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一章
8.死と隣り合わせ
しおりを挟む風呂から上がってレオの髪をドライヤーで乾かしてやると、フワフワに仕上がった。さすがアキトのトリートメントだ。
そしてそのまま俺の部屋のベッドにダイブしてた。
俺も髪を乾かして寝る準備をする。
俺の寝床は床だ。床に布団を敷いて寝ている。俺の部屋にあるベッドは普段はアースが使っている。
いつもならアースが布団を準備してくれるけど今日は自分でやらなきゃいけないから少し面倒だった。
「へ?まさかそっちで寝るのか!?」
「そうだよ。ベッドは嫌いなんだ」
「相変わらずだなぁ。んじゃ俺もそっち行く♪」
「空いてんだからベッド使えよ。アースが毎日シーツ変えてるから綺麗だぞ」
そもそもアース達、人造人間は汗をかかない。だからシーツが汚れるなんて事は無い。だけど、アースは毎日変えていた。そう言う人間っぽい所が俺は好きだった。
もちろん俺の布団も毎日変えて、クリーニングに出してくれてる。
「アキトが寝る時も一緒って言ってたもーん♡」
「なぁ、それさ、変だと思わねぇ?」
「何が?ご褒美が?」
「レオが俺に懐くのにやきもち焼く癖に、アキトがそんな事を言い出したのがだよ」
「でも最近は結構許してくれてるぜ?俺、ウルと一緒の事増えたから嬉しいもん♪」
「そこなんだよ。最近になって俺とレオをペアにしようとしてんだ」
「だから~!俺達が仲良いの認めてくれたんだって~♪」
お気楽能天気のレオに言っても無駄か。
こういう時アースかウィルがいたらまともに会話出来たのにな。
もうこの会話は諦めて敷いた布団に包まり寝ようと思った。今の所、今回脳をいじられて後遺症や副作用は出ていない。眠っていてそのまま目が覚めないなんてのも聞いた事があるから、俺に次の目覚めが来るのかと言ったら絶対大丈夫とは言えないけど、俺は気にせずに目を閉じる。
何年もそんな生活してたら慣れても来るもんだ。
レオも俺の布団に入って隣にピッタリくっ付いて来た。暖かいなぁ。
「なぁ、レオ」
「んー?」
「さっきの斧男さ、超人かな?」
ふと気になってた事を口にすると、レオがピクッと反応した。
しまった。レオは斧男にウィルを壊されてたんだ。
今は話すべきじゃなかったか。
レオは俺をギューっと抱き締めて答えた。
「さぁ……少なくとも普通の人間ならもう死んでるよな」
「レオ、ごめん」
「何でウルが謝るんだ?」
「だって、ウィルが」
「ウィルなら大丈夫だろ!あのアキトが直してくれる!でもウルが壊れたら直せねぇからな。もっと自分を大事にしてくれよな」
「それはお前だろ」
「俺、ウルみたいに暴走した事ないもーん」
レオが笑ってた。良かった。思ったよりも大丈夫そうだな。
確かに、俺自身戦った時の記憶が残ってるのなんてあまり無い。記憶が無いって事は暴走して記憶を消された。もしくは改ざんされた。
今いる五人の人造人間の中で一番死に近いのは俺である事は間違いなかった。
そしてしばらくしてレオの寝息が聞こえて来て、見るとスヤスヤと寝ていた。
俺に会う直前まで寝てたって言ってたけど、やっぱりさっきの戦いで疲れてたんだろう。
一度レオの頭を撫でてから俺も目を閉じて寝る事にした。
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