廃人だけどモテモテ勇者なオレ参上プラスアルファ

ザノ・夕ナ

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妄想彼女の異世界入り

ナマで出演♂

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「この肉うめえ!」
 ワイ将、ふくよかなふたつの肉の塊うまさに歓喜。爆発するんじゃないかってぐらいパンパンに膨れあがってて、んで、大きなその肉。房のようになっている。
 ふたつでひとつの肉、これは大抵うまい。
「もっと食べてください、ヒー。ワイさん」と、家事・育児担当の少女のピラミは言った。
 ピラミは大きな肉を持っている、それをワイ将にしゃぶらせた。なかば強制的に。
「ヒーワイ?」と、ピラミの横の女はイった。
「〝ヒー〟、これで〝彼〟という意味のつもりでしたが、ワイさんって愛称にしようかなとっ」
「うん! 食べる食べる~! いいね、ワイさんってあだ名!」
 ワイ将、仲間の関係になれたピラミッドの住人たちからは、さっきから〝ワイさん〟で呼ばれている。
「もっと、こっちの肉も♡」
「あ~ん♡」
 ワイ将は持ち前の出っ歯でも肉を噛む。
「ああ♡! ワイさんすごい♡!」
「ここまで食事が様になる男性を見たのはこれで初だ。ヨッ♡! ハツモノ♡!」と、ワイ将とピラミッド内部で最初出会ったピラミッドの住人、ピラドはイった。
 ピラドはピラミの横にいる。ワイ将もピラドの横にいる。
 ワイ将、周りのみんなと早くも仲よし。
「すごい食べっぷりですこと、見ていて興奮しますわ。私はオキナの娘です」
「ああ! これはどうも、初めまして。ワイ将のこの彼女の、クウノそしてクンコ、彼女たちは霊力によって作りだした芸術だよ。クウノはクンコとは血は繋がっていないって設定あるんだけど、名前とか外見が似ているから、主役がクウノとクンコどちらを選べばいいのか、愛を告白されたらどうしたらいいのか、もうどっちもだって感じに狂わす妖艶なある意味での悪魔っ娘さ! クウノは野球少女で、強くてね、体格よくってさ。ワイ将、だから筋トレ日課にしてた、クウノと互角の筋肉はつけたかったから、彼氏として。主役はクウノに追いつこうと必死、もう思春期だなあって感じさせるよ、あのドラマには。まあアニメだが。クンコは野球は主役より下手で、それゆえ主役に食いついてくる、でも、ツンデレ属性に分類される性格だから、なかなか結ばれないんだよねー、実質、野球ではクンコより上でもほかは下ってのがその主役なわけで、ツンデレ抜きでも結ばれは遠いっていう見方もできるんだよな。主役はいわゆるマヌケ、でもなんかメンタルも脆くて、でもきっと作中で誰よりも脳筋野球少年で、主役なんだろうなって感じ。で、途中、急に現れた、他校のジローっていう下半身長いし長身イケメンすご腕の野球少年にボロ負けしてからはアニマルモード突入でね……視聴者はドン引きしてたと思うよ。あれは、クウノもクンコも被害受けてるだろって感じの荒っぽさっていうかさ、自己解釈になっちゃうけど。まあ、クウノもクンコもあそこでもうジローに取られた感もあったけどさ、どうなったんだろうか、でもワイ将は健全だから、そういうのはない、って判断した。だから原作ホントは好めないんだけど、クウノアンドクンコはかわいいからさ、好きなまま。こういうのもホントは妄想者としてなら彼女らの否定でもあり、彼女らがワイ将のリアルの彼女という妄想が崩壊する危険もあるからエヌジーなんだけど、保健体育の神様、スガワラノ・エンシちゃんがそれを阻止してくれているから、クウノもクンコもただのヒト、創作の女ではなくてワイ将の女。ただのヒトっていってもかなりの美人だけど。そして、いまその、クウノ、クンコがワイ将の横に、いるんだよな~♡」
「つまり、真性なスピリチュアルにも愛されている存在が、ワイさん……と……」
「そう」
「素晴らしい……」
「よし、そろそろオキナ様に会おうか? ……スズキ・Y・イッタに改名しようかな、アハハハハハハハハハハハハハハハハ♡」
「オキナ様は内部の上層階あたりにいます。オキナ様は筋トレに熱心な方で、階段を使って毎日参阡階までのぼりおりします」
「参阡! っていうか、何階建てなんですか」
「参阡階です」
「もしかして、ワイ将も、それを……?」
「エレヴェーター、あります。でも……もし、ワイさん、貴方が参阡階のぼってきたら、オキナ様は貴方を大歓迎してくること間違いなし、かな」
「……参阡階は、そんなののぼったことないと思うんだが……でも、やってみよう!」
「頑張って♡! のぼり終えたら私たち女性陣がご褒美あげます♡! お肉も♡!」
「お肉♡! やったぁっ♡! 全員爆乳の子でご褒美お願いします♡!」
「おやすいごよう♡!」
「よーし! のぼるぞー! ……あぁ~♡! 感じちゃうよ♡! のぼってきてる、体液が……勢いよく……体液もたぎってきた的な感じきたよ~♡! ミナギッテキタアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァッ♡!」
 ワイ将、元気いっぱいになって足踏み。
 早速、ピラミッド内部突入を目指した。
「ワイさん頑張って~♡!」
「まかせて!」
 ワイ将、すごいモテてる。しかも綺麗な女の子たちに。でもさすがにワイ将の外見まではかっこいいとはされていないはずだ。なにせ、元いた世界では、かなりからかわれてたからな、いろいろ、と……。
 ワイ将、努力派だ。
 好きで努力したいのではない。
 努力しないと、駄目になってしまうから努力してるってだけ。ようするに凡人です。でもなんでか、こっちでなら、単なる凡人では済まされない気が、するんだ。
 そうだ、水分補給はどうしようか……。
「のどかわいたらいってください、私がミルクを出しますので♡!」
「さすが保健体育の神様!」
「あっ? あれって……カメラマン、もしかしてテレヴィ局かなんかか! ……もしや、ナマ? ……いきなりナマか、恥ずかしいな……もしかして、ワイ将、このマラソン生放送でもされてるのかな?」
 カメラマンの少女がワイ将に接近してきた。
「はい、そうですよ、このすごい建物で長距離マラソンが超特別に実施されるとのことで、ぜひ来てほしいと」
「いいよ、ワイ将のかっこいいとこの見せ場だしな! 一緒に走ろう!」
「はい! 私はマラソン撮影担当の通称マラコ!」
「頑張ろうマラコちゃん!」
「はい♡!」
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