103 / 364
高2
文化祭(20)
しおりを挟む
「気まずいと思ってたの?」
唐突な質問。亜姫の頭の中にハテナマークが広がった。
「う、ん……だって、会話は続かないし。和泉、あんまりこっち見ないし。距離だって、今も……」
亜姫は視線で自分達の間を示す。
すると、和泉は納得したように頷く。
「俺……すごく、気は使ってるよ。敢えて触れないようにしてるし。なし崩し的な仲直りとかは嫌だったし、ケジメもつけたかった。お前が嫌がるかなとも思ってたし。
けど、気まずさは感じてない。どっちかというと……楽しい」
は? という亜姫の顔を見て、和泉は照れたように小さく笑う。
「付き合い始めた頃に戻ったみたいで……すごく、ドキドキする」
「……は?」
今度こそ、亜姫は声に出した。
私達は、これ以上ないぐらいの大喧嘩を繰り広げていたのではなかったか。今さっきまで、確かにその話をしていたはずだ。
だというのに、和泉のこの顔とセリフはなんだ?
固まっている亜姫を見て、和泉はその表情で再び笑う。
「誤解しないで。本当に反省してるんだ。
ただ……亜姫の一つ一つをすごく気にして、反応見ながら触れたり近づく距離を考えたりしてたら、あの頃を思い出してきちゃって。
それに、お前が駄々こねたりむくれたりしてるのが……すごく可愛い。
プイプイそっぽ向いて、なのに時々チラッとこっちの様子伺ってみたり。下唇突き出してむぅ……としてる顔とか、可愛くてたまらない。
しばらくこの状況でもいいかもって思っちゃったぐらい。
……だから、気が済むまで、好きなだけ駄々こねてキレていーよ」
話を聞いてるうちに、亜姫の顔には怒りが滲み出し頬が紅潮していく。
「それじゃ、私が怒る意味がないじゃない……!」
和泉は声を上げて笑った。亜姫がますます怒りを増すと、
「繰り返すけど、本当に反省はしてるんだ。ごめん」
と和泉は言う。
「たまにこうやって離れるの、あの頃の気持ち思い出して懐かしくていいかも。
初心忘れるべからず。って、こういうことを言うのかな?」
いたずら小僧みたいな顔で言う和泉。
先程迄の気持ちなど吹っ飛ばした亜姫は、思い切り睨みつける。
「違うと思う。それは、始めのころの謙虚で真摯な気持ちを忘れてはならないって意味だよ。
和泉に謙虚さなんて、ないじゃない……!!」
「お前も、なかなか言うね」
和泉は楽しそうに言う。
「好きにしていいって言ったのはそっちでしょう」
亜姫は逆に不貞腐れた。
そんな亜姫を、和泉は愛おしそうにしばし眺めていた。
亜姫はなんとも言えない居心地の悪さに、黙ったままプイっと横を向く。
なぁ、確認なんだけど。と和泉が言うも、亜姫は素知らぬフリ。しかし和泉は気にしてないようだ。
「別れる気はない。許したくないし怒ってる。でも気まずいのや距離が開いたりするのはいや。
ってことは。お前がどう反応しても、俺は今まで通り接した方がいいってことだよな?」
真顔で亜姫の心情を推察する和泉。
亜姫は羞恥でボッと赤くなる。
「っ! そんなこと、言ってないでしょう……っ!!
な、何をしてきても! 嫌な態度、とるからね!」
「反抗的な亜姫なんて、最高なんだけど。やだやだ言いながら俺の事好きって漏れてるのとか、本当に可愛い」
そう言ったあと、和泉は少し眉を寄せ……言葉に詰まった。
「こんなにわかりやすく……いつでもお前の気持ちは見えてたのにな。
俺はマイナス要素ばっかだから。お前はどんどん可愛くなってくし、ずっと不安と焦りがあった。
自分のことばっかりで、お前の気持ちを見てなかったんだと思う。本当にごめん」
「そんなに何度も謝らなくていい。もう、充分伝わってるから」
つい慰めるようなことを言ってしまった亜姫に、和泉は少し嬉しさを滲ませ微笑む。
「うん。でも、償いはちゃんとさせて。とりあえず、ジンクスを完成させてもいい?」
亜姫が返事をする前に、和泉は亜姫の目の前にグッと距離を詰め、腰に腕を絡めて抱き寄せた。椅子に座っていた亜姫の体が持ち上がり、立ったと同時に木の幹へと背中を預けさせられる。
髪が木の幹に触れないように、和泉の手が亜姫の首筋に優しく添えられていた。
昨日のことを気遣ってくれているのだと、伝わってきた。
先ほどまで離れた場所から同じ目線で見ていた和泉が、至近距離から見下ろしてくる。
いつもの光景。大好きな温もり。
複雑な心に反して、亜姫の胸は喜びの音を鳴らした。
「ジンクスのやり直しをできた二人が、中庭の木の下でキスできたら。もっと、強い絆で結ばれるんだって」
和泉は少し掠れた声でそう囁き、言い終えたと同時に優しくくちづけた。
唇がゆっくりと離れ、それに寂しさを覚えた瞬間。角度を変えた和泉の唇が、また自分のものと重なる。
いつもと同じ、和泉のキス。喜びと同時に安堵して、亜姫は素直に受け入れた。
重なるキスが何度続いたのか……「はい、おしまい」と言っているような大きめのリップ音に、亜姫は我に返る。と同時に、色んな感情を一気に思い出した。
「こんなに沢山しなきゃ、いけなかったの……?」
すぐ素直になることなど出来ず、可愛げなく呟いてしまう。
「いや、最初の一回で達成した」
和泉は、亜姫を抱きしめたままその首元に顔を埋めた。
「俺が、したかっただけ。また怒った……? あとちょっと、このままでいい……?」
和泉はそう言いながら、抱きしめる手に力を込める。
強気の合間に垣間見える弱気な姿。それがなんだか可愛くて。
自分にだけ見せる和泉のそんな姿が、たまらなく好きだなと思ってしまう。
──気持ちは同じところにあるんだな。
そう思うと、まだしばらく怒ってていいのだと素直に思えた。
「怒った。だから、もう一回、して……」
亜姫が怒ったように伝えると、顔を埋めた場所からくぐもった笑い声が返ってきた。
そしてそれから。
亜姫は接客を続け、少し強気に他の男を散らそうとする和泉との攻防戦を繰り広げた。
間近で見ることはない和泉の楽しそうな姿と、彼に守られ妙に色っぽく見える瞬間がある亜姫。それを見たがる客が後を立たず、文化祭は大繁盛の末に幕を閉じた。狙い通り、食券を手に入れたのは亜姫達のクラスだった。
亜姫もしばらくの間は怒っていたが、日毎にその感情も落ち着きを見せ、月が変わる頃にはすっかりいつもどおりの二人に戻る。
そして、久々に身体を重ねた日。
亜姫は、先日和泉が言ったような「付き合い始めのようなドキドキ」に陥ってしまい、やたらと恥ずかしがる姿に喜びを爆発させた和泉の餌食になってしまった。
息も絶え絶えな亜姫であったが、あまりにも幸せなひとときに「たまには初心に戻るのもいい」と言った和泉に思わず同意したくなったことは秘密である。
唐突な質問。亜姫の頭の中にハテナマークが広がった。
「う、ん……だって、会話は続かないし。和泉、あんまりこっち見ないし。距離だって、今も……」
亜姫は視線で自分達の間を示す。
すると、和泉は納得したように頷く。
「俺……すごく、気は使ってるよ。敢えて触れないようにしてるし。なし崩し的な仲直りとかは嫌だったし、ケジメもつけたかった。お前が嫌がるかなとも思ってたし。
けど、気まずさは感じてない。どっちかというと……楽しい」
は? という亜姫の顔を見て、和泉は照れたように小さく笑う。
「付き合い始めた頃に戻ったみたいで……すごく、ドキドキする」
「……は?」
今度こそ、亜姫は声に出した。
私達は、これ以上ないぐらいの大喧嘩を繰り広げていたのではなかったか。今さっきまで、確かにその話をしていたはずだ。
だというのに、和泉のこの顔とセリフはなんだ?
固まっている亜姫を見て、和泉はその表情で再び笑う。
「誤解しないで。本当に反省してるんだ。
ただ……亜姫の一つ一つをすごく気にして、反応見ながら触れたり近づく距離を考えたりしてたら、あの頃を思い出してきちゃって。
それに、お前が駄々こねたりむくれたりしてるのが……すごく可愛い。
プイプイそっぽ向いて、なのに時々チラッとこっちの様子伺ってみたり。下唇突き出してむぅ……としてる顔とか、可愛くてたまらない。
しばらくこの状況でもいいかもって思っちゃったぐらい。
……だから、気が済むまで、好きなだけ駄々こねてキレていーよ」
話を聞いてるうちに、亜姫の顔には怒りが滲み出し頬が紅潮していく。
「それじゃ、私が怒る意味がないじゃない……!」
和泉は声を上げて笑った。亜姫がますます怒りを増すと、
「繰り返すけど、本当に反省はしてるんだ。ごめん」
と和泉は言う。
「たまにこうやって離れるの、あの頃の気持ち思い出して懐かしくていいかも。
初心忘れるべからず。って、こういうことを言うのかな?」
いたずら小僧みたいな顔で言う和泉。
先程迄の気持ちなど吹っ飛ばした亜姫は、思い切り睨みつける。
「違うと思う。それは、始めのころの謙虚で真摯な気持ちを忘れてはならないって意味だよ。
和泉に謙虚さなんて、ないじゃない……!!」
「お前も、なかなか言うね」
和泉は楽しそうに言う。
「好きにしていいって言ったのはそっちでしょう」
亜姫は逆に不貞腐れた。
そんな亜姫を、和泉は愛おしそうにしばし眺めていた。
亜姫はなんとも言えない居心地の悪さに、黙ったままプイっと横を向く。
なぁ、確認なんだけど。と和泉が言うも、亜姫は素知らぬフリ。しかし和泉は気にしてないようだ。
「別れる気はない。許したくないし怒ってる。でも気まずいのや距離が開いたりするのはいや。
ってことは。お前がどう反応しても、俺は今まで通り接した方がいいってことだよな?」
真顔で亜姫の心情を推察する和泉。
亜姫は羞恥でボッと赤くなる。
「っ! そんなこと、言ってないでしょう……っ!!
な、何をしてきても! 嫌な態度、とるからね!」
「反抗的な亜姫なんて、最高なんだけど。やだやだ言いながら俺の事好きって漏れてるのとか、本当に可愛い」
そう言ったあと、和泉は少し眉を寄せ……言葉に詰まった。
「こんなにわかりやすく……いつでもお前の気持ちは見えてたのにな。
俺はマイナス要素ばっかだから。お前はどんどん可愛くなってくし、ずっと不安と焦りがあった。
自分のことばっかりで、お前の気持ちを見てなかったんだと思う。本当にごめん」
「そんなに何度も謝らなくていい。もう、充分伝わってるから」
つい慰めるようなことを言ってしまった亜姫に、和泉は少し嬉しさを滲ませ微笑む。
「うん。でも、償いはちゃんとさせて。とりあえず、ジンクスを完成させてもいい?」
亜姫が返事をする前に、和泉は亜姫の目の前にグッと距離を詰め、腰に腕を絡めて抱き寄せた。椅子に座っていた亜姫の体が持ち上がり、立ったと同時に木の幹へと背中を預けさせられる。
髪が木の幹に触れないように、和泉の手が亜姫の首筋に優しく添えられていた。
昨日のことを気遣ってくれているのだと、伝わってきた。
先ほどまで離れた場所から同じ目線で見ていた和泉が、至近距離から見下ろしてくる。
いつもの光景。大好きな温もり。
複雑な心に反して、亜姫の胸は喜びの音を鳴らした。
「ジンクスのやり直しをできた二人が、中庭の木の下でキスできたら。もっと、強い絆で結ばれるんだって」
和泉は少し掠れた声でそう囁き、言い終えたと同時に優しくくちづけた。
唇がゆっくりと離れ、それに寂しさを覚えた瞬間。角度を変えた和泉の唇が、また自分のものと重なる。
いつもと同じ、和泉のキス。喜びと同時に安堵して、亜姫は素直に受け入れた。
重なるキスが何度続いたのか……「はい、おしまい」と言っているような大きめのリップ音に、亜姫は我に返る。と同時に、色んな感情を一気に思い出した。
「こんなに沢山しなきゃ、いけなかったの……?」
すぐ素直になることなど出来ず、可愛げなく呟いてしまう。
「いや、最初の一回で達成した」
和泉は、亜姫を抱きしめたままその首元に顔を埋めた。
「俺が、したかっただけ。また怒った……? あとちょっと、このままでいい……?」
和泉はそう言いながら、抱きしめる手に力を込める。
強気の合間に垣間見える弱気な姿。それがなんだか可愛くて。
自分にだけ見せる和泉のそんな姿が、たまらなく好きだなと思ってしまう。
──気持ちは同じところにあるんだな。
そう思うと、まだしばらく怒ってていいのだと素直に思えた。
「怒った。だから、もう一回、して……」
亜姫が怒ったように伝えると、顔を埋めた場所からくぐもった笑い声が返ってきた。
そしてそれから。
亜姫は接客を続け、少し強気に他の男を散らそうとする和泉との攻防戦を繰り広げた。
間近で見ることはない和泉の楽しそうな姿と、彼に守られ妙に色っぽく見える瞬間がある亜姫。それを見たがる客が後を立たず、文化祭は大繁盛の末に幕を閉じた。狙い通り、食券を手に入れたのは亜姫達のクラスだった。
亜姫もしばらくの間は怒っていたが、日毎にその感情も落ち着きを見せ、月が変わる頃にはすっかりいつもどおりの二人に戻る。
そして、久々に身体を重ねた日。
亜姫は、先日和泉が言ったような「付き合い始めのようなドキドキ」に陥ってしまい、やたらと恥ずかしがる姿に喜びを爆発させた和泉の餌食になってしまった。
息も絶え絶えな亜姫であったが、あまりにも幸せなひとときに「たまには初心に戻るのもいい」と言った和泉に思わず同意したくなったことは秘密である。
10
お気に入りに追加
41
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた
久野真一
青春
最近の俺はちょっとした悩みを抱えている。クラスメート曰く、
幼馴染である百合(ゆり)と仲が良すぎるせいで付き合ってるか気になるらしい。
堀川百合(ほりかわゆり)。美人で成績優秀、運動完璧だけど朝が弱くてゲーム好きな天才肌の女の子。
猫みたいに気まぐれだけど優しい一面もあるそんな女の子。
百合とはゲームや面白いことが好きなところが馬が合って仲の良い関係を続けている。
そんな百合は今年は隣のクラス。俺と付き合ってるのかよく勘ぐられるらしい。
男女が仲良くしてるからすぐ付き合ってるだの何だの勘ぐってくるのは困る。
とはいえ。百合は異性としても魅力的なわけで付き合ってみたいという気持ちもある。
そんなことを悩んでいたある日の下校途中。百合から
「修二は私と恋人になりたい?」
なんて聞かれた。考えた末の言葉らしい。
百合としても満更じゃないのなら恋人になるのを躊躇する理由もない。
「なれたらいいと思ってる」
少し曖昧な返事とともに恋人になった俺たち。
食べさせあいをしたり、キスやその先もしてみたり。
恋人になった後は今までよりもっと楽しい毎日。
そんな俺達は大学に入る時に籍を入れて学生夫婦としての生活も開始。
夜一緒に寝たり、一緒に大学の講義を受けたり、新婚旅行に行ったりと
新婚生活も満喫中。
これは俺と百合が恋人としてイチャイチャしたり、
新婚生活を楽しんだりする、甘くてほのぼのとする日常のお話。
彼氏と親友が思っていた以上に深い仲になっていたようなので縁を切ったら、彼らは別の縁を見つけたようです
珠宮さくら
青春
親の転勤で、引っ越しばかりをしていた佐久間凛。でも、高校の間は転校することはないと約束してくれていたこともあり、凛は友達を作って親友も作り、更には彼氏を作って青春を謳歌していた。
それが、再び転勤することになったと父に言われて現状を見つめるいいきっかけになるとは、凛自身も思ってもいなかった。
全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―
入海月子
青春
佐伯優は高校1年生。カメラが趣味。ある日、高校の屋上で出会った超美形の先輩、久住遥斗にモデルになってもらうかわりに、彼の昼食を用意する約束をした。
遥斗はなぜか学校に住みついていて、衣食は女生徒からもらったものでまかなっていた。その報酬とは遥斗に抱いてもらえるというもの。
本当なの?遥斗が気になって仕方ない優は――。
優が薄幸の遥斗を笑顔にしようと頑張る話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる