冒険!ダンジョンアドベンチュラ- ~お宝探しと危険なモンスターたち~

ななくさ ゆう

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第三階層 ボスの間

第3話 最後の戦い!

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 ボスを閉じ込めた氷が割れようとしていた。

「もう一度凍らせるわ」

 蒼ちゃんがそう言って氷河の杖グレイシャースティックを構えた。
 だが、今度は氷河の杖グレイシャースティックの宝石がピキーンと音を立てて割れてしまう。
 優汰が顔を引きつらせた。

「す、すごいね、蒼ちゃん。火の杖フレアスティックどころか氷河の杖グレイシャースティックですら、蒼ちゃんの魔力にたえられなかったみたい」
「今はうれしくないわよ!」

 このままでは、ボスが……飛翔兄ちゃんが氷から出てきてしまう。
 まだ、解決策が見つかってないのに。教官は立ち上がることもできない状態なのに!
 蒼ちゃんが自分の布袋に手を突っ込んだ。
 取り出したのは万能の霊薬ハイパーエリクサー。あらゆる病気と怪我を治す神秘の秘薬。

「教官、これを」

 蒼ちゃんは教官に万能の霊薬ハイパーエリクサーを使うつもりなのか?

「いいのか、海野蒼?」
「はい。いつか弟を救うためにも、私はここで死ねない。死ぬわけにはいかないのよ。疾翔くんだけじゃ飛翔さんには勝てない。なら、これしか方法はないわ」

 悲壮さと無念さをにじませながらも、蒼ちゃんは自分自身に言い聞かせるように語った。
 弟を救える神秘の薬を手に入れて、だけどそれをここで使ってしまおうというのか。

 だが、優汰が「待って」とそれを止めた。

「優汰くん、ありがとう。でも今は私の弟のことよりも……」
「違うんだ。万能の霊薬ハイパーエリクサーがあればもしかしたら飛翔お兄さんを救えるかもしれない」

 そう言った優汰に、オレはたずねた。

「どういうことだ、優汰?」
「あんまり知られていないけど、霊薬エリクサー系のアイテムには怪我や病気を治す以外にも、もう一つ効果があるんだよ」

 その優汰の言葉に、挑英が言った。

「そうか、なぜ気づかなかったんだ。俺も混乱していたのか」

 なんだ? 二人は何を言っている? 飛翔兄ちゃんを救えるってどういうことだ?
 オレが理解していないと気がついたらしく、優汰が言った。

霊薬エリクサーにはモンスターの呪いを弱める効果もあるんだ。呪いを使ってくるモンスターは少ないし、怪我ほど劇的に効くわけじゃないから、プロのダンジョンアドベンチュラ-でも知らない人が多いけどね。だけど、万能の霊薬ハイパーエリクサーなら……」
「飛翔兄ちゃんの呪いも解けるってことか?」

 オレが勢い込んで言うと、優汰がうなずいた。

「確証はないよ。人間がモンスターになる呪いなんて聞いたこともないから。でも、今のボクらの手持ちで、飛翔お兄さんを救える可能性があるとしたら、これしかないと思う」

 優汰の言葉を聞いて、蒼ちゃんは少し悩んだ後言った。

「わかったわ。万能の霊薬ハイパーエリクサーを疾翔くんのお兄さんに使いましょう。教官、ごめんなさい」
「私はかまわん。そう簡単にくたばるつもりもない。飛翔を救えるなら……かつて、私が見捨ててしまったアイツを助けられるというならば、助けてやりたい。それが私の責任だ」

 教官は立ち上がろうとしたがやはり無理だった。うめき声を上げて、膝をついてしまう。
 蒼ちゃんがあわてて教官の体を支えた。

「むちゃですよ」
「だが、万能の霊薬ハイパーエリクサーは飲ませなければ効果がない。私が戦わなければ……」

 だが、挑英が冷静な声で言った。

「今の教官に戦う力なんてないでしょう」

 お前、教官に対してまでそういう言い方するのかよ。
 一角教官はニヤリと笑った。

「たしかにその通りだな。貴様の冷淡なまでの冷静さ、私は嫌いではない。私にその冷淡さがあれば、あのとき飛翔を救えたのかもしれない。だが、ならばどうやって飛翔に万能の霊薬ハイパーエリクサーを飲ませる?」

 蒼ちゃんは少し考えてから、万能の霊薬ハイパーエリクサーをオレに差し出した。

「疾翔くん、あなたにたくすわ。お兄さんだけじゃなく、私たち全員の命をあなたにあずける」

 蒼ちゃんだけじゃない。優汰も挑英も教官もその言葉に賛同してうなずいてくれた。
 ここで逃げるわけにはいかない。

「わかった、オレにまかせろ。オレは志音疾翔。最高のダンジョンアドベンチュラ-になる男だ! 飛翔兄ちゃんもみんなも、オレが必ず助けてみせる!」

 オレはそう言って、蒼ちゃんから万能の霊薬ハイパーエリクサーを受け取った。
 小さな小さな瓶に入った薬。
 だけど、このアイテムをたくされた意味は重い。
 もちろん、物理的な重さって意味じゃない。

 ここまで一緒に戦ってきた仲間たちの命。
 飛翔兄ちゃんの命。
 蒼ちゃんの弟の命。
 オレ自身の命。
 みんなの命の重さだ。

「蒼ちゃん、ごめん。オレの兄ちゃんのために……」
「いいのよ。弟を助けるチャンスは今後もあるかもしれないけど、疾翔くんのお兄さんを助けられるのは今だけよ。黒疑竜アライクブラックドラゴンのときに、私たちは疾翔くんに救われたんだから」
「ありがとう、蒼ちゃん」

 優汰が言った。

「疾翔、念のため言っておくけど万能の霊薬ハイパーエリクサーでも飛翔お兄さんを救える保証はないよ」
「ああ、わかってる。もし、それでもダメなら……」

 オレは自分の決意を告げた。

「……オレが飛翔兄ちゃんを倒す」

 みんなを助けるために。なにより飛翔兄ちゃんを助けるために。
 さっき、飛翔兄ちゃんは苦しそうだった。悲しそうだった。
 自分の意思と無関係に人を殺してしまって、つらくないはずがない。
 飛翔兄ちゃんの苦しみは、ここでオレが終わらせる。

 オレは絶対に逃げるわけにはいかない!

 そのとき、飛翔兄ちゃんを封じ込めていた氷が完全に割れた。
 飛翔兄ちゃんは電撃刀ビリビリソードを構えてオレたちの方へ歩み寄ってくる。
 優汰が暴風の杖ストームスティックを飛翔兄ちゃんに向けて叫んだ。

「これで!」

 だが、暴風の杖ストームスティックからはそよ風一つ起きない。
 優汰が焦った声を上げた。

「もしかして、魔法封じの玉アンチマジックボール!?」

 飛翔兄ちゃんの左手には黒い水晶玉のようなアイテムが握られていた。

「なんだよ、それ?」
魔法の杖マジックスティック系のアイテムを封じるアイテムだよ。本来、ダンジョン攻略にはほとんど役に立たないアイテムなんだけど……」

 普通のモンスターは魔法の杖マジックスティックなんて使わないからな。
 優汰は申し訳なさそうに言った。

「ごめん、疾翔。これじゃあ、ボクも戦力外だ」
「いいさ。飛翔兄ちゃんを救うのはオレの役目だ」

 万能の霊薬ハイパーエリクサーを、オレはズボンのポケットの奥にしまった。
 そして、自分の電撃刀ビリビリソードをのばした。

 薬を飲ませるためには、飛翔兄ちゃんを止めないとダメだ。

 教官はもう戦えない。優汰と蒼ちゃんは魔法の杖マジックスティックなしで戦うのは無理だろう。挑英は魔力0だ。

 オレが戦うんだ。
 飛翔兄ちゃんと戦って、そして救うんだ。

「挑英、教官や優汰たちをたのむ」
「ああ、まかせろ。何があっても三人は俺がまもる」

 コイツがそう言うなら、きっと大丈夫だろう。

 オレは飛翔兄ちゃんに向けて電撃刀ビリビリソードを構え、打ちかかった。
 先手必勝。剣道でもオレの基本戦術はそれだ。
 幼い頃、オレは飛翔兄ちゃんとチャンバラごっこで遊ぶのが好きだった。
 ほとんど勝てなかったけど、先手で攻撃すればいい勝負はできた。

 そりゃあさ、命のかかった場面では挑英の言うように慎重に行動することも必要だよ。
 ダンジョン攻略中に優汰みたいに恐怖に震えることもあったよ。
 蒼ちゃんみたいな優しさも大切なことだと思う。

