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本編
俺って空の事大好きみたい
しおりを挟む空が風呂入ってる間、スマホ見てた。数馬からゲーム誘われたけど、始めると辞められなくなるから断ったんだ。
そういや数馬も茜達のこと羨ましがってたな。数馬って良い奴だから幸せになってもらいてぇなぁ。てか数馬に恋人が出来たらトリプルデート出来んじゃん!それちょー楽しそうじゃね?
でもあの数馬に恋人はまだ早ぇか。
「たっかや~♡お待たせ~♡」
「来たな?てかほんと髪伸びたなー。女みてぇ」
風呂上がりの空の髪はワックスとか付いてないからいつもより長く感じた。
いつもお洒落には気を遣ってる空だけど、どこまで伸ばすつもりなんだ?生徒会長ぐらいとか?
「長いの嫌か?伸ばしたいんだけどなぁ」
「何で伸ばすんだ?邪魔じゃね?」
「長い方がいろいろアレンジ出来るじゃん♪」
「確かにお前いろんな髪型してっけど、短いのとかも見てみてーなぁ」
「うーん、せっかくここまで伸ばしたしなぁ」
「写真とかねぇの?短いやつの」
「えー、あったかなぁ。ずっとこのぐらい長ぇからなぁ」
そう言ってベッドの横の床に座ってスマホをいじり出す空。中学の時の空とか見てみたいな。女と遊びまくってた時代だろ?どんなチャラ男っぷりだ?
「あった。これ中学の時みんなで撮ったプリクラ~」
「どれどれ~?って人多すぎてどれがお前か分かんねーよ!もっとアップのねぇのかよ?」
見せてくれたのは派手な奴らが10人ぐらいぶっ詰まってるプリクラだった。てか女子ばっかじゃねぇか。やっぱりこいつは女好きだな。
「あるけど……」
「それ見せろ」
「あ、やっぱねぇや」
「嘘つけ!今チラッと見えたぞ!」
「あ!勝手に見んな!」
ベッドに寝転がりながら空のスマホを奪って他のプリクラを見る。へー、あんま今と変わんねぇな。今より幼くは見えるけどな。
俺はどんどん横にスライドさせてってプリクラを見ていく。どれも女と写ってるやつで、中には抱き合ってたり、キスしてたり、他にも際どいのもあった。
「た、貴哉ぁ?そろそろスマホ返してくんね?」
黙って空のスマホをいじる俺に様子を伺うように覗き込んで来た。
目が合うと空はビクッと反応して、困ったように下を向いた。
「何だよ?何でそんな顔すんだよ?」
「だ、だって貴哉……めちゃくちゃこえー顔してるんだもん……」
「!」
怯える空に言われて気付いた。あれ、俺怒ってるのか?ただ空が女とイチャイチャしてるプリクラ見ただけなのに……見てたらこう胸がムカムカして、今まで感じた事のないような感情が込み上げて来たんだ。
いや、一回あったな。そうだ、中庭に飛び降りた時みてぇな。
「やべー、これがやきもちってやつか」
「…………」
「なぁ、これ元カノか?」
「そう、だけど……?」
「何で残ってんの?こいつらの事まだ好きなの?」
「違う違う!消し忘れてただけだ!」
「そっか。ムカつくから今消してくんね?明らかにいちゃついてるやつ全部」
「はい!」
空にスマホを返すと慌てて消し始めた。
そんな空を見て少し気持ちが落ち着いた。もうムカムカとかはねぇけど、今度はモヤモヤする。あんなの見るんじゃなかったな。
チラッと空を見るとまだ消してやがる。どんなけ残してたんだよ!
「もーお前の過去ムカつく。女ばっかだし、今も繋がってる奴いるんじゃねーの?」
「いねぇよ!連絡先は全部消した!これは本当だっ残してたのは悪かったよ……」
「ふーん」
「あーもう!面倒くせぇ!」
「おっ?」
いきなり空が自分の頭をくしゃくしゃし出して、スマホをバッと俺に向けてドヤ顔して来た。
画面を見ると、データはありません。の文字が出てた。
え、こいつまさかスマホに入ってる画像データを全部消したのか!?
