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第二部 少年と王女と教皇と 第二章 決意の時
6.それぞれの戦い(3)パド【挿絵あり】
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「少しは自分の頭で考える癖をつけな、この馬鹿弟子がっ」
お師匠様にそう言われて、僕は必死に考えた。
後から考えてみれば、お師匠様や、あるいは戦士としても強そうなアル王女ならもっと素早く良い作戦を考えられるんだろう。
それでも、僕に考えさせたのは、僕が役に立つとアル王女に知らしめるテストも兼ねていたのだと思う。
必死に考えて、1番優先すべきことはリラやお母さんを『闇』から逃がすことだと思った。
だけど、現実問題として心を失っているお母さんに、とっさの判断が必要な逃亡なんて無理だ。
ならば『闇』の方を引き離すしかない。
だから、僕は『闇』に向かって跳んだ。
『闇』をぶん殴って誰もいない方向に吹き飛ばすために。
ラクルス村では村の中央にたたき落としてしまったから大きな被害が起きた。
同じことは繰り返さない。
お師匠様の命令で毎日6時間近く走り回り、この辺りの地形は頭に入っている。
北はだめだ。山を下りたら街がある。
東もだめ。少し離れているとはいえ、ラクルス村やエルデンス村の方向だ。村には落とさないまでも、また地震を起こしてラクルス村の復興の邪魔をしてしまうかもしれない。西には川があり、南は深い森。
だとすれば南の森の方だ。川を破壊したら村々の生活にどんな影響があるか分からない。
それに、今『闇』は僕らから見て南側にいる。他の方向に吹き飛ばすのは困難だろう。
僕の蹴った地面は少し崩れたけれど、ラクルス村の時のように、大きなクレーターを作ることはなかった。
キラーリアさんほど優雅に跳べたわけじゃないけど、それでもリラたちを巻き込まないですんだ。
お師匠様はこのために、僕を毎日走らせたのだろうか。
肉薄する僕に、『闇』は指の1本を伸ばしてきた。
迂闊だった。
なんとか振り払おうとするが、間に合わない。
その時。
「光よ!!」
浄化の槍が僕の眼前に迫った『闇』の指を弾く。
お師匠様じゃない。
お師匠様は魔法を使うときに叫んだりしない。
――枢機卿ラミサルさん。
チラっとみると、アル王女に首根っこを捕まれて、ほとんど引きずられるようにキラーリアさんの元へと向かう彼が、魔法で助けてくれたらしい。
教会が僕をどうしようとしているのか、いまだにわからないけど、少なくとも『闇』に対しては共闘しようってことだろう。
そして、僕は闇の眼前へと迫る。
右手を振り上げ、ヤツの顔面にたたき込む。
地面に向けてではない。南の方角に向けて。
『闇』は南の森へと吹き飛ぶ。
僕は地面に着地し、その姿を追う。
森の中、木々に遮られる世界を、チートの力で走る。
3ヶ月前ならできなかった。
走るだけで地面を壊し、ちょっと油断したら木にぶつかって木をなぎ倒してしまっただろう。
だけど、今ならできる。
お師匠様は魔法を教えてはくれなかった。
だけど、僕がこうやって人並みに――いや人並み以上に走り回る術をくれた。
ラクルス村で最初に『闇』が襲いかかって来たとき、僕はたくさん後悔した。
――なぜ『闇』が現れたときにみんなで逃げなかったのか。
――なぜ『闇』に対してああも無防備に呆然としてしまったのか。
――なぜ『闇』の攻撃をよけようとすらしなかったのか。
――なぜ『闇』を即座に危険な存在だとすら判断できなかったのか。
――なぜ、力を持って生まれてきたのに、戦う術を学ぼうとしなかったのか。
その後悔があったから、今僕はこうして戦えている。
皆を危険から逃すことを最優先に動いた。
戦う術はまだまだ学べていないけど、少なくとも自分の力を非常時にもある程度使いこなせるようになった。
今思えば、ラクルス村にいた頃の僕は力を抑えようとはしても、使いこなそうとはしていなかった。
それじゃあ、力はいつまでも呪いのままだ。
僕の力は無茶苦茶で、例えるなら普通の人は自転車の馬力なのに、僕だけはF1カーの馬力をもっているようなもんだ。
歩道をF1カーが走るのは無理だ。
だけど、F1のレースに自転車で出るのも無理だ。
今、僕の力は役に立つ。
ならば、今この瞬間、この力はチートでもカースでもなく、祝福になりうる。
――来たっ!!
『闇』が10本の指を振り回し、木陰から飛び出してくる。
僕がぶん殴ったダメージはほとんどないようだ。
キラーリアさんのようにすり抜けることこそなかったが、やはり殴るのでは駄目なようだ。
躊躇はしてられない。
僕は手首が失われた左手から漆黒の刃を伸ばす。
ルシフのことはかけらも信じていない。
だけど、今はこの力が必要だ。
僕が刃を振り回すと、『闇』の指はあっさり斬れる。
もちろん、ヤツは即座に指を伸ばせる。
指をいくら切ってもきりがない。
かといって、結界魔法に閉じこもるわけにもいかない。
よく見切って、切りながらヤツに近づく。
魔法を長く使えば僕の体が持たない。
近づけば近づくほど、ヤツの攻撃は苛烈になっていく。
正直恐い。
お師匠様の修行はまだ基礎部分だったはずだ。
だから、魔法も戦闘訓練も、僕に課さなかった。
1番必要な、力を操れるようになる特訓だった。
僕には敵の攻撃を効率よく捌くなんてできない。
それはもっと高度な技能で、もしかすると剣士ではないお師匠様には教えられない分野かもしれない。
もし、アル王女に認めてもらえたら、彼女かキラーリアさんにおそわるべきかもしれない。
いずれにせよ、今の僕にはそんな力はない。
それでも。
僕は跳び上がり、右足で大木を蹴ってさらに空を駆ける。
この3ヶ月で木を破壊せずにこういうことができるようになった。
お師匠様はよく言う。
『万全の体調で、普通の生活をする上で力を制御するのは当然だ。本当に必要なのはクタクタに疲れ、非常事態に陥っても力を操りきれる実力だ』
まさに、今がそうだった。
茶碗を割らずにスープを飲むなんてできて当然。
極限の状態でも、僕は自分の力を操りきらなくてはいけない。
それができなければ、きっと僕はいつか世界を滅ぼしてしまう。
それこそ、神託にあったように。
『闇』にもう一度跳びかかる。
ヤツの右手の指の1本が、僕の左腕に刺さる。
「くっ」
激痛。
だけど、大丈夫。貫通はしていない。
この程度の痛み大丈夫だ。
お母さんの痛みに比べたら。
キラーリアさんの痛みに比べたら。
桜勇太が11年耐えた痛みに比べたら。
僕は刺さったヤツの指を逆につかむ。
空を飛び回っていたヤツの顔が引きつる。
――ようやく、その笑みをやめたか。
「うぉぉぉぉ!!」
腕を刺されたまま、僕は漆黒の刃をヤツの脳天にたたき込む。
それで、ヤツは消滅した。
「はぁ、はぁ、はぁ」
僕の息は荒い。
走り回っただけならこうはならない。
慣れない戦闘と、魔法の使用のせいだ。
それでも気を失ってしまわない分、獣人達の時やラクルス村での時よりはマシだろう。
――と。
『パチパチパチ』
どこかから、拍手の音が聞こえる。
いや違う。
今のはどちらかというと頭の中に直接響いたような感じだった。
――ということは。
『そうだよ、ボクだよ、お兄ちゃん』
ルシフの言葉が頭に響き、僕は三度漆黒の世界へと招待されたのだった。
お師匠様にそう言われて、僕は必死に考えた。
後から考えてみれば、お師匠様や、あるいは戦士としても強そうなアル王女ならもっと素早く良い作戦を考えられるんだろう。
それでも、僕に考えさせたのは、僕が役に立つとアル王女に知らしめるテストも兼ねていたのだと思う。
必死に考えて、1番優先すべきことはリラやお母さんを『闇』から逃がすことだと思った。
だけど、現実問題として心を失っているお母さんに、とっさの判断が必要な逃亡なんて無理だ。
ならば『闇』の方を引き離すしかない。
だから、僕は『闇』に向かって跳んだ。
『闇』をぶん殴って誰もいない方向に吹き飛ばすために。
ラクルス村では村の中央にたたき落としてしまったから大きな被害が起きた。
同じことは繰り返さない。
お師匠様の命令で毎日6時間近く走り回り、この辺りの地形は頭に入っている。
北はだめだ。山を下りたら街がある。
東もだめ。少し離れているとはいえ、ラクルス村やエルデンス村の方向だ。村には落とさないまでも、また地震を起こしてラクルス村の復興の邪魔をしてしまうかもしれない。西には川があり、南は深い森。
だとすれば南の森の方だ。川を破壊したら村々の生活にどんな影響があるか分からない。
それに、今『闇』は僕らから見て南側にいる。他の方向に吹き飛ばすのは困難だろう。
僕の蹴った地面は少し崩れたけれど、ラクルス村の時のように、大きなクレーターを作ることはなかった。
キラーリアさんほど優雅に跳べたわけじゃないけど、それでもリラたちを巻き込まないですんだ。
お師匠様はこのために、僕を毎日走らせたのだろうか。
肉薄する僕に、『闇』は指の1本を伸ばしてきた。
迂闊だった。
なんとか振り払おうとするが、間に合わない。
その時。
「光よ!!」
浄化の槍が僕の眼前に迫った『闇』の指を弾く。
お師匠様じゃない。
お師匠様は魔法を使うときに叫んだりしない。
――枢機卿ラミサルさん。
チラっとみると、アル王女に首根っこを捕まれて、ほとんど引きずられるようにキラーリアさんの元へと向かう彼が、魔法で助けてくれたらしい。
教会が僕をどうしようとしているのか、いまだにわからないけど、少なくとも『闇』に対しては共闘しようってことだろう。
そして、僕は闇の眼前へと迫る。
右手を振り上げ、ヤツの顔面にたたき込む。
地面に向けてではない。南の方角に向けて。
『闇』は南の森へと吹き飛ぶ。
僕は地面に着地し、その姿を追う。
森の中、木々に遮られる世界を、チートの力で走る。
3ヶ月前ならできなかった。
走るだけで地面を壊し、ちょっと油断したら木にぶつかって木をなぎ倒してしまっただろう。
だけど、今ならできる。
お師匠様は魔法を教えてはくれなかった。
だけど、僕がこうやって人並みに――いや人並み以上に走り回る術をくれた。
ラクルス村で最初に『闇』が襲いかかって来たとき、僕はたくさん後悔した。
――なぜ『闇』が現れたときにみんなで逃げなかったのか。
――なぜ『闇』に対してああも無防備に呆然としてしまったのか。
――なぜ『闇』の攻撃をよけようとすらしなかったのか。
――なぜ『闇』を即座に危険な存在だとすら判断できなかったのか。
――なぜ、力を持って生まれてきたのに、戦う術を学ぼうとしなかったのか。
その後悔があったから、今僕はこうして戦えている。
皆を危険から逃すことを最優先に動いた。
戦う術はまだまだ学べていないけど、少なくとも自分の力を非常時にもある程度使いこなせるようになった。
今思えば、ラクルス村にいた頃の僕は力を抑えようとはしても、使いこなそうとはしていなかった。
それじゃあ、力はいつまでも呪いのままだ。
僕の力は無茶苦茶で、例えるなら普通の人は自転車の馬力なのに、僕だけはF1カーの馬力をもっているようなもんだ。
歩道をF1カーが走るのは無理だ。
だけど、F1のレースに自転車で出るのも無理だ。
今、僕の力は役に立つ。
ならば、今この瞬間、この力はチートでもカースでもなく、祝福になりうる。
――来たっ!!
『闇』が10本の指を振り回し、木陰から飛び出してくる。
僕がぶん殴ったダメージはほとんどないようだ。
キラーリアさんのようにすり抜けることこそなかったが、やはり殴るのでは駄目なようだ。
躊躇はしてられない。
僕は手首が失われた左手から漆黒の刃を伸ばす。
ルシフのことはかけらも信じていない。
だけど、今はこの力が必要だ。
僕が刃を振り回すと、『闇』の指はあっさり斬れる。
もちろん、ヤツは即座に指を伸ばせる。
指をいくら切ってもきりがない。
かといって、結界魔法に閉じこもるわけにもいかない。
よく見切って、切りながらヤツに近づく。
魔法を長く使えば僕の体が持たない。
近づけば近づくほど、ヤツの攻撃は苛烈になっていく。
正直恐い。
お師匠様の修行はまだ基礎部分だったはずだ。
だから、魔法も戦闘訓練も、僕に課さなかった。
1番必要な、力を操れるようになる特訓だった。
僕には敵の攻撃を効率よく捌くなんてできない。
それはもっと高度な技能で、もしかすると剣士ではないお師匠様には教えられない分野かもしれない。
もし、アル王女に認めてもらえたら、彼女かキラーリアさんにおそわるべきかもしれない。
いずれにせよ、今の僕にはそんな力はない。
それでも。
僕は跳び上がり、右足で大木を蹴ってさらに空を駆ける。
この3ヶ月で木を破壊せずにこういうことができるようになった。
お師匠様はよく言う。
『万全の体調で、普通の生活をする上で力を制御するのは当然だ。本当に必要なのはクタクタに疲れ、非常事態に陥っても力を操りきれる実力だ』
まさに、今がそうだった。
茶碗を割らずにスープを飲むなんてできて当然。
極限の状態でも、僕は自分の力を操りきらなくてはいけない。
それができなければ、きっと僕はいつか世界を滅ぼしてしまう。
それこそ、神託にあったように。
『闇』にもう一度跳びかかる。
ヤツの右手の指の1本が、僕の左腕に刺さる。
「くっ」
激痛。
だけど、大丈夫。貫通はしていない。
この程度の痛み大丈夫だ。
お母さんの痛みに比べたら。
キラーリアさんの痛みに比べたら。
桜勇太が11年耐えた痛みに比べたら。
僕は刺さったヤツの指を逆につかむ。
空を飛び回っていたヤツの顔が引きつる。
――ようやく、その笑みをやめたか。
「うぉぉぉぉ!!」
腕を刺されたまま、僕は漆黒の刃をヤツの脳天にたたき込む。
それで、ヤツは消滅した。
「はぁ、はぁ、はぁ」
僕の息は荒い。
走り回っただけならこうはならない。
慣れない戦闘と、魔法の使用のせいだ。
それでも気を失ってしまわない分、獣人達の時やラクルス村での時よりはマシだろう。
――と。
『パチパチパチ』
どこかから、拍手の音が聞こえる。
いや違う。
今のはどちらかというと頭の中に直接響いたような感じだった。
――ということは。
『そうだよ、ボクだよ、お兄ちゃん』
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