廃人だけどモテモテ勇者なオレ参上プラスアルファ

ザノ・夕ナ

文字の大きさ
上 下
34 / 62
妄想彼女の異世界入り

スキー!

しおりを挟む
(ああ、そうだった……ワイ将、ボード上手く滑れる自信がない! ……どうしよう……)
 忘れっぽいワイ将、今更こんなニガテなことを思い出した。ワイ将はここ十数年ずっと滑ってない。まあ、ウケないって意味では滑ってるけど。
 マスター・オブ・ジ・オキナはリュックをせおう。
「よし、出発するとしよう」
「あの、スキーしにいきません?」
「スキー?」
「みんな、急にボード使うのも滑りにくいんでは? と。練習してからとかでは?」
「たしかにそれもあるな。ならいまからいくのはスキー合宿としよう!」
 ワイ将の提案が、実現。
「ここから一番近いスキー場がこの世界で一番大きい」と、ピラドは言った。
「スキー場は魔街と位置が別方向にある」と、マスター・オブ・ジ・オキナは言った。
「確かに、魔街より、スキー場のが愉しそうだ。よい提案をした、スズキ・Y・イッタ様」と、ピラドは言った。
「でしょ? ワイ将が中学の時は、カレー食ったよ、スキー場のバンガローでね。その時、メシの容器倒してしまってこぼしちゃってね、たくさんあふれ出てしまって大騒ぎになった。でも客であるワイ将は責められず済んだ、ああ、何も問題ないさ。今回ならピラフ食いたいね」
「よし、なら向こうの職人にピラフを作らせよう。乃公はケーキを食べようと思う」
「どうも。ああケーキっすか、いいっすね、ワイ将も食べよう」
「うまいぞ、昔は黒いのが好きだったがいまは白いケーキ派だ。でも黒いのもうまい、結局どっちもどっち、時と場合によって変わる」
「ワイ将も黒いケーキ大好きで。誕生日はいつもそれ! って感じで。……昔は純粋な感じだった……」
「昔のワイさん……とてもかわいい!」と、ピラミは言った。
「でも見てないでしょ。……ワイ将はかわいいなんて思ってないよ」
「見なくてもわかります!」
「それはどうも」
 ワイ将たちはピラミッドを出た。
 辺りは砂漠。
 徒歩数時間で街に着いた。大都会だ。
「これからまだ歩くぞ。だが、バスやジェットなどでもいける」
「せっかくだから、歩いていきましょうよ。ワイ将初めてだから、たとえ同じような場所の繰り返しでも、いろいろと見ていきたい。ワイ将は、新鮮さ欲しくて、通学路変えて下校したりした。でも通学路違反で怒られたなぁ」
「通学路違反で怒られる理由がわからない」
「そうですよ、ワイ将もそれいつも謎で。通学路のが、タバコの煙やらといろいろ蔓延していて変だったよ。ああ、タバコがなくなればなぁ……と、いつも思っていた」
「タバコは創作上しか存在しないぞ、こちらだと」
「マジっすか!」
「ああ。よかったな」
「はい! マジで嬉しいっす!」
「魔街でもだ。文献から知っている」
「へぇ!」
「実は、魔街には、旧友が、いるんだ」
「マスター・オブ・ジ・オキナ様の?」
「そうだ。もうだいぶ会っていない。弐拾四歳の時別れてからそれきり」
「どんな方なんですか」
「ユウジイって名前だ」
「魔街ってことは、ヤクザ的ななにか?」
「そういうイメージもあるだろうが、もっと、もっと、先鋭で、裏世界権力者層が存在しているといったところか」
「それは……」
「魔街四天王」
「魔街四天王?」
「その中に、ユウジイが、いる」
「なるほど、相当ヤバい人、と」
「でも、わしはユウジイとは大親友だったから、安心しろ」
「でも旧友なんでしょ?」
「だが、仲は悪いわけではない」
「どちらにしても、マスター・オブ・ジ・オキナはこの世界で影響力ある人なのは確かなんでしょうから、平気か」
「安心しろ」
 ワイ将、ピラフの匂いを感知。
「ピラフ!」
 ワイ将、その匂いを追う。
「どうした」
 マスター・オブ・ジ・オキナ、ワイ将を追ってきた。
「ここピラフ店です!」
「よしならここで昼食とするか」
 ピラフの匂いが漂うその高級レストランに入る。
「あ! お姉さん! お姉さんのピラフ食べたい!」
「はい、わかりました。ですが、私はシェフではないので……別のもののピラフになりますけど……」
「そう! いいんだけど」
「何名様でしょうか……」
「ああ、いっぱいいるけど、マスター・オブ・ジ・オキナ様が知ってるから訊いといて。先席座りたいな、勝手に座るよっ」
「マスター・オブ・ジ・オキナ様っ! 先程の彼はお仲間?」
 女店員はまさかの来客に驚いている、マスター・オブ・ジ・オキナ様の一派に。
「そうだ、彼は乃公の認めた素晴らしい男」
「それはそれは……」
 ワイ将、席座った。階段上がってもっとも奥にあるところ。
 懐かしい。なんか、不登校の立場で行った高校の体験入学の時を思い出した。場所は全然違うが。
 高校の体験入学日、帰り、ファーストフード店入って、食った。レッドホットチリペッパーバーガーを。
 レッドホットチリペッパーバーガー、これ、また食いたくなって、前注文しようとしたらもう販売停止になったっていわれた。あーあ。レッドホットチリペッパーこっちにはそういうのあるのか。
 マスター・オブ・ジ・オキナ様たちがワイ将の座る席周辺に来た。
「よい席を選んだな」
 ワイ将は、ふかふかソファーな席を選んだ。
「レッドホットチリペッパーバーガー食べたいっす」
「それ、乃公も好物だ」
「あるんですね!」
「あるよ、ここでも作らせよう」
 ピラフが運ばれてきた。
 ワイ将、食べた。
「美味しい! こんなうまいピラフはハツモノ!」
「これ、壱拾弐万円だ」
「壱拾弐万! いいんですか! そんなの!」
「いいさ。レッドホットチリペッパーバーガーは八万円のを頼もう」
「ええええぇっ! ワイ将がまえいた世界では八百円もしなかったのに」
 ワイ将、豪遊。たくさん食った。そしてついでに寝た。
 翌日になった。
「よし、なら再出発といくか」
「はい。でもここで朝食を」
「そうだな、ここで食ってから出よう」
「ピラフとレッドホットチリペッパーバーガー!」
 ワイ将、またピラフとレッドホットチリペッパーバーガーを頼んだ。
 数時間後。
「よし、なら再出発といくか」
「でもここで昼食を」
「そうだな、ここで食ってから出よう」
「ピラフとレッドホットチリペッパーバーガー!」
 ワイ将、またピラフとレッドホットチリペッパーバーガーを頼んだ。
 数時間後。
「よし、いくぞぉ」
 街を数時間歩いて、町へ。
 スキー場到着。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! 壮大なふたつの大きな山が!」
「あれ、オッパイ山だ」
「オッパイいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい?」
「そう、オッパイ山。自然豊かな場所で育まれた、オッパイ山」
「ZZZカップ超えっすよね」
「ZZZって、寝てるみたいだな。乃公も、寝てる乃公の女のオッパイ揉むぞ」
「へへへ。そうだ、早速オッパイ山から滑ってやろう」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

黒の神官と夜のお世話役

苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

処理中です...