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8話 交差
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晴海の体調は、原因が原因なだけにすぐ良くなったわけではないが、相談に訪れた日から段々と顔色の良さを取り戻していた。そんな様子に明里は、ほっと胸を撫で下ろす一方で、『今度こそ、わずかな異変も見逃さない』と決心し、気を張り詰めさせていた。
そして、晴海に直接は聞けずとも、情報を集める手段はあると考え、あくまで自然体で翠から晴海の様子を適度に折りを見て聞いていた。翠も入学時と比べて明らかに晴海の様子に違和感を感じていたのか、何も聞かずに明里の質問に応じてくれた。
(できることは何でもやっていかないと。もう、晴海さんをあんな目に遭わせるわけにはいかない。)
明里は、1日の講義を終え、研究室に戻ると一冊の薄いノートを取り出す。相談に来た日から、翠から聞いた話を含め、明里が観察した晴海の様子を書き留めるためだ。自身で様子を伺っていても、気づけない部分もある。翠から話を聞けた日には、その話は一言一句欠くことなく書き付けていた。
そのノートを書き終え、一息ついたとき。研究室にある外線電話の呼び出し音が鳴った。
「はい、吉田です。」
「学務課です。先生宛に、井上さんと言う学生の保護者の方からお電話が入っております。」
「…晴海さんの、保護者の方?」
「はい、お母様とのことです。」
明里は、一旦受話器を耳から離し、深呼吸をした。そして、意を決したように、受話器を耳に当て、
「繋いでください。」
と職員に伝えた。かしこまりました、という職員の言葉を最後に、保留音が鳴る。緊迫感から受話器を握る手に力が入り、プラスチックが軋む音が耳に届いた。保留音が終わると、女性の声でもしもし、という声が聞こえた。
「文興学院大学の吉田です。井上晴海さんのお母様でいらっしゃいますか?」
「はい、いつも娘がお世話になっております。」
晴海の母親と名乗る女性は、落ち着いた声で答えた。
「実は、晴海のことで先生にお伺いしたいことがありまして。」
「何か、ございましたでしょうか。」
「最近、娘の調子が良くないようでして。なるべく親として、大学生活のことを聞いて気にかけるようにはしているんですが、本人は何もないと言うんです。」
「そうですか…、ですが、お母様は大学で何かあったのではないか、と心配されているのですね。」
「ええ…、晴海からよく、先生のお名前を聞いていたので、何か晴海が先生にお話しされていたら、教えていただけたらと思いまして。」
明里は、晴海が家にいることが辛い、と訴える理由が、この電話のやり取りで少しわかった気がした。義務教育学校ならともかく、大学に進学した子どものことを、わざわざ電話で聞いてくるあたりからして、干渉気味であることがわかる。
何か話していたら、の部分には、自傷行為のことも含まれているに違いなく、またそうでなかったとしても、晴海と交わした約束は守らねば、と考えていた明里は、母親との電話をどう切り抜けるかと考えを巡らせた。
「確かに晴海さんはよく、私の研究室へ講義の質問に来ています。夏季休暇中も、熱心に学業に取り組まれていて、図書館でもよく見かけておりました。」
「晴海は、学校生活に馴染めていないんでしょうか。」
「私のわかる範囲でお答えしますが、そのような様子はないと思います。友人もおられますし、前期の講義のテストやレポートも、その友人たちと教え合ってクリアされていました。」
「その友人たちと言うのは、先生から見て晴海と波長が合うと言いますか、いい人たちなんでしょうか。晴海を悪く言ったり、いじったりするような子たちではないんでしょうか。」
「申し訳ありませんが、個人情報でもありますので、晴海さん以外の学生の話は私の口から伝えられることはほとんどありません。ですが、私が見る限りでは晴海さんは大学生活に順応しているとは思っております。」
「そうですか……」
明里は、晴海の母親が、晴海を心配するが故であるとはいえ、翠やその友人たちのことをネガティブな面から掘り返してくる様子に、内心憤りを感じた。
