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2章
ライバル
しおりを挟むジェットコースターから降りた後、俺はベンチでぐったりしていた。くそう、子供の頃は澪を連れ回して何周もしてたってのに一回でダウンしちゃうなんて……
そう、俺はジェットコースターで酔ったのだ。
「はぁ、歳は取りたくないな」
「夏樹!大丈夫?」
ここで律が飲み物を買って戻って来た。苦手とか言ってたけど、この通りピンピンしてる。
「ああ、大分楽になった。ありがと」
「しばらく休んでよう。もう少しでパレード始まるみたいだし」
「悪いな」
「ううん。夏樹の日なんだからいいんだよ」
ジュースを手渡された時にお揃いのブレスレットが目に入った。律が付けてるとカッコよく見えるな。すると律も気付いたみたいで、ブレスレットを嬉しそうに触った。
「コレ、凄く気に入ってるんだ♪夏樹と居るみたいで嬉しいの」
「俺も。アクセサリーとか付けた事ないからまだ変な感じするけど、律みたいでカッコいいなって思う」
「ねぇ、夏樹から見て俺ってカッコいい?」
「ん?カッコいいけど、どした?」
「ヤバい嬉しい!夏樹にカッコいいって思ってもらえてるんだぁ」
「今更!?何回か言った事あるよな?」
「だって、夏樹の周りはカッコいい人ばかりだから俺なんて普通なのかなぁって」
「いや、律はずば抜けてイケメンだろ」
「高城くんよりも?」
「弘樹?」
「高城くん、カッコいいじゃん」
少し拗ねた顔して言う律。まだ気にしてたのか。ちょっと可愛いく思えた。
「律の方がカッコいいよ。誰よりも律が一番だ」
「あの子は?」
「あの子って?」
「昨日中庭で話してた青い髪の子」
「大和か!」
「あの子も背が高くてカッコいいじゃん」
「確かに大和のやつ背伸びてたな~!」
「あーまたライバル増えちゃったよ」
「はは、大和はそんな奴じゃないよ。いい奴だから大丈夫だって」
「……夏樹はそう言うけど、不安だよ」
本当にどこからどう見ても敵無しって感じの見た目してんのに、どうしていつもこう言う事言うのか不思議で仕方ない。
もっと自信持っても良いと思うけどな。
「律、どうしてそんなに不安なんだ?俺が浮気すると思ってるのか?」
「そうじゃないけど、取られちゃうんじゃないかって」
「どうしたら不安じゃなくなる?」
「それは、絶対無理だから」
「言ってみ」
「夏樹が俺以外を完全無視すればいい」
「確かに無理だな」
「ほら~!」
「まぁこういう律にも少し慣れて来たし、俺がしっかりしてりゃいいんだろ?不安にさせないようにするよ」
「夏樹、大好きだよ」
「ん、俺も」
俺は本当に律だけなんだけど、不安に感じるものは仕方ねーもんな!
極力律の側に居て安心させてやろう。
それが俺の出来る律へのアピール。あ、こういうのは澪に相談すれば良い答えが返って来そうだな。
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