【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ6th season

pino

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3章

また茜の事追いかけろよ!

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 桃山とひとしきりゲーセンで遊んだ後、夕方になっていた。もう外は真っ暗で明日も学校かぁと憂鬱になった。
 あれから桃山は特に変な事言ったりしたりはしなかった。いや、いつもの変人っぷりは発揮してたけど、しつこく好きだとか過剰なスキンシップとかは無く、普通にダチと遊んでるみてぇに過ごせた。
 だからからか俺は逃げようとしてた事も忘れて楽しんでいた。


「あー、もう真っ暗じゃん」

「って言ってもまだ18時とかよ?どうする?夕飯食ってく?」

「奢ってくれんの?」

「いいよ♪貴哉が奢られてもいいなら♪」


 昼飯のイタリアンの事を言ってるんだろう。
 あの時は変に警戒してたから何が何でも借りは作らないって思ってたけど、今は相手が桃山だし気にならない。


「んじゃ飯食って帰るか~」

「はーい♪」


 俺と桃山は今度こそ駅前にあるファミレスへ行く事にした。
 店内は意外と空いていて、すぐに座る事が出来た。
 対面して座って目の前で機嫌良さそうにメニュー見てる桃山だけど、二人きりで会うのは初めてなんだなぁと改めて思う。
 見た目こそ前とは違うけど、性格はそのまま桃山だった。ただ大きく変わったのは見た目だけじゃなくて、隣に茜がいない事。
 今こうして桃山の隣に茜が座ってないのを俺はどこか寂しく思った。
 さっきゲーセンでチラッと話してたのを考えると桃山はまだ茜の事が好きだろ。そして茜自身は誰とも付き合わないって言ってるけど、茜も桃山を好きだ。
 俺はずっと茜の気持ちを一番に考えていたけど、そうも言ってられなくなって来たよな。今は落ち着いてるけど、またいつ変な事言ってくるか分からないから茜が桃山の事を好きなら早くまた首輪を付けて鎖で繋いでいてもらいたいと思ってる。

 俺はオムライスを、桃山は鉄火丼を注文した。


「ところでさ、貴哉はクリスマスの日ってフリー?」

「いや、学校あるじゃん」

「終業式だけじゃん。午後とか暇だろ?」

「お前さ、俺がいつでも暇だと思うなよ?空と会う約束してるよ」

「空ね。貴哉は空の事が好きなのか?」

「……そうだよ」

「いーくんじゃなくて?」

「…………」


 伊織の名前が出てドキッとした。
 そういやあれから電話もメッセージも来ない。結局何の用だったんだろう?
 俺は答えるのに迷ってると、桃山は目を細めてふふと笑って頬杖を付いて顔を覗いて来た。その姿はかなり大人っぽくて、女だったらそれだけで夢中になっちゃうんじゃないかってぐらい甘い顔してた。


「なるほどね~。どっちも好きなんだ」

「そうだよ。だからお前を相手してられねぇんだよ」

「じゃあ俺三番目でいいよ。どっちが一番なのかは知らねぇけど、二人の事優先でいいから混ぜてくれよ♪」

「断る。んな余裕ねぇし、そもそも俺はお前の事そう言う目で見てねぇ」

「俺が見てるから大丈夫だよ♡」

「どこがだよっ!お前まだ茜の事好きなんだろ!また茜の事追いかけろよ!」

「好きだけど、浮気はダメだってば。俺許せないもん」

「でもあいつ犬飼の事も振ったんだぞ?誰とも付き合わないって言ってるんだ」

「そうなんだー?ごめん、どうでもいいや。俺が今興味あるのは貴哉だけだから♡」

「…………」


 どうでもいいって言って笑ってるけど、俺にはそうは聞こえなかった。
 俺の事はただの暇つぶしとしか考えてねぇと思う。本当は茜がいい癖によ。


「クリスマスは空ね。んじゃ次の日俺にくれよ。デートしたい」

「デート言うな。遊びに行くんならいいよ」

「マジ?いいのか?」


 俺が許可すると驚いてた。
 別に桃山といるのは楽しいから嫌じゃない。結構奢ってくれるしな。ただ変な事言ったりやったりするのを相手するのが大変なだけ。
 桃山は自分が気に入った奴には普通に良い奴だ。逆に気に入らない奴には暴力的になるぐらい扱いが酷いけどな。

 
「でも約束しろ。友達として会うんだ。絶対変な事言わないしないって誓うなら遊んでやる」

「するー♪わーい♪楽しみだなぁ~♪」

「本当に分かってんのか?お前ってすっとぼける事あるから何か不安だ」

「あはは~。その内俺の扱いに慣れるよ~」


 桃山はニッコリ笑って言った。
 クリスマスの次の日は26日か……。
 偶然を装って茜も呼んじまうか?
 あ、何か面白そうだな。

 それから程なくしてオムライスと鉄火丼がテーブルに並び、桃山と二人で食事を楽しんだ。

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