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本編
頼むから絶対幸せになれよ?
しおりを挟むお互い裸になって、伊織の部屋のベッドでお互いを求め合う。俺だってこういうのは慣れてないけど、本能ってやつか?自然と出来ちゃうし、伊織にされる事も受け入れられた。
今は伊織が、既に勃っている俺のを触ってくれていた。
「貴哉、気持ちい?」
「聞くなよ……気持ち良いよ……」
「良かった。ローション使ったらもっと良さそうじゃね?」
「…………」
俺はもうイキそうだったので、考えてる余裕が無かった。伊織は兄貴の部屋から持って来た容器からローションをトロリと手に乗せた。
それはボディソープとは違ってもっと粘り気があるように見えた。
「うわぁ、ベットベト」
「ベッド汚れるんじゃね?」
「えー、それはやだなぁ。あ、これ敷いとくか」
「って浴衣!?お前マジかよ!」
周りをキョロキョロ見渡して、先程まで自分で着ていた浴衣をぐしゃぐしゃーってして俺達の下に敷いた。
浴衣ってそういう風に扱っていいのか?もう俺知らねーぞ。
「洗えば大丈夫でしょ」
「お前のそーいうとこ嫌いじゃねーよ」
「だろー?貴哉もこういうの気にしないもんなー♪」
敷き終わった後、お互い顔を見合わせて笑い合う。
とても楽しかった。いけない事をしているのに、何故か安心出来た。
そしてまたキスをされて行為が始まった。
今度はローション付きの手で触られて、今までと違う感覚に驚いた。
「うわ、何これ?ちょー気持ち良い」
「ほんと?なぁ俺のも触って」
「ん。ローションくれ」
伊織は汚れていない方の手を使い、俺の手にローションを乗せてくれた。初めて触るローションは冷たくて不思議な物だった。
ローションを手に馴染ませて伊織の物を掴む。伊織のはデカかった。戸塚程ではないが、俺よりはデカい。すると直ぐに半勃ちだったのが更にデカくなった。
「すご」
「やべー。興奮する」
「伊織っ俺イキそう……」
「いいよ。このままイッて」
「伊織は?」
「俺はもう少し我慢する♡貴哉の中でイキたいから♡」
耳元で囁くように言われて一気に恥ずかしくなった。こいつは本当にっ。ダメだ。もう余裕ねぇや。
俺は伊織の手の中でイッた。
「はぁ、はぁ……」
「貴哉、大丈夫?」
「平気。今度はお前の番な」
「指入れていい?」
「…………」
「貴哉?」
「恥ずかしいからいちいち聞くな」
「可愛いなぁもう♡」
伊織は俺にキスをして、穴を触りだす。ローションの効果でスルッと入って行って驚いた。
戸塚にされた時はちょっと痛かったけど、今回は痛みが無い。違和感はあるけど。
「貴哉、痛くないか?」
「うん……まだ大丈夫……んっ……あ、伊織ぃ、そこ」
指が奥に進むにつれて気持ち良いところに当たった。あ、これだ。これヤバいやつだ。
伊織は俺が言うと、そこばかりをいじって来た。
「ここがいいのか?」
「あんっダメっ」
「貴哉……」
自分でも驚いた。なんつー声出してんだ俺!
伊織はびっくりした顔して一瞬指を動かすのを止めた。恥ずかし過ぎて伊織の顔が見れねぇ。
「可愛い過ぎ♡なぁもう挿れたいんだけど」
「え、あ、いいけど」
伊織は俺から指を抜くと、素早く何かを取り出して自分のブツにはめてた。あ、ゴムか!いつの間にそんなの用意してたんだ?
「お前、それどうしたんだ?」
「兄貴の部屋からパクって来た。コレと一緒にあったから」
ローションを見て言う。なるほどな。兄弟がいるってやっぱいいな。
そして付け終わったゴムにローションを塗って俺に当てて来た。
うわ、とうとう伊織とセックスするんだ俺……
指であんなに気持ち良いんだ、こんなデケェの入れたらどうなっちまうんだろ?
「うっんん!!」
「ん、きつ……」
今先っぽが入って来たけど、指とは違って少し痛いぞ!これローション無かったら叫んでたな!
伊織も辛そうだけど、大丈夫か?
「伊織っ」
「ごめ、俺緊張してて、ちょっと余裕ない」
「っ……」
困ったように眉毛を下げて謝る伊織を見たら急に愛おしくなって、俺から伊織の頬を両手で押さえてキスをしてた。
「好きだっ俺、頑張るからっ伊織も頑張れっ」
「……お前なぁ!」
俺の励ましに伊織は笑った。俺の好きな顔。
その後の伊織は激しくなり、俺もついていくのにやっとだった。でも俺を傷付けないように優しくしてくれてるのは伝わって来た。
「ぁんっんんっ!いおりぃっ気持ちぃ!」
「俺もっ……すげぇ良いっ」
「おれ、またイキそっ」
「俺もだ。一緒にイこ?」
気持ち良いところを何度も突かれて、さっきイッたばかりなのに俺の下半身は既に完勃ち。
そして伊織にキスをされながら二人同時にイッた。
イッた後、二人共ベッドで力尽きたかのようにぐったりとしていた。
自然と手を繋いでいた。
「はぁ……まだ息切れしやがる」
「……やば。セックスってこんなに気持ち良いんだな」
「伊織のめっちゃドクンドクンしてた」
「貴哉の中もめっちゃヒクヒクしてたぞ」
「……何かエロいな」
「ああ、貴哉エロかった♡」
伊織にチュッとキスされた。もう慣れたから自分からもしてやると、嬉しそうに笑った。
「俺、今すげぇ幸せだ。貴哉は?」
「……わかんねぇ。正直複雑」
「そうだよな。悪かったよ。あ、シャワー浴びるだろ?ベトベトだし」
「借りる。ごめんな伊織」
「何で謝るんだ?」
「……何となく」
「俺は幸せだからいーの!貴哉を幸せに出来ねぇのは悔しいけどな。頼むから絶対幸せになれよ?」
「…………」
伊織は立ち上がり、シャワーへ連れてってくれようとしていた。俺は伊織の手を握って黙って付いて行った。
これで恋人同士ならもっと楽しく余韻に浸ったりするんだろうな。
でも俺の心は空と伊織への罪悪感でいっぱいだった。
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