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4話 傾向と対策
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4話 傾向と対策
戸川くんが息を引き取った後、戸川くんがいた部屋のライトは消え、遺体も見えなくなっていた。でも、僕たちの見た光景や、戸川くんの苦しみにもがく声は記憶に焼きついたまま、消えることはない。瑞稀さんは泣き叫び、鶴本くんは試験官に向かって怒鳴り散らし、しばらく混乱していたが、2人とも疲れてしまったのか、今は電池が切れた人形のように座り込んでいる。
(戸川くん…。)
僕の中で、言い方は少し冷たいけれど、常に冷静で、このメンバーの中で1番頼りにしていた1人だった。でも、彼はもうこの世にいない。
(僕に、できることは…何だ。)
そう考えた時、思いついたと同時に体が動いていた。
「みんな、聞いてほしい。」
僕の呼びかけに、残された5人は一様に疲れた目で僕を見た。このままじゃいけない。何とか残りのメンバーだけでも生き残らなければ。
「このまま俯いているばかりじゃ、何も前進しない。対策を考えよう。」
「……考えるったって、何をよ。戸川に出題された問題聞こえてたでしょ?対策しようもないじゃない。」
「…佐々木くんに賛成。」
そう言ってくれたのは、優子さんだった。彼女も先ほどまで、泣き叫ぶ瑞稀さんをなだめつつも目の前の死に怯えて涙を流していたが、少し落ち着いたようで、僕に向かって話しかけた。
「…これは、試験なんでしょ。傾向と対策があるはずよ。」
「そう!そうだよ。出題された問題に、何か意味があるはずだ。誰か、問題の内容覚えてる?」
「…あー、確か、戸川の持つ思考が原因で罪を犯した、その思考と罪はなーんだ?って感じだった気がする。」
久美さんは、実際に人が死ぬ現場を目の当たりにしたためか、疲れ果てた声をしていたが、相変わらず飄々とした様子だ。
「そう。そして、その答えは、自分はクラス内で1人でもいじめられないのだから、いじめられる奴にも問題があるっていう考えで、いじめを見て見ぬ振りをした、だったよね。」
「何?じゃあここにいる全員、いじめを見て見ぬ振りをした人間たちってこと?」
「…もしくは、いじめに加担したとか。」
そう切り出したのは、優子さんだった。恭子さんは目の色を変えて優子さんにくってかかった。
「それ、高校の時のこと言ってんの?あんなの、いじめに入らないじゃない、ただの遊びでしょ!」
「でも、やられた本人はそう思ってないかもしれない。恭子、真剣に考えないと、戸川くんみたいになっちゃうよ。」
「…仮にそうだとしても、何で今更こんなところに閉じ込められて、正解できなきゃ殺すなんて言われなきゃなんないの?頭おかしいでしょ!」
「恭子、落ち着いて。」
恭子さんは、半ばパニック状態で、考えることを放棄しているようだった。
(…だめだ、どうやってみんなをまとめたらいいんだ。歪みあってる場合じゃないのに…!)
僕も優子さんに倣って、何とか恭子さんを落ち着かせようとした、その時。
「あははは!!!」
急に笑い声が聞こえ、言い争っていた2人ですら会話を止めた。瑞稀さんは、目は笑っていないが、口と声では大笑いをあげていた。
「何がおかしいのよ、瑞稀。」
「だって、私は大丈夫だもん、良かったーって思って、あはは!!」
「…何で、君は大丈夫だと思うの?」
正直、瑞稀さんに話しかけるのも怖かったが、恐る恐る聞いてみた。
「私、この3人に言われた通りのことやってただけだもん。いじめなんてやりたくなかったの。でも、断ったらグループに入れてもらえないし、仕方なく従っただけ。だから、私の問題は簡単、だから大丈夫って言ったの。」
「…この女、頭狂ってんのか。」
あれだけ周囲を恫喝していた鶴本くんでさえ、瑞稀さんの笑う様子に引いていた。
「…鶴本くんは、どう思う?」
「俺は頭がわりぃからわかんねぇよ。…だが、お前らの言う予想が正しけりゃ、俺にも思い当たる節はある。」
「そっか…」
ここまで問題の傾向を分析して、一つ僕の中にわからないことが出てきた。
(…じゃあ、僕の罪って、何なんだ…?)
僕には、戸川くんのような持論は持っていないし、いじめに加担してもいない。高校時代は、友人とごく普通の高校生活を送っていた記憶しかない。ここにきて、僕は自分が指名された時にどんな問題が出されるか検討がつかず、絶望を感じていた。
(…もしかして、僕、生き残れない…?)
そう考えた瞬間、死が目前に迫っていると思考が支配され、頭から血の気がひく感覚が襲った。
「ちょっと、何黙り込んでんのよ。あんたが対策を考えようって言い出したんでしょ!」
「…僕には、誰かをいじめた記憶もないし、いじめてられている子を見て見ぬ振りをした記憶もないんだ。僕は、生き残れないかもしれない…。」
「じゃあ、何で君はここに入れられたのさ。忘れてるだけで、なんかあるんじゃないのー?戸川だって、自覚してなかったみたいだしさ。」
「だから生き残れないかもしれない、って言ってるんだよ!問題を出されても、思い当たるものがなければ正解できないじゃないか!」
「佐々木くん!…落ち着いて。…まだ、そうと決まったわけじゃないわ。」
優子さんの毅然として、それでいて優しくなだめる言葉に、僕のパニック状態はすっと引いていった。
(…そうだ。まだ、これは僕たちの予想。考えることをやめたら、それこそ終わりだ。)
僕は深呼吸をして、少しずつ心の平穏を取り戻していった。それと同時に、みんなをまとめようとしたくせに、1番に取り乱してしまったことに、少し恥ずかしさを覚える。
「…ごめん。ありがとう、優子さん。ちょっと落ち着いたよ。」
「…そう、よかった。」
僕が落ち着きを取り戻した様子を見て、恭子さんはため息をついて、優子さんに居直った。
「優子がそう言うなら、他に何か思い当たる傾向はあるわけ?」
「…わからないけど、いじめっていう言葉が、戸川くんの時に偶然出てきただけだとしたら、思想の部分が傾向になるのかもしれない。」
「思想の部分って何さー、もう難しい話は疲れてきちゃった。」
「例えばだけど、彼は、正解するために、自分の今まで考えてたことをたくさん答えてたでしょう。…なんて言っていたかは、覚えられてないけど、印象としては、独善的な考え方だったような気がする。」
「…あたしも全部覚えてるわけじゃないけど、成績が自分より下のやつを見下してた、とか、仕事ができないやつをバカにしてたとか、そんな感じのこと言ってなかった?」
「じゃあ何、自分は他の人より上の人間だーとかいう考えを持った人たちの集まりってわけ?そんなこと、誰だって一度は考えるんじゃない?そこのヤクザみたいな人は別として。」
「…喧嘩売ってんのか、てめぇ。」
「久美さん、やめよう。…取り乱してしまった僕が言うのも何だけど、あくまでそんな感じの考えを無意識に持っていて、周りを傷つけたことがあるかもしれない、っていう広い枠で考えた方がいいかもしれない。さっきみたいに、いじめが絡んでる、って根拠もなく特定してしまうと、答えが見えにくくなるから。」
「また佐々木くんが取り乱しちゃうといけないもんねー、ま、とりまそれで。」
「久美!人を煽るような言い方はやめて。お願いだから。」
優子さんに注意されて、不貞腐れた子どものようにはーいと返事をしたきり、久美さんはごろんと寝転がってしまった。優子さんの言う通り、煽るような言動は控えてほしいが、久美さんも僕たちと同じく強いストレスを感じていることは確かだ。そう思うと、多少のイラつきも抑えることができた。
話し合いも煮詰まったところで、正午になったのか、配給口から食料と飲料が差し出された。僕はふと、ここに手を入れて脱出の糸口を探ろうとした戸川くんを思い出し、暗く重い感情で涙が出そうになった。
(…戸川くんを助けることはできなかった。でも、僕たちだけでも生き残らなきゃ…。ごめん、戸川くん…。)
僕は、心の中で何度も戸川くんに謝りながら、配られた食事を口に運んだ。
戸川くんが息を引き取った後、戸川くんがいた部屋のライトは消え、遺体も見えなくなっていた。でも、僕たちの見た光景や、戸川くんの苦しみにもがく声は記憶に焼きついたまま、消えることはない。瑞稀さんは泣き叫び、鶴本くんは試験官に向かって怒鳴り散らし、しばらく混乱していたが、2人とも疲れてしまったのか、今は電池が切れた人形のように座り込んでいる。
(戸川くん…。)
僕の中で、言い方は少し冷たいけれど、常に冷静で、このメンバーの中で1番頼りにしていた1人だった。でも、彼はもうこの世にいない。
(僕に、できることは…何だ。)
そう考えた時、思いついたと同時に体が動いていた。
「みんな、聞いてほしい。」
僕の呼びかけに、残された5人は一様に疲れた目で僕を見た。このままじゃいけない。何とか残りのメンバーだけでも生き残らなければ。
「このまま俯いているばかりじゃ、何も前進しない。対策を考えよう。」
「……考えるったって、何をよ。戸川に出題された問題聞こえてたでしょ?対策しようもないじゃない。」
「…佐々木くんに賛成。」
そう言ってくれたのは、優子さんだった。彼女も先ほどまで、泣き叫ぶ瑞稀さんをなだめつつも目の前の死に怯えて涙を流していたが、少し落ち着いたようで、僕に向かって話しかけた。
「…これは、試験なんでしょ。傾向と対策があるはずよ。」
「そう!そうだよ。出題された問題に、何か意味があるはずだ。誰か、問題の内容覚えてる?」
「…あー、確か、戸川の持つ思考が原因で罪を犯した、その思考と罪はなーんだ?って感じだった気がする。」
久美さんは、実際に人が死ぬ現場を目の当たりにしたためか、疲れ果てた声をしていたが、相変わらず飄々とした様子だ。
「そう。そして、その答えは、自分はクラス内で1人でもいじめられないのだから、いじめられる奴にも問題があるっていう考えで、いじめを見て見ぬ振りをした、だったよね。」
「何?じゃあここにいる全員、いじめを見て見ぬ振りをした人間たちってこと?」
「…もしくは、いじめに加担したとか。」
そう切り出したのは、優子さんだった。恭子さんは目の色を変えて優子さんにくってかかった。
「それ、高校の時のこと言ってんの?あんなの、いじめに入らないじゃない、ただの遊びでしょ!」
「でも、やられた本人はそう思ってないかもしれない。恭子、真剣に考えないと、戸川くんみたいになっちゃうよ。」
「…仮にそうだとしても、何で今更こんなところに閉じ込められて、正解できなきゃ殺すなんて言われなきゃなんないの?頭おかしいでしょ!」
「恭子、落ち着いて。」
恭子さんは、半ばパニック状態で、考えることを放棄しているようだった。
(…だめだ、どうやってみんなをまとめたらいいんだ。歪みあってる場合じゃないのに…!)
僕も優子さんに倣って、何とか恭子さんを落ち着かせようとした、その時。
「あははは!!!」
急に笑い声が聞こえ、言い争っていた2人ですら会話を止めた。瑞稀さんは、目は笑っていないが、口と声では大笑いをあげていた。
「何がおかしいのよ、瑞稀。」
「だって、私は大丈夫だもん、良かったーって思って、あはは!!」
「…何で、君は大丈夫だと思うの?」
正直、瑞稀さんに話しかけるのも怖かったが、恐る恐る聞いてみた。
「私、この3人に言われた通りのことやってただけだもん。いじめなんてやりたくなかったの。でも、断ったらグループに入れてもらえないし、仕方なく従っただけ。だから、私の問題は簡単、だから大丈夫って言ったの。」
「…この女、頭狂ってんのか。」
あれだけ周囲を恫喝していた鶴本くんでさえ、瑞稀さんの笑う様子に引いていた。
「…鶴本くんは、どう思う?」
「俺は頭がわりぃからわかんねぇよ。…だが、お前らの言う予想が正しけりゃ、俺にも思い当たる節はある。」
「そっか…」
ここまで問題の傾向を分析して、一つ僕の中にわからないことが出てきた。
(…じゃあ、僕の罪って、何なんだ…?)
僕には、戸川くんのような持論は持っていないし、いじめに加担してもいない。高校時代は、友人とごく普通の高校生活を送っていた記憶しかない。ここにきて、僕は自分が指名された時にどんな問題が出されるか検討がつかず、絶望を感じていた。
(…もしかして、僕、生き残れない…?)
そう考えた瞬間、死が目前に迫っていると思考が支配され、頭から血の気がひく感覚が襲った。
「ちょっと、何黙り込んでんのよ。あんたが対策を考えようって言い出したんでしょ!」
「…僕には、誰かをいじめた記憶もないし、いじめてられている子を見て見ぬ振りをした記憶もないんだ。僕は、生き残れないかもしれない…。」
「じゃあ、何で君はここに入れられたのさ。忘れてるだけで、なんかあるんじゃないのー?戸川だって、自覚してなかったみたいだしさ。」
「だから生き残れないかもしれない、って言ってるんだよ!問題を出されても、思い当たるものがなければ正解できないじゃないか!」
「佐々木くん!…落ち着いて。…まだ、そうと決まったわけじゃないわ。」
優子さんの毅然として、それでいて優しくなだめる言葉に、僕のパニック状態はすっと引いていった。
(…そうだ。まだ、これは僕たちの予想。考えることをやめたら、それこそ終わりだ。)
僕は深呼吸をして、少しずつ心の平穏を取り戻していった。それと同時に、みんなをまとめようとしたくせに、1番に取り乱してしまったことに、少し恥ずかしさを覚える。
「…ごめん。ありがとう、優子さん。ちょっと落ち着いたよ。」
「…そう、よかった。」
僕が落ち着きを取り戻した様子を見て、恭子さんはため息をついて、優子さんに居直った。
「優子がそう言うなら、他に何か思い当たる傾向はあるわけ?」
「…わからないけど、いじめっていう言葉が、戸川くんの時に偶然出てきただけだとしたら、思想の部分が傾向になるのかもしれない。」
「思想の部分って何さー、もう難しい話は疲れてきちゃった。」
「例えばだけど、彼は、正解するために、自分の今まで考えてたことをたくさん答えてたでしょう。…なんて言っていたかは、覚えられてないけど、印象としては、独善的な考え方だったような気がする。」
「…あたしも全部覚えてるわけじゃないけど、成績が自分より下のやつを見下してた、とか、仕事ができないやつをバカにしてたとか、そんな感じのこと言ってなかった?」
「じゃあ何、自分は他の人より上の人間だーとかいう考えを持った人たちの集まりってわけ?そんなこと、誰だって一度は考えるんじゃない?そこのヤクザみたいな人は別として。」
「…喧嘩売ってんのか、てめぇ。」
「久美さん、やめよう。…取り乱してしまった僕が言うのも何だけど、あくまでそんな感じの考えを無意識に持っていて、周りを傷つけたことがあるかもしれない、っていう広い枠で考えた方がいいかもしれない。さっきみたいに、いじめが絡んでる、って根拠もなく特定してしまうと、答えが見えにくくなるから。」
「また佐々木くんが取り乱しちゃうといけないもんねー、ま、とりまそれで。」
「久美!人を煽るような言い方はやめて。お願いだから。」
優子さんに注意されて、不貞腐れた子どものようにはーいと返事をしたきり、久美さんはごろんと寝転がってしまった。優子さんの言う通り、煽るような言動は控えてほしいが、久美さんも僕たちと同じく強いストレスを感じていることは確かだ。そう思うと、多少のイラつきも抑えることができた。
話し合いも煮詰まったところで、正午になったのか、配給口から食料と飲料が差し出された。僕はふと、ここに手を入れて脱出の糸口を探ろうとした戸川くんを思い出し、暗く重い感情で涙が出そうになった。
(…戸川くんを助けることはできなかった。でも、僕たちだけでも生き残らなきゃ…。ごめん、戸川くん…。)
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