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誰の顔が面白いんだ?
しおりを挟む教室に行くと、戸塚は自分の席で本を読んでた。いつも通りだった。俺は戸塚の所には行かずに、直登に朝の出来事を話してあの女は誰なのか知ってるか聞いてみる事にした。
「直登は戸塚の知り合いの芽依って女知ってるか?」
「芽依?知らないよー。最近春くんと噂になってる桃女の子の事?」
「そうそう。今朝コンビニで二人を見たんだけど、付き合ってんのかなって」
「俺には分からないな。本人に聞いてみれば?」
「俺に教えてくれるかよ」
「春くんが貴哉に態度悪かったのは俺が貴哉の事を好きだったからなんだよ?今はもう俺と春くんは付き合ってないし、貴哉の事も嫌ってないと思うよ」
「そうか?今でも前と変わらねーぞ」
「あはは、それが春くんなんだよ」
直登は笑ってるけど、何か戸塚ってこえーんだよな。今では睨まれる事はなくなったけどな。
「それにしても春くんが女の子とねー、真面目だしモテてもおかしくはないけど意外だよね」
「そうなんだよ。あの鉄仮面がだぜ?二人きりになったら仮面が外れておもしれー顔とかになったりして!」
「誰の顔が面白いんだ?」
「わあ!と、戸塚!?」
直登と少し盛り上がっていたら急に低い声で話しかけられてビクッとしてしまった。さっきまで自分の席で本を読んでた戸塚が腕を組んで見下ろしてきた。
「秋山に話がある」
「俺に?」
意外過ぎて直登と目を合わせて確認すると、直登は笑顔で頷いていた。
「そうだ。昼休み時間取れるか?」
「あー、昼休みは生徒会長んとこ行かなきゃなんだよ」
「生徒会長ぉ!?」
戸塚に言ったのに何故か直登が驚いた反応してた。
「ちょっと、大丈夫なのか?最近一条さんとも関わってるみたいだけど」
「大丈夫だと思う。俺の夏休みがあいつらにかかってんだよ」
「そんな事はどうでもいいが、いつなら話せるんだ?」
「んあ?そうだな、今日の放課後とかは?」
「いや、放課後は俺がダメだ」
「あ、デートだろ?」
「デートなんかじゃない」
「朝の女は何なんだよ?今直登とその話してたんだぜ」
「はぁ、その事について相談したいんだよ。頼むから時間作ってくれ」
こりゃ珍しい事もあるもんだ。まさかあの戸塚が俺に相談とはな。ここまで言われたら聞かない訳にはいかねぇな。
「おう、じゃあ夜はどうだ?大丈夫なら戸塚んちまで行く」
「大丈夫だが……悪いな」
「いいって事よ!じゃあ向かう時連絡するわ」
「あの二人がまさか待ち合わせなんてね♪俺も参加したいところだけど、今回は遠慮するね」
「悪いな直登」
おー、この二人が話してるの久しぶりに見た気がするな。特に仲悪くなった訳ではないけど、一緒にいる事が無くなったからこうして話している所を見るのはどこか懐かしい感じもするな。
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