【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ 5thのその後

pino

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4章 空のバースデーパーティー

※ 貴哉~♪こっち見て~♪

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 ※空side

 完全した髪型に俺は大満足♪
 短くしちゃったからアレンジの幅が狭くなったと思ってたけど、やっぱりプロは違う。
 髪全体をコテで緩く巻いてフワッとさせて、前髪はセンターで分けて、いつもより大人っぽく仕上がった。すっごく楽しい~♪


「良い髪質してますねー♪とてもやりやすかったですよ」

「ありがとうございまーす♪俺、髪アレンジするの好きなんですよね~」

「メッシュも似合ってて良い感じですね。あともう一人いるって聞いたんですけど、まだですかね?」

「あ、今着替えてると思います。ちょっと見て来ます!」


 きっと貴哉の事だ。
 嫌がってたけど、着てくれたかなぁ?



 俺はルンルン気分で再び隣の部屋に戻る。
 と、そこにはジャケットを脱いでワイシャツの腕を捲り上げて髪と息を乱した一条さんと、窓に向かって仁王立ちしてる貴哉がいた。貴哉の衣装は私服から袴姿に変わっていた。
 あ、ちゃんと着たんだ~。


「貴哉~♪こっち見て~♪」


 俺が呼び掛けると、貴哉はクルッと振り返り、袴姿を見せてくれた。
 うわぁ!凄く似合う!
 着物は濃い青をベースに、下の袴は黒地に金の模様が入っていた。そして立派な真っ青な羽織り。貴哉、めちゃくちゃかっこいいじゃん!


「ど、どうだ?」


 俺と目が合うと、不安気に聞いて来る貴哉。
 思ってたより不貞腐れてなくて、俺は近寄って袴を見ながら答えた。


「すっごく似合ってるよ~♡ちょーかっこいい♡」

「そうか?なんかよ~、着てみたらこういうのも悪くねぇなって♪特にコレ!かっこよくね!?」


 貴哉が羽織りに入ってる「秋」と言う家紋を指差して嬉しそうに言った。
 気に入ったのそこ!?可愛いくて笑いそうになったけど、何か機嫌良さそうだから必死で堪えた。


「うん!かっこいいな♪いいな~、貴哉も袴なら俺も着たかったな~」

「空くんは白のタキシードって決めてたからまた今度ね。ほら二人共急いで!お客様来ちゃうよ~」

「よーし!みんなに自慢すっぞ!」

「その前に貴ちゃんは髪やってもらって。空くんは俺と下に行こう。さっき的羽から連絡あってもう来てる人いるから」

「はーい」


 貴哉は一人でヘアスタイリストさんがいる部屋へ。俺は一条さんと一階に降りる事にした。
 まさか自分がこんなに素敵な格好してパーティーに参加出来るなんて、こんな事経験出来ないから緊張もするけど、俺は楽しい気持ちだった。
 
 階段を降りて行くと、受付の所に人集りが出来ていて、驚いてしまった。
 嘘……あんなにたくさん!?
 あ、茜さんと桃さんだ!それに、直登と数馬達もいる。他にもちらほら同じクラスの奴らもいた。あと、俺の知らない人達も。


「あ、一条に早川!二人共凄い格好だな」


 俺と一条さんに気付いた茜さんが、目を輝かせていた。
 ほとんどの人は私服姿だった。


「茜ちゃんに桃いらっしゃーい♪なんてったって空くんは今日の主役だからね~♪さぁみんな!広間へ集まって~!」


 一条さんの声にみんなぞろぞろと広間へ入って行く。
 その間にもまだ家の中に入って来る人達がいた。

 俺は一気に緊張が増して、ずっと一条さんの後ろを付いて歩いていた。


「ふふ♪空くん緊張してるのー?」

「だって、こんなにたくさん来るなんて思ってなかったんですもん!」

「来るでしょ。だって俺が計画したんだよ?」


 不敵に笑う一条さんを、俺は改めて凄い人だなと思った。いや、こんな事一条さんじゃなきゃ出来ないだろ。何と言っても資金力が高校生のレベルを遥かに超えている。今の一条さんは家と繋がりが無いと言うから、どこまでお金持ちなのかは分からないけど、下手したら並の大人よりお金持ちだ。
 そして、そんな一条さんは一度失敗しているんだ。だから本人も言ってるけど、金はあっても人脈は無いらしい。それなのにここまで人を集める事が出来るんだから驚いた。


「さてと、パーティーの始まりだ♪ステージで挨拶しよう♪」

「はいっ!」


 もう俺のバースデーパーティーだとは思えない程の規模になっていたけど、俺は一条さんの後を追って広間にあるステージの上に立つ。
 すると、既に集まっていた人達が注目し始めた。

 
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