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<最強の強揉み男襲来!> <2>
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「お客様、お待たせいたしました。コブシが担当させていただきます。」
まずは足から掌底で押し始めた。
「もっと強くやってくれるか?」
いきなりMAXでやると、こう言われた時に困るので、いつも自分の力の5割、7割、MAXと段階を上げていく。
しかし、このお客様の場合、かなりの強揉みが予想されたので、初っぱなは7割からいっていた。
つぎの1回で満足させないと、残りの時間が地獄になる。
私はMAXの更にMAXで押してみた。
「ちょっと届いたかなって感じやな。」
私の地獄がこの時点で確定した。
「そこをもっと、グィっといってくれるかな?」
お客様のこの言葉が、これから残りの時間、私を苦しめる事になる。
親指ばかりでやると限界なので、肘や掌底で指を休ませたりする。
しかし、そのお客様は肘や掌底を私が使っていると、「それじゃ効かないな。やっぱり指じゃな。」と悪魔の一言。
さらに、腰を親指で押している時も、「そこをもっと、グィっと。」の悪魔の一言。
私は、こういう業界で13年やっているけど、初めてベッドの上のお客様に股がって立ち、押している両手の肘の辺りを両膝で圧迫して押した。
「ペキ、パキ!」
親指からは今まで聞いたことのない音が関節からした。
始まって20分ほどで、私の指は限界だった。
ただ唯一の救いだったのは、そのお客様も自分が特異体質というのがわかっている事だった。
聞けば、どこのマッサージ屋にいっても自分が避けられているのがわかっているそうだ。
お客様自身も、施術者が困っているのを楽しんでいた。
そして、なんとか苦しみながらも、タイマーの残りが20分になった。
私は最後の力を振り絞った。
すると、お客様が上体を起こして私に発した言葉で、さらなる地獄をみることとなった。
「ここ、一番長いコースは何分?」
嫌な予感・・・
「は、はい。ひゃ、ひゃ、180分です。あとは任意で30分の延長がございます。」
や、や、やめてよ・・・
「じゃあ・・・」
お、お願い、神様・・・
「180分に変更してくれるかな?」
やめてーーーっ・・・
「は、はい。分かりました。ありがとうございます・・・。」
タイマーは100分になろうとしていた。
これから、80分・・・
深い井戸に落ちて、一本のロープをよじ登っていて、やっと光が見えてきたところでロープを切られたような感覚・・・。
絶望感しかなかった・・・。
実は、残りの80分の記憶がない・・・。
ただ、覚えているのは、指が痛すぎて、ハイになり、お客様と話していて、私自身の笑い声のボリュームがおかしくなって、全開で笑ったりしていた。
タイマーが179分48秒を過ぎ、残り10秒になったら、まるで年越しのカウントダウンのように心の中で、叫んでいた。
(10、9、8、7・・・)
もう、無心だった。
(3、2、1・・・0・・)
底なし沼のような地獄がようやく終わった・・・。
店内は私とお客様の2人きりだった。
お客様がお帰りになり、休憩室に戻った私。
「コブシさん、ようやった!」
「さすがコブシさん!」
残りのスタッフたちが立ち上がり拍手で迎えてくれた。
まるで、スタンディングオベーションのようだった。
この感覚・・・以前にも感じたことがあった。
そう、ボクサー時代、いい試合をした時、感じた感覚。
どうでもいいけど、あのお客様、3日に一度はマッサージ受ける言うてたけど、変に指名されたら商売できんくなるわ。
まずは足から掌底で押し始めた。
「もっと強くやってくれるか?」
いきなりMAXでやると、こう言われた時に困るので、いつも自分の力の5割、7割、MAXと段階を上げていく。
しかし、このお客様の場合、かなりの強揉みが予想されたので、初っぱなは7割からいっていた。
つぎの1回で満足させないと、残りの時間が地獄になる。
私はMAXの更にMAXで押してみた。
「ちょっと届いたかなって感じやな。」
私の地獄がこの時点で確定した。
「そこをもっと、グィっといってくれるかな?」
お客様のこの言葉が、これから残りの時間、私を苦しめる事になる。
親指ばかりでやると限界なので、肘や掌底で指を休ませたりする。
しかし、そのお客様は肘や掌底を私が使っていると、「それじゃ効かないな。やっぱり指じゃな。」と悪魔の一言。
さらに、腰を親指で押している時も、「そこをもっと、グィっと。」の悪魔の一言。
私は、こういう業界で13年やっているけど、初めてベッドの上のお客様に股がって立ち、押している両手の肘の辺りを両膝で圧迫して押した。
「ペキ、パキ!」
親指からは今まで聞いたことのない音が関節からした。
始まって20分ほどで、私の指は限界だった。
ただ唯一の救いだったのは、そのお客様も自分が特異体質というのがわかっている事だった。
聞けば、どこのマッサージ屋にいっても自分が避けられているのがわかっているそうだ。
お客様自身も、施術者が困っているのを楽しんでいた。
そして、なんとか苦しみながらも、タイマーの残りが20分になった。
私は最後の力を振り絞った。
すると、お客様が上体を起こして私に発した言葉で、さらなる地獄をみることとなった。
「ここ、一番長いコースは何分?」
嫌な予感・・・
「は、はい。ひゃ、ひゃ、180分です。あとは任意で30分の延長がございます。」
や、や、やめてよ・・・
「じゃあ・・・」
お、お願い、神様・・・
「180分に変更してくれるかな?」
やめてーーーっ・・・
「は、はい。分かりました。ありがとうございます・・・。」
タイマーは100分になろうとしていた。
これから、80分・・・
深い井戸に落ちて、一本のロープをよじ登っていて、やっと光が見えてきたところでロープを切られたような感覚・・・。
絶望感しかなかった・・・。
実は、残りの80分の記憶がない・・・。
ただ、覚えているのは、指が痛すぎて、ハイになり、お客様と話していて、私自身の笑い声のボリュームがおかしくなって、全開で笑ったりしていた。
タイマーが179分48秒を過ぎ、残り10秒になったら、まるで年越しのカウントダウンのように心の中で、叫んでいた。
(10、9、8、7・・・)
もう、無心だった。
(3、2、1・・・0・・)
底なし沼のような地獄がようやく終わった・・・。
店内は私とお客様の2人きりだった。
お客様がお帰りになり、休憩室に戻った私。
「コブシさん、ようやった!」
「さすがコブシさん!」
残りのスタッフたちが立ち上がり拍手で迎えてくれた。
まるで、スタンディングオベーションのようだった。
この感覚・・・以前にも感じたことがあった。
そう、ボクサー時代、いい試合をした時、感じた感覚。
どうでもいいけど、あのお客様、3日に一度はマッサージ受ける言うてたけど、変に指名されたら商売できんくなるわ。
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