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本編
15.独白①
しおりを挟むあの日、
確かに、
離縁すると決意し、ジーク様の執務室に向かいました。
でも、
執務室の前に着くと、
ふと
思ってしまったのです。
ジーク様との子が欲しい
と。
どうすればいいか?
私は考えました。
本当に離縁したいのならば、
離縁しないでください
と、泣いて縋るのが正解です。
私と逆のことを言うジーク様だから
離縁して!と言えば
『絶対嫌だ』
と言うはずです。
『殿下。今日は結婚して3年経ちました。殿下が待ちに待った日ですよ。良かったですね。離縁状にサインしてください』
更に煽るために、私はわざと机の上に
バンッ
と離縁状を叩きつけました。
思った通り
ジーク様は
『絶対離縁しない!』
と、激昂して離縁状をビリビリに破きました。
奥に仮眠室があるのは知っています。
煽ったのは、
そうです。
私を抱くように誘導するために。
私の思惑通り
ジーク様は私を抱えベッドへ向かいました。
まさか、ドレスを裂かれるとは思っていなかったので、びっくりしましたが。
男の人の力とはこんなにも強いのか
少し怖くなりましたが、
今更引き下がれません。
目を瞑ってましたが
「ティア、ティア、ティア……」
とジーク様が私の名前を悲しげに、苦しげに呼んでいます。
様子がおかしいので、
目を開けるとそこには
涙を流す、ジーク様がいました。
「ティア、ティア……、ごめん、ごめん……」
涙を流し謝りながら私を犯.しているジーク様。
理解できませんでした。
私はジーク様の子のもとを手に入れました。
この時
どうしてでしょう
プツン、と
ジーク様自身への想いは消えてしまったようです。
目が覚めました。
混乱していたのでしょうか、
意味不明なことを言ってしまい気が触れたと思われてしまいました。
しばらくはそのように振舞いました。
ジーク様の言動がおかしかった原因がわかりました。
コナー様から掛けられた呪いのせいだったなんて。
絶対に婚約解消しようとしなかったジーク様。
遠くから物悲しげに私を見るジーク様。
涙を流しながら私を犯.すジーク様。
ああ、必死に呪いに抗っていたのですね。
そんなジーク様を罪人にしてしまいました。
愚かな私は、
ジーク様は王族で、甘い両陛下、王族としての自覚がない王弟である公爵様。ジーク様しか国王になることはないだろう。大した罪には問われないだろう、と
思っていました。
私は、人には心というものがあることを忘れていました。
ジーク様の心に一生消えないであろう傷を負わせてしまいました。
アーロン様にも悪いことをしてしまいました。せっかく、後妻にと私を求めてくださったのに。申し訳ありませんでした。
浅はかな私は、執務室の前まで付き添ってくれた護衛騎士のことを失念していました。慌てて、陛下に『私が入室を制しました。被害者(本当は違いますが)の私が言っているのだから、護衛に罰を与えないでください』と言い募り、処罰は回避できました。彼女は護衛を辞そうとしましたが、『ジーク様の子が欲しかったから、かえって良かったのよ』と彼女にはそっと打ち明けました。辞することを留まってくれましたが、トラウマにならないといいのですが。
自分のことしか考えずに行動した私こそが、他人の人生を狂わせた罪人なのです。
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