10 / 94
第一章 転移者と奴隷商人と未来の勇者
7.フロルの誤解
しおりを挟む
「大判金貨……ですか」
宿の受付にて、宿屋の主人の顔が曇る。
シルシルの言うとおり、宿の値段は3人合わせて一泊二食付で銅貨2枚を請求された。
俺は大判金貨を取り出して、お釣りをもらおうとしたのだが。
「何かマズいですか?」
「さすがに、お釣りが足りないですね。この時間ですと両替所も閉まっているでしょうし……」
要するに、10円の駄菓子を買うのに1万円札を出すんじゃねーよという話らしい。
俺もコンビニでバイトしていたことがあるので理解できる。
コンビニならば『迷惑だな』とは思っても、お釣りを出すが、この世界ではそうはいかないようだ。
「そこをなんとかお願いできませんか。この子達も疲れていますし」
ちょっと卑怯かなと思いつつ、子ども達を盾にする。
「ごちゅじんちゃま、おやどに泊まれないのぉ?」
タイミング良く、アレルが舌足らずな声を上げる。
その言葉に、主人も困った顔。
俺だけならばともかく、幼子2人を追い出すのは気が引けるらしい。
「……それでは、こういうのはどうでしょうか?
とりあえず、いったん大判金貨をお預かりします。お釣りは全額お出しできませんので、金貨5枚だけいったんお返しします。残りは明日両替所が開いてからお渡しする。ただし、両替手数料はお客様にご負担いただく」
確かに妥協案としてはそんなところだろう。
主人を信頼できるかという問題もあるが、やむをえない。
俺は彼の提案に同意したのだった。
「ところで、体を洗える場所はありますか?」
子ども達が汚れているのもあるが、俺も結構汗をかいている。
「それなら、中庭をご利用ください。お湯を入れた桶をお持ちします」
「ありがとうございます」
---------------
中庭にて。
「じゃあ、2人とも裸になって」
「なんでー?」
「2人の体を洗うからさ」
話を聞く限り、ゴボダラのヤツも奴隷に沐浴をさせていなかったわけではないようだ。
奴隷達の間で伝染病でも流行ったらヤツも大損だからな。
だが、2人が最後に沐浴してからすでに3日が経っているらしい。
「わかったぁー」
アレルは元気に答えて全裸になる。
「ほら、フロルも」
俺が促すと、彼女はちょっと嫌そうな顔をする。
「ご主人様の命令なら……」
そういって、彼女も裸になった。
……どうしたんだろう、フロル?
考えてすぐに気づく。
彼女も幼いとはいえ女の子だ。
幼児を世話しているという意識が強かったが、いきなり裸になれというのはマズかったかもしれない。
「あ、もしイヤだったら……」
下着までは脱がなくてもいい……そう言いかけたのだが、フロルはすでに裸になっていた。
なんだ、やっぱり幼児だな。あんまり気にしていないのか。
いや、それとも例の奴隷契約書の効果なのか?
前者ならいいが、後者だとしたらちょっと罪悪感がある。
とはいえ、2人の体を洗ってやらないと宿に迷惑であろうことも事実なのだ。
俺は宿屋の主人に借りたタオルをお湯につけ、絞る。
その後、アレルの体を丁寧に拭いていく。
借りたお湯は桶に1杯だけなので、無駄にはできない。
「わーい、きもちいぃー」
アレルは大喜びである。
「フロルは自分で拭く?」
「……はい」
あ、やっぱり恥ずかしそうにしている。
もちろん、俺には幼児をみて興奮するような趣味はないのだが、今後は気をつけよう。
奴隷契約書の効力がどこまで有効かは分からないが、迂闊な命令は避けるべきだと心に刻んだのだった。
---------------
最後にお湯で2人の髪の汚れを落とすと、予想通りきれいなブロンドだった。
「うん、2人とも綺麗になったね。アレルはかっこいいし、フロルは美人さんになった」
俺がそう言うと、アレルがニコッと笑う。
「カッコイイ? アレル、カッコイイ?」
裸のまま、きゃっきゃとよろこぶアレル。
うん、本当はむしろかわいいんだけどね。
男の子にはかっこいいって褒めてあげるべきだよね。
一方のフロルは複雑そうな顔で、早々に服を着ている。
やっぱり裸になれっていう命令は良くなかったらしい。
彼女は自分で着替えや沐浴もできるみたいだし、今後はこういうやりかたはやめよう。
その時、俺はその程度に気軽に考えていた。
もし、フロルが本当はどんなことを心配していたのかを知っていれば、こんなにのんきではいられなかったのだが。
---------------
その後、宿屋の食堂へ向かう。
用意された食事は、ライ麦パンと肉入りのシチューだった。
日本の食事と比べれば粗末なものだが、マズいというほどではない。
何より、元奴隷の双子にとっては大変なごちそうらしい。
「おいちーねー、フロル」
アレルは何度も『おいちー、おいちー』と大喜び。
一方のフロルはそれに頷きつつ、しかしどこか不安げだ。
というよりも、俺に対して警戒感があるといった感じか。
まだ出会って半日だもんな。しかたないか。
アレルと比べて大人びているからこそ、色々な不安があるのだろう。
「ごちゅじんちゃま……」
食事が終わると、アレルがおずおずと俺に言う。
「どうした? アレル」
「アレル、おちっこ」
あ、それは大変。
えっと、トイレはどこかな?
宿の従業員にトイレの場所を尋ねる俺。
どうやら食堂の近くにあるらしい。
「アレル、1人でおトイレ行ける?」
「うん、大丈夫」
頷いてトコトコトイレに向かうアレル。
うーん、かわいい。
どうにもほのぼのしてしまう俺。
「あの、ご主人様」
アレルが立ち去った後、フロルが大真面目な顔で話しかけてくる。
「なんだい、フロル?」
「お願いがあります」
一体何だろう?
お願いというなら聞いてあげたいが、今の俺にできることは限りがある。
すると。
フロルはその場で立ち上がって俺に頭を下げる。
「夜伽は私だけにさせてください」
「はい?」
一瞬何を言われたのか意味が分からず固まる俺。
「アレルはあの通りまだ何も分かっていません。それに男の子だし。だから、夜のお相手は私だけが……」
ま、待て、ちょっと待て。
何をすんごいことを言い出しているんだ、この幼児は。
「ちょ、ちょっと、待ってくれ、フロル」
深刻な顔のフロルに、大慌てになる俺。
つーか、他の客や宿の従業員まで俺に変な目を向けているだろうがっ!!
「夜伽って……お前、自分が何を言っているか分かっているのか?」
「分かっています。私たちは奴隷でご主人様の命令には逆らえません。でも……」
「いや、そうじゃなくて……」
なんか、彼女すごい思い詰めているっぽい。
そして思い出す。
ゴボダラが言っていた言葉。
『それともあれかい? お金持ちならではの趣味ってヤツかい?』
あれはそういう意味だったのだ。
「俺にロリコンやショタコンの趣味はねぇーよっ!!」
さすがにこの誤解はそのままにしておけない。
確かに2人はかわいいと思うが、それはあくまでも父性というか、大人が子どもを見て普通にかわいいと思う感情だ。
そんな、夜伽とか、ありえない。
「でも、前のご主人様はもしも私たちみたいな子どもの奴隷を買う人がいたら、それはそういう趣味の人しかいないって……」
幼女に何を教えているんだ、あの男は。
「ないから。そんな趣味ないから。もちろん、夜伽とか考えてもいないから」
フロルだけでなく、周囲の客や宿の従業員にも聞こえるよう言う。
むしろ言い訳がましくなってしまったかもしれないが、誤解されたままなのはぜったいにまずい。
「本当ですか?」
おそるおそるといった様子で尋ねるフロル。
「ああ、当たり前だろ」
そして理解する。
フロルがなぜ俺に対して警戒感を見せていたのか。
そんな誤解をしていれば当然だろう。
あるいは、体を洗うために裸になれと言ったり、その直後に美人さんになったなんて言ったことも、誤解を招いた理由だったかも知れない。
「わかりました。申し訳ありません」
フロルはほっとした顔でそう言うのだった。
宿の受付にて、宿屋の主人の顔が曇る。
シルシルの言うとおり、宿の値段は3人合わせて一泊二食付で銅貨2枚を請求された。
俺は大判金貨を取り出して、お釣りをもらおうとしたのだが。
「何かマズいですか?」
「さすがに、お釣りが足りないですね。この時間ですと両替所も閉まっているでしょうし……」
要するに、10円の駄菓子を買うのに1万円札を出すんじゃねーよという話らしい。
俺もコンビニでバイトしていたことがあるので理解できる。
コンビニならば『迷惑だな』とは思っても、お釣りを出すが、この世界ではそうはいかないようだ。
「そこをなんとかお願いできませんか。この子達も疲れていますし」
ちょっと卑怯かなと思いつつ、子ども達を盾にする。
「ごちゅじんちゃま、おやどに泊まれないのぉ?」
タイミング良く、アレルが舌足らずな声を上げる。
その言葉に、主人も困った顔。
俺だけならばともかく、幼子2人を追い出すのは気が引けるらしい。
「……それでは、こういうのはどうでしょうか?
とりあえず、いったん大判金貨をお預かりします。お釣りは全額お出しできませんので、金貨5枚だけいったんお返しします。残りは明日両替所が開いてからお渡しする。ただし、両替手数料はお客様にご負担いただく」
確かに妥協案としてはそんなところだろう。
主人を信頼できるかという問題もあるが、やむをえない。
俺は彼の提案に同意したのだった。
「ところで、体を洗える場所はありますか?」
子ども達が汚れているのもあるが、俺も結構汗をかいている。
「それなら、中庭をご利用ください。お湯を入れた桶をお持ちします」
「ありがとうございます」
---------------
中庭にて。
「じゃあ、2人とも裸になって」
「なんでー?」
「2人の体を洗うからさ」
話を聞く限り、ゴボダラのヤツも奴隷に沐浴をさせていなかったわけではないようだ。
奴隷達の間で伝染病でも流行ったらヤツも大損だからな。
だが、2人が最後に沐浴してからすでに3日が経っているらしい。
「わかったぁー」
アレルは元気に答えて全裸になる。
「ほら、フロルも」
俺が促すと、彼女はちょっと嫌そうな顔をする。
「ご主人様の命令なら……」
そういって、彼女も裸になった。
……どうしたんだろう、フロル?
考えてすぐに気づく。
彼女も幼いとはいえ女の子だ。
幼児を世話しているという意識が強かったが、いきなり裸になれというのはマズかったかもしれない。
「あ、もしイヤだったら……」
下着までは脱がなくてもいい……そう言いかけたのだが、フロルはすでに裸になっていた。
なんだ、やっぱり幼児だな。あんまり気にしていないのか。
いや、それとも例の奴隷契約書の効果なのか?
