詩まとめ

谷岡藤不三也

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歌詞(詩)集9「急制動」

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歌詞(詩)集9「急制動」



「薄っぺらい応援歌に騙されてしまったと気づいた朝」

薄っぺらい励ましの応援歌
無責任な頑張れ見守ってるぞ

前向きな言葉で走り出した先で
自分しかいないことを知って
乗せられたんだと立ち止まって涙する

人を鼓舞するコードがある
人を感動させるコードがある
ただの音の響きが
ただの文字の羅列が
意味を帯びて
俺を引っ張っていく

そこに意志はなく
操られているというほど無我でもない
ただ確実に影響を受けて動いてるのは
「わたし」ではない同姓同名同体の誰か

薄っぺらい励ましの応援歌
無責任な頑張れ見守ってるぞ

前向きな言葉で走り出した先で
自分しかいないことを知って
乗せられたんだと立ち止まって涙する

この先は己の選択
引き返すも引き返さぬも己の選択
ここに立ち止まることすら自分の足でやっていることだ
雰囲気に流されて
安易で強いだけの言葉に煽動されて
この地に辿り着いてしまったということを
反省して切り離して
「次」を始められるのは俺しかいない



「くだらない文章と言葉でしかできないこと」

いくら言葉を尽くされたとて
言葉とイメージが繋がっていなければ
ただ文字を読んでるだけになる

単なる漢字の読みのテスト
詳細に語られても邪魔
だってわかんねーんだもん
言葉じゃ何も伝わってこない

建物を言葉に置き換えても
大事なイメージ、絵がごっそり抜け落ちるんだぜ?
無理だよ無理無理
そんなことにページ使うよりも
もっと言葉じゃなきゃできないこと綴ってくれ

言葉でこそ伝わるもの
言葉の得意なこと
そっち強くしてくれよ
どう足掻いたところで
風景描写という意味においては
「観る」のステージには遠く及ばない
むしろその純然たる体験に
言葉という説明を施そうとする分
野暮と言えるかもしれない

絵を文字には起こせないよ
なら何をするのか
イメージでは表せない
言葉でしか成立しない
意味を生み出すんだよ

それができなきゃただの劣化版
作る甲斐がない
読む甲斐がない

だらだら身の回りのものを言葉に置き換えてんなよ
読まねえよ飛ばすよ、そんなパサパサした文章

風景を描写するならそこに感情乗せろよ
お前が見ているということを意識的に言葉に乗せろよ
メタファーに昇華しろよ
それが「語る」ってことだろうがよ

説明されるだけじゃ乗ってこない

言葉でしかできないことを見つけ出せよ



「アイデア次第で何でも叶えられる」

下手に甘んじていてはいけないし
上手くなろうとすることをやめてはならないとは思うけど
でも上手くなるのには時間がかかるし
最悪上手くならないかもしれないわけだから
上手くない現状でも、ちゃんと良さを引き出せるように
考えて工夫しなきゃいけない気がする

上手くなること頼りにして、考えることを疎かにしちゃいけない
そりゃ抜群に上手い方がいい
それを目指してるけど
単純で分かりやすいことばかりを夢想して
今できることをサボっちゃいけないと思うんだ
届かないかもしれないんだから
超絶じゃないと意味なさないし
そこの勝負は血みどろの戦いだし
圧倒的先駆者有利だし

やりたいこと考えよう
やりたいことは何だったっけ?
目的を思い出して明確にして
それを満たすための条件挙げて動き出す
理想や装飾は剥ぎ取って
生身でやりたいことが完成しているかを問う
すると結構必要なもの少ないし
ちょっと頑張ってみれば届くことばかり

下手を早く脱出するだけじゃなく
下手でいた時間に意味を持たせたい
無駄だったとはしたくないから
下手の視点と工夫の仕方を学んで
左手には武器を、右手にはアイデアを持って
ワンランク上の奴らと戦おう



「延期」

pvだけ作ってゲーム未発売って
ほとんど広告詐欺と同じだよな
こんなふうに遊べますよー
楽しいですよーって嘘
完成してないやんっていう

広告詐欺は内容を見てがっかりするけど
未発売ならまだマシかも
無限に広がっていく
想像上のエンタメ

キミ自身が作り出してくれと激励してもらっているよう
形になっていない文字通りの夢をもらった俺たちが行動しないでどうするんだ!
夢をもらったらそれを実現させなきゃ嘘になるだろ
楽しませてもらったあの日々を嘘にはしたくない
だから俺たちは今立ち上がり
ビジョンを語り、旗を掲げるんだ

仲間たちと共にあの五つ星へと旅立つ
夢の世界をこの手で作り上げる



「無意識は免罪符じゃねえよ」

無意識だから悪くない?わけない
悪意がないから悪くない?わけない
無意識で人に迷惑をかけて生きている
無意識だろうがなんだろうが
迷惑かけられてるのだからそれは敵意
敵意には敵意で返す
悪意を持って相手と対峙する

