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3章 文化祭まで一週間

よーし!俺らも食うぞー!

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 何だかんだ時間は20時近くなっていた。
 遅くなったけど、みんなで協力して何とか夕飯が食卓に並んだ。
 ホカホカご飯と空特製の肉じゃが~♪
 と、それだけだと寂しいって言うんで、桃山が即興である物で他にもおかずを作っていた。
 でもメインは肉じゃがだ!なんてったってあの空が作ったんだからな!
 予定より大人数になっちまったけど、みんな席に着いていただきますだ!


「凄く良い匂い~♪空くん、食べていいー?」

「どうぞ!お口に合えばいいんですけど」


 まずは主人の紘夢から。それはみんな分かっていたみたいで、紘夢が食べるまでは大人しく待っている。俺もだけど、さっさと食ってくんねぇかな!?腹減り過ぎてやべーんだわ!


「それじゃいただきまーす♡」


 紘夢が自分の分の皿から箸で美味しそうな茶色に染まったジャガイモを取って口に入れる。見てるだけで涎が出るぜ!
 そして左手で頬を触ってニッコリ笑った。


「凄く美味しい~♡とっても柔らかくて味が染み込んでて、俺好み~♡空くんこんなに美味しいご飯作ってくれてありがとう♡」

「本当ですかぁ?良かったぁ……でも途中から桃さんに味付けとか手伝って貰ったんですよ。次は一人で出来るように頑張りますっ」


 紘夢の高評価に安心したのか、隣に座ってた空は肩の力を抜いてホッとしていた。
 

「よーし!俺らも食うぞー!」

「よっしゃー!いっぱい食うぞー!」


 俺とトモの掛け声と共にみんなそれぞれいただきますをして食べ始めた。
 俺はまずは肉じゃがの肉を食ってみた。
 おっ!思ったよりイケるじゃん!てか紘夢が言うように味が染み込んでてめちゃくちゃ美味いぞ!
 

「空!美味いぞ♪母ちゃんが作る肉じゃがより美味い!」

「貴哉ぁ♡」

「まぁ初めてにしては良くやったんじゃん?」

「桐原、素直に認めたらどうだ?とても美味しく出来ているぞ早川」

「桐原さん、茜さん、ありがとうございます!」

「料理ってのは心が大事なんだ。心がこもってれば大抵の物は旨くなる♪」


 手伝ったと言う桃山がクールに言うと、少し離れた所に座ってる七海と犬飼が引いた目で見ていた。


「桃山が珍しくかっこいい事言ってる~」

「てか桃山って何気に何でもこなすよな。マジなんなん?」

「俺超人♡」


 そして盛り盛り食ってたトモが立ち上がって茶碗を持ってキッチンへ行こうとしていたから、俺は呼び止めた。


「あ、トモおかわりすんの?なら俺のも持って来て~」

「おういいぜ~」

「あ、俺も~」

「俺の分も~」


 俺が頼むと次々とおかわりが増えて行った。
 これにはトモはどうしたらいいか分からないと言ったようにキョロキョロして焦っていた。
 それを見た雉岡も立ち上がり、みんなの茶碗を回収して行った。


「あー、はいはい。トモ手伝うからパニクらなーい」

「吉乃気が効く~♡」

「ご馳走食べさせてもらってるし、雑用ぐらいならね。トモ、トレイ使えば一気に運べるから」

「あ!そっか!さすが吉乃だな!」

「普通使うだろ?」


 トモと雉岡のやり取りにみんなが笑った。
 そして夕飯を食う前に二人で二階から降りて来た茜と卯月。
 どうやらちゃんと話し合えたみてぇだな。隣同士で座って笑い合いながら食ってた。
 多分みんな気になったと思うけど、誰も触れようとせずにみんなで空が作った肉じゃがを食べながら楽しく過ごしていた。

 そうだ。こういう時は楽しまなきゃな!
 美味い飯に、楽しい奴ら。みんないろいろあるけど、最後にはこうして笑い合って過ごせてるんだから凄えわ。

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