 だけど。

 オレにそんなのは似合わない。
 オレは進む。攻める。戦う。
 それこそが飛翔兄ちゃんが教えてくれた、オレ――志音疾翔の生き方だ。

 守りに入っては飛翔兄ちゃんに勝てない。
 そう思ったから、オレは兄ちゃんに打ちかかった。
 兄ちゃんはそれをかわした。

 だが、その動きは飛翔兄ちゃんらしくなかった。
 昔の飛翔兄ちゃんなら、もっとスパッとかわして、反撃もしてきたはずだ。

「なんで攻撃してこないんだよ!」

 気がつくと、オレは叫んでいた。
 飛翔兄ちゃんは、モンスター人間の青い顔をしたまま言った。

「今のお前なら、俺を倒せる。俺を殺してくれる」
「なんだよ、それ?」
「急げ。モンスターの本能を俺が少しでも押さえておく。その間に俺を殺してくれ」
「馬鹿を言うなよ!」
「俺がモンスターの本能に支配されないうちに。俺はお前や武巳を殺したくないんだ!」
「大丈夫だ、飛翔兄ちゃん。万能の霊薬(ハイパーエリクサー)万能の霊薬ハイパーエリクサーがある。兄ちゃんの呪いだって解けるんだ」

 だが、飛翔兄ちゃんは首を横に振った。

「たとえ呪いが解けたとしても、俺は生きていけない。いや、生きていたくない」
「意味わかんねーよ!」
「俺はもう、何人ものダンジョンアドベンチュラ-を殺してしまった。その中にはお前と同じような子どももいた。いまさら人間に戻れたとして、おめおめと生きていけるわけがない」
「呪いのせいだろ! ジョージョーシャクリョーってやつだ。セキニンノーリョクなしだ」
「そういうことじゃないんだ。もう、俺は死にたいんだよ。人間に戻るよりも、ダンジョンのボスとして、ここで朽ちた方が楽だ」

 そう言った飛翔兄ちゃんの目から、大粒の涙がこぼれた。
 オレはそれを見て、猛烈に腹がたった。

「ふざけんな! なんだよそれは! 兄ちゃんがダンジョンで行方不明になって、母ちゃんがどれだけ泣いたか知ってんのか!? 父ちゃんがどれだけ苦しんだか、オレがどれだけ寂しかったか。一角教官だってきっと……」
「疾翔、たのむ。俺を殺して……」
「断る! オレは飛翔兄ちゃんを助ける、そのためにダンジョンアドベンチュラ-になろうと思ったんだから!」

 世界一のダンジョンアドベンチュラ-になれば、いつか飛翔兄ちゃんを見つけて助けられると思ったんだ。
 毎回姿が変わるダンジョンで、それは難しいと優汰には言われたけど。
 でも、実際にこうやって飛翔兄ちゃんを見つけられた。

 オレは叫んだ!

「逃げんなよ、兄ちゃん! モンスター人間になって、ボスになったっていうなら、オレと戦えよ! オレを殺してみせろよ!」

 自分でも言っていることがむちゃくちゃだってわかっていた。
 兄ちゃんがモンスターの本能を抑えてくれているなら、そのスキをついて万能の霊薬ハイパーエリクサーを飲ませるのが一番いいに決まっている。

 それでも、オレは腹がたってしかたがなかったんだ。
 自分のしてしまったことから逃げて死にたい、殺してほしいだなんて。

 そんなの、オレが憧れた飛翔兄ちゃんじゃない!

 そのときだった。飛翔兄ちゃんの瞳が暗く濁った。

「だ、だめだ……もう……」

 飛翔兄ちゃんはそれっきり言葉を発さなかった。
 そして、オレに向かって電撃刀ビリビリソードを振り上げた。
 オレはそれをかわしながら、再び打ち込む!
 飛翔兄ちゃんもオレの一撃をかわして、次々と打ち込んでくる。

 力強い連撃。
 一瞬でも油断したら、瞬く間にやられてしまう!