無意識だから、知らないからとか
そんな都合のいいこと吐いて
紛れもない自分が犯してる罪を認めようとしない
ふざけんな
こっちはそれでどれだけ迷惑してると思ってる
どれだけの嫌な思いを、損失を被ってると思ってる
ふざけんな
都合良すぎ
ふざけんな
ちゃんと罪背負え

お前がやってきたこと全部お前に返して
どれだけのことしてきたかを意識でわからせる
ちゃんと嫌がらせして返すから

失ったものは取り戻せないんだよ
お前ごときのせいで、どれだけのもの失ってきたか数え上げてやろうか
本当に許さない
一生許さない



「会えないままでいい」

彼女の笑顔を見ると胃の張りがとれる
一方的に見ているだけだから、崩れることはない
そこから出てくる波動に癒される

本当は直接話せる方がいいんだけどね
直接話した方がそりゃリラックスになる
感情を具現化して声にして体外へ排出
俺も君も出しあう仲に
憧れの人と楽しく言葉を交わすことができたならどれだけ幸せだろうか

でも危険もあるんだ
偶像が崩れる危険が
実際に会えば、画面フィルターでカットされていたあらゆるものを感じ取ってしまう
知ってしまう
知ることはよいことかな
直向きに信じ続けるには
やっぱりアイドルのままの方がいいんじゃないのかな

会えたらアイドルじゃなくなる
気づかないふりしても言葉にしないだけで疑念は生まれてしまう
余計なことに気づいてしまう
そんな勘のいい自分が嫌いだ

会ったこともない人を好きになるなんてどうかしてる
そうだよ、どうかしてるんだ
だから愛し方だってどうかしてる方が似つかわしいだろうさ

俺はアイドルを愛する
画面越しに笑いかけてくれる今もどこかで生きている生体のキャラクターに励まされて
俺は今も生きている

平たい四角い枠の中に存在する三次元の君よ
いつまでもそこにいておくれ



「二次情報拡散王に、俺はなる!」

無断転載切り抜いて自分語りするバカ
他人の著作物使って、共感得てドヤ顔ご満悦

気軽に無断転載
無許可で拡散
あたかも推しの普及に寄与できたかのように感じられて優越感

自分で考えるよりも、それっぽい共感を呼ぶような言説を探す能力の方が現代じゃ必要不可欠
他人の考えは自分のものだ
人が歴史から学ぶのと同じことでしょー?

無断転載切り抜いて自分語りするバカ
他人の著作物使って、共感得てドヤ顔ご満悦
ゴングを鳴らされないよう利益だけは求めず
あくまでも悪気はないふり

どこに誰が潜んで監視してるかわからない
外面(マスク)を信用しないで
絵に名前に青バッジに騙されないで

安心安全善意の切り抜き無断転載
あくまでも好きを広めるためですから
二次情報拡散王に、俺はなる!



「不図」

ふと
なんとなく
気づいたら

よしやるぞってずっと考えてたら
体はガチガチ
ギシギシいいながら動いてくるよ

だから、ふと、ふと、ふとふとふと
ふと大切に
ぽっと思い浮かんだものを

ふと、ふと、ふとふとふと
ゆったりゆっくり
気負わずやろうよ



「納得を優先させるんだ」

自分の人生に納得できるように
時間の過ごし方、気をつけて
充実してるかを確かめながら

誰かに、何かに、時間を奪われないように
いつも主体的であれ

断れないんだ
断った時の罪悪感が
俺の心をざわつかせる
断った後も、嫌な感触が残る

相手がどう思っていようと関係なく
落ち込む
責めてしまう

よくわからない自罰志向
言われたことに従わなければ罰せられてきた
罰せられて見世物にされている様を見てきた
ああはなりたくないが日常でも発動して
友達にさえも怯えてしまう

約束が嫌だ
予定が嫌だ
履行できなかったらどうしよう
忘れてしまわぬように夜な夜な繰り返し唱える

滅私奉公
相手にとってはただ都合がいいだけ
頼んでもいないのに、勝手に粉になってるんだから
だから軽んじられるんだよ
滅滅滅私しても、何も返ってこない
見返りは、感謝は、露ほども返ってこない

訴えてみたところで
恩着せがましいなって
お前が勝手に滅私してるだけだろって
責任取っちゃくれない
こちらがどれだけ与えても
向こうがなんとも思ってなけりゃ
ドブに金投げ入れて祈ってるのと同じことなんだ