「これで俺の過去はぜーんぶ無くなったぜ!」
「お前、全部消せとは言ってねぇだろ!」
「面倒だし、残ってたらやだから消した。その代わり貴哉と撮ったやつも消えちゃった。だから貴哉が持ってるの送ってー♡」
「お、おう」
これには驚いた。まさか全部消すなんて……
いや、ちょっと嬉しいなこれ。
空に言われた画像を送ってやると、嬉しそうにしていた。
「空、ありがとな♡ちょっと見直した」
「それなら良かったです。はぁ、貴哉めちゃくちゃこえーんだもん。でも少し嬉しかったかなー?やきもち焼いてくれて」
「よく考えたら終わった事だし気にする事ねぇのにな!でも空が他の奴といちゃついてるの見たらスマホ壊したくなった」
「それだけは辞めて!?なんならスマホのデータ全部消すから本体だけは助けて!?」
「はは、やらねーよ。空ぁ♡こっち来いよ♡」
「行くー♡」
空の体を引っ張ると、ベッドに上がって来て抱き付いて来た。さっきの事もあって特に空が可愛いく感じた。
なんかさ、空の全部を俺の物にしてぇな。
今はそんな気分。
俺からキスして押し倒すと、嬉しそうに笑ってた。その顔がまた可愛くて何度もキスしてやった。
きっと空はこういうのにも慣れてんだろうな。プリクラであんないちゃついてるんだ、ベッドの上でなんてもっとすげぇ事して来たに違いねぇ。
あー、思い出したらまたムカムカ……
「貴哉?」
「……なんかさ、俺って空の事大好きみたい」
「えっ」
俺が空の過去にやきもちやくぐらいだ、伊織との事、空はもっと嫌な思いをしただろう。
俺、空にこんなに辛い思いさせてたのか。
改めて分かると申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「ごめんな、空」
「な、に?どうした?」
「俺、空の事傷付けたのすげぇ反省してる。やっと分かった。空、俺を許してくれてありがとう……本当にごめん」
「……貴哉」
心から謝ると空は一瞬驚いた顔したけど、すぐにニコッと笑ってくれた。
「もういいって。今貴哉からすげぇ愛されてるって分かるし、俺、幸せだよ?貴哉にはさっき嫌な思いさせちったけど、貴哉の事も幸せにするからさ♡」
「うんっ空愛してるっ」
「っ!」
愛おしい空を深く強く抱きしめた。
もう間違えたりしねぇ。絶対に。空を裏切るような事はしない。
俺は空にキスをしながら服の中に手を入れて空の肌に直接触った。そして手を滑らせて乳首を触る。触り方なんて分かんねーけど、何となくやりたくなったんだ。
「た、貴哉ぁ?」
「空は乳首気持ち良くねぇ?前に俺にしてくれただろ?あれ、気持ち良かったぞ」
「はは、嬉しい……えっとね、俺は舐めて欲しいかなぁ?」
「ん、分かった」
空のTシャツを捲って乳首をペロッとすると、空はピクッと反応して、俺に腕を回して来た。
これって気持ち良いって事か?それならもっと気持ち良くなってもらいてぇ。
俺はその後も乳首をペロペロしたり、吸ってみたりしてみた。
そんで反応を見たくて空の顔を見上げてみると、そこには少し頬を赤くした色っぽい空がいて、一気に興奮してしまった。
「あ、貴哉……気持ち良いよ♡」
「空可愛い♡下も舐めていい?」
「え、貴哉出来るの?」
「余裕ー♡」
空の履いてたズボンをパンツごと脱がすと、空のモノは既に勃っていて、ちょっと嬉しかった。っても俺も勃ってんだけどな。
俺も自分の着てた服を全部脱いで空と同じ全裸になって、改めて空にキスをする。
三度目の正直ってか?何度もやろうとしては失敗して来た俺達だけど、今日こそは最後までやるぞ!
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