「先ほど、学務課の職員の方にも、晴海が受けている授業の様子を見学させてほしいとお願いしたのですが、それは無理です、と断られてしまいまして…。吉田先生の授業だけでも、見せていただくことはできませんか。吉田先生から、学務課の方を説得していただいて…」
「残念ながら、私どもも学院が決めた規則に沿って講義をしておりますので、それはできかねます。申し訳ありませんが…」
「そうですか…。でも、私は晴海のことが心配で心配で…」
そこから、晴海の母親がどれだけ晴海を気にかけているか、家では晴海にこれだけ声をかけている、友人たちに恵まれているとは言うが、本当にそうなのかと聞いても答えてくれないなどと、しばらく晴海の母親の苦悩を語る時間が続いた。明里は相槌を打ちながら初めは、母親のその詮索が追い詰めているのだ、と喉から出かかったが、最後の方になると、親と子どもとの間でのすれ違いが大きすぎると感じ、ある種の虚しさを感じるようになった。
明里は、ともかく自分が知っている情報はこれだけだ、と言い続け、電話を終わらせた。90分講義を3コマ分連続で行ったとき以上に疲弊感を感じ、研究室の椅子にもたれかかった。
(心配なのは、痛いほどわかる。私だって、晴海さんに、もう切ってないよね、薬を飲んでないよね、と毎日聞きたいくらい心配してる。けど、それは本人を追い詰めるだけ……。)
研究室の時計を見ると、晴海の母親と1時間弱話していたことに気づいた。明里は気持ちを落ち着けるため、研究室に備蓄してある気に入りの紅茶を淹れ、一息つくことにした。
晴海の母親からの電話を受けて数日後、明里は普段通りの生活を送っていた。晴海の様子もいつも通りで、翠からの情報提供を重ね合わせても、大きく変化はしていない。リストカットを行っているかはともかく、市販薬に手をつけているわけではなさそうだと一先ず安心していた。
自身の研究作業に没入し、時計も夕方を示そうとしていたとき、研究室の電話が鳴り響いた。
「はい、吉田です。」
「学務課です、先生。」
いつもの職員からの連絡。しかし、電話越しから学務課職員のいつもとは違った焦燥感や、緊迫した様子が電話越しから伝わってきた。
「何かありましたか。」
「友人が学内で倒れたと学生が駆け込んできまして…、倒れた学生が先ほど、救急外来に運び込まれました。」
明里は、背中に伝う冷や汗に心地の悪さを感じつつ、確かめたくなくとも聞くべき質問を職員にぶつける。
「その倒れた学生、というのは…」
「井上晴海という学生です。」
一番出てきて欲しくなかった学生の名前が、明里に伝わってしまった。明里は、受話器を耳に当てたまま、研究室を出る準備を始める。
「わかりました、私もすぐ病院に向かいます。搬送先は分かりますか。」
「県立病院です。」
職員との連絡はそこで終わり、明里は研究室を飛び出した。階段を駆け下り、駐車場まで一目散に駆け抜ける。
明里の脳内は、晴海の身の安全と、自分はまた、何か見逃してしまったのかと逡巡する。運転席に座ると、一先ず呼吸を整えた。ここで自分が焦って病院に向かう途中で、事故にあっては身も蓋もない。
(今は、晴海さんの容体を確認することが最優先。落ち着かなきゃ…)
車のエンジンをかけ、明里は職員から聞いた病院に向かった。
病院に着き、受付に駆け込んで晴海がどの病棟にいるかを確認すると、急ぎ足で晴海の元へ駆けつけた。受付からもらった情報によると、晴海は貧血で倒れ、一緒にいた翠とその友人たちが救急車を呼び、学務課へも駆け込んで応援を頼んだようだ。
病室前に着くと、丁度翠とその友人たちが出てくるところだった。
「翠さん、みんな…」
「あ、先生……」
息を切らして駆けつけた明里に、翠たちは口々に事情を説明し始めた。学務課で聞いた情報と、病院の受付で聞いた話しとほぼ一致しており、保護者が来るまでずっと看病していたとのことだった。そして、保護者が来るまでの間に、晴海は意識を取り戻し、医者に診てもらったところ、貧血で倒れたのだろうと言うことだった。
「翠さん、みんなも、ありがとうね。」
「いえ、初めはどうなるかと思いましたけど、貧血だって聞いて安心しました。」
「最近は昼ごはんも食べてたし、顔色もそんな悪くなかったから、びっくりしたよな。何かあったのかなぁ…」
「何にしてもよかったじゃん、重い病気とかじゃなかったんだし。」
ある程度の情報を伝え切った学生達は、病院を後にした。明里は、晴海の病室の前に立ち、ノックをした。入ると、そこには青白い顔で横たわる晴海と、母親の海、父親の聖が心配そうな面持ちで看病していた。
そして、晴海に直接は聞けずとも、情報を集める手段はあると考え、あくまで自然体で翠から晴海の様子を適度に折りを見て聞いていた。翠も入学時と比べて明らかに晴海の様子に違和感を感じていたのか、何も聞かずに明里の質問に応じてくれた。
(できることは何でもやっていかないと。もう、晴海さんをあんな目に遭わせるわけにはいかない。)
明里は、1日の講義を終え、研究室に戻ると一冊の薄いノートを取り出す。相談に来た日から、翠から聞いた話を含め、明里が観察した晴海の様子を書き留めるためだ。自身で様子を伺っていても、気づけない部分もある。翠から話を聞けた日には、その話は一言一句欠くことなく書き付けていた。
そのノートを書き終え、一息ついたとき。研究室にある外線電話の呼び出し音が鳴った。
「はい、吉田です。」
「学務課です。先生宛に、井上さんと言う学生の保護者の方からお電話が入っております。」
「…晴海さんの、保護者の方?」
「はい、お母様とのことです。」
明里は、一旦受話器を耳から離し、深呼吸をした。そして、意を決したように、受話器を耳に当て、
「繋いでください。」
と職員に伝えた。かしこまりました、という職員の言葉を最後に、保留音が鳴る。緊迫感から受話器を握る手に力が入り、プラスチックが軋む音が耳に届いた。保留音が終わると、女性の声でもしもし、という声が聞こえた。
「文興学院大学の吉田です。井上晴海さんのお母様でいらっしゃいますか?」
「はい、いつも娘がお世話になっております。」
晴海の母親と名乗る女性は、落ち着いた声で答えた。
「実は、晴海のことで先生にお伺いしたいことがありまして。」
「何か、ございましたでしょうか。」
「最近、娘の調子が良くないようでして。なるべく親として、大学生活のことを聞いて気にかけるようにはしているんですが、本人は何もないと言うんです。」
「そうですか…、ですが、お母様は大学で何かあったのではないか、と心配されているのですね。」
「ええ…、晴海からよく、先生のお名前を聞いていたので、何か晴海が先生にお話しされていたら、教えていただけたらと思いまして。」
明里は、晴海が家にいることが辛い、と訴える理由が、この電話のやり取りで少しわかった気がした。義務教育学校ならともかく、大学に進学した子どものことを、わざわざ電話で聞いてくるあたりからして、干渉気味であることがわかる。
何か話していたら、の部分には、自傷行為のことも含まれているに違いなく、またそうでなかったとしても、晴海と交わした約束は守らねば、と考えていた明里は、母親との電話をどう切り抜けるかと考えを巡らせた。
「確かに晴海さんはよく、私の研究室へ講義の質問に来ています。夏季休暇中も、熱心に学業に取り組まれていて、図書館でもよく見かけておりました。」
「晴海は、学校生活に馴染めていないんでしょうか。」
「私のわかる範囲でお答えしますが、そのような様子はないと思います。友人もおられますし、前期の講義のテストやレポートも、その友人たちと教え合ってクリアされていました。」
「その友人たちと言うのは、先生から見て晴海と波長が合うと言いますか、いい人たちなんでしょうか。晴海を悪く言ったり、いじったりするような子たちではないんでしょうか。」
「申し訳ありませんが、個人情報でもありますので、晴海さん以外の学生の話は私の口から伝えられることはほとんどありません。ですが、私が見る限りでは晴海さんは大学生活に順応しているとは思っております。」
「そうですか……」
明里は、晴海の母親が、晴海を心配するが故であるとはいえ、翠やその友人たちのことをネガティブな面から掘り返してくる様子に、内心憤りを感じた。
「先ほど、学務課の職員の方にも、晴海が受けている授業の様子を見学させてほしいとお願いしたのですが、それは無理です、と断られてしまいまして…。吉田先生の授業だけでも、見せていただくことはできませんか。吉田先生から、学務課の方を説得していただいて…」
「残念ながら、私どもも学院が決めた規則に沿って講義をしておりますので、それはできかねます。申し訳ありませんが…」
「そうですか…。でも、私は晴海のことが心配で心配で…」
そこから、晴海の母親がどれだけ晴海を気にかけているか、家では晴海にこれだけ声をかけている、友人たちに恵まれているとは言うが、本当にそうなのかと聞いても答えてくれないなどと、しばらく晴海の母親の苦悩を語る時間が続いた。明里は相槌を打ちながら初めは、母親のその詮索が追い詰めているのだ、と喉から出かかったが、最後の方になると、親と子どもとの間でのすれ違いが大きすぎると感じ、ある種の虚しさを感じるようになった。
明里は、ともかく自分が知っている情報はこれだけだ、と言い続け、電話を終わらせた。90分講義を3コマ分連続で行ったとき以上に疲弊感を感じ、研究室の椅子にもたれかかった。
(心配なのは、痛いほどわかる。私だって、晴海さんに、もう切ってないよね、薬を飲んでないよね、と毎日聞きたいくらい心配してる。けど、それは本人を追い詰めるだけ……。)
研究室の時計を見ると、晴海の母親と1時間弱話していたことに気づいた。明里は気持ちを落ち着けるため、研究室に備蓄してある気に入りの紅茶を淹れ、一息つくことにした。
晴海の母親からの電話を受けて数日後、明里は普段通りの生活を送っていた。晴海の様子もいつも通りで、翠からの情報提供を重ね合わせても、大きく変化はしていない。リストカットを行っているかはともかく、市販薬に手をつけているわけではなさそうだと一先ず安心していた。
自身の研究作業に没入し、時計も夕方を示そうとしていたとき、研究室の電話が鳴り響いた。
「はい、吉田です。」
「学務課です、先生。」
いつもの職員からの連絡。しかし、電話越しから学務課職員のいつもとは違った焦燥感や、緊迫した様子が電話越しから伝わってきた。
「何かありましたか。」
「友人が学内で倒れたと学生が駆け込んできまして…、倒れた学生が先ほど、救急外来に運び込まれました。」
明里は、背中に伝う冷や汗に心地の悪さを感じつつ、確かめたくなくとも聞くべき質問を職員にぶつける。
「その倒れた学生、というのは…」
「井上晴海という学生です。」
一番出てきて欲しくなかった学生の名前が、明里に伝わってしまった。明里は、受話器を耳に当てたまま、研究室を出る準備を始める。
「わかりました、私もすぐ病院に向かいます。搬送先は分かりますか。」
「県立病院です。」
職員との連絡はそこで終わり、明里は研究室を飛び出した。階段を駆け下り、駐車場まで一目散に駆け抜ける。
明里の脳内は、晴海の身の安全と、自分はまた、何か見逃してしまったのかと逡巡する。運転席に座ると、一先ず呼吸を整えた。ここで自分が焦って病院に向かう途中で、事故にあっては身も蓋もない。
(今は、晴海さんの容体を確認することが最優先。落ち着かなきゃ…)
車のエンジンをかけ、明里は職員から聞いた病院に向かった。
病院に着き、受付に駆け込んで晴海がどの病棟にいるかを確認すると、急ぎ足で晴海の元へ駆けつけた。受付からもらった情報によると、晴海は貧血で倒れ、一緒にいた翠とその友人たちが救急車を呼び、学務課へも駆け込んで応援を頼んだようだ。
病室前に着くと、丁度翠とその友人たちが出てくるところだった。
「翠さん、みんな…」
「あ、先生……」
息を切らして駆けつけた明里に、翠たちは口々に事情を説明し始めた。学務課で聞いた情報と、病院の受付で聞いた話しとほぼ一致しており、保護者が来るまでずっと看病していたとのことだった。そして、保護者が来るまでの間に、晴海は意識を取り戻し、医者に診てもらったところ、貧血で倒れたのだろうと言うことだった。
「翠さん、みんなも、ありがとうね。」
「いえ、初めはどうなるかと思いましたけど、貧血だって聞いて安心しました。」
「最近は昼ごはんも食べてたし、顔色もそんな悪くなかったから、びっくりしたよな。何かあったのかなぁ…」
「何にしてもよかったじゃん、重い病気とかじゃなかったんだし。」
ある程度の情報を伝え切った学生達は、病院を後にした。明里は、晴海の病室の前に立ち、ノックをした。入ると、そこには青白い顔で横たわる晴海と、母親の海、父親の聖が心配そうな面持ちで看病していた。
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