54 / 201
【番外編】聖歴0504年王都(本編より19年前)
【番外編11】メイドの出奔
しおりを挟む
「ガラジアル公爵、先ほどは失礼いたしました」
「いや、こちらこそ言葉が過ぎた。デスタード侯爵の忠義を疑ったわけではない。これからもよろしく頼む」
「は、ありがたきお言葉」
国王が“茶を楽しむ”ために用意した王宮の一室で、デスタードとガラジアル公爵は互いに握手した。
これにて、先ほどのやりとりの矛は下ろすという証である。
「それで、一体何があったというのだ。先ほど慌てぶり、卿らしくもない」
「はい、誠に恥ずかしきことです。実は……」
デスタードはガラジアル公爵に事の次第を話した。
シーラの妊娠を知り、ガラジアル公爵も顔をゆがめる。
「間違いはないのか?」
「妊娠の有無ということであれば、医師の確認はとっておりませぬ。本来ならすぐにも診察させるべきですが……」
「医師に診察させること自体が露見のリスクになる、か」
「御意。また、妊娠が真実であったとして、父親が陛下であらせられるかどうかについても、私には確認のしようがないことです」
「ふむ」
おそらく、ガラジアル公爵の中では様々な可能性や対処が渦巻いているのだろう。
首に右手を当て考え込んでいる。
「が、少なくともシーラと話した感触からして、彼女が意図的に虚言を弄しているようには思えませんでした」
「……そうか……いや、デスタード侯爵がそう感じたというのであればそうであろうな」
「少なくとも、国王陛下とそういう関係が全くなく、あのような言葉を語るとは思えません」
問題はそこなのだ。
短絡的に考えるなら、国王付のメイドが第三者の子を宿したのを契機に、国王の子を懐妊したと言い張り、側室の立場を得ようとしているのではないかと疑うこともできる。
もしもそうであれば国王が『メイドとそのような関係になっていない』と否定すればすむことだ。もちろんその場合、メイドは王家への侮辱罪で最悪極刑もあり得る。
が、だからこそそんな虚言をシーラが言ったとは思えないのだ。
国王が否定すれば極刑になりかねないと分かっていて、それでも虚言を弄して側室の地位を得ようとするわけがない。
シーラの父は王都有数の商家の主だ。もしもシーラが侮辱罪などになれば、実家の商売すら危うくなる。
その程度のことが分からないほど愚かな女性を国王付のメイドになど採用していない。
「ともあれ、まずは国王陛下のお話を聞くべきであろうな」
ガラジアル公爵の言葉は半ばため息交じりであった。
と。
奥の扉が開く。
デスタードとガラジアル公爵は椅子から立ち上がり、右手を胸に掲げて臣下の礼をとる。
奥の扉から国王が入る。
付き従うのはデスタードにシーラの懐妊を伝えたメイド長1人だ。
普段なら、国王にはもっと多くの人間が付き従うが、メイド長なりにここでの話の内容に見当をつけ気をつかったのだろう。
「ふむ、2人とも座って楽にしてくれ」
国王が席に座って言った。
『は』
国王の言葉にデスタード達も座る。
メイド長が紅茶をそそぎ、ビスケットを中心に置く。
「失礼いたします」
メイド長はそう言い残すと扉から消えた。
「ふむ、良い香りのお茶だ」
国王は紅茶を一口飲むとそう言った。
「は、この時期のプラーヌ茶は透き通った味と心得ます」
「焼き菓子にもよく合いますな」
数分、3人で雑談をする。
実のところ、この雑談にも意味がある。
誰かが聞き耳を立てていないか、国王直近の近衛兵やメイド長が確認する時間が必要なのだ。
しばし、歓談し、やがて国王が本題に入った。
「それで、一体何があったのだ?」
「はい、実は……」
デスタードが改めてシーラの懐妊を報告する。
「間違いはないのか?」
「医師の診察は受けさておりませぬ。それ自体が露見のリスクになります故」
国王の問いにデスタードが答える。
「恐れながら陛下、むしろ尋ねたいのは私たちの方でございます。その、シーラというメイドの懐妊に心当たりはございますか?」
ガラジアル公爵が尋ねる。
「……あると言えばある」
国王の答えに、いよいよ覚悟を決めてこの事態に当たらなければならないとデスタードは考える。
「お妃様方がおられながらメイドに手を出すなど、何故そのようなことを」
ガラジアル公爵の言葉は不敬罪になりかねない国王を咎めるものだった。
国王との信頼関係があるからこその苦言だ。
「シャルノールもテミアールもキルースも最近は夜の相手をしてくれぬ。それどころか、世継ぎの争いに暗躍する始末。余もストレスのはけ口がなくてな」
国王が並べた3人の名は、国王の正室、側室達である。
第1妃シャルノールはガラジアル公爵の遠縁、第2妃テミアールは現教皇の娘、第3妃キルースは諸侯連立盟主の娘である。
確かに現在この3人と、それを取り巻く貴族達が世継ぎ争いに明け暮れていることはデスタードやガラジアル公爵の頭痛の種であった。
「そんなときに、あの若く美しいメイドが入ってきてな……なんというか……フラフラと」
50歳を超えた国王ともあろう者が、なにが『フラフラ』というのだ。
デスタードは頭を抱えたくなるが、国王の御前であることを必死に意識してそれを抑える。
おそらく、同じ気持ちであろうガラジアル公爵が気を取り直して尋ねる。
「起きたことは仕方がありませぬ。問題はこの後のことです。陛下は如何にされるおつもりですか?」
「むろん、シーラを側室に迎え入れる」
国王の言葉に、デスタードは頭痛を覚えた。
不敬であるとは承知しながらも、国王の正気を疑いたくなる。
平民出身のメイドを国王の側室にするなどありえない。
「陛下、お戯れを仰せられるものではありませぬ」
ガラジアル公爵が言う。
「戯れではない。女性を懐妊させたのだ、男として責任は取らねばなるまい」
「ことはそのように単純な問題ではございませぬ。シーラは平民の出と聞いております。平民を陛下の側室に迎え入れることなどできませぬ」
「先代の御代より、我が国では身分差の解消に努めておる。身分差は婚姻を妨げるものではないはずだ」
国王の言葉は正論と言えば正論である。
確かに先代の国王が身分差別の解消に努めたことは事実なのだ。
しかし。
「恐れながら陛下。それは詭弁が過ぎるというものです」
デスタードは意を決して言った。
国王の言葉を『詭弁』と断じれば、さすがに不敬罪に問われかねない。それを知っていても、ここは引けなかった。
「詭弁だと?」
さすがに侯爵に自分の言葉を『詭弁』と言われ、国王も不快感をあらわにする。
「不敬は承知の上で申し上げます。陛下、シーラが陛下に身を任せたのは何故かお考えください」
「どういう意味だ、デスタード侯爵?」
「恐れながら、陛下のご年齢は53歳。シーラは18歳でございます。一般論として18の娘が53歳の男に惹かれると思われますか?」
国王の顔の不快感が強まる。
「無礼であろう、デスタード。余は仮にも国王ぞ」
「然様。シーラが陛下に身を任せたのは、陛下が国王であり、シーラがメイドだからです。考えてみてください。もし、陛下がただの町人であればシーラは陛下に身を任せましたでしょうか?」
「余が立場を盾にシーラを手込めにしたとでも言うつもりか?」
「そこまでは申しません。が、国王と平民という身分差があったからこそ、50を超えた陛下が18の娘とそのような関係になれたことも否定できないと申しておるのです」
国王の顔が不快にから怒りに変わる。
デスタードはにらみつける国王を正面から見返す。
自分の言葉が不敬だということは重々承知している。如何にかつての教育係とはいえ、この場で切り捨てられてもしかたのないの発言だ。
だが、命をかけても進言しなければならないことである。
空気がとがったような、痛みを伴う沈黙が流れる。
やがて。
国王は「ふぅ」と息を吐き、表情を和らげた。
「デスタード、その方の言葉が必ずしも間違っていないことは分かる。が、だとして余の言葉のどこに詭弁があったというのだ?」
「恐れながら申し上げます。身分差があったからこそのシーラを懐妊させておきながら、いまさら身分など関係ないという陛下のお言葉は詭弁と思われても仕方がないということです」
それは国王と侯爵という身分差を考えれば、命がけの進言であった。
「……いわんとすることは分からぬではない。だが、シーラを側室として迎えることは本当にあり得ぬことなのか? 余はシーラに男としての責務を果たしたいだけなのだ」
国王は忠臣2人に尋ねる。
その問いには、ガラジアル公爵が答えた。
「陛下、男としての責務を果たしたいというお気持ちは大変ご立派だと思います。が、もしも彼女を陛下が側室として迎えれば、彼女とその子どもは早晩命を狙われることになるでしょう」
「命を狙われるだと?」
顔をしかめる国王。
「はい。先ほど陛下もおっしゃられたとおり、現在お世継ぎを巡って争いが起きております。そこに平民出身の側室とその子どもが現れれば、他のお世継ぎ候補達からどのように写るかお考えください。最悪暗殺などの危険すらあります」
「いや、まて。いくらなんでも妃達やその子どもがシーラの命を狙うなど……」
「奥方様方がそのようなことをお考えになるとは私も思っておりませぬ。が、奥方様方やお世継ぎ候補ご自身ではなく、その周辺にはきな臭いモノが漂っていることも事実」
自分と懇意の王位継承者が次期国王になれば、支持者達も甘い蜜が吸える。そう考える貴族達は多い。
貴族達の中には王子、王女に今のうちから取り入り、他のライバルを様々な手段で失脚させようと暗躍している者達がいた。
「しかし、これまで暗殺などといったことまでは起きていないではないか」
「それは奥方様方がそれぞれ後ろ盾を持っておられるから。されど、後ろ盾のない平民出身の側室となれば何が起きても不思議はございませんぞ」
「余が後ろ盾になるわけにはいかぬのか?」
「それこそ悪手。陛下がシーラとその子に肩入れすれば、皆からは、陛下がシーラの子こそが次期世継ぎと考えていると受け取られかねませぬ」
ガラジアル公爵の言葉に、国王も目をつぶって考える。
「ガラジアル公爵、デスタード侯爵、2人の進言は理解した。
……いや、余も分かってはおったのだ。2人にこのような言葉を言わせてしまったことを申し訳なく思う」
「もったいなきお言葉」
「ご無礼いたしました」
国王の言葉に、ガラジアル公爵とデスタードは答えた。
「シーラには余の軽挙で申し訳ないことをした。正直、年老いた自分に子をなす力が残っておるとはおもわなんだ」
国王は小さくため息をついた。
「後悔は後でしましょう。今は目の前の事態にどう対処するかです」
「ふむ、2人の意見は?」
デスタードの言葉に、国王は尋ねる。
「……話が広がらないうちに、シーラを王宮から出奔させるべきかと」
ガラジアル公爵が言った。発言の前に言いよどんだのは、もっと過激な対処が頭に浮かんだからかもしれない。
「実家に帰すか」
「いえ、それも危険かと思います。シーラの実家は平民とはいえ、王都有数の商家。しかも、王直属のメイドとなったことは家族だけでなく周囲も知っているとのこと。どこか別の場所に隠すより他ありますまい」
「しかし、18歳の妊婦を放り出すわけにもいくまい」
「……そこは私にお任せを」
「具体的にはどうする?」
「具体的なことは陛下は知らぬ方がよいと心得ます」
ガラジアル公爵の言葉に、国王は黙想した。
「わかった、其方を信じよう」
「有難きお言葉」
---------------
デスタードはシーラを乗せて暗い夜の森を馬を走らせた。
乗馬は初めてなのだろう、必要以上に自分の腰にしがみついている。が、それを咎める気にもなれない。
国王に任せろといったが、ガラジアル公爵にも彼女が安全に暮らしていける場所などほとんど心当たりがなかったらしい。
少なくとも、デスタードやガラジアル公爵の知り合いの貴族に預けたり、自分達の手元がかばうのは無理だ。
今の彼女の立場は、どこかの商家に奉公させるだけでも危険なのだ。
いかにも策があるかのように国王に言っておきながら、この始末だ。
正直、今この場でシーラを切り捨てることも考えたくなる。
あるいはそれが一番確実な方法なのかもしれない。
