178 / 219
4章 文化祭
※ 類くん、双葉くん、受験頑張ってね♪
しおりを挟む※紘夢side
俺と怜ちんと空くんで店番をしながら楽しく話をしていた。
店の方は大繁盛で、野菜もおもちゃも午前中にはほとんどなくなった。追加で用意しておくべきだったなと反省。でも残っちゃうよりはいいよね?
たまに来るお客さんに対応しながら俺達は雑談を楽しんでいた。
「でもさ、貴ちゃんにファンが出来ても貴ちゃんは何とも思わなそうだよね。むしろうぜぇとか言いそう」
「いや、宿題やらせたり舎弟にすると思いますよ」
「舎弟ってウケる!」
もし貴ちゃんにファンが出来たとしたら俺が管理しようと思ってるんだ。
何でも有りのいーくんファンみたいにはさせたくないからね。
立派に貴ちゃんを守る騎士に育て上げるつもりでいるよ。
「あのー、詰め放題やってるのってここですかー?」
「あ、はーい♪もう少ないけど、まだやってますよ~」
お客さんが来たから椅子から立って接客モードに入る。
これまた派手なの来たな。
青い髪色の背の高い若い男。大きな目と、口元に付けてるピアスが印象的だった。
「Switchあるって聞いたんですけどー」
「あ、もうSwitchは終わっちゃったんですー。でもおもちゃは小学生以下が対象だったんで、残ってたとしてもお兄さんはダメですよ」
「え、そうなのー?残念~」
「類ー、Switch見付けた?」
この青髪男の友達か、もう一人の男が合流した。こっちは茶髪で、焼いてるのか褐色肌で、切れ長の綺麗な目。なかなかの色男だった。
二人共背が高くてとても目立っている。
「もう無いって~。てか俺ら年齢的にアウトだったらしい」
「そりゃ残念。でもここなんだ?類が来たがってた店」
「そうそう。凛子さんがボランティア部って言ってた」
青髪の方から貴ちゃんママの名前が出て驚いた。えー、貴ちゃんママの知り合い?どういう関係なんだろー?
「あのー、貴ちゃんママの友達ですかー?」
「え、友達って言うか、俺のお母さんが友達なんです」
そう言う事か。
あれ?て事はこの人達って俺達と歳変わらないのか?とても大人っぽく見えるけど、凛子さんは貴ちゃんを若い時に産んでるから、同じぐらいか、それより下?
「あのー、貴哉ってボランティア部ですよね?」
「そうですよー♪貴ちゃんの知り合い?」
「子供の頃に遊んでたんです♪貴哉に会いに来たんだけど、探しても見つからなくて、あと伊織さん♪」
「いーくんの事も知ってるんですかー??」
「はい♪めちゃくちゃかっこいいですよねー♪あと、俺ら中三です。敬語じゃなくていいですよ~」
「中三ー!?」
「すごーい!大人っぽーい!」
「最近の若い子は大人っぽいですねー!」
俺が少し大きな声を出すと、後ろに座っていた空くんと怜ちんも会話を聞いていたようでそれぞれ俺の隣に並んで入って来た。
こりゃ驚いた。この二人の見た目は葵くんや詩音さんみたいにかなり大人びていたんだ。
まさか年下だったとは!
てか貴ちゃんにこんな知り合いがいたなんて~。いーくんの事も知ってるみたいだし、結構仲良いのかな?
「あはは、ありがとうございまーす♪俺、石原類って言います。そんでこっちが親友の浅野双葉。俺達、城山受験するんでよろしくです先輩~♪」
「…………」
青髪の石原類って言う子が明るく言うと、隣で茶髪褐色肌の浅野双葉って言う子はふいっと顔を背けた。
これまた凄いの入って来そうだな~。
「なぁ類、キモいから親友言うな」
「じゃあ相棒~?」
「そっちのがしっくり来る」
「何でもいいじゃんもう」
二人でそんな会話をしている中三ペア。
俺はもっと貴ちゃんとの関係を知りたかったけど、ここには空くんもいるし、無難に対応しておく事にした。今は様子見だね。
「類くん、双葉くん、受験頑張ってね♪」
「あざーっす♪あ、貴哉どこにいるか分かります?」
「貴哉なら今体育館にいるよ」
「まじ?双葉、行ってみようぜ~」
「おう」
「ありがとうございます先輩♪じゃまた~」
類くんは終始笑顔で明るかった。双葉くんは落ち着いてる感じ?あまり喋らなかったからどんな子かは良く分からなかったな。
空くんが教えてあげると、二人はすぐそこにある体育館の入口に入って行った。
時間的にはもう演劇部は始まってると思うけど、あの二人気になるなー。
貴ちゃんの知り合いってのがデカいけど、何かあるような気がするんだ。
貴ちゃん絡みで何も無いなんてないからね~。
10
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる