【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ6th season

pino

文字の大きさ
21 / 156
1章 

ほら、デコ触ってみ!

しおりを挟む

 俺は今日も真面目に補習を受けていた。今日頑張れば明日は土曜で休みだー。
 補習は大体一時間ぐれぇだけど、俺からしたらそんなけ長い時間机に座って勉強なんかするのは辛すぎた。
 今も玉山がいなくなったからボーッと窓の外を見て過ごしていた。
 補習始めてから部活行けてねぇなぁ。何があったとかは空から聞いてるから分かるけど、別に大した事はしてないらしい。同時に伊織とも会ってない事になる。最後に会って会話したのはこの補習を始めた日の昼休みだ。
 伊織、元気かな?
 それにしても二学期も来週の後三日か~。あと二日も補習あるとかつまんな過ぎだな~。
 
 とか外を見ながらいろいろな事を考えていたら、スマホが鳴った。空なら連絡しねぇで勝手に迎えに来るはずだ。
 あ、藤野からだ。
 意外な奴からのメッセージだったからすぐに開いて確認してみる。
『秋山、補習が終わったら会いたい』
 藤野が俺にぃ?いきなりどうしたんだ?
 目立つからって俺とは会うの避けたがってる癖にどう言う風の吹き回しだ?
 不思議に思いながらも何かあったんだろうと思って、俺は空もいてもいいか確認してみる事にした。そしたら二人で会いたいって事だったから俺は補習を抜けて空より先に帰る事にした。
 
 藤野の件は空が結構頑張って動いてるみてぇだけど、なんやかんや賑やかなグループだから、藤野の周りの三人を単体で引っ張り出すのに苦戦してるみてぇだ。俺は特に何もしてなかった。

 補習が終わるまでは後三十分はあるからな。玉山をどうにかねじ伏せて駅で待ってるって言う藤野んとこに行ってやろう。
 俺は勉強道具を片付けて、全部机に押し込み、ほとんど何も入っていないショルダーバッグを肩に掛けて教室を出る。
 とりあえず職員室へ行こう。玉山はどの部活の顧問もやってねぇからそこに居る筈だ。


「失礼しまーす。玉ちゃんいるー?」

「あ、秋山くん。玉山先生なら校内の見廻りに行ってるよ。その帰りに秋山くんの様子も見て来るって言ってたけど、会わなかった?」


 職員室に先公達は少なく、二年の担任やってる柴田が俺に気付いて教えてくれた。
 柴田こと柴先。二年B組の担任で、伊織のクラスの担任だ。伊織は柴ちゃんとか呼んでたな。教師達の中では若くて、話し易そうな見た目してる。話すと「あ、こいつ抜けてんな」って俺でも分かるぐらいの天然だ。
 

「マジで?あいつ勝手に動くなよな~。ちょっと電話してみるわ」

「……まるで友達みたいだね」


 俺はポケットに入ってたスマホを取り出して言うと、柴先が苦笑いで言った。
 俺は教師にも生徒にもこうだから、初めは驚かれるか怒られるかだ。柴先は普通だったなー。だから柴先は俺の味方であって好きだ。
 玉山は電話には出なかった。
 あいつまさか!?と思って玉山の机を見る。
 やっぱり!机の上に画面が光るスマホが一台。持ち歩いてねぇのかよ!これだからおっさんは!! 
 って俺も四六時中持ち歩いてる訳じゃねぇけどな。

 俺を見ていて状況が分かったのか、柴先が優しく笑って言った。


「もし何か伝えたい事があるなら僕が聞いておくよ。玉山先生が戻ったら伝えておくから」

「そう?やっぱ柴先はちげぇは♪俺柴先のクラスが良かったな~♪」

「あはは、秋山くんは僕の手には負え……ぼ、僕も秋山くんは賑やかだから楽しそうで是非受け持ってみたいと思ってるよ!」

「あ?今秋山くんは手に負えねぇみてぇに言おうとしなかったか?」


 分かりやすいんだよな柴先ってよ。
 俺がムッとして聞くと、慌てて言い訳を言い始めた。別に気にしてねぇから何か面白い。

 軽くパニクってる柴先を茶化して遊んでると、後ろから怒鳴られてビクッとしちまった。
 あ、玉山!