前者ならいいが、後者だとしたらちょっと罪悪感がある。
とはいえ、2人の体を洗ってやらないと宿に迷惑であろうことも事実なのだ。
俺は宿屋の主人に借りたタオルをお湯につけ、絞る。
その後、アレルの体を丁寧に拭いていく。
借りたお湯は桶に1杯だけなので、無駄にはできない。
「わーい、きもちいぃー」
アレルは大喜びである。
「フロルは自分で拭く?」
「……はい」
あ、やっぱり恥ずかしそうにしている。
もちろん、俺には幼児をみて興奮するような趣味はないのだが、今後は気をつけよう。
奴隷契約書の効力がどこまで有効かは分からないが、迂闊な命令は避けるべきだと心に刻んだのだった。
---------------
最後にお湯で2人の髪の汚れを落とすと、予想通りきれいなブロンドだった。
「うん、2人とも綺麗になったね。アレルはかっこいいし、フロルは美人さんになった」
俺がそう言うと、アレルがニコッと笑う。
「カッコイイ? アレル、カッコイイ?」
裸のまま、きゃっきゃとよろこぶアレル。
うん、本当はむしろかわいいんだけどね。
男の子にはかっこいいって褒めてあげるべきだよね。
一方のフロルは複雑そうな顔で、早々に服を着ている。
やっぱり裸になれっていう命令は良くなかったらしい。
彼女は自分で着替えや沐浴もできるみたいだし、今後はこういうやりかたはやめよう。
その時、俺はその程度に気軽に考えていた。
もし、フロルが本当はどんなことを心配していたのかを知っていれば、こんなにのんきではいられなかったのだが。
---------------
その後、宿屋の食堂へ向かう。
用意された食事は、ライ麦パンと肉入りのシチューだった。
日本の食事と比べれば粗末なものだが、マズいというほどではない。
何より、元奴隷の双子にとっては大変なごちそうらしい。
「おいちーねー、フロル」
アレルは何度も『おいちー、おいちー』と大喜び。
一方のフロルはそれに頷きつつ、しかしどこか不安げだ。
というよりも、俺に対して警戒感があるといった感じか。
まだ出会って半日だもんな。しかたないか。
アレルと比べて大人びているからこそ、色々な不安があるのだろう。
「ごちゅじんちゃま……」
食事が終わると、アレルがおずおずと俺に言う。
「どうした? アレル」
「アレル、おちっこ」
あ、それは大変。
えっと、トイレはどこかな?
宿の従業員にトイレの場所を尋ねる俺。
どうやら食堂の近くにあるらしい。
「アレル、1人でおトイレ行ける?」
「うん、大丈夫」
頷いてトコトコトイレに向かうアレル。
うーん、かわいい。
どうにもほのぼのしてしまう俺。
「あの、ご主人様」
アレルが立ち去った後、フロルが大真面目な顔で話しかけてくる。
「なんだい、フロル?」
「お願いがあります」
一体何だろう?
お願いというなら聞いてあげたいが、今の俺にできることは限りがある。
すると。
フロルはその場で立ち上がって俺に頭を下げる。
「夜伽は私だけにさせてください」
「はい?」
一瞬何を言われたのか意味が分からず固まる俺。
「アレルはあの通りまだ何も分かっていません。それに男の子だし。だから、夜のお相手は私だけが……」
ま、待て、ちょっと待て。
何をすんごいことを言い出しているんだ、この幼児は。
「ちょ、ちょっと、待ってくれ、フロル」
深刻な顔のフロルに、大慌てになる俺。
つーか、他の客や宿の従業員まで俺に変な目を向けているだろうがっ!!
「夜伽って……お前、自分が何を言っているか分かっているのか?」
「分かっています。私たちは奴隷でご主人様の命令には逆らえません。でも……」
「いや、そうじゃなくて……」
なんか、彼女すごい思い詰めているっぽい。
そして思い出す。
ゴボダラが言っていた言葉。
『それともあれかい? お金持ちならではの趣味ってヤツかい?』
あれはそういう意味だったのだ。
「俺にロリコンやショタコンの趣味はねぇーよっ!!」
さすがにこの誤解はそのままにしておけない。
確かに2人はかわいいと思うが、それはあくまでも父性というか、大人が子どもを見て普通にかわいいと思う感情だ。
そんな、夜伽とか、ありえない。
「でも、前のご主人様はもしも私たちみたいな子どもの奴隷を買う人がいたら、それはそういう趣味の人しかいないって……」
幼女に何を教えているんだ、あの男は。
「ないから。そんな趣味ないから。もちろん、夜伽とか考えてもいないから」
フロルだけでなく、周囲の客や宿の従業員にも聞こえるよう言う。
むしろ言い訳がましくなってしまったかもしれないが、誤解されたままなのはぜったいにまずい。
「本当ですか?」
おそるおそるといった様子で尋ねるフロル。
「ああ、当たり前だろ」
そして理解する。
フロルがなぜ俺に対して警戒感を見せていたのか。
そんな誤解をしていれば当然だろう。
あるいは、体を洗うために裸になれと言ったり、その直後に美人さんになったなんて言ったことも、誤解を招いた理由だったかも知れない。
「わかりました。申し訳ありません」
フロルはほっとした顔でそう言うのだった。
1
お気に入りに追加
1,323
あなたにおすすめの小説

社畜おっさんは巻き込まれて異世界!? とにかく生きねばなりません!
