1 / 27
とある日曜日の出来事
しおりを挟む
私は暑い時好になると、毎朝、出勤する時にコンビニで、機械で作る180円のアイスコーヒーを買う。
いつものコンビニに入り、入り口のアイスボックスから氷が入ったカップを取る。
レジまでの数歩の間に、氷って固まっているカップを握り潰し、おサイフケータイでお支払いする。
この一連の流れが、夏の毎朝のルーティン。
「いらっしゃいませ!」
その日は、日曜日ということもあり、入店した時にお客は私1人。
いつものおばちゃんの店員ではなく、高校生くらいの純朴そうな男の子が、商品を陳列しながら元気よく挨拶してくれた。
アイスボックスを開ける。
いつもは、ほぼ満杯入っているんだけれど、ここ最近、初夏並の暑さのせいか残りのカップは3個しかなかった。
アイスボックスの底の方にあるため、手をいつもより突っ込んでカップを取った。
そして、いつものようにカップを握り潰し・・・底の方にあったからか、いつもの握力では潰れなかった。
レジまで数歩。
いつものルーティンを乱したくなかった私は、握力のレベルをMAXに。
「ボッファーーーンっ!」
穏やかな日曜の朝に相応しくない、バイオレンスな音とともに氷の塊が、カップの蓋を突き破り発射された。
私の握力に忠実に正比例した氷の塊は、大きな放物線を描いて宙に舞った。
一瞬、スローモーションになり、純朴な店員と私は、その飛翔体を見つめていた。
そして、その飛翔体は地上に落ち、無残に砕け散った。
純朴そうな店員と私は、この非日常的な出来事に、思わず顔を見合せて笑った。
「す、すいません!固かったもので、つい握りすぎたみたいで!」
恥ずかしさとオモロさで笑いが止まらない。
「こんな人います?いないですか?」
何故か、自分の犯した罪を棚に上げ、他にも同じような人間がいる事によって自分の精神の均衡を保とうとしていた私。
「いない?いる?」
純朴そうな店員は笑っていた。
どうやらいないらしい。
「あ、新しいの持ってきます!」
純朴そうな店員は、満面の爽やかな笑顔で言った。
「いやいや、悪いのは自分やから、2杯分払いますわ。」
「いえ、本当に大丈夫ですから。」
このやり取りを数度繰り返し、店員の頑な返答に甘えた私。
「すんませんね。ありがとう!」
そう言って、アイスコーヒーを入れ、車に乗った。
でも、やっぱり気持ちが落ち着かなかった私は、200円を握りしめ、店内へ。
「いらっしゃいま・・・あ・・・。」
先程と同じく元気よく挨拶をして、途中で私と気付くと、爽やかな笑顔に。
「募金しときま~す!」
「あ、そうして下さい!ありがとうございます!」
いつもと変わらない日常。
しかし、ほんのちょっとしたハプニングで、話しをした事もない二人が、こんなにもお互い笑顔になれるなんて・・・。
改めて、人生って楽しいなと思った出来事だった。
いつものコンビニに入り、入り口のアイスボックスから氷が入ったカップを取る。
レジまでの数歩の間に、氷って固まっているカップを握り潰し、おサイフケータイでお支払いする。
この一連の流れが、夏の毎朝のルーティン。
「いらっしゃいませ!」
その日は、日曜日ということもあり、入店した時にお客は私1人。
いつものおばちゃんの店員ではなく、高校生くらいの純朴そうな男の子が、商品を陳列しながら元気よく挨拶してくれた。
アイスボックスを開ける。
いつもは、ほぼ満杯入っているんだけれど、ここ最近、初夏並の暑さのせいか残りのカップは3個しかなかった。
アイスボックスの底の方にあるため、手をいつもより突っ込んでカップを取った。
そして、いつものようにカップを握り潰し・・・底の方にあったからか、いつもの握力では潰れなかった。
レジまで数歩。
いつものルーティンを乱したくなかった私は、握力のレベルをMAXに。
「ボッファーーーンっ!」
穏やかな日曜の朝に相応しくない、バイオレンスな音とともに氷の塊が、カップの蓋を突き破り発射された。
私の握力に忠実に正比例した氷の塊は、大きな放物線を描いて宙に舞った。
一瞬、スローモーションになり、純朴な店員と私は、その飛翔体を見つめていた。
そして、その飛翔体は地上に落ち、無残に砕け散った。
純朴そうな店員と私は、この非日常的な出来事に、思わず顔を見合せて笑った。
