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ふと頭上が暗くなる。顔を上げるとアリスティアから発せられた魔法が、フレディに向かって降り注ごうとしていた。
「フレ――っ!!」
頭の中で術式を組み立てる。駄目だ、間に合わない。けどLv低い魔法では防げない。――なら。
エリオットはフレディを突き飛ばす。「エルっ」と大きく目を見開いたフレディに、エリオットは笑い掛けた。
もし魔法が直撃したとしても俺なら大丈夫と。
「地を穿て!! シュタール!!」
しかしフレディが地面に倒れこんだのと同時に、巨大の石の壁が二人を守るように突如湧き上がる。
誰だと魔法の主を視界に捉えると、そこには意外な人物がいた。
「お、お二人さん。怪我はおまへん?」
「せ、セドリック!?」
グイっとグローブを引っ張ったセドリックは人懐っこい笑みを見せたかと思えば、突然獣を駆るような鋭い眼光。そして先ほどと同じように巨大の石の壁を作り出した。
「お二人さんとゆっくり話す暇はないようやなぁ」
じゃっとセドリックは走り去った。まるで嵐のようだったが……。
「……セドリックってそれなりと魔法使えるんだな」
あの規模の魔法を簡単に発動出来る者はそうそういない。
エリオットが関心していると、フレディが一言。
「あれ、エル知らないの? セドリックは一年の中で魔法の成績一位の実力者だよ」
「……え?」
魔法の成績が一年の中で一位?? 思ってもいなかった事実にエリオットは瞠目する。
あの中二病セドリックが?? 如何せん信じ難いことだか、次々魔法を防御し、他の生徒たちのことを助けている光景を見るとそれは事実なのであろう。
「てかエルっ!! どうして僕を突き飛ばしたのさ!!」
「いや、あのままだとフレ危なかっただろ」
「それはエルだって同じでしょ!!」
喧噪の最中で言い争う二人の姿は異様である。
エリオットは息を吐くと
「俺は自分に防御魔法を掛けていたんだ。だから丸腰であるフレよりは大した怪我にはならない」
まあ、それは嘘だ。悲しいことだが、自分に掛ける余裕はなかった。思いのほか魔法の腕が落ちているらしい。
「でも――っ!!」
何処か納得出来ないフレディだったが、突如胸を押さえる。
「……え、何、今の」
胸元……普段剣を封じている箇所が鋭利なもので抉られたような痛み。
それと同様な痛みがエリオットにも訪れていた。
今のピリついた空気はなんだ。咄嗟に抑えこんだが、黙示録が表に出ようと疼く。
なんだ、何かがこの学園内にいるのか。
視界をあちらこちらと巡らすと、足止めを食らったかのようにぼーっと突っ立っているセドリックの姿が目に入った。
「……なんや、今の……」
セドリックの元へ脅威が迫る。
「セドリック!!」
思わずエリオットは叫ぶ。
ハッと我に返ったのと刹那、アリスティアの魔法が直撃し、体は宙に舞うと地面に叩きつけられた。
「フレはセドリックの様子を見てくれ!! 俺はアリスティアのところに向かう!」
「え、エルっ!!」
エリオットはアリスティアの元へ走り出す。
アリスティアの魔力の暴走の原因は分からないが、杖に送られている魔力の線を切れば強制的に流れを止めることは自分でも可能だ。
この学園内で出来る者がいるかは不透明。自分がやるしかないと、地を駆けるが――突如空から人が舞い降りる。
「フレ――っ!!」
頭の中で術式を組み立てる。駄目だ、間に合わない。けどLv低い魔法では防げない。――なら。
エリオットはフレディを突き飛ばす。「エルっ」と大きく目を見開いたフレディに、エリオットは笑い掛けた。
もし魔法が直撃したとしても俺なら大丈夫と。
「地を穿て!! シュタール!!」
しかしフレディが地面に倒れこんだのと同時に、巨大の石の壁が二人を守るように突如湧き上がる。
誰だと魔法の主を視界に捉えると、そこには意外な人物がいた。
「お、お二人さん。怪我はおまへん?」
「せ、セドリック!?」
グイっとグローブを引っ張ったセドリックは人懐っこい笑みを見せたかと思えば、突然獣を駆るような鋭い眼光。そして先ほどと同じように巨大の石の壁を作り出した。
「お二人さんとゆっくり話す暇はないようやなぁ」
じゃっとセドリックは走り去った。まるで嵐のようだったが……。
「……セドリックってそれなりと魔法使えるんだな」
あの規模の魔法を簡単に発動出来る者はそうそういない。
エリオットが関心していると、フレディが一言。
「あれ、エル知らないの? セドリックは一年の中で魔法の成績一位の実力者だよ」
「……え?」
魔法の成績が一年の中で一位?? 思ってもいなかった事実にエリオットは瞠目する。
あの中二病セドリックが?? 如何せん信じ難いことだか、次々魔法を防御し、他の生徒たちのことを助けている光景を見るとそれは事実なのであろう。
「てかエルっ!! どうして僕を突き飛ばしたのさ!!」
「いや、あのままだとフレ危なかっただろ」
「それはエルだって同じでしょ!!」
喧噪の最中で言い争う二人の姿は異様である。
エリオットは息を吐くと
「俺は自分に防御魔法を掛けていたんだ。だから丸腰であるフレよりは大した怪我にはならない」
まあ、それは嘘だ。悲しいことだが、自分に掛ける余裕はなかった。思いのほか魔法の腕が落ちているらしい。
「でも――っ!!」
何処か納得出来ないフレディだったが、突如胸を押さえる。
「……え、何、今の」
胸元……普段剣を封じている箇所が鋭利なもので抉られたような痛み。
それと同様な痛みがエリオットにも訪れていた。
今のピリついた空気はなんだ。咄嗟に抑えこんだが、黙示録が表に出ようと疼く。
なんだ、何かがこの学園内にいるのか。
視界をあちらこちらと巡らすと、足止めを食らったかのようにぼーっと突っ立っているセドリックの姿が目に入った。
「……なんや、今の……」
セドリックの元へ脅威が迫る。
「セドリック!!」
思わずエリオットは叫ぶ。
ハッと我に返ったのと刹那、アリスティアの魔法が直撃し、体は宙に舞うと地面に叩きつけられた。
「フレはセドリックの様子を見てくれ!! 俺はアリスティアのところに向かう!」
「え、エルっ!!」
エリオットはアリスティアの元へ走り出す。
アリスティアの魔力の暴走の原因は分からないが、杖に送られている魔力の線を切れば強制的に流れを止めることは自分でも可能だ。
この学園内で出来る者がいるかは不透明。自分がやるしかないと、地を駆けるが――突如空から人が舞い降りる。
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