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第5章  魔国の大決戦

第12話 雷間と桜間の過去

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 第12話 雷間と桜間の過去





 
「えと、災難だったね色々と」
「はぁ、注射痛かった~」
「それにしても本当にごめんな」
「何が?」
「あいつが敵の奴だったことにきずかなくて」
「そんなこと気にしてないし、分からなくて当然だよ」
「今度から千里眼使うとするか」
「良いですねそれをしたら誰が本物か偽物か分かりますし」
その時桜間さくらまが帰ってきて
「はぁ、疲れた」
「あ、お帰り」
「やっぱり、帰ってきてなかったな」
「ん?何の話?」
「実は···」
「ふむふむ成る程、大変だったねぇ、ルザルスちゃん」
「うん、もう捕まるのは懲り懲りだよ~」
「取り敢えず、寝たいのだ~」
「私も」
「なら、そこのベッ卜で寝てろよ」
「あ、抱き締めよ」
ルザルスは月龍つきりゅうを抱き締めた
「····」
「お休み~」
ルザルスは八龍やつりゅうと一緒に寝た

「仲が良いですねぇ-、月龍つきりゅう
「そ、そんな目で見るなよ」
「あはは」
「んでさ二人に聞きたいんだけど」
「何ですか?」
「お前らってさ昔から中が良かっただろ」
「うん」
「そりゃ」
「何で一騎討ち何かしたんだ?」
「えと、まぁその話をする前に私達が何処で会ったかを教えてあげますね」
「よろ」
雷間らいまは話始めた



今から100年前
その時の私は独りぼっちだった、親も居らず、友達等が居なく孤独だったある寒い冬日
「う、うう、お腹空いた」
私は町を彷徨っていた、理由は空腹だったから
「?何か騒がしいな」
私は騒いでいる所に向かった、するとそこには
「さてと、これで分かった?」
刀を持って浴衣を着た私と同じくらいの人がいて、風呂敷を持った男に刀を向けていた
「か、勘弁してくだせぇ~」
「それじゃ、その人に盗んだ食べ物とお金を返しな」
「わ、わかりました」
男は家の主と思われる人に風呂敷を置くと逃げ去った、その時
「凄い、妖怪だとは言えまだ幼いのに」
桜間さくらまちゃんは強いねぇ~」
と周りの人は言った、その時、私はその桜間さくらまに勝負をしたくなった、そして
「すみません」
「ん?何?」
「私とお手合わせ出来ますか?」
「良いけど、貴方、大丈夫?」
「へ?」
「顔色悪いよ?」
「大丈夫です」
そう言うと私は刀を抜いた
「そんなこと、私にとっては甘え、そんな事で勝負を破棄できません」
「そう··」
その時、周りが騒ぎだした
「誰だ?あいつ」
「誰とはともかく桜間さくらまちゃんに勝てると思っているのかな?」
「だとしたら、おめでたい頭だな勝てるわけないだろ、あの子はあの鬼剣道場でもトップ、そして龍も倒したこともある」
「勝てるわけ無いか」
自分で言うのもなんだが私は刀がとにかく上手だった一振に5回も斬ることが出来、そして剣術を身に付けていた何でこんな力を得たかと言うと、私は山で暮らしているため、いつ獣に襲われるか分からないからずっと修行していたのだ
「それでは、いきますね」
「うん、良いよ」
私は高速で桜間さくらまの背後をとり斬りつけたが桜間さくらまはそれを読んでいた
カン!
「やはり、読めますよね」
「ふふ、なかなかやるね」 
「貴方もですけどね」
その時私は刀を投げた
「え?」
桜間さくらまは刀をぎりぎりで避けた
その様子を見た人達は
「馬鹿だな」
「刀を捨てるなんてね」
「当たるわけないだろ」
と笑って言った、しかしこれは私の闘い方の一つである、私は実は二刀流なのだ、刀を捨てると大抵の相手は気を取られる、その隙間を倒す、これが私の戦術である
「この勝負、私の勝ちです」
サン!
私は桜間さくらまの首に刀を当て言った
「嘘」
「貴方は確かに強い、けど、貴方はきっと相手の武器を見ているのでしょう?」
「うん、そうしろって師匠に言われて」
「普通はかもしれませんがそれは相手が普通の町に暮らしている剣士だけ効果を発揮しますが、私みたいに山に隠り修行している人はこう言う感じにとんでもない行動を取ります」
「な、なんで?」
「山は危険がいっぱい、その為、自分の身は自分で守る、これが主流です」
「·····」
「それでは対戦ありがとうございました」
その時周りの人はざわめいた
「嘘だろ?」
「あの子が負けるなんて」
「あり得ない」
「でも、正々堂々にやってないから」
「いや、正々堂々にやってたでしょ」
「う」

その時、私は空腹で倒れた
「大丈夫!?」
桜間さくらまは私に走って近付き私を抱えあげた
「う、うう、お腹空いた」
「酷い、これ、何日も何も食べてないのね、家に連れていこう、すみません!通してください!」
桜間さくらまは私を抱えたまま周りの人のどかし走って行った


「はい、どうぞ」
桜間さくらまは味噌汁と白米、唐揚げ、茹で玉子を乗せた御盆を持ってきて、私の横の机に置いた
「あ、ありがとうございます、こんな私に」
「良いの、良いの、気にしないで」
「頂きます」
私は味噌汁をすすった、味噌汁はとても温かくそして中の玉ねぎや人参はとても美味しかった、私は思わず
「美味しい」
と呟いた
「良かった~、それ全部私の手作りだから」
「そうなの?」
「うん、料理は得意だから」
「へぇ」
「それでさ、貴方、名前は?」
「あ、言うの忘れたね私は 雷間らいま しん」 
「へぇ、私は 桜間さくらま そう
「貴方は刀が上手いんだね」
「貴方には及ばないけどね、ってか山に暮らしているんだから魚とか獣、山菜、茸などは採らないの?」
「今の時期、思い出してよ」
「あ····そういや、今は冬だね」 
「それに、取りすぎたら生態系が崩れちゃうよ」
「後さ、もう一つ聞きたいことがあるんだけど」
「何?」
「貴方のお父さん、お母さんはどんな人なの?」
その時、涙が溢れた
「う、うう」
「あ、えと、その、ごめんね」
「別に大丈夫です、父上も母上も素晴らしい人でした」
「そう、ってか、貴方は今一人で暮らしてるの?」
「はい」
「え?ってことは料理は」
「自分で」
「洗濯は」
「自分で」
「お風呂は?」
「石を焼いて川から水をいれそしてそこに石を入れて入っています」
「た、大変だね」
「それに畑もしていますから」
「へぇ、それじゃ、この後、貴方の山に行っても良い?」
「良いけど、お父さんとお母さんの許可は?」
「今からしてくる」
「成る程」
そして桜間さくらまは部屋を出た
「久々にぬくもりを感じたな~」
と言い唐揚げを食べた
「この唐揚げ塩が振ってあるのですね」
その時桜間さくらまが戻ってきた
「あ、どうだった?」
「良いってさ!」
「へぇ、ねぇ」
「何?」
「私達って友達?」
「友達なにも親友だよ!」
「親友··」
その時私は思わず泣いてしまった
「ど、ど、どうしたの?」 
「ごめん、そんなこと初めて言われたから」
そして食後
「ご馳走さまでした」
「美味しかった?」
「うん!」
「そう、後これ」
「これは、はっ!お米に味噌!そして野菜!」
「お父さんが上げるって」
「ああ、これさえあれば今年は越せる、本当にありがとう!」
「そこまで言うんだ···それじゃ、早く行こうよ」
そして私は桜間さくらまを連れ山に帰った
「はい、ここ」
「へぇ~、何か家広いね」
「まぁ、父上と母上は結構身分が高くてね」
「そうなんだそれで、何処でさ刀の修行してるの?」
「彼処の森林見える?」
「うん」
「彼処」
「ほへ~」
「とまぁ、今は冬だから全くしないんだけど」
「何で?」
「動物が居ないからね」
「え?まさか修行って」
「そう、熊とか虎などの猛獣と戦うんだよ」
「その熊とかは殺すの?」
「殺さないよ、いつもは木刀でやるから」
「あ、そうなんだ」
そして私達はずっと遊んだ
「あ、そろそろ帰るね」
「帰り道分かる?」
「分かるよ」
「そう、またきてね」
「うん!」
そしてその日からも私達はずっと遊んだ
春には花見をしたり
夏にはお祭りを楽しんだり
秋は二人で打ち合いしたり
とてと楽しかった、しかしその年の冬
黒いコ-卜を着た人がやって来た
「何ですか?」
「貴方には戦に出てもらう、その為着いてきてください」
「···はい」
私達の住む所と都が戦争したのだ
そして私はその戦に駆り出された、更に最悪な事が起きた
「え?嘘でしょ」
「気持ちは分かるけど、ごめん」
私達の大将 かいは言った

「ん?かいその時居たのか?」
「うん、妖怪の長だったよ」
「へぇ」
「話戻すね」
「あ、うん」

最悪な事とは桜間さくらまは闘う事になったことだ
「う、嘘だ、何で、親友なのに、今まで一緒に遊んでいたのに、一緒に修行したのに、私を助けて貰った恩を返せてないのに」
「君たちは一騎討ちをしろ、他の奴に殺されるくらいなら自分の手で仕留めたいだろう?」
「····はい」
「本当にすまない」
「大丈夫です」


そして
「見つけた」
雷間らいま
桜間さくらま
「貴女と一騎討ち何てね」
「ごめん、空腹で倒れた時の恩を返せてないのに」
「別に良いよ、それより、早く殺ろう」
「うっ、分かった、手加減はしないよ?」
「当たり前よ」
そして
ズキャン!
一騎討ちを始めた
楼蝶ろうちょう
桜間さくらまは私に向かってピンク色の蝶を放った
桜舞いさくらまい
私は蝶を全て斬った
楼火斬ろうかざん
八重桜二流斬やえざくらにりゅうぎり
そして私達は技を何度も何度もぶつけ合った
しばらくして
「はぁ、はぁ、はぁ」
桜間さくらまが疲れたのか動きが鈍くなった
「(よし、私の必殺技でこの闘いを終われせよう) 奥義 桜龍昇天斬さくらりゅうしょうてんぎり
「しまっ!」
ザン!
私は桜間さくらまを斬った
「あ、ああ」
「うぐっ、あはは、ここまでみたいだね」
桜間さくらまは倒れた
「本当にごめん、だから··」
「大丈夫だよ、私は貴方を許すよ、だからさ私の分まで生きてくれる?」
「うん、約束するね」
「あはは、そろそろ迎えが来たみたい」
「···」
「はい、これ」
「これ、桜間さくらまの愛刀じゃ」
「私の肩身だと思って大事にしてね、じゃあ、またいつか会おうね」
そして桜間さくらまの体は消えた
桜間さくらまぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」


「っと、こんな感じだね」
「へ、へぇ、何か大変だなお前ら」
「まぁ、こうして会えたからもうそんな事は忘れようとしているんだけどね」
「ふ~ん、それじゃ、俺は寝るな」
「お休み」
「お休み」
その時
バリバリ
「は?」










    
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