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妄想彼女の異世界入り
ピラミッドから目指す、あかるい魔街旅行計画
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「マラコちゃん、マラソンは一応一旦終わったし、カメラ回すのやめたら?」
「いいえ、カメラはもうマラソン終了後、自分用でしか使っていませんので、問題ないですし、悪用もする気はないです!」
「ありがとう。でもね、キミ、仕事終わったとしても、帰さないよ。……もっといっぱい、思い出つくんなよ、カメラでとってさぁ……♡」
ワイ将、マラコちゃんを後ろから抱きしめた。
「ああァ……♡! スズキ・Y・イッタさん……♡」
「スズキ・Y・イッタ殿」
「はい、なんでしょう、マスター・オブ・ジ・オキナ」
「魔街、というものを、ごぞんじか」
「魔街。まがまがしい感じですね。さあ、かかわりたくないですね」
「たしかに、魔街は邪なものが溢れているという言い伝えはないわけではない」
「でも、なにか?」
「魔街は、今後発展していくという説もある。後でいうが、実はあるすごい情報が入ってな」
「悪にのっとられるのですか?」
「そうでもない。神たちが、そうはさせん」
「なるほど」
「魔街はここからだいぶ離れた場所にある」
「なら、行かなくてもいいか……な……」
「まあ、そういう見方もあるが、魔街は、ここの地下と繋がっている」
「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええぇっ!」
「だが、厳重に遮ってあるから問題はない。もしも、出たくなった場合は、ロックを外していく」
「ロック」
「そうだ、ロック」
「ロックンロール」
ワイ将、縦に首を振った。ロックなリズムで。
「おお、これは、奇遇だ。サトウ・ヒロシもそういうことをする男でな。だが当然、そのロックとは別の、ロック。通じ合っているのかもだが、別としたほうがいい」
「なるほどな。サトウ・ヒロシはロックンロールの洗礼を受けている、と……。なにが好きなんだろう……。オルタナかな、プログレかな……。なにか、発したメロディーは?」
「デンデデデレ、デ」
「『移民の唄』!」
ワイ将、なんか、クイズ番組で即答した選手みたいだった。曲当ての。解答ボタンはないし、早押しとかはないから厳密にいうと違うが。似て非なるものといったところか。
「そうだ、『移民の唄』だとサトウ・ヒロシもいったらしい。彼がゲリラライヴシーンを見せてからちょっと経って全世界でそれが大ヒット、語り継がれているって聞いた、デマかもだが。彼はその点、音楽界でも大成功した、噂の範囲でなら、少なくとも。乃公たちがサトウ・ヒロシのそういう噂を聞いた感じ、サトウ・ヒロシ自身には自覚はなさそうだがな」
「なるほど、なら母国一緒すね、きっと」
「そうか、もしかして、国歌、か? その、『移民の唄』は?」
「まあそれに近い感じです。レゼプ信者にとってはだけども」
「レゼプ、とは?」
「レッド・ゼップリン、の略。ワイ将流の」
「なるほど。デンデデデレ」
数分後。
ワイ将たちは、汗まみれで疲れた体を洗い流すため、〝ダイイチダイヨクジョウ〟と呼ばれるところに向かった。〝ダイイチダイヨクジョウ〟、略して、〝ダイダイヨクジョウ〟。
ワイ将、早速シャワーを浴びた。
ワイ将、ロン毛洗う。
べつに、冷静に考えなくたって、わかることなのだが、冷静に考えてみると、ワイ将の仲間の女たちより長い場合がある。また比較させてもらおう。
ワイ将、機嫌がよすぎて、なんか逆に冷静じゃなかったんだろう。でもいいこと、ワイ将は全く悪さしてない。
「ああ~♡」
「気持ちいいですか~♡?」
風呂の外からピラミがワイ将に訊いて風呂の質を確認。
「はい、素晴らしい♡!」
「よかった♡」
「あはは♡」
ピラミ、バスローブ姿で登場。まだバスローブ姿のワイ将の頭を洗いに来てくれたようだ。
ワイ将、ダンス。調子に乗って、風呂内でダンス。
風呂内の仕切りの向こうには、ピラドがいる。
「ピラドさん、はい、ケフィアヨーグルト!」
風呂内でケフィアヨーグルトを振る舞うワイ将。ケフィアヨーグルトを投げ飛ばした。
「あんっ♡!」
「入った~♡?」
「ごっくん♡! はいっ!」
「ナイスキャッチング♡」
ワイ将、全方向にケフィアヨーグルトを投げ飛ばして、仕切りの向こうにいる女子たちに振る舞った。腰も振りながら、ダンス。
ダンス! ダンス! アンド! ダンス!
「すご~い♡」
「冷めないうちに食えよ~、ワイ将特製ラーメンも~♡」
「ありがとうございます、スズキ・Y・イッタ様♡」
「ああ、その声は! もしかすると、クレオッパイトランコさんでしたか!」
「そうです、もっとわたくしに、イッタ様のラーメンを」
「へいおまちィッ!」
ワイ将、麺を投げ飛ばす。ワイ将が元いた世界の麺職人もすごい高くまで投げ飛ばしてた、シーエムとかで。
「やったぁ~♡!」
事後。
「魔街旅行計画会議!」と、マスター・オブ・ジ・オキナは言った。
ワイ将たちは魔街旅行計画を立てる。
なぜ魔街旅行計画なのか。宇宙のほうは、どうなったんだ、と。宇宙、これは人名のほうじゃないほうの。
「極秘情報が数時間前に乃公のもとに入っている、漏らすぞ。いま、魔街に、サトウ・ヒロシ、そして、ゴッド=ヤマダ・カズシが率いる、皇族と南方聖堂自由党メイスン騎士団がいるとのことだ」
「それは! ……すごいことになってきた」と、ピラドは言った。
「魔街行き下り坂ボタンを押すと魔街行き通路下り坂となっていく。よって、ボードで滑っていける。帰りもそうできる。帰りもボードで滑って帰ろう」
「いい旅になりそうだな」と、ピラドは言った。
「まだ乃公もサトウ・ヒロシや、ゴッド=ヤマダ・カズシをこの目で見てはいない、魔街だってこの年でも初体験。とても収穫になる旅だと思われる! みんなでよりいい旅にしよう!」
「はい、マスター」と、ワイ将は言った。
「乃公はスズキ・Y・イッタ殿のマスターになるつもりはない。オキナをはじめとした者のマスターである」
「あれ? オキナ様は貴方様でしょ?」
「オキナには階級があり、乃公は、オキナの最高ランクの〝マスター・オブ・ジ・オキナ〟、なのだ。この〝マスター・オブ・ジ〟は、その意味でも、明確に区別してあるオキナなのである、証明でもある」
「なるほど! それでは……はい、マスター・オブ・ジ・オキナ様」
「よろしい! ならば行くぞ!」
「はい、マスター・オブ・ジ・オキナ様」と、ワイ将は言った。
「いいえ、カメラはもうマラソン終了後、自分用でしか使っていませんので、問題ないですし、悪用もする気はないです!」
「ありがとう。でもね、キミ、仕事終わったとしても、帰さないよ。……もっといっぱい、思い出つくんなよ、カメラでとってさぁ……♡」
ワイ将、マラコちゃんを後ろから抱きしめた。
「ああァ……♡! スズキ・Y・イッタさん……♡」
「スズキ・Y・イッタ殿」
「はい、なんでしょう、マスター・オブ・ジ・オキナ」
「魔街、というものを、ごぞんじか」
「魔街。まがまがしい感じですね。さあ、かかわりたくないですね」
「たしかに、魔街は邪なものが溢れているという言い伝えはないわけではない」
「でも、なにか?」
「魔街は、今後発展していくという説もある。後でいうが、実はあるすごい情報が入ってな」
「悪にのっとられるのですか?」
「そうでもない。神たちが、そうはさせん」
「なるほど」
「魔街はここからだいぶ離れた場所にある」
「なら、行かなくてもいいか……な……」
「まあ、そういう見方もあるが、魔街は、ここの地下と繋がっている」
「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええぇっ!」
「だが、厳重に遮ってあるから問題はない。もしも、出たくなった場合は、ロックを外していく」
「ロック」
「そうだ、ロック」
「ロックンロール」
ワイ将、縦に首を振った。ロックなリズムで。
「おお、これは、奇遇だ。サトウ・ヒロシもそういうことをする男でな。だが当然、そのロックとは別の、ロック。通じ合っているのかもだが、別としたほうがいい」
「なるほどな。サトウ・ヒロシはロックンロールの洗礼を受けている、と……。なにが好きなんだろう……。オルタナかな、プログレかな……。なにか、発したメロディーは?」
「デンデデデレ、デ」
「『移民の唄』!」
ワイ将、なんか、クイズ番組で即答した選手みたいだった。曲当ての。解答ボタンはないし、早押しとかはないから厳密にいうと違うが。似て非なるものといったところか。
「そうだ、『移民の唄』だとサトウ・ヒロシもいったらしい。彼がゲリラライヴシーンを見せてからちょっと経って全世界でそれが大ヒット、語り継がれているって聞いた、デマかもだが。彼はその点、音楽界でも大成功した、噂の範囲でなら、少なくとも。乃公たちがサトウ・ヒロシのそういう噂を聞いた感じ、サトウ・ヒロシ自身には自覚はなさそうだがな」
「なるほど、なら母国一緒すね、きっと」
「そうか、もしかして、国歌、か? その、『移民の唄』は?」
「まあそれに近い感じです。レゼプ信者にとってはだけども」
「レゼプ、とは?」
「レッド・ゼップリン、の略。ワイ将流の」
「なるほど。デンデデデレ」
数分後。
ワイ将たちは、汗まみれで疲れた体を洗い流すため、〝ダイイチダイヨクジョウ〟と呼ばれるところに向かった。〝ダイイチダイヨクジョウ〟、略して、〝ダイダイヨクジョウ〟。
ワイ将、早速シャワーを浴びた。
ワイ将、ロン毛洗う。
べつに、冷静に考えなくたって、わかることなのだが、冷静に考えてみると、ワイ将の仲間の女たちより長い場合がある。また比較させてもらおう。
ワイ将、機嫌がよすぎて、なんか逆に冷静じゃなかったんだろう。でもいいこと、ワイ将は全く悪さしてない。
「ああ~♡」
「気持ちいいですか~♡?」
風呂の外からピラミがワイ将に訊いて風呂の質を確認。
「はい、素晴らしい♡!」
「よかった♡」
「あはは♡」
ピラミ、バスローブ姿で登場。まだバスローブ姿のワイ将の頭を洗いに来てくれたようだ。
ワイ将、ダンス。調子に乗って、風呂内でダンス。
風呂内の仕切りの向こうには、ピラドがいる。
「ピラドさん、はい、ケフィアヨーグルト!」
風呂内でケフィアヨーグルトを振る舞うワイ将。ケフィアヨーグルトを投げ飛ばした。
「あんっ♡!」
「入った~♡?」
「ごっくん♡! はいっ!」
「ナイスキャッチング♡」
ワイ将、全方向にケフィアヨーグルトを投げ飛ばして、仕切りの向こうにいる女子たちに振る舞った。腰も振りながら、ダンス。
ダンス! ダンス! アンド! ダンス!
「すご~い♡」
「冷めないうちに食えよ~、ワイ将特製ラーメンも~♡」
「ありがとうございます、スズキ・Y・イッタ様♡」
「ああ、その声は! もしかすると、クレオッパイトランコさんでしたか!」
「そうです、もっとわたくしに、イッタ様のラーメンを」
「へいおまちィッ!」
ワイ将、麺を投げ飛ばす。ワイ将が元いた世界の麺職人もすごい高くまで投げ飛ばしてた、シーエムとかで。
「やったぁ~♡!」
事後。
「魔街旅行計画会議!」と、マスター・オブ・ジ・オキナは言った。
ワイ将たちは魔街旅行計画を立てる。
なぜ魔街旅行計画なのか。宇宙のほうは、どうなったんだ、と。宇宙、これは人名のほうじゃないほうの。
「極秘情報が数時間前に乃公のもとに入っている、漏らすぞ。いま、魔街に、サトウ・ヒロシ、そして、ゴッド=ヤマダ・カズシが率いる、皇族と南方聖堂自由党メイスン騎士団がいるとのことだ」
「それは! ……すごいことになってきた」と、ピラドは言った。
「魔街行き下り坂ボタンを押すと魔街行き通路下り坂となっていく。よって、ボードで滑っていける。帰りもそうできる。帰りもボードで滑って帰ろう」
「いい旅になりそうだな」と、ピラドは言った。
「まだ乃公もサトウ・ヒロシや、ゴッド=ヤマダ・カズシをこの目で見てはいない、魔街だってこの年でも初体験。とても収穫になる旅だと思われる! みんなでよりいい旅にしよう!」
「はい、マスター」と、ワイ将は言った。
「乃公はスズキ・Y・イッタ殿のマスターになるつもりはない。オキナをはじめとした者のマスターである」
「あれ? オキナ様は貴方様でしょ?」
「オキナには階級があり、乃公は、オキナの最高ランクの〝マスター・オブ・ジ・オキナ〟、なのだ。この〝マスター・オブ・ジ〟は、その意味でも、明確に区別してあるオキナなのである、証明でもある」
「なるほど! それでは……はい、マスター・オブ・ジ・オキナ様」
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