 それでも、命がけの戦いの中で、オレは懐かしさを感じていた。

「チャンバラごっこかよ。いいぜ兄ちゃん。今のオレの強さを見せてやるよ!」

 オレが剣道を習い始めたのも、飛翔兄ちゃんに憧れたからだ。
 チャンバラごっこで勝てなくて、ダンジョンアドベンチュラ-になりたいならもっと頑張れって言われて。
 オレって挑英の言う通り馬鹿だからさ。チャンバラで勝ちたかったら剣道を習えばいいかなって思ったんだ。
 剣道とチャンバラごっこじゃ別もんだし、ダンジョンでモンスターと戦うのも別の能力だって今なら理解しているけどさ。

 でも、本気で頑張ったんだ。
 飛翔兄ちゃんがいなくなってからもずっとさ。

 だから、オレの剣術で飛翔兄ちゃんを止めてみせる。
 飛翔兄ちゃんを助けてみせるんだ。

 その後も、オレと飛翔兄ちゃんの戦いは続いた。
 たぶん、時間にすれば五分程度。
 でもオレにとっては何十分にも何時間にも感じる戦いだった。

「くそっ!」

 やっぱり飛翔兄ちゃんは強い。
 オレの電撃刀ビリビリソードは飛翔兄ちゃんにとどかない。

 どんなに頑張っても、オレは飛翔兄ちゃんに勝てないのか?
 その焦りが、オレの動きを大雑把にさせた。

 飛翔兄ちゃんの電撃刀ビリビリソードがオレの脳天にヒットしそうになる。
 オレは両腕で自分の頭をかばうしかなかった。
 強力な電撃がオレの両手両腕を走り、心臓や脳みそにまで伝わる。

「ぐっ!」

 一瞬、目の前が真っ暗になった。
 意識が飛びそうになった。
 それでも、オレは倒れなかった。倒れるわけにはいかなかった。
 オレの命も、兄ちゃんの命も、それに優汰たちの命も。

「絶対に諦めない!」

 だけど、倒れないだけで限界だった。
 電撃刀ビリビリソードを握る手の力がぬけてしまった。
 カランコロンとオレの電撃刀ビリビリソードが床を転がる音が響いた。

 唯一の武器を失った上に、ダメージも激しい。
 このしびれた両手じゃ、殴りかかるのも無理だろう。
 足にも力が入らない。
 飛翔兄ちゃんはそれを見て邪悪に笑った。
 オレをなぶり殺そうとでもいうのか。わざとゆっくりと歩み寄ってきた。

 ちくしょう!
 負けられるか!
 オレは叫んだ。

「兄ちゃんの顔でそんな風に笑うな!」

 そのときだった。
 兄ちゃんの顔面に、何かが飛んできた。
 パンパンパン!
 大きな音が響く。
 今のは……
 挑英の声が聞こえた。

「疾翔!」

 アイツが爆豆パンパンまめを飛翔兄ちゃんの顔面に投げつけたんだ。
 挑英の爆豆パンパンまめ黒疑竜アライクブラックドラゴンのときに使ってしまったから、優汰か蒼ちゃんのをもらったのだろう。
 もちろん、爆豆パンパンまめは大きな音を鳴らすだけのアイテムだ。飛翔兄ちゃんにダメージなんてあるわけもない。
 それでも、一瞬のスキを作り出すことはできた。

「ありがとよ、挑英!」

 オレはそう叫びながら力をふりしぼって、飛翔兄ちゃんのお腹に全力で頭突きした。
 チャンバラごっこや剣道だったら頭突きなんて反則だ。
 でも、ここはダンジョン。ダンジョンアドベンチュラ-とボスとの戦いに反則なんて無い。

 そのまま全体重を乗せて押し倒してやった。
 飛翔兄ちゃんの口を押さえて開かせる。
 ポケットから万能の霊薬ハイパーエリクサーの瓶を取り出した。蓋を開け、薬を飛翔兄ちゃんの口の中に流し込んだ。

「がっ、ぐっ、あぁぁぁ」

 飛翔兄ちゃんの体が虹色に輝く。
 牙が縮み、ツノが消えていった。
 肌の色も元通りになっていった。

「飛翔兄ちゃん!」

 駆け寄ると、飛翔兄ちゃんは完全に気を失っていた。
 でも息はしている。
 心臓も動いている。
 元の姿に戻せた。
 モンスター人間じゃなくなった。
 オレは兄ちゃんを助けられたんだ。
 そのときだった。
 オレの目の前に虹色に光るワープゲートが出現した。
 優汰が言った。

「帰還のワープゲートだ……ボクたち、帰れるんだ」

 優汰は泣きじゃくっていた。
 挑英と蒼ちゃんも泣きそうな顔だった。
 オレの目からもひとしずくの涙がこぼれ落ちた。
 オレたちは気絶した一角教官と飛翔兄ちゃんを運んで、ワープゲートを抜けた。
 こうして、オレたちの最初のダンジョン探索は終わり、元の世界へと戻った。
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