【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ4th season

１章 写真ばら撒き事件

※ちょ！お母さん！？

　※空side

　倉持の部屋で二人きり。めっちゃ気まずかったけど、俺はちゃんと話さねばと倉持を真っ直ぐ見た。


「あのさ、まず電気点けていいか？ここ暗過ぎだろ」

「あ、うん……」


　俺が言うと部屋の電気を点けてくれた。
　うーん、やっぱり何もない部屋だな。
　そして俺はその場に座って、本題に入る事にした。


「なぁ、倉持は何で昨日から休んでるんだ？」

「それは……」

「ゆっくりでいいから話してよ。何があったのかさ」

「…………」

「っても話しにくいか！俺達話した事ねぇもんな。俺と貴哉の事は知ってるよな？実はさ、今貴哉が謹慎くらってて、学校来れねぇ状態なんだわ。俺はそれを助けたくてさ、タイミングが重なるんだよ。倉持が学校来なくなったのと。何か知ってるなら教えて欲しいんだ」


　俺は大分話を端折って伝えてみた。
　すると、倉持はガタガタと震え始めた。
　ちょ、大丈夫か？数馬みたいに叫び出したりしねぇよな？
　俺が警戒してると、いきなり倉持はしゃがみだして、両手を床に付いた。

　訳が分からず黙って見てると、そのまま床に頭を付けて謝って来た。
　そう、倉持は俺に土下座をしたんだ。


「ごめんなさいっ！俺っ俺がっ……秋山くんをっ……ごめんなさい！」

「お、おい倉持、落ち着けって」


　今の倉持の言葉を聞いて倉持の母さんが入って来た。やっぱり聞いてたのか。


「瑛二！どうして貴方が謝るの？本当はこの子にいじめられたんでしょ？お母さんは味方よ！」

「ちょ！お母さん！？」


　とんだ勘違いをされたもんだ！
　どうりで倉持のお母さんはずっと俺を疑ってた訳だ！
　そこへ倉持は顔を上げて首を横に振った。
　やっと見えた倉持は涙を流しながら泣いていた。


「違うんだ母さんっ早川くんは友達の為に来たんだっ！そしてその早川くんの友達を陥れたのはっ……俺なんだ……」


　倉持が認めた。ハッキリ事件の犯人だとは言わなかったけど、貴哉の名前も出たし、倉持が犯人だ……
　この結果には分かっていた筈だけど、やっぱり複雑な気持ちだった。


「どう言う事なの瑛二？あなた、何をしたの？」

「俺は……俺は……秋山くんに酷い事をっ」

「あー、倉持待って。お母さん、心配なのは分かります。でも倉持が落ち着いて話せるまで待ちましょ？俺、ちゃんと聞きたいんです。倉持から本当の事を」


　俺は泣いている倉持の背中をさすって落ち着くのを待った。あーあ、倉持のお母さんまで泣き始めちゃったよ。
　なんかなー、二人を見てるとさ、羨ましいんだよ。だから二人には無理をさせたくなかった。少なくとも倉持のお母さんは倉持の事を本気で心配してるし、そんな倉持のお母さんの気持ちを大事にしたかった。

　二人には壊れて欲しくなかったんだ。
　俺の家みたいに……

　俺は貴哉に対して悪い事をした倉持を責める事が出来なかった。