「コラァ!秋山ぁ!柴田先生をからかうんじゃないっ!」

「うひぃ!?玉ちゃん、いきなり後ろで大きな声出すなよぉ!」

「それよりもお前は何でここにいるんだ!教室見に行ったらいなかったから逃げたと思ったぞ!」

「あ、そうそう!俺体調悪いから今日は帰ろうと思ったんだ」


 肩に掛けてたバッグを見せて言うと、玉山は難しい顔をして俺の周りをジロジロ見た。あ、疑ってんな?


「体調が悪いだとぉ?今日お前ピンピンしてたじゃないか。逃げようとしてるだろ?」

「してねぇって!何か熱っぽくてよ~。ほら、デコ触ってみ!」


 俺は玉山の手を取って自分のデコに当ててみる。
 あ、玉山の手のがあったけぇや。
 玉山は今度は微妙な顔をしていた。
 てか良く考えたら玉山の手が俺を触ってるってキモいな!自分からやったとは言え、俺は玉山の手を払うようにどけた。


「うーん、熱があるとは思えんが……」

「玉山先生~。今日は金曜日ですし、大事を取って休ませたらいかがでしょう?秋山くんは毎日ちゃんと頑張ってるみたいだからね?」


 ナイス柴先!ずっと俺らのやり取りを見ていた柴田がニコニコ笑顔で助け船を出してくれた。
 あー、柴田が担任だったらどんなけ楽だったか……


「また柴田先生は秋山に甘い事を……まぁ三十分はやったしいいだろう。その代わり家でもちゃんと勉強する事!分かったか?」

「分かってるって~♪そんじゃあな!あ、柴先サンキューな~♪」

「お前はまた!敬語を使え敬語を!!」

「はいはーい。気を付けて帰るんだよ~」


 玉山は最後まで説教しようとしてたけど、俺は逃げるように職員室を出た。何とか抜けられたな。
 あとは部活行ってる空だ。空はー……メッセージ入れときゃいっか。
『体調不良先帰る』
 でいいか?まぁ連絡来たら話せばいいだろ。

 俺は一人で学校を出て駅まで歩いて向かった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 毎日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜

ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。 王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています! ※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。 ※現在連載中止中で、途中までしかないです。

とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~

無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。 自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。

平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています

七瀬
BL
あらすじ 春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。 政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。 **** 初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m

貢がせて、ハニー!

わこ
BL
隣の部屋のサラリーマンがしょっちゅう貢ぎにやって来る。 隣人のストレートな求愛活動に困惑する男子学生の話。 社会人×大学生の日常系年の差ラブコメ。 ※現時点で小説の公開対象範囲は全年齢となっております。しばらくはこのまま指定なしで更新を続ける予定ですが、アルファポリスさんのガイドラインに合わせて今後変更する場合があります。(2020.11.8) ■2025.12.14 285話のタイトルを「おみやげ何にする? Ⅲ」から変更しました。 ■2025.11.29 294話のタイトルを「赤い川」から変更しました。 ■2024.03.09 2月2日にわざわざサイトの方へ誤変換のお知らせをくださった方、どうもありがとうございました。瀬名さんの名前が僧侶みたいになっていたのに全く気付いていなかったので助かりました! ■2024.03.09 195話/196話のタイトルを変更しました。 ■2020.10.25 25話目「帰り道」追加(差し込み)しました。話の流れに変更はありません。

優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―

無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」 卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。 一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。 選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。 本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。 愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。 ※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。 ※本作は織理受けのハーレム形式です。 ※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください

病んでる愛はゲームの世界で充分です!

書鈴 夏(ショベルカー)
BL
ヤンデレゲームが好きな平凡男子高校生、田山直也。 幼馴染の一条翔に呆れられながらも、今日もゲームに勤しんでいた。 席替えで隣になった大人しい目隠れ生徒との交流を始め、周りの生徒たちから重い愛を現実でも向けられるようになってしまう。 田山の明日はどっちだ!! ヤンデレ大好き普通の男子高校生、田山直也がなんやかんやあってヤンデレ男子たちに執着される話です。 BL大賞参加作品です。よろしくお願いします。 11/21 本編一旦完結になります。小話ができ次第追加していきます。

詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」 病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。 気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた! これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。 だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。 皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。 その結果、 うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。 慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。 「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。 僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに! 行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。 そんな僕が、ついに魔法学園へ入学! 当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート! しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。 魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。 この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――! 勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる! 腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!

処理中です...