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2章
夏樹と大和の話し合い
しおりを挟む放課後、律は電車、俺はバスに乗って帰る。この後大和と合流して話し合うつもりだ。
何とか一日誤魔化せたけど、この話し合いで何とかならないとまずいよなぁ。いつまでも律に嘘つき続けるのも嫌だし。
とりあえずバスを降りてすぐにあるファーストフード店で大和を待つ事にした。
「コーラとポテトM。あ、ここで食べます」
「同じのをもう1セットお願いします。会計は一緒で」
「!」
レジで注文してると後ろから声がして振り返ると大和がいた。ニッコリ笑って俺の分も支払いをしようとしていた。
「あ、自分のは出すから」
「これぐらい奢らせてよ。再会祝い♪」
「…………」
後ろにも並んでいる人達がいたし、ここで揉めるのも嫌だから大人しく奢られた。後で返せばいいや。
それにしてもいつの間に来たんだ?俺は学校終わってすぐにバス乗ったけど、それより先のバスで来てたのか?
「大和バスにいたっけ?」
「俺バス使ってないよ。お友達に自転車借りてそれで来た」
「まじ?」
大和に俺以外に友達がいた事に驚いた。
だって、ずっと入院してて復帰したのって最近だろ?教室に来る前から学校には来てたみたいだけど、その時に出来た友達か?
「俺んちここから少し離れてるから帰りも使おうと思って」
「そっか」
あまり深く考えずにそのまま提供されたコーラとポテトを受け取り空いてる席に座る。
うーん、何から話そう?
「でも嬉しいな。なっちゃんが放課後に誘ってくれるなんて」
「ん、まぁな。学校じゃ話せねーからな」
「和久井がいるから?」
「それもあるけど」
「けど?」
「……なぁ、大和さ、俺の勘違いだったら謝る。昨日公園にいたのって、偶然か?」
「ううん。なっちゃん達が向かうのが見えて後をつけたんだよ」
「お前……」
思い切って聞くと、あっさりそう答えた。
その様子に少し戸惑ってしまったけど、そうだったならちゃんと話さなくちゃな。
「あのさ、久しぶりに会えて嬉しいのは俺も一緒だ。だけど、ああいうのは正直迷惑なんだ」
「タオル?」
「違う。後をつけるとかだ」
「どうして?知らない人でもないからいいじゃん」
「普通しねぇだろ」
「はは、俺普通じゃないみたい」
こりゃ手強そうだな。昔の大和と違ってちゃんと話してくれるからまだマシだけど、どう言えば分かってくれるかな。こういうのって律とか弘樹が得意そうだけど、頼む訳にはいかねぇし。
「さっき迷惑って言ったけど、和久井も迷惑だよ」
「律が?何でだよ」
「俺からなっちゃんを取ったから」
「はぁ?」
「なっちゃんは俺の唯一の友達なんだ。それを取ったからむかつく」
「お前、それで後つけたり、律にあんな事言ったりしてるのか?」
「やられたらやり返す。もう俺は昔の俺じゃない」
「それは間違ってるだろ。大体俺の気持ちはどうなるんだよ。ちゃんと考えてんのか?」
「もちろん♪なっちゃんも俺と仲良くしたいだろ?」
「それはそうだけど。前にも言ったけどさ、俺と律は付き合ってるんだ。それ分かってるよな?」
「だから何?だからって何で俺がなっちゃんと仲良くしちゃいけないの?」
「確かにそうだよな……ごめん。律ってさ、すげぇやきもちやきなんだよ。だからあんま刺激して欲しくねぇんだ。そしたら大和とも普通に仲良く出来るから」
「刺激ねー、俺はいいよ。和久井が出来るならな」
「そこは俺が説得する。確認だけど、大和は俺の事を友達として好きなんだよな?」
「もちろんだよ♪だからたまにはこうして遊んだりしたいなぁ」
「分かった。なら大丈夫だ。じゃあ大和はこれからは俺を付けたり律を無駄に刺激したりしない。俺は律にちゃんと説明して、大和にも普通にするように言う。これでいいか?」
「りょーかい。なっちゃんも大変だね」
何だ、あっさり解決出来たじゃん。
やっぱり話して正解だったな。
大和が俺に付きまとうのも友達としてって確認も取れたし、律の態度も問題あったと思うし、これで律さえ納得してくれれば円満に行くな。
「あ、そうだ金渡す」
「言っただろ?再会記念だって。なっちゃんは、今度何か奢ってくれればいいよ」
「そうか?じゃあそうする。ご馳走様」
「はーい♡」
その後は二人で、大和が転校してから今までのお互いの話とかをして普通に過ごした。
前より明るくなっていて話しやすくなった大和とは普通に楽しめた気がする。
帰ったら律にはもちろんだけど、弘樹と澪にも報告しておくか。
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