自分の人生に納得できるように
時間の過ごし方、気をつけて
充実してるかを確かめながら

誰かに、何かに、時間を奪われないように
いつも主体的であれ

勇気を持て
言う気を持て



「切り上げる理由」

かわいそすぎる
かわいそすぎる

ちょっと待ってかわいそすぎるよ
さすがにかわいそすぎるよ

ないない
そんなことない

えーいやさすがにかわいそすぎるよ
ちょっと待ってマジでかわいそすぎる

かわいそすぎるって
それはさすがにかわいそすぎる

かわいそすぎるって
ちょっとそんなことよりかわいそすぎるって

さすがにかわいそすぎるよ
かわいそすぎるって

かわいそすぎるよ
さすがにかわいそすぎるよ

かわいそすぎる
かわいそすぎる



「KARADA」

もう血行悪いの耐えられない

凝ると自動的に嫌になる
動かしてほぐさないと気が済まない体質
動かさないストレス
凝り固まるストレス
血の巡りが悪くなるストレス

固まって握り拳作ってたら
簡単に「アセラセ」されちゃう

動き回れ、軽やかに
いつだって思い描いたことを全身で表現できるように

体を重く感じたのなら、油差して取り戻せ
自分の体が心の足枷になるなんて悲しすぎるから

黒くドロドロしてちゃいかん
いつだって赤くサラサラでいたいんだ

血を巡らせ
血をたぎらせろ

体に熱をもたらす
ハートを真っ赤で塗りつぶせ



「コトダマ」

思う分にはいいけど、言葉に出すのは躊躇われる
言葉って声に出せば目に見えないけど
ちゃんと実体あるんだぞ
言霊受け取った相手の頭の中で
言葉はイメージを描き出している

目に見えないからって好き放題言ってないか?
言う君の中にイメージがなくとも
受け取ってしまった人の中には
強烈なイメージが植え付けられてしまう
その根は毒を伝う

言葉はビジュアル
実体を伴う

一度言われた言葉は忘れない
言霊は頭蓋骨の中を反射してずっと動き回ってんだ
発火して繋がって消えない傷が刻まれていく



「絶唱」

歌声が跳ね返ってくる
変に酔った気色の悪い声色だ

アーティストじゃねえんだ
カッコつけんな中途半端に

恥ずかしがりながら歌うことが恥ずかしい
下手なんだからせめて気持ちくらいは込めろ
大声出して飾り気なしに気持ちで歌えよ

棒線をなぞるゲームなんかぶっ壊せ
機械の判定とか他人の目なんか気にするな

歌え
恥ずかしいとか思う暇も
自分の声を聞く余裕もないくらい
没頭しろ

歌え
頭の中で音源流して
全力で

歌え
座ってんなよ
立ち上がって
ハウリングするくらいの大声で
歌え
歌え
歌え



「鼻」

遠征先でまず確認することはゴミ箱の有無とその位置
いつまでもゴミをポケットに入れてはおけないから

フライングしてズボンが焦げて、ポケットティッシュが爆発する
謎にポケット無し短パンを強要された時は焦ったな

箱ティッシュで、ゴミ袋も自前のやつ用意しておけばよかったと今では思うけど

試合中鼻が詰まって一気に集中力減退
呼吸もままならない、頭も回らない
向いてない
やりたいけどできない
劣等感

授業中、目立つからかみたくなかったマスクの下
休み時間の二回に一回はゴミ箱スタート
隠しておいたゴミを捨てる

持久走は地獄
寒いし、かめないし
口呼吸は嫌なんだよ
口が乾くし、浅いし、余計疲れるし、口で呼吸したところで鼻詰まりは何も変わらないし

鼻うがいしてたら少しは変わってたかな

できないできない
どんどん劣等感
たまに開き直って気にしないモードになることもあるけれど
何をするにしても、懸念事項
結果気にしなくてもいい今に落ち着いた

治らない
一生付き合っていくしかない
嫌っても何も改善しない
治す方へ
体質とメンタルと

言い訳にだけはするな
それは堕落への最短ルート
堕ちても治らないし、そこでも生きていかなきゃいけないのだから
ならせめて堕ちずに、ありのままの自分を受け入れてこの場所で生きていこう

大丈夫、死にはしないさ



「どこに価値があるのか見誤るな」

下手に甘えるな
下手なんだからと手を抜くな
全力でやって下手であれ

全力の中に美がある
全力でやってるから川は常に流れて清くいられるのだ
下手に止まる、甘んじてしまったら途端に泥水

清流に価値があるんだ
下手の中の工夫に価値があるんだ
見誤るな

下手は面白い見世物さ
でも本人がそんなふうに思ってしまったら
すぐさま白けてしまうだろう

馬鹿にされる笑いの中にも、1%の敬意
そのために全力でやるんだ
下手でも滑稽に見えても
頭捻って全力でぶつかりにいくんだ
格上に、勝つつもりで
挑むということを最大限利用して、なんでも全力でやってやれ
それでこそ負け様にも格好がつくというものだ
華々しく堂々と砕け散れ!
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