緋色の月と破滅の炎

睦月夜風

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第一章 破滅の炎

第17話 殺意VS殺し魔

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「··師匠あのときそんなに話していたんですか」
白馬はくばが死ぬ気で君を助けようとしていたからねそうなったのさ」
「本当に白馬はくばさんは月龍つきりゅう君の事心配していたんだね」 
「何やら、彼女には妹が居て、その妹も一時期そんな時があったらしい」
「ああ、アイツか···元気にしてるかな」 「その妹さん月龍つきりゅう君の事物凄く恨んでいるんじゃ」
「間違いなくなアイツ俺の事すげぇ、睨んでたし」
「そりゃ、そうだよ、私だって三奈みな殺されたら殺した本人を地獄の果てまで追いかけて殺すからね」
「誰だって、家族は大事なんだよ月龍つきりゅう
「分かってるよ」
その時
「久しぶりだね」
後ろから完全に聞き覚えがある声がした俺は慌てて振り向いたするとそこには
「·····お前は···白馬はくばの妹···」
青い筋が入った巫女服を着ている少女が居た
「そうよ、睦月むつき、名前···言ってなかったっけ?」
「ああ」
白馬白波はくばしらなよ」
「まぁ、俺も名前変わったけど」
「知ってる、事故死したんでしょ?今の名前は確かに···月龍冷刃つきりゅうれいばだっけ?」
「ああ、それで、なんだ?復讐しに来たのか?」
「そんな事、御姉様が許すとでも?」
「····え?」
「御姉様はあんたに刺されて倒れた時、私に死に際に言ったの『睦月むつき君に復讐なんてしないで、それといつかまた会ったら完全な優しい心を与えられなくてごめんなさいって言っといてね』ってさ」
「···お前の心は?」
「何とも···本当の御姉様を殺した奴にさっき会ってね」
「···は?殺したのは俺だぞ?」
「貴方···峰打ちだったでしょ?御姉様刺したとき」
「!、気付いていたのか」
「貴方はぎりぎり死なないように刺したけど御姉様は死んでしまった、なぜかと言うとそいつが既に御姉様を瀕死に追い込んでいたから」
「···そんな」
「それで、そいつは直ぐそこに居る、本人は勝手に体が殺したらしい」
「····まさか、二重人格」
「(月龍つきりゅう!代われ!)」
「は?何でだよ月殺げっさつ
「(そいつのもう1人の人格は俺が殺す)」
「お、おう、皆、俺、一旦代わる」
「え?どういうこと?」
「おお?お前、心の鬼がお前に協力するなんてな」
「貴方の鬼の部分が見れるのね」
「まぁ、な」
そして俺の意識は遠のいた



「うー、よーし!」
「これが、月龍つきりゅうの鬼···」
「おお?お前····強すぎね?幕末から生きてきた俺だがお前みたいな奴初めて見たぞ?」
「おお、流石分かるのか」
「まぁ、な、それで、お前、あの巫女の妹か····大きくなったな」
「あ、う、うん」
「あの時の泣きじゃくっていた奴とは思えねぇぜ」
俺がそう言ったその時1人の少年が現れた、年はおそらく月龍つきりゅう達と変わらないだろう、背中に長い刀を背負っていた
「あ、あの···」
「おお、お前かあの巫女を殺した奴は」
「ちがっ!いや、違うことは無いけど··その」
「分かっている、お前のもう1人の人格者に俺は面識がある、そいつの呪いを解いてやろう」
「!、本当ですか!」
「ああ、俺に任せろ、お前もあの巫女に助けられたのだろう?」
「はい、そうです、僕に生きることの面白さを教えてくれたのはあの人です」
「そうか、そうか、よし、さぁ、出せもう1人の人格者を」
「はい···」
すると少年の目は代わり青から赤に代わった
「よぉ、久しぶりだな、影千代かげちよ
「お前は···確かあの時の名がない剣豪か?」
「今は月殺げっさつだ」
「そうかよ、ってか、お前どうしてそんなに俺を恨む?なんだ?あの雑魚巫女がどうかしたのか?」
「っ!」
俺の中で何が爆発したそして今で感じた事が無いくらい凄まじい怒りがこみ上げてきた
「てめぇ···ふざけんなよ」
俺は刀を取り出し影千代かげちよに飛びかかった
カン!
「おいおい、どうした?」
「あの巫女を侮辱するな」
「あ?」
「あの巫女のお陰で俺はこうやって生きていけてるんだよ!あいつは俺の命の恩人だった!なのに、なのにどうしてあんなことした!」
「そんなの、俺の視界に入ったからに決まってるだろ?」
「···もう許さん、お前みたいな殺し魔は絶対に殺してやる」
「何だ?あの時の一騎討ちを忘れたのか?お前は俺に手も足も出ず負けたじゃねぇか」
「それは、お前が開幕早々、結界術を展開してきたからだろうが」
「それは結界術が使えないお前が悪い、さてそれじゃ、また気絶してもらうか 滅亡龍暴龍降臨めつぼうりゅうぼうりゅうこうりん
「···」
影千代かげちよの後ろには大きな黒い龍が現れた
「じゃあな」
そう影千代かげちよが言うと凄まじい数の斬撃が俺を襲った
「····」
「おい、せめて10秒は耐えろよ?」
「はは、あー、全然、痛くねぇな」
「は?強気になるのもいい加減に···ってはああああああ!?」
「おいおい、どうした?お前の結界術はその程度か?」
「お、おかしい、何故だ何故だ!」
「····(月龍つきりゅう大丈夫か?)」
「(死にかけましたけど、何か?)」
「(だよなー、まあ、良いか、それより、お前の仮面使わせてもらうぞ)」
「(おっけー)」




私達は離れて黒色の結界を見ていた
「···あの人あんなに強かったんだ」
「私も正直驚いてるよ」
「はは、流石、僕の生徒だ」
「···」
私は白波しらなちゃんが私を見つめているのに気が付いた
「どうかしたの?」
「···いや、何か····やっぱり何でもない」
「そ、そう?なら良いけど」



「さて···使わせてもらおうかこれを」
俺は仮面を取り出した
「なんだ?その仮面」
俺は仮面を着けた
「さて、ちゃんと改造できてるかな、お!できてるできてるなら来い、破壊シヴァ!」
ドーーーン!
「おお、何だ?何だ?」
「シヴァ、この結界を破壊してくれ」
「承知、はぁ!」
パリーーーン!!!
シヴァが妖気を放つと結界は割れて無くなってしまった
「う、うそだ···俺の結界術が···」
「はい、戻れ」
「うぃーす」
シヴァは仮面に戻った


「「え!?」」
「うぉー!結界術を内から破るとは···あっ、成る程シヴァの能力か」
「シヴァ?」
「ヒンドゥー教の最高神シヴァ、確か破壊神だよ」
「成る程、つまり破壊の能力で結界を破壊したと」
「そういうこと、だが、破壊の力は確か妖力の消耗が激しかったはず、だから妖力が直ぐ切れてしまうだろうな」
「それじゃ、ピンチなんじゃ」
「大丈夫だよ、白波しらなちゃん」
「え?」
「いや、大丈夫じゃないでしょ」
月殺げっさつ君は月龍つきりゅう君の殺意なんでしょ?なら殺意を妖力に代用して使えるはず」
「!そうか!それがあったな!」
「え?え?どういうこと?」
「殺意=妖力」 
「え?それじゃ、殺意が尽きない限り無限に妖力使えるの!?」
「そう言うこと」
「それじゃ、今の戦いって···」
月殺げっさつが超有利、それにさっき、白馬はくばを馬鹿にしたことで殺意が高まってるから恐らく、妖力切れは無いだろうな」
「そして、影千代かげちよは結界術をしたから妖力がほとんど無い···つまり···」



「くっそ!おらぁ!」
影千代かげちよは刀を構え襲いかかってきた
日陰輪転ひかげりんてん!」
俺は刀を縦に振り、影千代かげちよの腕を斬った
「な!?」
「はは!もう妖力残ってねぇな?」
「ぐっ、な、なんでお前、術使えるんだよ、しかもかなり妖力使うやつを!」
月龍つきりゅうの殺意を妖力に変える力を借りたからだ!」
「はぁ!?なんだよ、それ!」 
「そのままの意味だ」
「そ、それじゃ、お前、今···」
「その通り、妖力は全然、有り余っているんだよ!」
「う、うそだ、なら俺に勝ち目になんてねぇじゃねえか」
「今更気付いたか、お前があの巫女を侮辱した時点でお前の敗北は確定していたんだよ!」
「嫌だ···俺は死にたくない」
「ああ?お前今更命乞いすんのか?あ?」
「俺は生きたいんだよ!」
「はは···ふざけるのも大概にしろ、お前が人を殺しまくるせいで、お前を宿しているそいつはどれだけ辛い気持ちを負わされていると思っているんだ!」
「な、なんだよ」
「お前のせいでそいつにとって恩人を手にかけた、その苦しみがお前に分かるか?」
「分かるわけねぇだろ」
「そして、お前そいつの妹にも殺そうとしたよな?」
「ああ、そこのガキか、まぁな」
「お前はどれだけそいつに絶望をあわせたいんだ」
「そんなの知るか、俺は俺がやりたいようにやる、お前だってそうだったろ?」
「あの巫女に会って心を入れ換えたんだよ、それで分かったんだよ、睦月むつきがどんなに辛い思いをしていたかお、そしてな、巫女と俺は約束をしたんだよ、睦月むつきに無差別な殺人をさせないって事を」
「はぁ、俺には分からん、何であんな奴の言うことを守るのか」
「分からなくて良い」
「あんな、雑魚で守ることしか出来ない巫女に」
その時俺の意識が消えた



「········」
「あ?何だ?お前···月殺げっさつを宿している奴か?」
「······お前···コロス」


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