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高3
忘れるなんて無理(13)
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フ……と鼻をかすめた香りに、和泉は目を開けようとした。
だが瞼が重い。不思議に思って触ろうとしたら、冷たく湿った感触に阻まれた。
ぼんやりした頭で、そういえば教官室で濡れタオルをもらっていたと思い出した。
頭が重い。ゆっくり息を吸いながら大きく伸びをする。タオルを外してみると、部屋はもう暗かった。衝立の向こう側にある電気がやたら眩しく見える。
結構寝ちゃってたか? 山セン、どこいった……?
起き上がろうとしてソファーに手を置くと、思いがけず柔らかい感触に触れる。恐る恐る見てみれば、そこには黒髪の頭と細い腕があった。
乱れた黒髪をそっと避けてみると、案の定そこにあるのは亜姫の顔。先程の香りは嗅ぎ慣れた亜姫の匂いだったと、そこでようやく気づく。
すぐ横に椅子があるのに何故か床に座り、ソファーを枕代わりにすやすやと眠っている。あまりにも長閑な様子。和泉はしばしその顔を眺めていたが、ふと我に返り亜姫を揺すった。
ん……と寝ぼけながら体を起こす亜姫に、和泉はつい強い口調で言う。
「何やってんだよ、帰れって言っただろ?」
亜姫は返事の代わりに体を小さく震わせた。和泉はその体を引き上げて、自分にかけられていた布団でくるむ。
「こんなとこに座り込んで寝るなんて、なに考えてんだ。体が冷え切ってるじゃねーか」
和泉もまだ頭が回りきらないのか、何だかよくわからないまま亜姫を叱りつける。
と、和泉の顔をじっと見る亜姫と目が合った。和泉も思わず見返すと、その顔が嬉しそうに綻ぶ。
「おはよう」
亜姫の手が和泉の瞼に優しく触れる。
そしてまた、嬉しそうに笑った。
「腫れひいたね。冷やしといてよかった」
「なんで戻ってきたんだよ? おばさんは?」
「お父さんと二人で帰っちゃった」
仕方ないと肩を竦めて言う亜姫に、和泉は「はぁ!?」と声を上げた。
「私がいると買い物できなくて邪魔なんだって。追い返されちゃったの。だから、和泉が家まで送って? お願い」
「は? いや、別にいいけど……え? どういうこと?」
混乱する和泉を見て亜姫は楽しそうに笑う。そして、和泉の顔に手を添えて自分の方へ向かせた。
「お母さんが、和泉の分もご飯作っておくって。
何時になってもいいから二人で帰ってこいって。
待ってる、だって」
しばらく放心状態だった和泉は、言葉の意味とその裏に感じ取れる両親の心遣いをようやく理解した。
和泉の眉間に少しずつしわが寄り、顔を歪ませていく。グイッと亜姫を抱き寄せて、和泉はまたその首筋に顔を埋めた。
「……だめだ、まだ立て直せてねーわ。……あんま揺さぶんないで……俺、またヤバい」
気持ちを切り替えようとしているのか亜姫を抱く手に力を込めながら、和泉は何度も大きな深呼吸を繰り返した。
そんな和泉の頭を、亜姫はゆるゆると繰り返し撫でる。
「冬夜さんが夕飯作ったりしてない? 大丈夫?」
「今日は遅くなるかもって言ってたから、大丈夫」
「そっか、よかった。帰る前に約束のお茶もしていこうね。長居はできないだろうけど」
「いや、おばさんが飯を作ってくれてんだろ? それなら……」
「だって、皆待ってるし」
「皆って……どこにいんだよ。帰ったんじゃないの?」
亜姫は笑いながら首を振る。
「私が戻ってすぐ、ヒロ達も戻ってきちゃった。和泉が起きるのを待ってるよ。
今は横ヤンが美味しいカフェラテ飲ませてくれるっていうから職員室に行ってる。そろそろ、戻ってくるんじゃないかなぁ」
「何してんだよ……揃いも揃ってバカじゃねーの」
和泉は大きな溜息をついて、ドサッと音を立てて寝転んだ。泣いた跡を見られたくないのか、腕で目元を覆う。
「亜姫、体調は?」
「大丈夫。お腹、空いちゃった……」
呟くようなその声に、和泉はフッと口をゆるめる。
「ね、和泉。顔……ちゃんと見せて?」
「やだよ、見んな」
和泉はまた少し背中を向ける。
「たくさん冷やしたから、もう普通だよ? 私の泣いてるところだっていつも見てるでしょう」
くすくす笑いながら和泉の腕に手を伸ばすと、和泉は嫌がる素振りを見せたあと、その手をギュッと握りしめた。
「お前が冷やしてくれてたの?……ありがと」
亜姫は、返事の代わりに空いている反対側の手を和泉の顔に添わせた。少しずつ上に向かい、和泉の腕をゆっくりどかすと……時折見せる、拗ねた子供のような顔と目が合った。
「見んなよ」と呟く和泉が愛おしくて、亜姫は手を添わせたまま触れるだけのキスをした。
それを静かに受け入れた和泉が、一度離れた唇を再度捕まえるように亜姫の首筋に手を這わせ、またそれを重ねていく。数回喰むようなキスをしたあと名残惜しそうに離れていく顔を見ると、亜姫の前には拗ねた子供ではなくいつもの和泉がいた。
その姿に、亜姫は妙に安堵する。
和泉はまた寝転んだが、天井を眺めながらポツリと言った。
「なぁ……お前、もしかしたらもう石橋のこと怖がらなくていいかも」
「えっ……?」
「亜姫、もう石橋にやり返しちゃってるんじゃない? あいつ、お前にはもう近づけない気がする」
「……和泉? どうしたの?」
思いがけない話に亜姫が困惑するが、和泉は天井を見上げたまま独り言のように話し続ける。
「俺、ずっと石橋のこと殺してやりたいと思ってた。亜姫の前に現れたら絶対許さない、今度こそ殺してやるって。でも、必要ねぇな……」
「ねぇ、和泉? 大丈夫……?」
亜姫が体を揺するが、和泉は反応しない。
「さっき発作起こした時。お前、俺のこと石橋だと思ってたんだよ。
あんな恐怖にまみれた顔で見られるとか……俺、お前にあんな怖がり方をされたら立ち直れない。
惚れた女にあんな態度取られんのはキツすぎるって……。
ちょっと指が触れただけであんなに気持ち悪がられるとか……マジで有り得ない」
心配そうに見つめる亜姫の頭を、和泉は優しく撫でる。
「石橋、お前には本気で惚れてた。やり方は間違えてるけど、お前を好きな気持ちは本物だったと思うんだよ。
でも、もし再会したらお前はまたあの顔で石橋を見るだろ? あいつを怖がらない日はきっと来ないよな?
お前は未だに魘されるけど……それって、ずっと嫌がられてるってことじゃん? ある意味、拷問だよな。初めて本気で惚れた女にあんな顔で見られ続けるとか、どんな罰くらうよりキツイだろ……」
ブツブツ言う和泉に亜姫は声をかけるが、和泉はやはり無視して続ける。
「一発ぶん殴るぐらいはしたいと思ってたけど。石橋に会ったら頑張れって応援しちゃうかも。流石に同情するわ、俺なら生きていけない。強く生きろって励ましちゃいそう……」
「和泉? ねぇ、大丈夫? ねえってば!」
ゆさゆさと体を揺する亜姫を撫でたまま、和泉はくすくすと笑う。何度も石橋に同情する言葉を呟きながら。
そこへヒロ達が戻ってきた。
「大変! 和泉がおかしくなっちゃった!」
「はぁ? あ、起きてる」
「石橋先輩を応援するって言い出したんだけど!」
「はぁ? 何言ってんだ?」
相変わらず和泉は笑っていて、話を聞かされたヒロ達も妙に納得した。
「確かに、これ以上の罰はないかもな。
さっき聞いたんだけど、石橋は何が何でも亜姫を自分のそばに置きたかったんだって。あの事件の動機は、お前をどうしても手に入れたかったからだって。
暴力で支配しようとした結果、永遠に手に入らなくなって、友達ですらなくなっちゃったしな。確かに同情するわ。亜姫が笑いかけないってのが、まず有り得ねぇもん」
男同士何やら通じているようで盛り上がっている。
それを麗華が冷ややかな目で見る。
そんないつもの光景に亜姫が笑うと、ぐぅ……とそのお腹が鳴った。
「……お腹、空いちゃった……」
お腹を抑えた亜姫が恥ずかしそうに言うと、皆が笑う。
じゃあ予定していた寄り道をするかと、それから揃って学校を出た。
だが瞼が重い。不思議に思って触ろうとしたら、冷たく湿った感触に阻まれた。
ぼんやりした頭で、そういえば教官室で濡れタオルをもらっていたと思い出した。
頭が重い。ゆっくり息を吸いながら大きく伸びをする。タオルを外してみると、部屋はもう暗かった。衝立の向こう側にある電気がやたら眩しく見える。
結構寝ちゃってたか? 山セン、どこいった……?
起き上がろうとしてソファーに手を置くと、思いがけず柔らかい感触に触れる。恐る恐る見てみれば、そこには黒髪の頭と細い腕があった。
乱れた黒髪をそっと避けてみると、案の定そこにあるのは亜姫の顔。先程の香りは嗅ぎ慣れた亜姫の匂いだったと、そこでようやく気づく。
すぐ横に椅子があるのに何故か床に座り、ソファーを枕代わりにすやすやと眠っている。あまりにも長閑な様子。和泉はしばしその顔を眺めていたが、ふと我に返り亜姫を揺すった。
ん……と寝ぼけながら体を起こす亜姫に、和泉はつい強い口調で言う。
「何やってんだよ、帰れって言っただろ?」
亜姫は返事の代わりに体を小さく震わせた。和泉はその体を引き上げて、自分にかけられていた布団でくるむ。
「こんなとこに座り込んで寝るなんて、なに考えてんだ。体が冷え切ってるじゃねーか」
和泉もまだ頭が回りきらないのか、何だかよくわからないまま亜姫を叱りつける。
と、和泉の顔をじっと見る亜姫と目が合った。和泉も思わず見返すと、その顔が嬉しそうに綻ぶ。
「おはよう」
亜姫の手が和泉の瞼に優しく触れる。
そしてまた、嬉しそうに笑った。
「腫れひいたね。冷やしといてよかった」
「なんで戻ってきたんだよ? おばさんは?」
「お父さんと二人で帰っちゃった」
仕方ないと肩を竦めて言う亜姫に、和泉は「はぁ!?」と声を上げた。
「私がいると買い物できなくて邪魔なんだって。追い返されちゃったの。だから、和泉が家まで送って? お願い」
「は? いや、別にいいけど……え? どういうこと?」
混乱する和泉を見て亜姫は楽しそうに笑う。そして、和泉の顔に手を添えて自分の方へ向かせた。
「お母さんが、和泉の分もご飯作っておくって。
何時になってもいいから二人で帰ってこいって。
待ってる、だって」
しばらく放心状態だった和泉は、言葉の意味とその裏に感じ取れる両親の心遣いをようやく理解した。
和泉の眉間に少しずつしわが寄り、顔を歪ませていく。グイッと亜姫を抱き寄せて、和泉はまたその首筋に顔を埋めた。
「……だめだ、まだ立て直せてねーわ。……あんま揺さぶんないで……俺、またヤバい」
気持ちを切り替えようとしているのか亜姫を抱く手に力を込めながら、和泉は何度も大きな深呼吸を繰り返した。
そんな和泉の頭を、亜姫はゆるゆると繰り返し撫でる。
「冬夜さんが夕飯作ったりしてない? 大丈夫?」
「今日は遅くなるかもって言ってたから、大丈夫」
「そっか、よかった。帰る前に約束のお茶もしていこうね。長居はできないだろうけど」
「いや、おばさんが飯を作ってくれてんだろ? それなら……」
「だって、皆待ってるし」
「皆って……どこにいんだよ。帰ったんじゃないの?」
亜姫は笑いながら首を振る。
「私が戻ってすぐ、ヒロ達も戻ってきちゃった。和泉が起きるのを待ってるよ。
今は横ヤンが美味しいカフェラテ飲ませてくれるっていうから職員室に行ってる。そろそろ、戻ってくるんじゃないかなぁ」
「何してんだよ……揃いも揃ってバカじゃねーの」
和泉は大きな溜息をついて、ドサッと音を立てて寝転んだ。泣いた跡を見られたくないのか、腕で目元を覆う。
「亜姫、体調は?」
「大丈夫。お腹、空いちゃった……」
呟くようなその声に、和泉はフッと口をゆるめる。
「ね、和泉。顔……ちゃんと見せて?」
「やだよ、見んな」
和泉はまた少し背中を向ける。
「たくさん冷やしたから、もう普通だよ? 私の泣いてるところだっていつも見てるでしょう」
くすくす笑いながら和泉の腕に手を伸ばすと、和泉は嫌がる素振りを見せたあと、その手をギュッと握りしめた。
「お前が冷やしてくれてたの?……ありがと」
亜姫は、返事の代わりに空いている反対側の手を和泉の顔に添わせた。少しずつ上に向かい、和泉の腕をゆっくりどかすと……時折見せる、拗ねた子供のような顔と目が合った。
「見んなよ」と呟く和泉が愛おしくて、亜姫は手を添わせたまま触れるだけのキスをした。
それを静かに受け入れた和泉が、一度離れた唇を再度捕まえるように亜姫の首筋に手を這わせ、またそれを重ねていく。数回喰むようなキスをしたあと名残惜しそうに離れていく顔を見ると、亜姫の前には拗ねた子供ではなくいつもの和泉がいた。
その姿に、亜姫は妙に安堵する。
和泉はまた寝転んだが、天井を眺めながらポツリと言った。
「なぁ……お前、もしかしたらもう石橋のこと怖がらなくていいかも」
「えっ……?」
「亜姫、もう石橋にやり返しちゃってるんじゃない? あいつ、お前にはもう近づけない気がする」
「……和泉? どうしたの?」
思いがけない話に亜姫が困惑するが、和泉は天井を見上げたまま独り言のように話し続ける。
「俺、ずっと石橋のこと殺してやりたいと思ってた。亜姫の前に現れたら絶対許さない、今度こそ殺してやるって。でも、必要ねぇな……」
「ねぇ、和泉? 大丈夫……?」
亜姫が体を揺するが、和泉は反応しない。
「さっき発作起こした時。お前、俺のこと石橋だと思ってたんだよ。
あんな恐怖にまみれた顔で見られるとか……俺、お前にあんな怖がり方をされたら立ち直れない。
惚れた女にあんな態度取られんのはキツすぎるって……。
ちょっと指が触れただけであんなに気持ち悪がられるとか……マジで有り得ない」
心配そうに見つめる亜姫の頭を、和泉は優しく撫でる。
「石橋、お前には本気で惚れてた。やり方は間違えてるけど、お前を好きな気持ちは本物だったと思うんだよ。
でも、もし再会したらお前はまたあの顔で石橋を見るだろ? あいつを怖がらない日はきっと来ないよな?
お前は未だに魘されるけど……それって、ずっと嫌がられてるってことじゃん? ある意味、拷問だよな。初めて本気で惚れた女にあんな顔で見られ続けるとか、どんな罰くらうよりキツイだろ……」
ブツブツ言う和泉に亜姫は声をかけるが、和泉はやはり無視して続ける。
「一発ぶん殴るぐらいはしたいと思ってたけど。石橋に会ったら頑張れって応援しちゃうかも。流石に同情するわ、俺なら生きていけない。強く生きろって励ましちゃいそう……」
「和泉? ねぇ、大丈夫? ねえってば!」
ゆさゆさと体を揺する亜姫を撫でたまま、和泉はくすくすと笑う。何度も石橋に同情する言葉を呟きながら。
そこへヒロ達が戻ってきた。
「大変! 和泉がおかしくなっちゃった!」
「はぁ? あ、起きてる」
「石橋先輩を応援するって言い出したんだけど!」
「はぁ? 何言ってんだ?」
相変わらず和泉は笑っていて、話を聞かされたヒロ達も妙に納得した。
「確かに、これ以上の罰はないかもな。
さっき聞いたんだけど、石橋は何が何でも亜姫を自分のそばに置きたかったんだって。あの事件の動機は、お前をどうしても手に入れたかったからだって。
暴力で支配しようとした結果、永遠に手に入らなくなって、友達ですらなくなっちゃったしな。確かに同情するわ。亜姫が笑いかけないってのが、まず有り得ねぇもん」
男同士何やら通じているようで盛り上がっている。
それを麗華が冷ややかな目で見る。
そんないつもの光景に亜姫が笑うと、ぐぅ……とそのお腹が鳴った。
「……お腹、空いちゃった……」
お腹を抑えた亜姫が恥ずかしそうに言うと、皆が笑う。
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