3 / 43
そこの喧嘩強そうな人ー!
しおりを挟むくそーマジで話長えんだよ担任のやろー。随分時間掛かったけど、早川帰っちゃったかなぁ?
早川がいるであろう玄関に向かってる途中で何か言い合ってる声が聞こえてきた。そこにはこの高校には似合わない銀色の髪をした不良と、そいつを数人で取り囲んで何か話していた。
喧嘩かと思って少し見てると、数人の内の一人が銀髪に殴り掛かろうとした。が、それを華麗に交わす銀髪。ふーん、あいつ良い動きしてんじゃん。
これ以上は見てても意味ねぇからさっさと帰ろうとした時、叫び声がした。
「うわぁ!痛い!」
「なっなんだよいきなりっ」
振り向くと、なんと銀髪が床に倒れ込んでいて、周りはオロオロとしていた。え、喧嘩慣れしてねぇのにたまたま当たっちゃって焦ってるとか?
にしても銀髪がやられるとか意外だったな。
「そこの喧嘩強そうな人ー!助けてー!」
「……はぁ!?」
銀髪は俺の方を向いて叫んでた。すると周りにいた奴らが一気に俺を見る。
いやいや、さっき担任に説教されたばっかよ?こんなとこで喧嘩なんかできっかよ!
「お前っ!勝手に倒れて勝手に仲間呼んでんじゃねーよ!」
「ひぃ!怖いよー!」
また殴られそうになってたからすかさず銀髪の前に出て振り下ろされた拳を掴んで止める。やっぱり素人だな。これぐらいなら余裕だ。
「おい、コイツ一年A組の……」
「まじかよ、行こうぜ!」
何かコソコソ話してたと思ったらゾロゾロとどこかへ行ってしまった。
あ?もう終わりかよ。
「いや~本当に強いね!今のカッコよかったよ~!」
「どーも。んじゃ帰るわ」
「ちょっと待ってよ。君秋山貴哉だろ?」
「だったら何?」
「俺一条紘夢!よろしくな~」
「何で俺の名前知ってんだよ」
「何でって有名人だからだよ。さっきの奴らも知ってたみたいだしね~」
あの言い方と逃げ方だと悪い意味での有名人かもな。まぁどうでもいい。さっさと行かなきゃ早川に怒られる。
歩き出すと銀髪も付いて来た。
「この後暇?貴ちゃん♪」
「気安く呼ぶんじゃねぇよ!何だ貴ちゃんて!」
「可愛いだろ?俺の事は紘たんでいいよ♪」
「誰が呼ぶか!」
「噂通りだねぇ。ねぇ暇ならお茶でもしながら話そうよ」
「忙しいからダメだ」
銀髪はどんなに冷たく言ってもしつこく付いて来る。そうこうしている内に玄関に着いてしまった。
おー、いたいた早川。怒ってねぇといいけど。
20
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ 5thのその後
pino
BL
どいつもこいつもかかって来やがれ5th seasonのその後の話です。
秋山貴哉は口悪し頭悪しのヤンキーだ。無事文化祭をやり遂げたけど、実はまだやり残した事があった。
二年でフェミニンな男、小平七海との約束を果たす為に遊ぶ約束をするが、やはりここでも貴哉は遅刻をする事に。寝坊しながらも約束通りに七海と会うが、途中で貴哉の親友で真面目な性格の二之宮茜と、貴哉の元彼であり元チャラ男の早川空も合流する事になって異色のメンバーが揃う。
他にも貴哉の彼氏?桐原伊織の話や元チャラ男の早川空の話もあります。
5thの新キャラ、石原類、浅野双葉も登場!
BLです。
今回の表紙は褐色肌キャラの浅野双葉くんです。
こちらは5th seasonのその後となっております。
前作の続きとなっておりますので、より楽しみたい方は、完結している『どいつもこいつもかかって来やがれ』から『どいつもこいつもかかって来やがれ5th season』までを先にお読み下さい。
貴哉視点の話です。
※印がついている話は貴哉以外の視点での話になってます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる