさ! そこから名前借りたんだよ!」
日本生まれ、日本育ちのその男性三人は、同じ異世界に転移して、黒魔術と無縁の、愉しい日々をおくっている。
〝令和〟、これで、〝レイア〟だ。
「ああ……レイア……♡」
レイアは、Rカップであーる。
いま部屋で、ひとり、卒アルをながめる男がいる。彼は、レイアに恋して、五十八年目だ。
「レイア!」
いま部屋で、ひとり、会社から帰宅した男が、『レイラ』という歌詞の曲を替え歌で歌っている。彼、五十五歳。『レイラ』という歌詞の曲は、五十五歳が歌ってるだけあって、結構古い。
「結局ビジネスだ。そして、会社につとめてないと駄目だ。俺は、若い頃、ミュージシャンを目指していた。レッド・ツェッペリンリンっていうバンドのジミ・ペイジにあこがれてギターも練習したんだ。だが……ピンク・フロイドンドンのデイヴ・ジルモアが言っていたように、時の流れは残酷で、気づけば、もう五十五歳で、それ以前に俺のデビューシーンは遅れていて、もうおっさんだ。ああチクショウ! ……独身で語る相手もいないんだ! これは独り言なんだ! ……よく自殺しないでいきてるなとか思ったか? ……そうだ……黒魔術の本買おう。ジミ・ペイジは、アレイスター・クローリーのファンだというのもあって、黒魔術本、気になっていたんだ」
名古屋のどこかに呪われた会社がある。その会社は、黒魔術をもとにして、たてられた。よって、呪われた。
岐阜出身の令嬢、令和は、東京大学に進学して、ハーヴァード大学に留学。卒業。そして、オックスフォード大学に入学した。実は、この進学や留学、そして、卒業はすべて、コネによるものだ。でも令和自身はバカというわけではなく、学習態度はよいものだ。だがそれが東京大学に進学できるものだったかは微妙だ。そういった、秘密もあるのだ。
名古屋のビルのどこかにカジノをたてたものがいるようだ。
闇カジノも経営している、その、最終学歴の大学が偏差値約55の男、石黒。777と並ぶ瞬間を夢見ているギャンブラーたちをハメていく。いつかは、この儲けたお金で、令和をゲットしようっておもってる。
ある日の事、777が当てられた。その客を黒魔術で呪い殺そうとしたが、そのミスった黒魔術のせいで異世界転移しちゃったこの男。
一方、その日の晩、無職をし続けて五十五年の男、黒井はいまひとりで勉強をしている。散らかり尽くした、世界の終わりを感じさせるような部屋で。
「ルート7は、ナニムシイナイ――」
数学を勉強中の無職。
途中、寝ボケている。結果、意味のわからない言動と、詠唱をした。……結果、異世界転移。
ブラック企業、帰り。もう朝だ。電車も停車中。疲れ果て、道で倒れた、黒田、冬。真冬。
黒魔術によってたてられたブラック企業に勤務した経歴があるのに、定年退職せずに死ぬと、異世界転移できるようだ、その黒魔術の形式的に。
「あなた! 高校の時はいつもいきの駅で会う! こっちでも会えましたね!」
「あれ~、さっきまで勉強していたはずなんだが……ていうか、よくそんな昔のことまで覚えていましたね。そして、よくこのいまのホームレスっぽい僕見てあの時の僕とわかったものです」
「ああ、あれ、おまえ! おまえもか! すまなかったなあの会社の時散々コキ使ってさ!」
「いえ、社長……」と、内心イラついていった。死んだんだぞって顔で。
「レイア姫に会いにいけよ! すげえいい女!」
「レイア!」
「いや、名前までは知らないんだが、好きな女となんか似ていてさ! そこから名前借りたんだよ!」
日本生まれ、日本育ちのその男性三人は、同じ異世界に転移して、黒魔術と無縁の、愉しい日々をおくっている。
0
お気に入りに追加
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説

廃人だけどモテモテ勇者なオレ参上プラスアルファ
ザノ・夕ナ
恋愛
佐藤宇宙(サトウ・ヒロシ)は空想ではイケメンで無双できる主役になれても現実ではひきこもりでとりえもなく底辺高校中退のニートだった……そんな彼がある日親戚と熱田神宮に参拝をしに行った。嫌煙家のサトウ・ヒロシ。熱田神宮で、タバコをポイ捨てした自分よりも数十歳は年上のロスジェネのちょいワルオヤジに怒ってしまった。喧嘩になって、神宮に格納された宝具の草薙刀を封印からといてしまい、その代償としてサトウ・ヒロシは呪いをかけられ異世界入りした。異世界の価値観は、元いた俗世間とは相反していてサトウ・ヒロシはモテ期に突入!

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。



冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判
七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。
「では開廷いたします」
家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる