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高2
文化祭(16)
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数秒して顔を上げた和泉は、亜姫を真っ直ぐ見据えて言った。
「ごめん」
亜姫は拗ねたようにプイと視線を逸らす。
「許すわけじゃ、ないから……。聞くだけ、だから」
「うん。わかってる」
「いいよ、なんて言わないからね」
「うん。わかってる」
いつもより遠くから聞こえる声。それにほんの少しの寂しさを覚え、亜姫はちらりと和泉を見た。
彼は、先程と同じ位置から亜姫を見つめていた。
二人の視線が絡む。
「亜姫、ごめんな。……沢山傷つけて、ごめん」
言いながら、和泉は少しだけ前に踏み出す。
亜姫との距離が、その分縮まった。
「今日の亜姫が可愛くて。本当に可愛くて……誰にも見せたくなかった。今日その姿を見るかもしれない、誰かもわからない奴らに勝手に苛ついた」
また少しだけ、距離が縮まる。
「昼前に、お前がその格好で出ていったって聞いて。焦って。すぐに後を追った」
その時を思い出したのか、和泉の顔が苦しそうに歪む。
「その服を着た亜姫は、男が手を出したくなるんだよ。でもお前はそういうのに疎いし、文化祭なんてどんな奴が来るかわからないから……。だから、危ないと思って着せたくなかった。
なのにその服着て一人で出て行ったって聞いて、変な男に絡まれてないか心配して。でも、もっと危機感持てよって……亜姫にも多少腹が立ってた。
昇降口で先輩に抱き寄せられて、可愛いって褒められて喜ぶ亜姫を見て……嫉妬した。
お前にじゃなくて。俺より先にその格好を間近で見て、お前に触れた先輩に。
『可愛い』って、俺が一番先に言いたかった。先輩に嬉しそうな顔を見せるお前にも……」
「来たくなかったんでしょう……?」
亜姫が不貞腐れた態度で言葉を遮ると、和泉は小さく首を振る。
「慌てて、早めに出て来ちゃったから。時間通りに来てればそんな光景を見なくて済んだのに、って思ったんだ。
先輩とは何も無いとわかっていたのに、どうしようもなく気持ちがザワついて。そんな自分にうんざりしたよ。
朝から、お前に見惚れたり近付こうとしてる奴らを何度も見て苛々してて。俺自身、冷静さを欠いてる自覚があった」
「無視してたくせに……」
変わらぬ亜姫の態度を柔らかい表情で見つめながら、和泉はまた少し近づく。
「俺も……ずっと楽しみにしてたよ。だから、落ち着かないとって焦ってた。あのままじゃお前に八つ当たりしちゃいそうで。だから、顔を見られなくて。
早く二人きりになって話をしたかった。そしたらマリナに邪魔されちゃって……」
「手を繋いで嬉しそうだったけど。二人で、ってあんなに頼んでたのに……」
亜姫の捻くれた態度を見て、和泉は柔らかく微笑む。
「うん、ごめん。それは本当に悪いと思ってる。
子供だったし、ほんの少し相手して先輩に返した方がマリナも納得するかと思ってた。
マリナが駄々こねたり悲しんだらお前も気にすると思って、少しでも早く二人きりになるにはそれが一番早いって考えてて。亜姫と先輩も後ろに付いて来てると思いこんでて。
お前がいないって気づいて……肩抱かれて遠ざかるお前が一瞬見えて、頭が真っ白になった。
マリナも先輩がいないのは不安だったらしくて、すぐ折り返したんだけど。
俺はその時見てた状況から……先輩が手ぇ出したりしないか、気が気じゃなかった」
「やっぱり……信じてない」
和泉は首を振る。
「今日の亜姫は、信じらんないぐらい可愛いから。また先輩に魔が差したりしねぇかって……それをちょっと疑ってた。
今日は、先輩がやたら手放しで褒めたり触れたりしてるように見えてたから……」
何を言ってるんだ、と言いたげな視線を受け、和泉は眉を下げてごめんと呟く。
「自分の態度が悪いことはわかってた。余裕もなくなってた。
先輩には叶わないって、いつも思う。今日も、俺はお前にしてやりたかったことを一つも出来なくて。それをあの人は全部出来てて。
俺ができないことを何もかも簡単にこなしてるように見えて、自分がすごく情けなくて。
先輩を信頼しきってるお前が無防備な態度で笑ってるのが、またたまらなく悔しくて……。その時、お前を見つけた」
いつの間にか、亜姫の目の前に和泉がいた。
ベンチに座る亜姫と目線を合わせるように、地面に片膝をついて至近距離で見つめる。
「キスされてる、って思った。どう見ても、そうとしか見えなかった。ちょうどお前が先輩の方に手を伸ばしてて……」
違う、と亜姫が首を振る。
その動きを止めるように、和泉がそっと亜姫の頬に片手を添えた。
「わかってる。ごめんな。あの時は一瞬で頭が沸騰して、自分でもわけが分からなかった。
お前のことになると、いつもどうしていいかわからなくなる。いつも余裕な先輩に叶わねぇなって思い知らされて。亜姫が俺に愛想つかすんじゃないかって……不安になる。
自分を信じられないんだ。お前のことになると、ぜんっぜん自信が持てない。
……怖いものなんて無かったのに。亜姫に嫌われることだけはいつでも怖くてしょうがない」
また少し泣きそうな顔をして、和泉は亜姫の頬をそうっと撫でた。
「ごめん、亜姫。いつまでもガキでごめんな。
かっこつけて、出来もしねーのに何でもないフリしようとしたから……結局、お前を泣かせた。
さっきお前に言ったことだけど、どれも考えたことすらないよ。なんであんなこと口走ったのか……本当に最低だな、俺……。
むしろ、逆。男の下心にも全く気づかねぇし無防備すぎることに心配しすぎて、男は危ないってもっと意識しろ。とは、いつも思ってる」
和泉は座る亜姫の横へもう片方の手を乗せた。
二人の上半身が少し近づく。
「亜姫のことも、先輩とのことも。ちゃんと信じてる。
信じられないのは俺自身だよ。なのに色んなことを誤魔化して、全部お前のせいにして八つ当たりした。
謝って済むようなことじゃないってわかってるけど。本当にごめんな」
和泉の額が亜姫の額にそっと触れた。
「償わせて。ジンクス、絶対叶えるから」
ゆっくりと鼻をすり合わせる和泉に、亜姫は俯きながら反発する。
「明日、行くなんて言ってない」
「行く気になるのを待つよ」
「怒ってるんだから。仲直りなんてしない」
「うん、それでいい」
「言うことなんて絶対聞かない。ワガママ沢山言う」
「いいよ」
「他の男の人と話したり、手を繋いじゃうかも」
「……それは駄目」
「自分はしたくせに……」
「……ごめん。でも、俺が……亜姫と繫ぎたい」
「………………やだ」
和泉の顔が少しずつ傾いて、唇が触れ合いそうな位置まで降りてくる。
もう重なる、というところで彼は一瞬動きを止めた。
「……亜姫。ごめん」
囁く和泉に、亜姫は目を閉じながら答えた。
「…………許さない」
吐息混じりの小さな笑いが和泉から零れ、唇がゆっくり重なっていく。
軽く触れるだけの優しいキス。数秒して離れた唇とそっと頬に触れている片手以外、触れ合う部分はない。
いつもと違うそのキスが少し寂しい。亜姫がそう思っていると、温もりが遠ざかった。
和泉は優しく微笑んでいるが、頬に添えた手もいつの間にか離れていて。二人の間には気安く触れるには微妙な距離がある。
思わず「もっとして」と言いかけて、グッと飲み込んだ。
「……ずっと、接客してていーよ」
その言葉に亜姫は驚いた。
「やりたがってたもんな。さっきもすごく楽しそうだった。ごめんな。俺の身勝手な独占欲で、お前に我慢させちゃってた。
その服も、髪も、メイクも。すごく可愛い。沙世莉達がお前を接客に出したがるの、わかるよ。
何かあったら俺が助けるから。ただ、あんまり前かがみになんないで。胸元が見えそう」
思わず胸元を抑えた亜姫を見て、和泉はフッと微笑む。
「亜姫。明日……今日やるはずだったこと、してくれる……?」
「やだ」
「じゃあ、俺が買って届けるよ」
「休憩に入ったら、あちこち出かけちゃうもん」
「探す」
「見つからない場所に行く」
「必ず見つけるよ。お前を見つけるのだけは得意なんだ。
……ずっと、名前も知らないお前を探しながら過ごしてきた。どこにいても見つけられる自信がある。見つかるまで探し続けるよ」
「ストーカーみたい……」
和泉はそうだなと言い、小さく笑った。
「明日の気分で決める……」
「うん。待つよ」
「どこにも行きたくなくなるかも」
「それでもいいよ。……明日も、可愛い格好してくれる?」
「やだ。明日はジャージで裏方する」
「はは。亜姫の隣にいられるならそれでもいい」
何を言っても動じない和泉に亜姫はむくれた。
和泉はまた小さな声で「ごめんな。ありがとう」と呟き、
「お昼、食べてなかっただろ? それ、食べろよ。食い終わったら戻ろう」
そう言うて、自身も座って食べ始めた。
二人の間には、まだ一人分の距離がある。それが寂しいようなホッとしたような、どちらとも言えない気持ちのまま亜姫も食べ始めた。
「先輩には連絡入れといた。あとで先輩とマリナんとこへ行ってくる」
和泉はそう言って、後に三年の教室へ向かった。
「ごめん」
亜姫は拗ねたようにプイと視線を逸らす。
「許すわけじゃ、ないから……。聞くだけ、だから」
「うん。わかってる」
「いいよ、なんて言わないからね」
「うん。わかってる」
いつもより遠くから聞こえる声。それにほんの少しの寂しさを覚え、亜姫はちらりと和泉を見た。
彼は、先程と同じ位置から亜姫を見つめていた。
二人の視線が絡む。
「亜姫、ごめんな。……沢山傷つけて、ごめん」
言いながら、和泉は少しだけ前に踏み出す。
亜姫との距離が、その分縮まった。
「今日の亜姫が可愛くて。本当に可愛くて……誰にも見せたくなかった。今日その姿を見るかもしれない、誰かもわからない奴らに勝手に苛ついた」
また少しだけ、距離が縮まる。
「昼前に、お前がその格好で出ていったって聞いて。焦って。すぐに後を追った」
その時を思い出したのか、和泉の顔が苦しそうに歪む。
「その服を着た亜姫は、男が手を出したくなるんだよ。でもお前はそういうのに疎いし、文化祭なんてどんな奴が来るかわからないから……。だから、危ないと思って着せたくなかった。
なのにその服着て一人で出て行ったって聞いて、変な男に絡まれてないか心配して。でも、もっと危機感持てよって……亜姫にも多少腹が立ってた。
昇降口で先輩に抱き寄せられて、可愛いって褒められて喜ぶ亜姫を見て……嫉妬した。
お前にじゃなくて。俺より先にその格好を間近で見て、お前に触れた先輩に。
『可愛い』って、俺が一番先に言いたかった。先輩に嬉しそうな顔を見せるお前にも……」
「来たくなかったんでしょう……?」
亜姫が不貞腐れた態度で言葉を遮ると、和泉は小さく首を振る。
「慌てて、早めに出て来ちゃったから。時間通りに来てればそんな光景を見なくて済んだのに、って思ったんだ。
先輩とは何も無いとわかっていたのに、どうしようもなく気持ちがザワついて。そんな自分にうんざりしたよ。
朝から、お前に見惚れたり近付こうとしてる奴らを何度も見て苛々してて。俺自身、冷静さを欠いてる自覚があった」
「無視してたくせに……」
変わらぬ亜姫の態度を柔らかい表情で見つめながら、和泉はまた少し近づく。
「俺も……ずっと楽しみにしてたよ。だから、落ち着かないとって焦ってた。あのままじゃお前に八つ当たりしちゃいそうで。だから、顔を見られなくて。
早く二人きりになって話をしたかった。そしたらマリナに邪魔されちゃって……」
「手を繋いで嬉しそうだったけど。二人で、ってあんなに頼んでたのに……」
亜姫の捻くれた態度を見て、和泉は柔らかく微笑む。
「うん、ごめん。それは本当に悪いと思ってる。
子供だったし、ほんの少し相手して先輩に返した方がマリナも納得するかと思ってた。
マリナが駄々こねたり悲しんだらお前も気にすると思って、少しでも早く二人きりになるにはそれが一番早いって考えてて。亜姫と先輩も後ろに付いて来てると思いこんでて。
お前がいないって気づいて……肩抱かれて遠ざかるお前が一瞬見えて、頭が真っ白になった。
マリナも先輩がいないのは不安だったらしくて、すぐ折り返したんだけど。
俺はその時見てた状況から……先輩が手ぇ出したりしないか、気が気じゃなかった」
「やっぱり……信じてない」
和泉は首を振る。
「今日の亜姫は、信じらんないぐらい可愛いから。また先輩に魔が差したりしねぇかって……それをちょっと疑ってた。
今日は、先輩がやたら手放しで褒めたり触れたりしてるように見えてたから……」
何を言ってるんだ、と言いたげな視線を受け、和泉は眉を下げてごめんと呟く。
「自分の態度が悪いことはわかってた。余裕もなくなってた。
先輩には叶わないって、いつも思う。今日も、俺はお前にしてやりたかったことを一つも出来なくて。それをあの人は全部出来てて。
俺ができないことを何もかも簡単にこなしてるように見えて、自分がすごく情けなくて。
先輩を信頼しきってるお前が無防備な態度で笑ってるのが、またたまらなく悔しくて……。その時、お前を見つけた」
いつの間にか、亜姫の目の前に和泉がいた。
ベンチに座る亜姫と目線を合わせるように、地面に片膝をついて至近距離で見つめる。
「キスされてる、って思った。どう見ても、そうとしか見えなかった。ちょうどお前が先輩の方に手を伸ばしてて……」
違う、と亜姫が首を振る。
その動きを止めるように、和泉がそっと亜姫の頬に片手を添えた。
「わかってる。ごめんな。あの時は一瞬で頭が沸騰して、自分でもわけが分からなかった。
お前のことになると、いつもどうしていいかわからなくなる。いつも余裕な先輩に叶わねぇなって思い知らされて。亜姫が俺に愛想つかすんじゃないかって……不安になる。
自分を信じられないんだ。お前のことになると、ぜんっぜん自信が持てない。
……怖いものなんて無かったのに。亜姫に嫌われることだけはいつでも怖くてしょうがない」
また少し泣きそうな顔をして、和泉は亜姫の頬をそうっと撫でた。
「ごめん、亜姫。いつまでもガキでごめんな。
かっこつけて、出来もしねーのに何でもないフリしようとしたから……結局、お前を泣かせた。
さっきお前に言ったことだけど、どれも考えたことすらないよ。なんであんなこと口走ったのか……本当に最低だな、俺……。
むしろ、逆。男の下心にも全く気づかねぇし無防備すぎることに心配しすぎて、男は危ないってもっと意識しろ。とは、いつも思ってる」
和泉は座る亜姫の横へもう片方の手を乗せた。
二人の上半身が少し近づく。
「亜姫のことも、先輩とのことも。ちゃんと信じてる。
信じられないのは俺自身だよ。なのに色んなことを誤魔化して、全部お前のせいにして八つ当たりした。
謝って済むようなことじゃないってわかってるけど。本当にごめんな」
和泉の額が亜姫の額にそっと触れた。
「償わせて。ジンクス、絶対叶えるから」
ゆっくりと鼻をすり合わせる和泉に、亜姫は俯きながら反発する。
「明日、行くなんて言ってない」
「行く気になるのを待つよ」
「怒ってるんだから。仲直りなんてしない」
「うん、それでいい」
「言うことなんて絶対聞かない。ワガママ沢山言う」
「いいよ」
「他の男の人と話したり、手を繋いじゃうかも」
「……それは駄目」
「自分はしたくせに……」
「……ごめん。でも、俺が……亜姫と繫ぎたい」
「………………やだ」
和泉の顔が少しずつ傾いて、唇が触れ合いそうな位置まで降りてくる。
もう重なる、というところで彼は一瞬動きを止めた。
「……亜姫。ごめん」
囁く和泉に、亜姫は目を閉じながら答えた。
「…………許さない」
吐息混じりの小さな笑いが和泉から零れ、唇がゆっくり重なっていく。
軽く触れるだけの優しいキス。数秒して離れた唇とそっと頬に触れている片手以外、触れ合う部分はない。
いつもと違うそのキスが少し寂しい。亜姫がそう思っていると、温もりが遠ざかった。
和泉は優しく微笑んでいるが、頬に添えた手もいつの間にか離れていて。二人の間には気安く触れるには微妙な距離がある。
思わず「もっとして」と言いかけて、グッと飲み込んだ。
「……ずっと、接客してていーよ」
その言葉に亜姫は驚いた。
「やりたがってたもんな。さっきもすごく楽しそうだった。ごめんな。俺の身勝手な独占欲で、お前に我慢させちゃってた。
その服も、髪も、メイクも。すごく可愛い。沙世莉達がお前を接客に出したがるの、わかるよ。
何かあったら俺が助けるから。ただ、あんまり前かがみになんないで。胸元が見えそう」
思わず胸元を抑えた亜姫を見て、和泉はフッと微笑む。
「亜姫。明日……今日やるはずだったこと、してくれる……?」
「やだ」
「じゃあ、俺が買って届けるよ」
「休憩に入ったら、あちこち出かけちゃうもん」
「探す」
「見つからない場所に行く」
「必ず見つけるよ。お前を見つけるのだけは得意なんだ。
……ずっと、名前も知らないお前を探しながら過ごしてきた。どこにいても見つけられる自信がある。見つかるまで探し続けるよ」
「ストーカーみたい……」
和泉はそうだなと言い、小さく笑った。
「明日の気分で決める……」
「うん。待つよ」
「どこにも行きたくなくなるかも」
「それでもいいよ。……明日も、可愛い格好してくれる?」
「やだ。明日はジャージで裏方する」
「はは。亜姫の隣にいられるならそれでもいい」
何を言っても動じない和泉に亜姫はむくれた。
和泉はまた小さな声で「ごめんな。ありがとう」と呟き、
「お昼、食べてなかっただろ? それ、食べろよ。食い終わったら戻ろう」
そう言うて、自身も座って食べ始めた。
二人の間には、まだ一人分の距離がある。それが寂しいようなホッとしたような、どちらとも言えない気持ちのまま亜姫も食べ始めた。
「先輩には連絡入れといた。あとで先輩とマリナんとこへ行ってくる」
和泉はそう言って、後に三年の教室へ向かった。
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