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はユアサ マモル
14連勤を終えて家に帰ろうと思ったら少女とぶつかってしまった
とても人柄のいい奥さんに謝っていると一瞬で周りの景色が変わり
奥さんも少女もいなくなっていた
若者の間で、はやっている話を聞いていた私はすぐに気持ちを切り替えて生きていくことにしました
いや~自炊をしていてよかったです
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
報酬を踏み倒されたので、この国に用はありません。
白水緑
ファンタジー
魔王を倒して報酬をもらって冒険者を引退しようとしたところ、支払いを踏み倒されたリラたち。
国に見切りを付けて、当てつけのように今度は魔族の味方につくことにする。
そこで出会った魔王の右腕、シルヴェストロと交友を深めて、互いの価値観を知っていくうちに、惹かれ合っていく。
そんな中、追っ手が迫り、本当に魔族の味方につくのかの判断を迫られる。
えっ、能力なしでパーティ追放された俺が全属性魔法使い!? ~最強のオールラウンダー目指して謙虚に頑張ります~
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
コミカライズ10/19(水)開始!
2024/2/21小説本編完結!
旧題:えっ能力なしでパーティー追放された俺が全属性能力者!? 最強のオールラウンダーに成り上がりますが、本人は至って謙虚です
※ 書籍化に伴い、一部範囲のみの公開に切り替えられています。
※ 書籍化に伴う変更点については、近況ボードを確認ください。
生まれつき、一人一人に魔法属性が付与され、一定の年齢になると使うことができるようになる世界。
伝説の冒険者の息子、タイラー・ソリス(17歳)は、なぜか無属性。
勤勉で真面目な彼はなぜか報われておらず、魔法を使用することができなかった。
代わりに、父親から教わった戦術や、体術を駆使して、パーティーの中でも重要な役割を担っていたが…………。
リーダーからは無能だと疎まれ、パーティーを追放されてしまう。
ダンジョンの中、モンスターを前にして見捨てられたタイラー。ピンチに陥る中で、その血に流れる伝説の冒険者の能力がついに覚醒する。
タイラーは、全属性の魔法をつかいこなせる最強のオールラウンダーだったのだ! その能力のあまりの高さから、あらわれるのが、人より少し遅いだけだった。
タイラーは、その圧倒的な力で、危機を回避。
そこから敵を次々になぎ倒し、最強の冒険者への道を、駆け足で登り出す。
なにせ、初の強モンスターを倒した時点では、まだレベル1だったのだ。
レベルが上がれば最強無双することは約束されていた。
いつか彼は血をも超えていくーー。
さらには、天下一の美女たちに、これでもかと愛されまくることになり、モフモフにゃんにゃんの桃色デイズ。
一方、タイラーを追放したパーティーメンバーはというと。
彼を失ったことにより、チームは瓦解。元々大した力もないのに、タイラーのおかげで過大評価されていたパーティーリーダーは、どんどんと落ちぶれていく。
コメントやお気に入りなど、大変励みになっています。お気軽にお寄せくださいませ!
・12/27〜29 HOTランキング 2位 記録、維持
・12/28 ハイファンランキング 3位

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~
Ss侍
ファンタジー
"私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。
動けない、何もできない、そもそも身体がない。
自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。
ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。
それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる