緋色の月と破滅の炎

睦月夜風

文字の大きさ
上 下
105 / 108
第五章 孤独を照らす藤の花

第8話 舞

しおりを挟む
「·····(ねっむ)」
「あ、あはは、そりゃ、そうだよ、司令、ずっと資料見てたのですから、早く寝ないと身長大きくなりませんよ?」
「····(だまれ)」
「未だに163cmだなんて」
「······(う、うるせぇ)」
「私は179cmもありますよ?」
「·····(だー!もう!何だよ!急に!)」
「早く寝てくださいって意味です」
「·····(はぁ、はいはい分かりましたよ)」
 その時
「失礼するよ、司令に副司令」
「あ、神居かむいちゃん、どうしたの?」
月龍つきりゅう司令、神格化の儀式の時間だよ」
「···(そうか)」
峯川みねかわ副司令も来てね」
「え?何で?」
「この儀式さ、恋人が居るならその人も来ないとダメなんだよね」
「成る程、分かったわ」
「あ、それと、はい、これ着替えてね」
 神居かむいちゃんは私に藤の模様が入った着物、月龍つきりゅう君には彼岸花が入った着物を渡した
「わぁ、今度は着物なんだね」
「袴は汚れてるからね、私が作ったの」
「そうなんだ····私のは藤が沢山あるのに司令の彼岸花は少ないね」
「彼岸花が大量に咲いてたら少し気味悪いでしょ?だからそうしたの」
「成る程」
「·······(個人的にはもっとあって欲しかった)」
「私が嫌なので嫌です」
「····(はいはい、それじゃ、行くとするか)」
「そうですね、司令」
「····(今更だけど何で敬語?)」
「司令ですし」
「···(気が狂うんだよなー)」
「なんでですか?」
「····(まぁ、良いか)」
「ほら、二人とも早く行くよ」
「はいはーい」




儀式の間
「·······」
儀式の間と言われる場所には大きな龍やドラゴンが沢山居た
「···こ、このドラゴンや龍達は?」
「神様だよ皆」
「え···」



「ほぉ、お前がか?神格化になるのは」
「·····」
「おい、龍神様からのお言葉だぞ、何か言え」
「·····」
「まぁ、待て、君、喋れないのだろう?」
「『厳密に言ったら俺は喋らない』だそうです」
「な!?龍神様を話す価値が無いと言いたいのか!?」
「·····!」
「え?ええ?」
「どうした?通訳者」
「え、えと『ああ、そうだよ!』って」
『は!?』
「ほほぉ、何故かね?」
「······お前、自分の娘を追放しただろ!」
「!」
「な、何を···貴様···龍神さまがそんな事を···」
「···よくわかったな」
『え?』
「そうだ、お主の言う通り···追放してもうた」
「何でだよ!自分の娘だろ!大事な家族だろ!」
その時
月龍つきりゅう君は血を吐いた
「うっ!」
「大丈夫か?」
「う、うぐぐ」
「無理に喋るな、お前には心の底から愛する、通訳者が居るだろう?」
「···それも···そおっすね···」
月龍つきりゅうく···司令!」
「·····」
「それで、大事な家族だと言ってくれたな」
「····」
「『ああ』」 
「お主の言う通りだワシはあの子の事を大事に育てた·····だが··全てが何故か弱く、あのままでは処刑されると思ってな地上に逃がしたのだ」
「·····」
「『え?』」
「現在は人の子に助けられ、楽しんでいるそうだな····」
「····」
「龍神様、私も発言しても良いですか?」
「構わんぞ」
「私達にその子の保護をさせてくれませんか?」
「な!?」
「·····」
「司令もそうしたいって言ってます」
「···分かった、あの子は君達に任せるだがな」
「なんですか?」
「あの娘の自由等を奪ったりはしないでくれ、出来れば見てるだけで頼む」
「元よりそうするつもりです」
「そうか···頼んだぞ」
「はい!」
「····で、神格化の件は?」
「おお、すまん、っと言ってもな後は適当に龍之舞を踊れば·····ってあれ?踊り子の子は?」
「じ、実は···今日、風邪をひいていて···」
「な!?な、ならどうする?龍之舞が出来なければ、こやつは···」
「私がやりましょうか?」
峯川みねかわ殿、貴殿は龍之舞の振り付けを知ってるのですか?」
「いや、この場で振り付けを教えてください、そうすれば舞が出来ます」
「···しょうがない、そうしよう」
「で、ですが」
「大丈夫です、ってか、私の恋人の夢を叶えれるなら、何だってします!」 
「···そうか、月龍つきりゅう、お主はとても良い恋人を持ったな、ここまで心配してくれるの恋人は長々見ないぞ」
「···いつか、恩返ししてやりたいですよ、迷惑かけてばっかだから」
「···司令、私は司令と一緒に居る、ただそれだけでも幸せです」
「そっか·····ところで···敬語やめてくれ」
「無理です♡」
「········」
「それでは、こちらに」
「はい」
数分後
「よし、覚えました」
「分かりもうした、では、着替えて行きましょう」
「また着替えるですね」
「すみません」
「大丈夫です」
「お待たせしました、それでは始めましょう、宗古そうこ殿、に他の皆さん、お願いします」
「ええ」
そうして私は月龍つきりゅう君の前で舞を踊った
物凄く激しく厳しい舞だった
「·····」
汗が滝のように流れてきた
「···(辛いけど···月龍つきりゅう君の為にも!)」
宗古そうこ····」
「(絶対に···)」
そして舞は終わった
「···ん?」
月龍つきりゅう君体は光輝いた
「成功だ、良くやった、宗古そうこ
「はぁ、はぁ、よ、良かった···」
「···」
そしてしばらくして光は治まった
「·····」
「どうだ?」
「···何だこれ···凄い妖気を感じられる」
「そうか··では見せてみろ、神格化を」
「···神格化!」
月龍つきりゅう君と刀が赤く光輝いた
『···』
光が消えると月龍つきりゅう君は右の頬と首もと、両腕、手の甲に彼岸花の模様があった、そして刀は凄まじい妖気を放っていて、服装は変わっていなかった
「····」
「わぁ···」
「どうだ?」
「····何か···凄い妖力や妖気を感じる上に飛んでもなく体が軽いんで、少し先の未来かな?それが見える」
「未来予知か、ではそなたの速さを見てやろう、閃龍せんりゅう、貴様と競争しろ」
「はっ!」

「では、ここの山から此処までだ」
「え、え?りゅ、龍神様···ここから彼処まで二キロはありますよ?」
「自分の恋人を信じてやれ」
「····分かりました、頑張ってね」
「ああ」



数分後
「それじゃ、よーい!ドン!」
ドーーーン!
「はい、到着」
「···え?は、速すぎない?」
「神速は伊達じゃねえよ」
「へ、へぇ···」




















    
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

名前を書くとお漏らしさせることが出来るノートを拾ったのでイジメてくる女子に復讐します。ついでにアイドルとかも漏らさせてやりたい放題します

カルラ アンジェリ
ファンタジー
平凡な高校生暁 大地は陰キャな性格も手伝って女子からイジメられていた。 そんな毎日に鬱憤が溜まっていたが相手が女子では暴力でやり返すことも出来ず苦しんでいた大地はある日一冊のノートを拾う。 それはお漏らしノートという物でこれに名前を書くと対象を自在にお漏らしさせることが出来るというのだ。 これを使い主人公はいじめっ子女子たちに復讐を開始する。 更にそれがきっかけで元からあったお漏らしフェチの素養は高まりアイドルも漏らさせていきやりたい放題することに。 ネット上ではこの怪事件が何らかの超常現象の力と話題になりそれを失禁王から略してシンと呼び一部から奉られることになる。 しかしその変態行為を許さない美少女名探偵が現れシンの正体を暴くことを誓い…… これはそんな一人の変態男と美少女名探偵の頭脳戦とお漏らしを楽しむ物語。

ロリっ子がおじさんに種付けされる話

オニオン太郎
大衆娯楽
なろうにも投稿した奴です

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

処理中です...