上 下
47 / 55

オチどうすんだコレ?

しおりを挟む

 放課後。帰ろうとしてると廊下から慌ただしい音が聞こえて来た。
 気にせず教室を出ようとした時、早川と直登が飛び込んで来た。


「貴哉ー!」

「買って来たよお揃いの物ー!」

「お、おう……」


 やべー、こいつらの事忘れてた。そう言えば俺がお揃いの物持ってたら口聞くとか言ったんだっけ。


「じゃじゃーん♪」


 二人が一斉に出したのは手の平に収まるぐらいのキーホルダー。え、意外な物過ぎて反応に困るんだけど!


「何これ?」

「お守りだよー!俺のはピンクで恋愛運アップなのー♪」

「俺のは黄色!金運アップ!」

「おー、そりゃ良かったな……」


 オチどうすんだコレ?
 未だにコメントに困ってると、直登が更に何かを出して来た。またまた同じ形をしたキーホルダー。今度は濃い青とオレンジ色だった。


「なんとなんとー!貴哉と春くんの分もあるんでーす♡」

「4人でお揃いとかヤバいね俺ら!」

「……まじ?」


 これには驚いた。まさか四人分あるなんて……
 まぁ二人は俺と戸塚の出来事知らねーしな。


「貴哉はダークブルーね、勉強運アップだよ♪」

「そりゃいい。サンキューな」

「戸塚はオレンジ、あいつは機械みたいだからもっと人間らしくなるように、コミュ力アップの石だ!」

「お前ら……」

「って春くん帰っちゃった?明日渡せばいっか~」


 戸塚の分のキーホルダーを奪い取り、俺は廊下を走った。戸塚ならまだ玄関辺りに居るはずだ。
 今日渡したい。いや、渡さなきゃダメだ。
 コレを渡した時の鉄仮面の顔を早く見たくてとにかく走った。

 戸塚を見つけたのは階段を降りた先。何だか一人で歩く姿が寂しそうに見えた。


「戸塚ー!」

「……秋山?」
 

 大きな声で呼ぶと振り返って俺を見た。相変わらずの鉄仮面だ。無表情のままそこに立って俺を待っていた。


しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

田舎で師匠にボコされ続けた結果、気づいたら世界最強になっていました

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:1,065pt お気に入り:581

美化委員会副委員長の受難

BL / 連載中 24h.ポイント:14pt お気に入り:109

華麗に素敵な俺様最高!

BL / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:13

来世もお迎えに参ります。

BL / 完結 24h.ポイント:120pt お気に入り:20

ダメなのに!可愛い君は罪な弟

BL / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:215

異世界で新生活〜スローライフ?は精霊と本当は優しいエルフと共に〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:19,859pt お気に入り:748

溺愛アルファは運命の恋を離さない

BL / 完結 24h.ポイント:234pt お気に入り:324

路地裏を歩いていたら、ヤンキーに捕まってハメられた話

BL / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:4

処理中です...