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4章 文化祭

※ 類くん、双葉くん、受験頑張ってね♪

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 ※紘夢side

 俺と怜ちんと空くんで店番をしながら楽しく話をしていた。
 店の方は大繁盛で、野菜もおもちゃも午前中にはほとんどなくなった。追加で用意しておくべきだったなと反省。でも残っちゃうよりはいいよね?

 たまに来るお客さんに対応しながら俺達は雑談を楽しんでいた。
 

「でもさ、貴ちゃんにファンが出来ても貴ちゃんは何とも思わなそうだよね。むしろうぜぇとか言いそう」

「いや、宿題やらせたり舎弟にすると思いますよ」

「舎弟ってウケる!」


 もし貴ちゃんにファンが出来たとしたら俺が管理しようと思ってるんだ。
 何でも有りのいーくんファンみたいにはさせたくないからね。
 立派に貴ちゃんを守る騎士に育て上げるつもりでいるよ。


「あのー、詰め放題やってるのってここですかー?」

「あ、はーい♪もう少ないけど、まだやってますよ~」


 お客さんが来たから椅子から立って接客モードに入る。
 これまた派手なの来たな。
 青い髪色の背の高い若い男。大きな目と、口元に付けてるピアスが印象的だった。
 

「Switchあるって聞いたんですけどー」

「あ、もうSwitchは終わっちゃったんですー。でもおもちゃは小学生以下が対象だったんで、残ってたとしてもお兄さんはダメですよ」

「え、そうなのー?残念~」

「類ー、Switch見付けた?」


 この青髪男の友達か、もう一人の男が合流した。こっちは茶髪で、焼いてるのか褐色肌で、切れ長の綺麗な目。なかなかの色男だった。
 二人共背が高くてとても目立っている。


「もう無いって~。てか俺ら年齢的にアウトだったらしい」

「そりゃ残念。でもここなんだ?類が来たがってた店」

「そうそう。凛子さんがボランティア部って言ってた」


 青髪の方から貴ちゃんママの名前が出て驚いた。えー、貴ちゃんママの知り合い?どういう関係なんだろー?


「あのー、貴ちゃんママの友達ですかー?」

「え、友達って言うか、俺のお母さんが友達なんです」


 そう言う事か。
 あれ?て事はこの人達って俺達と歳変わらないのか?とても大人っぽく見えるけど、凛子さんは貴ちゃんを若い時に産んでるから、同じぐらいか、それより下?


「あのー、貴哉ってボランティア部ですよね?」

「そうですよー♪貴ちゃんの知り合い?」

「子供の頃に遊んでたんです♪貴哉に会いに来たんだけど、探しても見つからなくて、あと伊織さん♪」

「いーくんの事も知ってるんですかー??」

「はい♪めちゃくちゃかっこいいですよねー♪あと、俺ら中三です。敬語じゃなくていいですよ~」

「中三ー!?」

「すごーい!大人っぽーい!」

「最近の若い子は大人っぽいですねー!」


 俺が少し大きな声を出すと、後ろに座っていた空くんと怜ちんも会話を聞いていたようでそれぞれ俺の隣に並んで入って来た。

 こりゃ驚いた。この二人の見た目は葵くんや詩音さんみたいにかなり大人びていたんだ。
 まさか年下だったとは!
 てか貴ちゃんにこんな知り合いがいたなんて~。いーくんの事も知ってるみたいだし、結構仲良いのかな?


「あはは、ありがとうございまーす♪俺、石原類って言います。そんでこっちが親友の浅野双葉あさのふたば。俺達、城山受験するんでよろしくです先輩~♪」

「…………」


 青髪の石原類って言う子が明るく言うと、隣で茶髪褐色肌の浅野双葉って言う子はふいっと顔を背けた。
 これまた凄いの入って来そうだな~。


「なぁ類、キモいから親友言うな」

「じゃあ相棒~?」

「そっちのがしっくり来る」

「何でもいいじゃんもう」


 二人でそんな会話をしている中三ペア。
 俺はもっと貴ちゃんとの関係を知りたかったけど、ここには空くんもいるし、無難に対応しておく事にした。今は様子見だね。


「類くん、双葉くん、受験頑張ってね♪」

「あざーっす♪あ、貴哉どこにいるか分かります?」

「貴哉なら今体育館にいるよ」

「まじ?双葉、行ってみようぜ~」

「おう」

「ありがとうございます先輩♪じゃまた~」


 類くんは終始笑顔で明るかった。双葉くんは落ち着いてる感じ?あまり喋らなかったからどんな子かは良く分からなかったな。
 空くんが教えてあげると、二人はすぐそこにある体育館の入口に入って行った。

 時間的にはもう演劇部は始まってると思うけど、あの二人気になるなー。
 貴ちゃんの知り合いってのがデカいけど、何かあるような気がするんだ。

 貴ちゃん絡みで何も無いなんてないからね~。


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