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邂逅から始まった愛・恋・仕事
バトる
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「名前は」
「カオリン」
「カオリン……リンちゃん」
「あはは、リンちゃん、いいね」
「だろ?」
オレのニキビは治っていない。オレは、ずっとニキビが治らないでいる。
でも、ニキビは、こっちでは、モテるんだ。
見た目がすべてではない、そんなことは知っているさ。見た目で苦しんできたオレだからこそ余計にな。
オレが元々いたところで、ニキビは青春のシンボルだって、よく聞いた。
でも、ニキビがオレのコンプレックスだったってのには全く変わりはないことだった。
オレが中三の頃の担任は、オレがノーヘルでチャリンコを乗っていたところをキレてきた。その担任は、少年時代、ニキビが欲しくて悩んでいたんだと。贅沢な悩みだ、いや、それは悩みなのだろうか。倒錯的な教師だ。
オレの父親は、チャリンコのことを、ケッタクルマシーンって呼んでいた。
よくわからない父親だった。こっちではたくさんのチチがいる……オレの周りに。血は繋がっていないから、義理のチチ。いいチチだ……大好きだよ、愛してる。オレは女が好きだ、堂々と言うよ。
やっぱ女ってイイ。甘えたいんだ。
オレはリンちゃんの帽子を吸った。美女の帽子を吸うこの癖、治りそうにない。
でも、リンちゃんは、ヤイバ、サヤ、レイノ、フレンチェ、姫より美人ではない。まあオレが元いた世界のクラスのマドンナって程度? でも大好きなんだ、すげえ甘えたくなる。
昔オレは母親の帽子を吸っていた。先が日に焼けた感じの茶色い帽子だった。
オレは、リンちゃんの帽子に、多量のケフィアヨーグルトをぶっかけた。そしてそれを、ヤイバに舐めさせた。オレは命令しまくっている。オレは、王だ。
オレが今いる国、ザダイヤマトゥ。そこに姫の名前はなんなんだろう。
「ヒロくん、プリマ様と結婚するの?」と、リンちゃんは言った。
「プリマ……?」
「姫」
「プリマっていうんだ。オレは、そういう差別できない。オレは、オレが好きな女と全員結婚したいんだよ」
「ステキ!」
「だろ? キミのさっき言ったステキで思い出したんだけど、ステーキ、食いにいかね? そのあと乱闘パーティーしようよ! 長期戦しよう! 人は傷つけないけどバンバンと撃ちまくってやるよ! そのあと口直しに帽子と栗と栗鼠とアワビその他モロモロで豪遊させてもらうよ」
「いぇ~! ♡」
オレたちは海岸沿いにあるレストランでステーキを食いにいくことにした。夕暮れ。
「佐藤?」
「誰だ?」
オレは、ふりかえった。
「佐藤宇宙だろ、おまえ」
「もしかして……」
元いた世界で外出時、知ってる人と会うと、恥ずかしいなんかあの感覚を思い出した。
オレの今まで見てきた中でもっともイケメンの男は、オレの地元にいた。
不細工が多いと言われている地域、でも、あの男は、絶世のイケメンだ。
何を根拠にして絶世のイケメンだとするのか。もうそれは勘だとしか言いようがない。あの神経質なオレでもな。
そう、オレは神経質。ものすごいこだわりを持っている。なのに、オレの所持している女たちはそのワガママなオレを満足させるほどに美しい。
女なんて嫌いだって、元いたところではよく思ってもいた。が、もうそういうの、ゼロだよ。こっち来たからだろうか、すげえ、もう感覚がまえいたところと違う、まえいたところでは、見るものすべてが鬱陶しいって感じあったしな。
オレは、父母と祖父母にもいじめられていた。
最低な家族だったとオレは思う。でももうそんな糞さもないんだ。でも、オレは、いま、その大嫌いな世界で会ったことのある、男と、対面している。
オレと同じ地元の絶世のイケメン、その名字は、無量井。
「おまえまで髪伸ばしていたんだなぁ」
「ムロイこそ」
無量井は、ふたりの女といる。
「クレイヴ・ソリッシュ……これ、ヲタクのおまえなら、聞いたことぐらいは、あるだろ?」
「知らないけど」
「……なら、カラドボルグ」
「それも知らない」
「俺は、今、そのクレイヴ・ソリッシュとカラドボルグっていう女とつきあっている。これは、すごいことなんだぞ? ……そして、まえいた糞なところから、こちらに転移した。俺は、イケメンだ。もう、この事実は、覆せない。俺は、だからみいられた」
「なるほど、ムロイもオレがヤイバとサヤといるように、女を所持していると」
「この人、変……」と、リンちゃんは言った。
「……俺か?」
元いた世界での絶世のイケメンは、こっちでは、ブサメン、だ。
「勝負だァッ!」
「何をだ?」
「オレは、こっちではムロイよりも強い。さあ、オレの部下になってそのおまえのガールフレンド以上の彼女たちを渡せ。触ったりしたのか?」
「勝ち目がないってことか。確かに、俺は、いま、たくさんの女たちから、気持ち悪いものを見られている目を向けられている……」
「そうだ。こっちでは、おまえの味方はその横にいるふたりの女だけだ。さっさと負けを認めてオレのほうにつくんだ、いいな」
大体、壱百九拾五センチの無量井。まるで、架空の伝説のナイト。オレは、こっちに来てもそのかっこよさは知っている。でも、こっちでは、全くかっこよくない存在の無量井。
「カオリン」
「カオリン……リンちゃん」
「あはは、リンちゃん、いいね」
「だろ?」
オレのニキビは治っていない。オレは、ずっとニキビが治らないでいる。
でも、ニキビは、こっちでは、モテるんだ。
見た目がすべてではない、そんなことは知っているさ。見た目で苦しんできたオレだからこそ余計にな。
オレが元々いたところで、ニキビは青春のシンボルだって、よく聞いた。
でも、ニキビがオレのコンプレックスだったってのには全く変わりはないことだった。
オレが中三の頃の担任は、オレがノーヘルでチャリンコを乗っていたところをキレてきた。その担任は、少年時代、ニキビが欲しくて悩んでいたんだと。贅沢な悩みだ、いや、それは悩みなのだろうか。倒錯的な教師だ。
オレの父親は、チャリンコのことを、ケッタクルマシーンって呼んでいた。
よくわからない父親だった。こっちではたくさんのチチがいる……オレの周りに。血は繋がっていないから、義理のチチ。いいチチだ……大好きだよ、愛してる。オレは女が好きだ、堂々と言うよ。
やっぱ女ってイイ。甘えたいんだ。
オレはリンちゃんの帽子を吸った。美女の帽子を吸うこの癖、治りそうにない。
でも、リンちゃんは、ヤイバ、サヤ、レイノ、フレンチェ、姫より美人ではない。まあオレが元いた世界のクラスのマドンナって程度? でも大好きなんだ、すげえ甘えたくなる。
昔オレは母親の帽子を吸っていた。先が日に焼けた感じの茶色い帽子だった。
オレは、リンちゃんの帽子に、多量のケフィアヨーグルトをぶっかけた。そしてそれを、ヤイバに舐めさせた。オレは命令しまくっている。オレは、王だ。
オレが今いる国、ザダイヤマトゥ。そこに姫の名前はなんなんだろう。
「ヒロくん、プリマ様と結婚するの?」と、リンちゃんは言った。
「プリマ……?」
「姫」
「プリマっていうんだ。オレは、そういう差別できない。オレは、オレが好きな女と全員結婚したいんだよ」
「ステキ!」
「だろ? キミのさっき言ったステキで思い出したんだけど、ステーキ、食いにいかね? そのあと乱闘パーティーしようよ! 長期戦しよう! 人は傷つけないけどバンバンと撃ちまくってやるよ! そのあと口直しに帽子と栗と栗鼠とアワビその他モロモロで豪遊させてもらうよ」
「いぇ~! ♡」
オレたちは海岸沿いにあるレストランでステーキを食いにいくことにした。夕暮れ。
「佐藤?」
「誰だ?」
オレは、ふりかえった。
「佐藤宇宙だろ、おまえ」
「もしかして……」
元いた世界で外出時、知ってる人と会うと、恥ずかしいなんかあの感覚を思い出した。
オレの今まで見てきた中でもっともイケメンの男は、オレの地元にいた。
不細工が多いと言われている地域、でも、あの男は、絶世のイケメンだ。
何を根拠にして絶世のイケメンだとするのか。もうそれは勘だとしか言いようがない。あの神経質なオレでもな。
そう、オレは神経質。ものすごいこだわりを持っている。なのに、オレの所持している女たちはそのワガママなオレを満足させるほどに美しい。
女なんて嫌いだって、元いたところではよく思ってもいた。が、もうそういうの、ゼロだよ。こっち来たからだろうか、すげえ、もう感覚がまえいたところと違う、まえいたところでは、見るものすべてが鬱陶しいって感じあったしな。
オレは、父母と祖父母にもいじめられていた。
最低な家族だったとオレは思う。でももうそんな糞さもないんだ。でも、オレは、いま、その大嫌いな世界で会ったことのある、男と、対面している。
オレと同じ地元の絶世のイケメン、その名字は、無量井。
「おまえまで髪伸ばしていたんだなぁ」
「ムロイこそ」
無量井は、ふたりの女といる。
「クレイヴ・ソリッシュ……これ、ヲタクのおまえなら、聞いたことぐらいは、あるだろ?」
「知らないけど」
「……なら、カラドボルグ」
「それも知らない」
「俺は、今、そのクレイヴ・ソリッシュとカラドボルグっていう女とつきあっている。これは、すごいことなんだぞ? ……そして、まえいた糞なところから、こちらに転移した。俺は、イケメンだ。もう、この事実は、覆せない。俺は、だからみいられた」
「なるほど、ムロイもオレがヤイバとサヤといるように、女を所持していると」
「この人、変……」と、リンちゃんは言った。
「……俺か?」
元いた世界での絶世のイケメンは、こっちでは、ブサメン、だ。
「勝負だァッ!」
「何をだ?」
「オレは、こっちではムロイよりも強い。さあ、オレの部下になってそのおまえのガールフレンド以上の彼女たちを渡せ。触ったりしたのか?」
「勝ち目がないってことか。確かに、俺は、いま、たくさんの女たちから、気持ち悪いものを見られている目を向けられている……」
「そうだ。こっちでは、おまえの味方はその横にいるふたりの女だけだ。さっさと負けを認めてオレのほうにつくんだ、いいな」
大体、壱百九拾五センチの無量井。まるで、架空の伝説のナイト。オレは、こっちに来てもそのかっこよさは知っている。でも、こっちでは、全くかっこよくない存在の無量井。
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