「す、すいません!固かったもので、つい握りすぎたみたいで!」
恥ずかしさとオモロさで笑いが止まらない。
「こんな人います?いないですか?」
何故か、自分の犯した罪を棚に上げ、他にも同じような人間がいる事によって自分の精神の均衡を保とうとしていた私。
「いない?いる?」
純朴そうな店員は笑っていた。
どうやらいないらしい。
「あ、新しいの持ってきます!」
純朴そうな店員は、満面の爽やかな笑顔で言った。
「いやいや、悪いのは自分やから、2杯分払いますわ。」
「いえ、本当に大丈夫ですから。」
このやり取りを数度繰り返し、店員の頑な返答に甘えた私。
「すんませんね。ありがとう!」
そう言って、アイスコーヒーを入れ、車に乗った。
でも、やっぱり気持ちが落ち着かなかった私は、200円を握りしめ、店内へ。
「いらっしゃいま・・・あ・・・。」
先程と同じく元気よく挨拶をして、途中で私と気付くと、爽やかな笑顔に。
「募金しときま~す!」
「あ、そうして下さい!ありがとうございます!」
いつもと変わらない日常。
しかし、ほんのちょっとしたハプニングで、話しをした事もない二人が、こんなにもお互い笑顔になれるなんて・・・。
改めて、人生って楽しいなと思った出来事だった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説

リアル男子高校生の日常
しゅんきち
エッセイ・ノンフィクション
2024年高校に入学するしゅんの毎日の高校生活をのぞいてみるやつ。
ほぼ日記です!短いのもあればたまに長いのもだしてます。
2024年7月現在、軽いうつ状態です。
2024年4月8日からスタートします!
2027年3月31日完結予定です!
たまに、話の最後に写真を載せます。
挿入写真が400枚までですので、400枚を過ぎると、古い投稿の挿入写真から削除します。[話自体は消えません]
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
試験勉強法マニュアル(大学受験・資格試験等)
あさきりゆうた
エッセイ・ノンフィクション
筆者は資格マニアである。
しかし、地頭は悪く、高校生の時は大学受験に失敗して地方国公立大学に入学した。
しかし、筆者が社会人になってから試してみた単語カードを使った勉強方法やそのほかに工夫して行った勉強法や習慣により、試しにうけた資格試験で合格することができた。
筆者はこれまでCAD利用技術者、測量士補、一級土木施工管理技士、第二種電気工事士、火薬取扱保安責任者、コンクリート技士等に合格している。断っておくが、筆者は電気や土木やCADは大学で学んだことはない。独学である。
ちなみに資格取得のおかげで、著者の給与も上がり、こっそり転職サイトに登録した際にも、面接確約のオファーがかなり来たくらいだ。
著者がどうやって資格試験に合格できたかを実際に文にしてみようかと思う。
内容としては、これから資格試験を受ける社会人、そして大学受験を控える高校生にも役立つ勉強方法を掲載していくことにする。
※説明のために実際に売られているものの名前を出すこともありますが、良いところをあげていくというスタンスで説明にしており、また企業から特にお金や物品も貰っておりません。
2023.7.30
久々に執筆して投稿しました。音楽の話、数学の話、電気工事士のお話です。
2023.08.05
今回は化学の勉強方法、立った状態で勉強するメリットを投稿しました。
2023.08.10
内職をする裏技、現代文の勉強法、音声教材の作り方等を投稿しました。
2023.08.11
健康維持方法やゲームをしている方向けの時間確保方法を記載しました。
2023.08.13
新しい話を投稿しました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クルマについてのエトセトラ
詩川貴彦
エッセイ・ノンフィクション
クルマを所有することはとても楽しいことです。でもいろいろなアクシデントにも遭遇します。車歴40年、給料と時間と愛情を注ぎこんできたワシの「クルマについてのエトセトラ」をご覧ください(泣)

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる