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7章
分かった。一緒に行こう
しおりを挟む俺は空の母ちゃんである陽子さんに、付き合ってる事を話そうと姿勢を正して表情も真顔を意識してみた。いざ母親ってなると雪兄ん時とは違う緊張感があるな。てか雪兄ん時はあんま緊張しなかったか。空が話してたからもう知ってる状態だったし。
でも陽子さんは俺と空が友達なのも今さっき初めて知ったぐらいだ。息子が男と付き合ってるって知ったらどう思うんかな?俺の母ちゃんは全然気にしてねぇけど、やっぱり男と男ってだけであんま良いようには思われねぇかなぁ?
いや、そんな事考えるのは辞めよう。
たとえ陽子さんが反対しても俺は空とこのまま付き合っていくつもりだし、手放すつもりはねぇからな。下手に隠すよりも言っちまった方が楽だわ。
「陽子さん、大事なお話があります」
「いきなり改まっちゃってどうしたのー?」
「実は、俺……空くんと真剣にお付き合いさせてもらってます」
「……お付き合いって、あのお付き合い?」
「そうです。あのお付き合いです」
陽子さんは指を顎に当てて首を傾げて聞いて来た。
「嘘ー!空と貴哉くんがー?そうなんだぁ~」
「だから同棲ってのは間違えてないんだわ」
「あ、だからさっき私の事俺の母ちゃんも同然って言ってたの?何言ってるんだろうって思ってたけど、そう言う事だったのか~」
驚いてはいたけど、思ったよりも嫌がられてない感じ?ここで認めてもらえれば俺と空って親も認める公認カップルじゃねぇか♪
「そうなんだよ。俺は空とは結婚したいぐらいなんだ。陽子さんは息子が男と付き合ってるのって嫌か?」
「そうだな~、嫌じゃないかな?ビックリはしたけど、空が幸せならいいんじゃないかな?」
「すげぇ!俺の母ちゃんもだけど、陽子さんもすげぇな!」
「凄いだなんて、あ、ほら私って夜の仕事してるから同性愛者とかの知り合いも多いんだよ。だからそういうのには抵抗はないよ。て言うか、私が空のやる事に口出しなんて出来ないしさ~、あはは~」
「そんな事ねぇだろ。ちゃんと話し合ってわかり合って、そしたらこれからは口出ししてやってよ。ダメな事はダメって教えてやって。そんで良い事は一緒になって喜んでやってよ」
「うん。私も貴哉くんみたいに強く言えるようになるね!」
「はは、すっかり元気だな♪てか空の奴おせぇな。何してんだよ」
俺はスマホを見るけど空からは何も来てない。
もう時間も20時になろうとしていた。
「面会時間過ぎてるからそろそろ来ないと会えなくなっちゃうよ。空はどこに行ったの?」
「えっ!面会時間って何?ここ制限時間あんの?」
「どこの病院にもあるものだよ?ここは19時30分まで。そろそろ貴哉くんも帰らないと声掛けられるよきっと」
「マジかよっ!あいつ何してんだ!」
「貴哉くん、今日はありがとうね。空の事よろしくね」
「えっと、こちらこそよろしくお願いしますっ!あそだ!空は自分の名前気に入ってるって言ってたんだ。理由は母さんが付けてくれた名前だからって言ってた!じゃあまたな~」
「……ふふ♪またね~」
どうりで人気が無い訳だ!
俺は陽子さんに挨拶をしてから、空を呼びに向かう。あいつせっかく母ちゃんに会いに来たのに会わずに帰る気かよ。
そんなに父ちゃんと積もる話でもあったのか?
空と父ちゃんが話してる待合室まで行くと、二人はまだそこにいて話していた。
俺が姿を現すと、父ちゃんの方が気付いて立ち上がっていた。
「そろそろ俺は行くよ。空、元気でな」
「うん……」
空の父ちゃんは苦笑いを浮かべて俺に頭を下げてそのまま廊下を歩いて行った。
あんま良い雰囲気じゃなさそうだなオイ。
俺が空に近付くと、座ったまま見上げて来た。
不安そうな悲しそうな顔してて、思わず俺は空を抱き締めていた。
「貴哉……」
「もー、本当にほっとけねぇなお前は。父ちゃんとは話せたか?面会時間終わるって、陽子さんお前の事待ってるぞ」
「話せたよ。いろいろ知らない事ばかりで少し動揺してる。てか陽子さんって……仲良くなってるし」
「おう、思ってた母ちゃんと違って結構話しやすかったぜ♪なぁ、少しだけでも顔見せてやれよ。俺ここで待ってるからよ」
「貴哉も来てよ。俺、今貴哉と離れたくない」
「何言ってんだよ……分かった。一緒に行こう」
父ちゃんと何を話したのかは分からないけど、とにかく空はダメージ受けてるみてぇだ。
俺は空にキスをして手を繋いでやる。
空がそう言うならどこまでも一緒にいてやるよ。ここまで頑張ったんだ。もう一人にはしねぇからな。
俺と空はそのまま手を繋ぎながら陽子さんの病室まで向かった。
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