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2章 文化祭までのいろいろ

めちゃくちゃ楽しいよ♪だって二人が隣にいるんだもん♪

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 トランプは片付けられて時間も日付が変わろうとしていた。そろそろお開きになる事になった。


「それじゃあみんな寝ようか~♪おやすみなさーい」


 紘夢と戸塚となっちはそれぞれ好きな場所の布団に入り大人しくなった。
 俺も布団に入ると、当たり前かのように伊織が同じ布団に入って来た。


「せっかくだから一人一つ使おうぜ?この布団めちゃくちゃフワフワで気持ちいいぞ」

「貴哉と寝たい♡」


 ギューっと抱き付いて来る伊織を隣の布団にいた空が見ていて言った。


「桐原さん、ここ一条さんちっての忘れないでくださいよ?みんないるんですから変な気起こさないように」

「一緒に寝るだけだろ。てか布団なら山ほど敷いてあるんだからお前ももっと離れた所の使えよ」

「俺も貴哉の隣で寝たいんでここにします♪」


 空は伊織に笑顔で言って、手だけを俺の布団に入れて来た。そして俺の手を見付けてギュッとされた。


「空……なぁ、お前も来いよ♪」

「は?」

「三人でくっ付いて寝ようぜ♪」


 俺は空の握られた手を引っ張って同じ布団に入れる。すると空は照れたように笑った。


「貴哉♡」

「はぁ?何勝手に決めてんだ」

「何だよ伊織ー?嫌なのか?」

「……勝手にしろ。ただし、貴哉を抱き締めて寝れるのは俺だからな」

「そんじゃ俺は空をギューってするー♪」


 両腕を空に伸ばして更に引き寄せる伊織がいるから上半身だけになっちゃうけど、空とも少しくっ付く事が出来た。
 男三人で一つの布団はめちゃくちゃ狭かったけど、何だか楽しかった。
 そんな俺を見た空はクスクス笑っていた。


「貴哉楽しそうだな」

「めちゃくちゃ楽しいよ♪だって二人が隣にいるんだもん♪」


 俺がそう言うと、二人は目を見合わせてどちらともなく笑っていた。


「はぁ、貴哉がそう言うなら仕方ねぇなぁ♪」

「き、桐原さん!?」


 伊織がそう言って俺ごと空まで腕を伸ばして引き寄せた。これによって俺の後ろには伊織、前には空が、ピッタリくっ付く事になった。
 うわぁ!なんか凄え事になったぞ!


「今日は特別だ。早川もこのまま寝ていいぞ~」

「やったな空♪」

「やったなって……あの、桐原さん。お願いがあるんですけど?」


 空は俺の向こうにいる伊織を見て言った。今の伊織なら多少のお願いは聞いてくれそうだもんな!


「おう、何だ?言ってみ」

「俺、貴哉とセックスしたいです」

「あ?」


 俺の耳元で伊織の低い声がして、俺はビクッとしてしまった。空さん、いきなりなんつー事言ってんの!?それはさすがに怒るでしょーよ!


「ダメなのは分かってます。だから、桐原さんも一緒にまた3Pしませんか?」

「……お前」

「そ、空!」


 怒らせるのを覚悟したのか、強気な笑顔で、でも少し不安げな顔で空は言った。
 とうとう言いやがった。それなら空も堂々と俺に触れるだろう作戦だ!全く計画なんか立ててなかったけど、俺と空で密かに話していた事だから、俺は内心冷や冷やしていた。
 だって、伊織がそんな事許す訳ないって思ってるからだ。


「前に桐原さんに挑発されてまんまと乗ってしちゃった事があったでしょ?それのリベンジさせて下さいよ。あの時の借り返さなきゃって思ってたんです♪」

「あー……で、貴哉はどう思ってんだ?」

「へ!?俺ですか!?」

「俺はどっちでもいい。貴哉がしたいならするし、したくないなら断る。どんな状況でも俺が一番お前を愛してるって自信があるからな♡」

「ズルい人だ……貴哉、やるよな!?」

「一旦落ち着け二人共!やるとしても今じゃねぇよな!?」

「今すぐだ!」
「今だ♡」


 二人の声が同時に重なった。
 二人共正気かぁ?そりゃ少しは興味ある。前にやった時気持ち良かったし?でも、あれは立派な黒歴史だ。茜と桃山に知られた時の反応見たら良くねぇ事だろ?
 それに何より、ここは紘夢んちだ。人様の家でそんな事出来る訳ねぇだろ!


「馬鹿かお前ら!三人が寝てる横でんな事してみろ!バレたらどうする!?また変な噂が広がって俺は今度こそ退学だ!そうなってもいいのかよ!?」

「貴哉がそんな事気にしてるのか?意外だな」

「ここにいる人達ならベラベラ喋る人はいないから大丈夫だろ」

「いや、那智は歩く爆弾だから危ないかもな」

「歩く爆弾?確かに良い悪い関係無しに人に話しそうなところはありますね」


 二人は真面目に何かを相談していた。すっかりヤル気でいやがるな!冗談じゃない!誰かがいる所でなんかヤレるか!
 俺は二人から逃げようと布団から出ようとするが、すぐに伊織にガッチリ抱き抱えられて止められる。むしろ俺の寝巻きの中に手を突っ込んで来て直接肌に触れて来やがった。


「逃げんなよ貴哉♡逃げられると追いたくなるだろ♡」

「今回は俺が邪魔者役ですけど、こっちはこっちで守りじゃないから気が楽ですね♡ただ攻めるのみ♡」


 空は空で俺の下半身を自分に引き寄せて密着して来やがる!
 どうする俺!?こうなったらガキみてぇに泣くか!?
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