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13.3度目の投票&発表タイム 残されたのは……
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3度目の投票タイムがやってきた。
拳太はあらためて、いちごとヤマトの様子をうかがった。
ヤマトはまだ迷っているのだろう。鉛筆を握ったまま動けない様子だ。
一方いちごは、拳太とヤマトの顔を一度ずつ見てから鉛筆を動かし始めた。
(いちごちゃんはぼくの名前を書いているんだ)
だとしたら、拳太はいちごの名前を書くしかない。
仮にいまさらヤマトの名前を書いても、拳太は絶対に勝てない。
ヤマトが拳太の名前を書けば拳太1人が脱落者になってしまう。ヤマトがいちごの名前を書けばもっと最悪だ。全員1票ずつになり、全参加者が敗北となり命はない。
(やっぱり、いちごちゃんの名前を書くしかない!)
いちごと拳太はほぼ同時に立ち上がり、投票箱へと向かった。
投票箱の前で、お互いに相手の顔をにらんだ。
いちごが先に投票し、拳太も間髪入れずに投票完了。
(あとはヤマトくん次第だ)
拳太はヤマトの方を見た。
ヤマトの手元は例によって霧がかかっているように見えない。
拳太といちごの顔を何度も見くらべて、必死に考えているようだ。
彼も自分の選択の重要性は理解しているのだろう。
ユグゥラがヤマトをせかした。
「足利川ヤマト、投票タイム終了まであと2分じゃぞ」
ヤマトはゆっくりと腕を動かし始めた。どうやら、投票相手を決めたらしい。
書き終えたヤマトは、投票箱に投票用紙を入れた。
こうして、3度目の投票タイムが終わり、ユグゥラによる結果発表が始まった。
ユグゥラは投票箱から3枚の投票用紙を取り出して確認した。
「ふむ。なるほど、こうなったか」
1人うんうんとうなずくユグゥラに、拳太はイラっとした。
「勝手に納得していないで、とっとと結果を教えてよ!」
「ならば発表じゃ。まずは秋海拳太の投票相手は明夜いちごじゃ」
いちごは動揺した様子もみせなかった。
「ま、そりゃそうよね」
「そして、明夜いちごの投票は秋海拳太、お主じゃ」
それは分かっていたことだ。拳太がヤマトに投票する意思がなかった以上、いちごもヤマトに投票する意味はないのだから。
(ヤマトくんはどっちを信じてくれたんだろう?)
ユグゥラが最後の投票結果を読み上げた。
「足利川ヤマトの投票相手は……」
ユグゥラもこの投票が、今までになく重要だと理解しているのだろう。ニヤニヤ顔で言葉を止めた。
「はやく発表しろよ!」
「こういうのは焦らすのが楽しいのじゃがな。まあ、いつまでもこうしていても時間の無駄か。足利川ヤマトの投票相手は明夜いちご、お主じゃよ」
それを聞いて、拳太はほっとした。
(勝った。これで、今度こそ終わりだ)
ユグゥラはいちごに近づきあらためて告げた。
「お主は脱落じゃ」
「……しょうがないわね」
拳太はゲームに勝った。そのはずだった。
だが、いちごが言う。
「でも、まだ負けていないわ。決選投票でアタシは必ず……」
いちごは最後まで言い切れなかった。
ユグゥラの力でいちごが教室から消えたからだ。
残された拳太は戦慄していた。
(ちょっと待って、決選投票って、だってそれは……!)
空中ではユグゥラがニヤニヤ笑っていた。
拳太はあらためて、いちごとヤマトの様子をうかがった。
ヤマトはまだ迷っているのだろう。鉛筆を握ったまま動けない様子だ。
一方いちごは、拳太とヤマトの顔を一度ずつ見てから鉛筆を動かし始めた。
(いちごちゃんはぼくの名前を書いているんだ)
だとしたら、拳太はいちごの名前を書くしかない。
仮にいまさらヤマトの名前を書いても、拳太は絶対に勝てない。
ヤマトが拳太の名前を書けば拳太1人が脱落者になってしまう。ヤマトがいちごの名前を書けばもっと最悪だ。全員1票ずつになり、全参加者が敗北となり命はない。
(やっぱり、いちごちゃんの名前を書くしかない!)
いちごと拳太はほぼ同時に立ち上がり、投票箱へと向かった。
投票箱の前で、お互いに相手の顔をにらんだ。
いちごが先に投票し、拳太も間髪入れずに投票完了。
(あとはヤマトくん次第だ)
拳太はヤマトの方を見た。
ヤマトの手元は例によって霧がかかっているように見えない。
拳太といちごの顔を何度も見くらべて、必死に考えているようだ。
彼も自分の選択の重要性は理解しているのだろう。
ユグゥラがヤマトをせかした。
「足利川ヤマト、投票タイム終了まであと2分じゃぞ」
ヤマトはゆっくりと腕を動かし始めた。どうやら、投票相手を決めたらしい。
書き終えたヤマトは、投票箱に投票用紙を入れた。
こうして、3度目の投票タイムが終わり、ユグゥラによる結果発表が始まった。
ユグゥラは投票箱から3枚の投票用紙を取り出して確認した。
「ふむ。なるほど、こうなったか」
1人うんうんとうなずくユグゥラに、拳太はイラっとした。
「勝手に納得していないで、とっとと結果を教えてよ!」
「ならば発表じゃ。まずは秋海拳太の投票相手は明夜いちごじゃ」
いちごは動揺した様子もみせなかった。
「ま、そりゃそうよね」
「そして、明夜いちごの投票は秋海拳太、お主じゃ」
それは分かっていたことだ。拳太がヤマトに投票する意思がなかった以上、いちごもヤマトに投票する意味はないのだから。
(ヤマトくんはどっちを信じてくれたんだろう?)
ユグゥラが最後の投票結果を読み上げた。
「足利川ヤマトの投票相手は……」
ユグゥラもこの投票が、今までになく重要だと理解しているのだろう。ニヤニヤ顔で言葉を止めた。
「はやく発表しろよ!」
「こういうのは焦らすのが楽しいのじゃがな。まあ、いつまでもこうしていても時間の無駄か。足利川ヤマトの投票相手は明夜いちご、お主じゃよ」
それを聞いて、拳太はほっとした。
(勝った。これで、今度こそ終わりだ)
ユグゥラはいちごに近づきあらためて告げた。
「お主は脱落じゃ」
「……しょうがないわね」
拳太はゲームに勝った。そのはずだった。
だが、いちごが言う。
「でも、まだ負けていないわ。決選投票でアタシは必ず……」
いちごは最後まで言い切れなかった。
ユグゥラの力でいちごが教室から消えたからだ。
残された拳太は戦慄していた。
(ちょっと待って、決選投票って、だってそれは……!)
空中ではユグゥラがニヤニヤ笑っていた。
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