【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ6th season

pino

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7章

何か今日の紘夢大人っぽいな~って

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 次の日、大晦日の日。俺は朝から紘夢から連絡があり、迎えに来た泰志が運転する車に乗っていた。
 どうやら紘夢も空の母ちゃんがいる病院へ行くらしい。
 俺の隣の後部座席に座る紘夢はいつもより真剣な顔付きで、今日はレンズが大きめの黒縁メガネを掛けていた。たまに紘夢ってメガネ掛けるけど視力悪いのか?
 それにしても今日はワイシャツにグレーのベスト、そしてグレーのチェック柄のコートというキッチリした服装だった。比較的身だしなみはキッチリしてる紘夢だけど、いつにも増してしっかりした服装な気がする。


「貴ちゃん、そんなに俺の事見て誘惑でもしてるの?」


 あ、喋ったらいつもの紘夢だった。


「ううん。何か今日の紘夢大人っぽいな~って」

「そう?貴ちゃん的には有り?」

「……有り」

「嬉しい~♡貴ちゃんもパーカー似合ってるよ~♡

「おわっ!くっ付くな!服に皺が付くぞ!」


 いつものようにニッコリ笑って抱き付いて来る紘夢を引き剥がそうとする。
 しばらく俺に戯れた後、スッと離れて紘夢は話し始めた。


「二人から話を聞いた的場から大体の事は聞いたけど、夜空くんから電話があったんだよ。日付変わってたかな。そこで実家に戻る事になったからしばらくはうちにご飯を作りに行けないって言われたんだ」

「あ、そうなんだ。じゃあ紘夢は空んちの事知ってるのか?」

「元々本人から少し聞いてたからね。電話での空くんはスッキリしたような感じだったよ」

「そっか」


 空とはメッセージでやり取りしてるだけだったから紘夢から様子を聞いてホッとした。兄貴とは上手く話し合えたみたいだな。
 それから紘夢はハァとため息をついた。


「今日はそんな空くんを笑顔で送り出そうと思ってね。いや~、空くんのご飯美味しかったから食べられなくなると思うと寂しいよ~」

「またいつでも作ってもらえるだろ。どうせ俺達は紘夢んちに集まるんだからよ」

「そうだけど、学校終わりに誰かが家にいてくれるってとても嬉しかったんだよ。これからは的場も帰りが遅くなるかも知れないしさ~」


 運転席にいる泰志を見ながら言う紘夢。泰志は聞こえてるのか聞こえてないのか反応は無かった。
 やっぱり紘夢はあの家で一人になるのか。それはそれで寂しいよな。


「紘夢、俺はいつでも時間あるから寂しかったら言えよ♪飛んでってやる♪」

「ありがとう貴ちゃん♡そうするね。俺もあの家に残る事は自分で選んだ事だからそれなりにやってみるけど、どうしても寂しくなったら声掛けるね♡」

「おう。俺は飯作ってやれねぇけど、ゲームなら空より上手いからな♪」

「ふふ♪それと俺を気持ち良くさせる事も貴ちゃんにしか出来ないよね~♡」


 紘夢が俺の耳元でコソッと小声で言う。
 それは言わないで無かった事にして欲しかった事だ。これからはしてやれねぇし、今言われたら気まず過ぎんだろっ。


「紘夢、あれ忘れてくれよ。結構恥ずいんだ」

「貴ちゃんとの大切な思い出を忘れるなんて出来ないよ!またしようね♡」

「しませんっ!俺は空一筋です!」

「それはどうかな?貴ちゃんて優しいからちょっと言われるとその気になっちゃうじゃん」

「今まではな。でももうその気にならねぇよ。あいつの事泣かしたくねぇもん」

「かっこいー♪俺も貴ちゃんに言われたーい」

「お前、雉岡とはどうなったんだよ。休み入ってから会ってるのか?」

「ううん。連絡も取ってないよー?」

「マジ?別れたの?」

「具体的には話してないけど、そうなるだろうね~。そこはちゃんと話し合うから貴ちゃんは気にしないでよ」


 恋人である雉岡の名前を出すと、ケロッとした顔して答えて俺から離れた。
 そして窓の外を見て大人しくなった。
 紘夢はそう言うけど、あんなに仲良かったのにそんな簡単に別れるってなるのかよ。まぁ茜と桃山の事もあるから本人達にしか分からない事もあるだろうけど、紘夢は本当にそれでいいのか?
 俺は少しだけ心配になった。


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