18 / 43
牡蠣嫌いだったのか?
しおりを挟む「まずは自己紹介をしようか。俺は風間裕一。三年でボランティア部の副部長をやってるよ。さぁ二人も名前と学年を秋山くんに教えてあげようか」
「はーい!俺は平塚怜♪二年生だよ!好きな教科は体育と美術~♪苦手なのは英語だよー」
「俺は香山那智。同じく二年で、好きな食べ物はラーメン!嫌いな食べ物は漬け物だ!」
「二人共いつも元気でみんなからはデコボココンビって呼ばれてるからよろしくね」
普通な男が風間で、小さいのが平塚、大きいのが香山。すぐ忘れそうだから何となく聞いていた。
「じゃあ本題のボランティア部について説明するね。ボランティア部は名前の通り無償で困ってる人達の手助けをしたりしているよ。例えば、校内のゴミ拾いや運動部の助っ人とかね。知名度が低いから知らない人も多いんだ」
「で、生徒会長さんよ、何で俺がボランティア部に入らなきゃいけないんだ?」
「秋山は勉強以外にも見直さなくてはならない点が多くてな。ボランティア部が最適なんだ。ちなみに参加しなければ夏休みどころか二学期は無いと思え。それとボランティア部の夏休み中の活動は前半だけで、後半は普通に休みになる予定だ」
「ぐっ」
俺に拒否権はねぇって事か。くそー、絶対やりたくねぇけど、今はやるって言っとかなきゃじゃねぇか。
「貴ちゃん、考えてみて?葵くんは追試や部活動に参加すればって言ったよね?て事は追試で良い点が取れなくても大丈夫って事だよ♪」
「え、そうなのか!?」
「紘夢、変な事教えるな。結果的にはそうだ。俺がそうなるように担任と話をつけたからな。だからと言って追試で手を抜くのは許さんぞ!追試の日までは俺が用意したプリントをやってもらうからな。毎日家でやって朝一で俺の所に持って来い」
「わ、分かったよ。それで済むなら……やってやらぁ!」
「わーい♪新入部員だぁ!部長にも報告しとくねー」
「また賑やかになるねー!」
「力仕事出来そうだから期待してるぞ!」
「ところで、空くんはどうするの?貴ちゃんと一緒にボランティア部、入る?」
「え、いや、えっと」
「おう早川一緒にやろーぜ。そして俺の分まで働いてくれ」
「うーん、ちょっと考えるよ」
「そうか、残念だけど早川くんならいつでも大歓迎だからね♪」
何だよ早川の奴、てっきり俺がいるならとか言って入るかと思ったのに。まぁ後で聞きゃいい。今はそのめんどくさそうなボランティア部とやらだ。
「なぁ、部活ってどうすりゃいいんだ?」
「部長や他の部員にも紹介したいから今日の放課後に部室に来れるかな?あ、誰か迎えに行かせようか?」
「場所言ってくれれば一人で行ける」
「場所はね、美術室の横の教室なんだ。分かるかな?」
「美術室の横ね。多分平気。んじゃあ弁当も食ったし行くか」
「ちょっと待て秋山。それと早川。お前達、朝と放課後二人乗りしているな?」
「それが何?」
「今日からそれも禁止だ。もちろん校外でもだ。破ったら二人共強制退学にしてやるからな」
「あはは、それぐらいなら守れるよねー」
「はぁ、分かった分かったー。じゃあな」
「あの、俺の分まで弁当ありがとうございました!ごちそうさまです。失礼します」
丁寧に挨拶してる早川を置いてさっさと歩いて行くと、パタパタと追いかけて来た。
てか早川が元気無さそうだったけど、気のせいか?
「早川、牡蠣嫌いだったのか?」
「へ?ううん!好きだよ?」
「ふーん、じゃあ何で元気ねぇの?」
「何でって、あのメンバーに囲まれたら誰でもこうなるだろ」
「俺はならねぇよ」
「貴哉は特別だからな。生徒会長と一条さんはもちろんだけど、他の二人も有名なんだぞ」
「二人?小さいのとデカいのか?」
「そう。あそこには居なかったんだけど、もう一人二年生が居て、三人揃って有名なんだ」
「どう有名なんだ?」
「特に悪い噂は無いけど、それぞれに才能があってその三人が一緒にいるから目立ってるんだ。それぞれにファンクラブがあるぐらいな」
「ファン!?何だよそりゃ」
「知らねーよ。俺も馬鹿馬鹿しいって思うけど、それぐらいあの人達はヤバい人達なんだよ。そんな所に貴哉を行かせるなんて……嫌だけどやらなきゃいけない空気だったし」
「そうだ!早川は何でボランティア部に入らないんだ?」
「入りたいけど、話の内容的に夏休みも活動あるんだろ?俺、夏休みになったらまたバイト始めるから出来ないんだよ。生徒会長が絡んでるなら尚更な。絶対言うなよ?」
「うーん、そっか」
それなら仕方ねぇか。早川のやりたい事我慢させる訳にはいかねぇし。
でも勉強をそこまで頑張らなくていいのは魅力的だ。早川は心配だろうけど、俺はボランティア部に入って何が何でも……なんだっけ?成果?を出してやる!
20
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。

【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ 5thのその後
pino
BL
どいつもこいつもかかって来やがれ5th seasonのその後の話です。
秋山貴哉は口悪し頭悪しのヤンキーだ。無事文化祭をやり遂げたけど、実はまだやり残した事があった。
二年でフェミニンな男、小平七海との約束を果たす為に遊ぶ約束をするが、やはりここでも貴哉は遅刻をする事に。寝坊しながらも約束通りに七海と会うが、途中で貴哉の親友で真面目な性格の二之宮茜と、貴哉の元彼であり元チャラ男の早川空も合流する事になって異色のメンバーが揃う。
他にも貴哉の彼氏?桐原伊織の話や元チャラ男の早川空の話もあります。
5thの新キャラ、石原類、浅野双葉も登場!
BLです。
今回の表紙は褐色肌キャラの浅野双葉くんです。
こちらは5th seasonのその後となっております。
前作の続きとなっておりますので、より楽しみたい方は、完結している『どいつもこいつもかかって来やがれ』から『どいつもこいつもかかって来やがれ5th season』までを先にお読み下さい。
貴哉視点の話です。
※印がついている話は貴哉以外の視点での話になってます。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる