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4章 空のバースデーパーティー
※ 向こうが仲良くしてくれるなら大歓迎ですよ
しおりを挟む※空side
香山さんと怜ちんに祝福されながら談笑をしてると、貴哉が周りをキョロキョロ見たりそわそわしてるのに気付く。
もしかしたら桐原さんを探してるのかな?
やっぱり気になるよな。
そして話題は貴哉と桐原さんの話になった。
この事は香山さんと怜ちんは知っていたようだけど、桃さんは知らなかったみたいだ。
「なるほどな~。そういう事だったのか。いーくんから引いてったんだ~」
「いーくんは待たせてるって言ってたよ?別れてないって言ってたけど、貴ちゃんはもういーくんじゃなくて空くんの事が好きなの?」
怜ちんてば何てストレートに聞くんだ!
俺も聞きたい事だけどぉ!でも今は貴哉の機嫌が悪くなるかも知れないから気まずいんだ。
話を振られた貴哉は特に表情を変える事なく、普通に答えだした。
「どっちも好きだぜ?今は空といるのが一番なんだよ。なぁ?空~♪」
「うん♪最近ずっと一緒だもんな」
良かった。機嫌は悪いどころか良さそうだ。
ここに桐原さんがいたら分からないけど、貴哉は思ったよりも気にしてないのかな?
「てかいーくんは?別行動してんの?」
「今日はたーくんの荷解き手伝うから遅れるらしいんだ。あ、たーくんはいーくんのお兄ちゃんね?離れて暮らしてたんだけど、どうやら帰って来る事になったらしいんだよね♪」
「たーくんにいーくん……何か可愛い~♪」
「竜兄っておかねぇんだぜ?顔はいーくんそっくりなんだけど、俺らを見ると睨んで来るんだ!」
「それは小学校の頃の話でしょ?俺、最近たーくんに会ったけど、普通だったよ?」
怜ちんは詳しく知ってそうだな。
俺も桐原さんの事は貴哉から聞いたり、本人からお兄さんがいるって事ぐらいしか聞いてないから知らないけど。
「ねぇ、空くん」
「何ですか?」
桐原さんの話で盛り上がる中、怜ちんがコソコソっと俺だけに声を掛けて来た。
「いーくんがね、空くんに貴ちゃんを預けたって言ってたんだ。預けるなんて言い方、いーくんらしいよね」
「俺も言われました。貴哉の事任せたって。言われなくてもやりますよーって感じですけど」
「何だかんだでいーくんは空くんの事を認めてるんだと思う」
「そうですか?俺が相手ならすぐに取り返せるとでも思ってそうですけど」
「ううん。いーくんはふざけて大切なものを誰かに預けたりしないよ。絶対に手離さずに守り続けるよ。でもそれが出来なくなったから、貴ちゃんにとってベストな人を選んだんだと思う」
「…………」
「貴ちゃんも空くんも信頼し合って、お互いに良い存在なんだって分かってるんだよ」
「そうだといいですけど」
「ふふ♪俺はいーくんと空くんが仲良くなってくれたらいいなぁって思ってるよ」
「はは、向こうが仲良くしてくれるなら大歓迎ですよ」
実際に、貴哉抜きでなら桐原さんは良い先輩だと思う。何でも出来て頼りになるし、ふとした時に気に掛けてくれるし、周りからの信頼も厚い。
俺も桐原さんからは嫌われてはいないって分かるけど、仲良くしてくれるかは分からない。
「おーい、二人共~何か始まるらしいぞ~」
俺と怜ちんが二人で話していると、香山さんが声を掛けてくれた。
どうやら何かのゲームが始まるらしい。一条さんがマイクで話してる声が聞こえて来た。
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てか袴姿でやるつもりか?
「待ってました~♪なっち行こうぜ!」
「ドッヂボールとか懐かしいな~!よし!秋山!二人で組んで優勝すっぞ♪」
「二人とドッヂボール出来るとか楽しそ~♪俺も行く~」
貴哉と香山さんと桃さん。なんか凄い事になりそうだな。
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