【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ3rd season

pino

文字の大きさ
上 下
86 / 116
本編

人前でキスするとか俺でも嫌だわ!

しおりを挟む

 空とそのまま帰ろうとしたけど、数馬がいるから一度ボラ部に戻る事にした。直登がいるけど、心配だからな。
 

「なぁ、そういや直登の事聞いたか?」

「あー、見学だろ?暇なんじゃん?」

「数馬の事は聞いてねぇのか?」

「数馬がどうしたんだ?」


 どうやら空は直登がボラ部に見学しに来た事は知ってるが、数馬の事を好きだと言う事は知らないらしい。直登の事だから話しても大丈夫だろうと思って俺は空に本当の事を教えてやった。


「ええー!中西が数馬を!?いつからだよ!全然気付かなかった!」

「俺も今日知ったんだ。帰りに聞いてみようぜ~」

「いや、でも何で数馬なんだ?数馬にギャップあったか?」

「あり過ぎだろ!見た目と中身とか!」

「確かに。数馬は何て?」

「怯えてる」

「ギャハハ!だろうな!中西ぐいぐい行くから数馬にはキツいだろーな!」

「いや、数馬にはそれぐらいの方がいい気がするんだ」

「えー、そうかぁ?」

「これは数馬の病気を良くするいい機会だと思ってんだ」

「んー、まぁ数馬がパニックにならなきゃ何でもいいけどよ。お、噂をすればってやつー?」


 ボラ部の前で揉めてる二人を見つけてやれやれと思いながら近付く。どうやら直登が嫌がる数馬を無理矢理外に引っ張り出していたらしい。


「貴哉ぁ!助けて!」

「コラー!すぐに貴哉に助けを求めるな!」

「ちょ、直登落ち着けって」

「数馬泣いてんじゃん。中西こえー」

「俺っ貴哉を待ってるって言ったのに、な、直登が無理矢理っ」

「そりゃ直登が悪ぃな」

「うん中西が悪いな」

「数馬くん?貴哉には空くんがいるんだよ?だから俺と帰ろう?」

「やだっ貴哉と帰る!」

「四人で帰ればいいじゃねぇか。ほら数馬も泣くの辞めろって。いいよな?空」

「もちろん。面白そうだしー」

「もー、貴哉より強敵だよ数馬くんは!」


 まだ怯えて俺の腕をガッツリ掴まえて離さない数馬。涙目になっちゃってかわいそー。
 ゴシゴシと涙を拭く数馬の顔を見て何か違和感があって、なんか変だとジーッと見ていた。


「な、何?貴哉」

「何か数馬、いつもと違くね?」

「え?え?」

「どれ?あ、ピアスだ。ほら口んとこの今日付けてねぇじゃん」

「!」


 数馬は空に指摘されてバッと口元を隠した。
 あー、確かに大量に付けてるピアスが口のとこだけ無かったわ。昼までは確か二個ぐらい輪っかみたいなのがあったのがさっきは無くなってたんだ。


「そっか!口のピアスしてねぇのか!」

「はーい♡俺何で付けてないのか知ってるよー♡」

「な、直登!」


 数馬の変化に気付いた俺と空に直登が嬉しそうに手を挙げて言った。へー、理由があんのか。飯食いずらいから外したとか?


「何?数馬がピアス取った理由って」

「それはねー♡うふふ」

「だ、ダメっ!直登言っちゃダメ!」

「どうしてぇ?俺こういうの隠すの好きじゃないんだよ」


 何か二人で言い合ってるけど、直登は知ってるんだよな?まぁ数馬が知られたくねぇなら無理に聞く訳にはいかねぇか。
 諦めようとした時、直登が数馬に近付いて来てニヤリと笑った。そしてぐいっと数馬の顔に顔を近付けて……


「言うより見せた方が早いだろ♡」

「なおっん!!」

「!!」

「!!」


 俺のすぐ横で怯える数馬にキスしてた。
 これには俺も空も目を丸くして驚いた。
 えー!数馬がピアス取った理由って、直登とちゅーするから!?
 直登はキスした後離れて、嬉しそうに数馬に抱き付いていた。数馬はと言うと、顔を真っ赤にしてポロポロ泣いていた。
 何なのこいつら?え、もうそういう仲になってるの?


「こりゃ驚いたなー。中西と数馬ってもうデキてんの?」

「んーん。まだだよー?俺が数馬くんに好きになってもらいたいから頑張ってるとこー♡」

「てか数馬大丈夫かぁ?こんな泣いちゃって……」

「うう、直登酷ぇよ……こんなとこで、貴哉も見てるのにぃ……」

「あーあ、数馬泣くなって。直登ももういじめるなよー」

「いじめてないし!二人きりだったらちゃんとキスしてくれるもんっ」

「ここは二人きりじゃねぇだろ!大体お前はいつも強引過ぎるんだよ!もっと数馬の事考えて行動しろよ!」

「貴哉に言われたくないよ!そもそも貴哉が数馬くんを甘やかすからいつまでも慣れないんでしょ!」

「人前でキスするとか俺でも嫌だわ!」

「まぁまぁ、二人共落ち着けって。とにかく帰ろうぜー?ほら数馬も元気出して。貴哉がちゃんと送ってってくれるから」

「……ありがとう」


 俺と直登が言い合いの喧嘩になりそうになって空に止められた。それにしてもこのままじゃ直登には数馬を任せられねぇなぁ。
 毎回こんなんじゃせっかく外歩けるようになったのに、また引き篭っちまう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】相談する相手を、間違えました

ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。 自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・ *** 執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。 ただ、それだけです。 *** 他サイトにも、掲載しています。 てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。 *** エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。 ありがとうございました。 *** 閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。 ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*) *** 2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

処理中です...