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第2章 カイの大躍進とアグレットの没落
第4話 プリラおねーさんに手を出したら許さないぞ!
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平手打ちされたほっぺたを押さえながら、アグレットが吠えた。
「何しやがる!?」
「ふざけるんじゃないわよ! 誰がアンタなんかと!!」
「だってお前、以前俺のことをカッコイイって……」
「あぁん? そりゃ、こっちも接客業だからね。宿泊客が『初めて剣を買ったぜ』とはしゃいでいれば、お世辞くらい言うわよ。そんな言葉を真に受ける馬鹿は、めったにいないけどね!!」
「て、てめぇ……」
アグレットがプリラおねーさんに殴りかかろうとした。
ぼくは「やめろ!」と反射的に叫んで、アグレットの両足を蹴飛ばした。
「ぎゃ、ぎゃぁぁぁ!」
アグレットはその場に崩れ落ちた。
ぼくはプリラおねーさんをかばって立つ。
「アグレット! プリラおねーさんに手出ししたら許さないぞ!」
「う、ぐはぁ、あ……ほ、骨が、ま、また足の骨が、今度は両足の骨が折れた」
「そりゃあ本気で蹴飛ばしたからね! 鍛え方が足りないんじゃないの?」
「このバケモノがっ! プリラ! こんなクソガキのどこがいいんだよ?」
プリラおねーさんはアグレットを冷たい目で見下ろした。
「アグレット、カイくんから全部聞いたわ。身勝手な理由で、アンタとサニアがダンジョンの中でカイくんを追放したってね。しかも、剣や攻撃魔法も彼に向けたらしいじゃない?」
「い、いや、それは……」
と、その時だった。
ギルド内に別の声が響いた。
「そこまでじゃ。ギルド内での争いは御法度。ここはワシが預かろう」
声の主は長いひげを生やしたおじいちゃんだった。
周囲の冒険者達が背を伸ばす。
プリラおねーさんが一礼した。
「ギルド支部長様、お騒がせしました」
どうやら、おじいちゃんは『ギルド支部長』らしい。
よくわからないけど、偉い人なのかな?
アグレットがまた騒ぎ出した。
「支部長! ギルド内でこのクソガキ……カイが暴力をふるってきた! コイツを捕まえてくれ!」
アグレットの言葉に、おじいちゃんがぼくをジロリと見た、
「うむ、カイくんに何か反論はあるかのぅ?」
「アグレットがプリラおねーさんに殴りかかったから、けとばしただけ」
「ふむ、なるほど。先に手を出したのはアグレットの方と。そして仲間の女性を護るためにやむを得ず反撃したと主張するわけじゃな?」
「えーっと、うーん……」
おじーちゃんの言葉がちょっと難しくてぼくは首を捻ってしまった。
シュチョーってなんだろう?
ぼくが悩んでいると、代わりにプリラおねーさんが答えてくれた。
「おっしゃる通りです支部長」
すると、アグレットがなにやら言い訳がましく騒いだ。
「ちょっと待て! それを言うならプリラ、先にお前が俺をひっぱたきやがったんだろ!?」
プリラおねーさんがアグレットに言返した。
「いきなりアンタみたいな男に夜の誘いを強要されたらひっぱたくくらいするわよ!」
「俺様みたいな美青年とデートできるなんて名誉だと思わねーのか!?」
「冗談はやめてよね!」
プリラおねーさんは、心底軽蔑したような目でアグレットをにらみ返した。
ぼくはおじいちゃんに言った。
「それにアグレットたちはダンジョンで一方的にぼくをパーティから追放したんだよ。しかも武器や魔法で攻撃してきたんだ」
支部長のおじいちゃんはアグレットにたずねた。
「ふむ……アグレット、何か反論はあるかのう?」
「で、でたらめだ! どこにそんな証拠があるんだ!!」
アグレットが叫ぶと、1人の冒険者が進み出た。
それはラッカさんだった。昨日、レッドスライムと戦う前に会った人だ。
「ダンジョンでのことは知らねーが、ここでの一部始終は見ていたぜ。先に絡んでチョッカイを出したのはアグレットの方だ」
「ちょ、ちょっと待て!」
おじーちゃんは「なるほどのう」とうなずいた。
「ま、それは調べれば分かることじゃ。ここは防犯用のマホメラも設置してあるでな」
おじーちゃんはそう言って、天井を指さした。
あ、ほんとうだ。天井付近にたしかにマホメラが何個か浮いている。
アグレットはそれでも反論した。
「そうだったとして、ダンジョンでの追放うんぬんの証拠にはならねーだろ!」
「たしかにその通りじゃな。目撃者もいない以上、ダンジョン内でのことはワシにも裁けん」
その言葉に、アグレットはニヤリっと笑った。
プリラおねーさんが冷たく吐き捨てた。
「その表情だけで状況証拠は十分だと思うけどね」
支部長のおじーちゃんはアグレットに告げた。
「いずれにせよ、ギルド内で騒ぎを起こした責任はとってもらおう。冒険者ギルドからの登録抹消、並びに30日間の再登録不可。ギルド施設への立ち入りもそれまでは禁止じゃ」
「なっ、ちょっと待て、そんな一方的な……」
「分かったら今すぐ、冒険者ギルドから立ち去れ」
「い、いや、両足の骨が折れていて……」
アグレットはごちゃごちゃ言っていたけど、おじいちゃんは容赦なかった。
「皆の者、その男をつまみ出せ」
その命令に冒険者達が動く。
アグレットはギルドから放り出された。
「ま、待ってくれ、せめて足の治療を……た、助けてくれ! ぎゃ、ぎゃぁぁぁっ!」
追放されてなにやら苦しげに叫んでいたけど同情はしなかった。
ぼくだけじゃなく、プリラおねーさんにまで手を出そうとしたんだからこのくらいしょうがないよね。
なんにせよ、これでアグレットのことは解決だね。
……と、この時はそう思ったんだ。
だけどそう遠くない未来、ぼくは自分が甘すぎたと思い知ることになる。
でも、それはもうちょっと先の話だ。
「何しやがる!?」
「ふざけるんじゃないわよ! 誰がアンタなんかと!!」
「だってお前、以前俺のことをカッコイイって……」
「あぁん? そりゃ、こっちも接客業だからね。宿泊客が『初めて剣を買ったぜ』とはしゃいでいれば、お世辞くらい言うわよ。そんな言葉を真に受ける馬鹿は、めったにいないけどね!!」
「て、てめぇ……」
アグレットがプリラおねーさんに殴りかかろうとした。
ぼくは「やめろ!」と反射的に叫んで、アグレットの両足を蹴飛ばした。
「ぎゃ、ぎゃぁぁぁ!」
アグレットはその場に崩れ落ちた。
ぼくはプリラおねーさんをかばって立つ。
「アグレット! プリラおねーさんに手出ししたら許さないぞ!」
「う、ぐはぁ、あ……ほ、骨が、ま、また足の骨が、今度は両足の骨が折れた」
「そりゃあ本気で蹴飛ばしたからね! 鍛え方が足りないんじゃないの?」
「このバケモノがっ! プリラ! こんなクソガキのどこがいいんだよ?」
プリラおねーさんはアグレットを冷たい目で見下ろした。
「アグレット、カイくんから全部聞いたわ。身勝手な理由で、アンタとサニアがダンジョンの中でカイくんを追放したってね。しかも、剣や攻撃魔法も彼に向けたらしいじゃない?」
「い、いや、それは……」
と、その時だった。
ギルド内に別の声が響いた。
「そこまでじゃ。ギルド内での争いは御法度。ここはワシが預かろう」
声の主は長いひげを生やしたおじいちゃんだった。
周囲の冒険者達が背を伸ばす。
プリラおねーさんが一礼した。
「ギルド支部長様、お騒がせしました」
どうやら、おじいちゃんは『ギルド支部長』らしい。
よくわからないけど、偉い人なのかな?
アグレットがまた騒ぎ出した。
「支部長! ギルド内でこのクソガキ……カイが暴力をふるってきた! コイツを捕まえてくれ!」
アグレットの言葉に、おじいちゃんがぼくをジロリと見た、
「うむ、カイくんに何か反論はあるかのぅ?」
「アグレットがプリラおねーさんに殴りかかったから、けとばしただけ」
「ふむ、なるほど。先に手を出したのはアグレットの方と。そして仲間の女性を護るためにやむを得ず反撃したと主張するわけじゃな?」
「えーっと、うーん……」
おじーちゃんの言葉がちょっと難しくてぼくは首を捻ってしまった。
シュチョーってなんだろう?
ぼくが悩んでいると、代わりにプリラおねーさんが答えてくれた。
「おっしゃる通りです支部長」
すると、アグレットがなにやら言い訳がましく騒いだ。
「ちょっと待て! それを言うならプリラ、先にお前が俺をひっぱたきやがったんだろ!?」
プリラおねーさんがアグレットに言返した。
「いきなりアンタみたいな男に夜の誘いを強要されたらひっぱたくくらいするわよ!」
「俺様みたいな美青年とデートできるなんて名誉だと思わねーのか!?」
「冗談はやめてよね!」
プリラおねーさんは、心底軽蔑したような目でアグレットをにらみ返した。
ぼくはおじいちゃんに言った。
「それにアグレットたちはダンジョンで一方的にぼくをパーティから追放したんだよ。しかも武器や魔法で攻撃してきたんだ」
支部長のおじいちゃんはアグレットにたずねた。
「ふむ……アグレット、何か反論はあるかのう?」
「で、でたらめだ! どこにそんな証拠があるんだ!!」
アグレットが叫ぶと、1人の冒険者が進み出た。
それはラッカさんだった。昨日、レッドスライムと戦う前に会った人だ。
「ダンジョンでのことは知らねーが、ここでの一部始終は見ていたぜ。先に絡んでチョッカイを出したのはアグレットの方だ」
「ちょ、ちょっと待て!」
おじーちゃんは「なるほどのう」とうなずいた。
「ま、それは調べれば分かることじゃ。ここは防犯用のマホメラも設置してあるでな」
おじーちゃんはそう言って、天井を指さした。
あ、ほんとうだ。天井付近にたしかにマホメラが何個か浮いている。
アグレットはそれでも反論した。
「そうだったとして、ダンジョンでの追放うんぬんの証拠にはならねーだろ!」
「たしかにその通りじゃな。目撃者もいない以上、ダンジョン内でのことはワシにも裁けん」
その言葉に、アグレットはニヤリっと笑った。
プリラおねーさんが冷たく吐き捨てた。
「その表情だけで状況証拠は十分だと思うけどね」
支部長のおじーちゃんはアグレットに告げた。
「いずれにせよ、ギルド内で騒ぎを起こした責任はとってもらおう。冒険者ギルドからの登録抹消、並びに30日間の再登録不可。ギルド施設への立ち入りもそれまでは禁止じゃ」
「なっ、ちょっと待て、そんな一方的な……」
「分かったら今すぐ、冒険者ギルドから立ち去れ」
「い、いや、両足の骨が折れていて……」
アグレットはごちゃごちゃ言っていたけど、おじいちゃんは容赦なかった。
「皆の者、その男をつまみ出せ」
その命令に冒険者達が動く。
アグレットはギルドから放り出された。
「ま、待ってくれ、せめて足の治療を……た、助けてくれ! ぎゃ、ぎゃぁぁぁっ!」
追放されてなにやら苦しげに叫んでいたけど同情はしなかった。
ぼくだけじゃなく、プリラおねーさんにまで手を出そうとしたんだからこのくらいしょうがないよね。
なんにせよ、これでアグレットのことは解決だね。
……と、この時はそう思ったんだ。
だけどそう遠くない未来、ぼくは自分が甘すぎたと思い知ることになる。
でも、それはもうちょっと先の話だ。
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