これから自分が彼女を連れて行こうとしている場所を考えれば、その方が彼女にとっても幸せではないかとすら思ってしまう。
本来なら大陸の反対側にでも送り届けたいが、相手は妊婦だ。
だが、彼女には生きてほしかった。
何故そう思ったのかは自分でも分からない。
あるいは、10年前彼女と同じ年齢で死んだ自分の娘の姿が、重なって見えたという感傷的な気持ちからなのかもしれない。
今、彼らが向かっているのは王都から馬で半日ほど離れた売春地区である。
様々なワケありの人生を送った者達が最後にたどり着く場所。
ある意味で死んだのと同じ扱いになる街。
そんな街に18歳の妊婦を置き去りにしようとしている。
王宮から旅立つ前、デスタードがシーラに行き先を告げると、彼女はただ『分かりました』とだけ答えた。
商人の娘である彼女は、遊女の暮らしがどういうものなのかおぼろげには知っていることだろう。
それでも文句一つ言わなかった。
あるいは命が助かっただけでも良かったと思っているのかもしれない。
やがて森が開け、目の前に明るい街が見える。
真夜中にもかかわらず、その街は光り輝いていた。
いや、真夜中こそ光り輝く街なのかもしれない。
馬を止めると、シーラが尋ねた。
「あの街ですか?」
「ああ、そうだ。店主の1人への紹介状は持っている。案内しよう」
その紹介状はデスタードの部下の知り合いの商人の、そのまた部下の名前で書かれている。紹介状を手に入れること自体が露見のリスクにもなりえたが、デスタードの名前で紹介状を書くわけにはいかなかった。
「いいえ、侯爵様があのような街に入られるわけにはいかないでしょう。ここから先は私1人で大丈夫です」
「しかし……」
「恐れながら申し上げれば、侯爵様のような方に連れられてあの街に行くことこそ、私にとって危険だと考えます」
それは道理であった。
彼はお忍びの格好とはいえ、こういった歓楽街には不釣り合いな生地の服を着用している。
このままシーラを送り届ければ、彼女と貴族の関係を疑われかねない。それで即座にどうなるという話ではないだろうが、彼女の今後の生活に良い影響はあるまい。
デスタードは懐から紹介状と当面の生活費、貴金属を取り出してシーラに渡した。
「ありがとうございます」
彼女は遠慮することなく、それを受け取る。今後生き残るために必要な者だからだ。
「このような形になってあなたには申し訳なく思う。私のことを恨んでくれてもかまわない」
「いいえ。私にも本来ならお腹の子ごと殺されてもおかしくないということは理解できます。ここまで送っていただき、新しい生活のための支度金までいただいて、お恨みすることなどございません」
「すまない」
「ここまで、ありがとうございました」
シーラはそう言って頭を下げ、シーラは歓楽街に向けて歩き始めた。
「いや、こちらこそ言葉が過ぎた。デスタード侯爵の忠義を疑ったわけではない。これからもよろしく頼む」
「は、ありがたきお言葉」
国王が“茶を楽しむ”ために用意した王宮の一室で、デスタードとガラジアル公爵は互いに握手した。
これにて、先ほどのやりとりの矛は下ろすという証である。
「それで、一体何があったというのだ。先ほど慌てぶり、卿らしくもない」
「はい、誠に恥ずかしきことです。実は……」
デスタードはガラジアル公爵に事の次第を話した。
シーラの妊娠を知り、ガラジアル公爵も顔をゆがめる。
「間違いはないのか?」
「妊娠の有無ということであれば、医師の確認はとっておりませぬ。本来ならすぐにも診察させるべきですが……」
「医師に診察させること自体が露見のリスクになる、か」
「御意。また、妊娠が真実であったとして、父親が陛下であらせられるかどうかについても、私には確認のしようがないことです」
「ふむ」
おそらく、ガラジアル公爵の中では様々な可能性や対処が渦巻いているのだろう。
首に右手を当て考え込んでいる。
「が、少なくともシーラと話した感触からして、彼女が意図的に虚言を弄しているようには思えませんでした」
「……そうか……いや、デスタード侯爵がそう感じたというのであればそうであろうな」
「少なくとも、国王陛下とそういう関係が全くなく、あのような言葉を語るとは思えません」
問題はそこなのだ。
短絡的に考えるなら、国王付のメイドが第三者の子を宿したのを契機に、国王の子を懐妊したと言い張り、側室の立場を得ようとしているのではないかと疑うこともできる。
もしもそうであれば国王が『メイドとそのような関係になっていない』と否定すればすむことだ。もちろんその場合、メイドは王家への侮辱罪で最悪極刑もあり得る。
が、だからこそそんな虚言をシーラが言ったとは思えないのだ。
国王が否定すれば極刑になりかねないと分かっていて、それでも虚言を弄して側室の地位を得ようとするわけがない。
シーラの父は王都有数の商家の主だ。もしもシーラが侮辱罪などになれば、実家の商売すら危うくなる。
その程度のことが分からないほど愚かな女性を国王付のメイドになど採用していない。
「ともあれ、まずは国王陛下のお話を聞くべきであろうな」
ガラジアル公爵の言葉は半ばため息交じりであった。
と。
奥の扉が開く。
デスタードとガラジアル公爵は椅子から立ち上がり、右手を胸に掲げて臣下の礼をとる。
奥の扉から国王が入る。
付き従うのはデスタードにシーラの懐妊を伝えたメイド長1人だ。
普段なら、国王にはもっと多くの人間が付き従うが、メイド長なりにここでの話の内容に見当をつけ気をつかったのだろう。
「ふむ、2人とも座って楽にしてくれ」
国王が席に座って言った。
『は』
国王の言葉にデスタード達も座る。
メイド長が紅茶をそそぎ、ビスケットを中心に置く。
「失礼いたします」
メイド長はそう言い残すと扉から消えた。
「ふむ、良い香りのお茶だ」
国王は紅茶を一口飲むとそう言った。
「は、この時期のプラーヌ茶は透き通った味と心得ます」
「焼き菓子にもよく合いますな」
数分、3人で雑談をする。
実のところ、この雑談にも意味がある。
誰かが聞き耳を立てていないか、国王直近の近衛兵やメイド長が確認する時間が必要なのだ。
しばし、歓談し、やがて国王が本題に入った。
「それで、一体何があったのだ?」
「はい、実は……」
デスタードが改めてシーラの懐妊を報告する。
「間違いはないのか?」
「医師の診察は受けさておりませぬ。それ自体が露見のリスクになります故」
国王の問いにデスタードが答える。
「恐れながら陛下、むしろ尋ねたいのは私たちの方でございます。その、シーラというメイドの懐妊に心当たりはございますか?」
ガラジアル公爵が尋ねる。
「……あると言えばある」
国王の答えに、いよいよ覚悟を決めてこの事態に当たらなければならないとデスタードは考える。
「お妃様方がおられながらメイドに手を出すなど、何故そのようなことを」
ガラジアル公爵の言葉は不敬罪になりかねない国王を咎めるものだった。
国王との信頼関係があるからこその苦言だ。
「シャルノールもテミアールもキルースも最近は夜の相手をしてくれぬ。それどころか、世継ぎの争いに暗躍する始末。余もストレスのはけ口がなくてな」
国王が並べた3人の名は、国王の正室、側室達である。
第1妃シャルノールはガラジアル公爵の遠縁、第2妃テミアールは現教皇の娘、第3妃キルースは諸侯連立盟主の娘である。
確かに現在この3人と、それを取り巻く貴族達が世継ぎ争いに明け暮れていることはデスタードやガラジアル公爵の頭痛の種であった。
「そんなときに、あの若く美しいメイドが入ってきてな……なんというか……フラフラと」
50歳を超えた国王ともあろう者が、なにが『フラフラ』というのだ。
デスタードは頭を抱えたくなるが、国王の御前であることを必死に意識してそれを抑える。
おそらく、同じ気持ちであろうガラジアル公爵が気を取り直して尋ねる。
「起きたことは仕方がありませぬ。問題はこの後のことです。陛下は如何にされるおつもりですか?」
「むろん、シーラを側室に迎え入れる」
国王の言葉に、デスタードは頭痛を覚えた。
不敬であるとは承知しながらも、国王の正気を疑いたくなる。
平民出身のメイドを国王の側室にするなどありえない。
「陛下、お戯れを仰せられるものではありませぬ」
ガラジアル公爵が言う。
「戯れではない。女性を懐妊させたのだ、男として責任は取らねばなるまい」
「ことはそのように単純な問題ではございませぬ。シーラは平民の出と聞いております。平民を陛下の側室に迎え入れることなどできませぬ」
「先代の御代より、我が国では身分差の解消に努めておる。身分差は婚姻を妨げるものではないはずだ」
国王の言葉は正論と言えば正論である。
確かに先代の国王が身分差別の解消に努めたことは事実なのだ。
しかし。
「恐れながら陛下。それは詭弁が過ぎるというものです」
デスタードは意を決して言った。
国王の言葉を『詭弁』と断じれば、さすがに不敬罪に問われかねない。それを知っていても、ここは引けなかった。
「詭弁だと?」
さすがに侯爵に自分の言葉を『詭弁』と言われ、国王も不快感をあらわにする。
「不敬は承知の上で申し上げます。陛下、シーラが陛下に身を任せたのは何故かお考えください」
「どういう意味だ、デスタード侯爵?」
「恐れながら、陛下のご年齢は53歳。シーラは18歳でございます。一般論として18の娘が53歳の男に惹かれると思われますか?」
国王の顔の不快感が強まる。
「無礼であろう、デスタード。余は仮にも国王ぞ」
「然様。シーラが陛下に身を任せたのは、陛下が国王であり、シーラがメイドだからです。考えてみてください。もし、陛下がただの町人であればシーラは陛下に身を任せましたでしょうか?」
「余が立場を盾にシーラを手込めにしたとでも言うつもりか?」
「そこまでは申しません。が、国王と平民という身分差があったからこそ、50を超えた陛下が18の娘とそのような関係になれたことも否定できないと申しておるのです」
国王の顔が不快にから怒りに変わる。
デスタードはにらみつける国王を正面から見返す。
自分の言葉が不敬だということは重々承知している。如何にかつての教育係とはいえ、この場で切り捨てられてもしかたのないの発言だ。
だが、命をかけても進言しなければならないことである。
空気がとがったような、痛みを伴う沈黙が流れる。
やがて。
国王は「ふぅ」と息を吐き、表情を和らげた。
「デスタード、その方の言葉が必ずしも間違っていないことは分かる。が、だとして余の言葉のどこに詭弁があったというのだ?」
「恐れながら申し上げます。身分差があったからこそのシーラを懐妊させておきながら、いまさら身分など関係ないという陛下のお言葉は詭弁と思われても仕方がないということです」
それは国王と侯爵という身分差を考えれば、命がけの進言であった。
「……いわんとすることは分からぬではない。だが、シーラを側室として迎えることは本当にあり得ぬことなのか? 余はシーラに男としての責務を果たしたいだけなのだ」
国王は忠臣2人に尋ねる。
その問いには、ガラジアル公爵が答えた。
「陛下、男としての責務を果たしたいというお気持ちは大変ご立派だと思います。が、もしも彼女を陛下が側室として迎えれば、彼女とその子どもは早晩命を狙われることになるでしょう」
「命を狙われるだと?」
顔をしかめる国王。
「はい。先ほど陛下もおっしゃられたとおり、現在お世継ぎを巡って争いが起きております。そこに平民出身の側室とその子どもが現れれば、他のお世継ぎ候補達からどのように写るかお考えください。最悪暗殺などの危険すらあります」
「いや、まて。いくらなんでも妃達やその子どもがシーラの命を狙うなど……」
「奥方様方がそのようなことをお考えになるとは私も思っておりませぬ。が、奥方様方やお世継ぎ候補ご自身ではなく、その周辺にはきな臭いモノが漂っていることも事実」
自分と懇意の王位継承者が次期国王になれば、支持者達も甘い蜜が吸える。そう考える貴族達は多い。
貴族達の中には王子、王女に今のうちから取り入り、他のライバルを様々な手段で失脚させようと暗躍している者達がいた。
「しかし、これまで暗殺などといったことまでは起きていないではないか」
「それは奥方様方がそれぞれ後ろ盾を持っておられるから。されど、後ろ盾のない平民出身の側室となれば何が起きても不思議はございませんぞ」
「余が後ろ盾になるわけにはいかぬのか?」
「それこそ悪手。陛下がシーラとその子に肩入れすれば、皆からは、陛下がシーラの子こそが次期世継ぎと考えていると受け取られかねませぬ」
ガラジアル公爵の言葉に、国王も目をつぶって考える。
「ガラジアル公爵、デスタード侯爵、2人の進言は理解した。
……いや、余も分かってはおったのだ。2人にこのような言葉を言わせてしまったことを申し訳なく思う」
「もったいなきお言葉」
「ご無礼いたしました」
国王の言葉に、ガラジアル公爵とデスタードは答えた。
「シーラには余の軽挙で申し訳ないことをした。正直、年老いた自分に子をなす力が残っておるとはおもわなんだ」
国王は小さくため息をついた。
「後悔は後でしましょう。今は目の前の事態にどう対処するかです」
「ふむ、2人の意見は?」
デスタードの言葉に、国王は尋ねる。
「……話が広がらないうちに、シーラを王宮から出奔させるべきかと」
ガラジアル公爵が言った。発言の前に言いよどんだのは、もっと過激な対処が頭に浮かんだからかもしれない。
「実家に帰すか」
「いえ、それも危険かと思います。シーラの実家は平民とはいえ、王都有数の商家。しかも、王直属のメイドとなったことは家族だけでなく周囲も知っているとのこと。どこか別の場所に隠すより他ありますまい」
「しかし、18歳の妊婦を放り出すわけにもいくまい」
「……そこは私にお任せを」
「具体的にはどうする?」
「具体的なことは陛下は知らぬ方がよいと心得ます」
ガラジアル公爵の言葉に、国王は黙想した。
「わかった、其方を信じよう」
「有難きお言葉」
---------------
デスタードはシーラを乗せて暗い夜の森を馬を走らせた。
乗馬は初めてなのだろう、必要以上に自分の腰にしがみついている。が、それを咎める気にもなれない。
国王に任せろといったが、ガラジアル公爵にも彼女が安全に暮らしていける場所などほとんど心当たりがなかったらしい。
少なくとも、デスタードやガラジアル公爵の知り合いの貴族に預けたり、自分達の手元がかばうのは無理だ。
今の彼女の立場は、どこかの商家に奉公させるだけでも危険なのだ。
いかにも策があるかのように国王に言っておきながら、この始末だ。
正直、今この場でシーラを切り捨てることも考えたくなる。
あるいはそれが一番確実な方法なのかもしれない。
これから自分が彼女を連れて行こうとしている場所を考えれば、その方が彼女にとっても幸せではないかとすら思ってしまう。
本来なら大陸の反対側にでも送り届けたいが、相手は妊婦だ。
だが、彼女には生きてほしかった。
何故そう思ったのかは自分でも分からない。
あるいは、10年前彼女と同じ年齢で死んだ自分の娘の姿が、重なって見えたという感傷的な気持ちからなのかもしれない。
今、彼らが向かっているのは王都から馬で半日ほど離れた売春地区である。
様々なワケありの人生を送った者達が最後にたどり着く場所。
ある意味で死んだのと同じ扱いになる街。
そんな街に18歳の妊婦を置き去りにしようとしている。
王宮から旅立つ前、デスタードがシーラに行き先を告げると、彼女はただ『分かりました』とだけ答えた。
商人の娘である彼女は、遊女の暮らしがどういうものなのかおぼろげには知っていることだろう。
それでも文句一つ言わなかった。
あるいは命が助かっただけでも良かったと思っているのかもしれない。
やがて森が開け、目の前に明るい街が見える。
真夜中にもかかわらず、その街は光り輝いていた。
いや、真夜中こそ光り輝く街なのかもしれない。
馬を止めると、シーラが尋ねた。
「あの街ですか?」
「ああ、そうだ。店主の1人への紹介状は持っている。案内しよう」
その紹介状はデスタードの部下の知り合いの商人の、そのまた部下の名前で書かれている。紹介状を手に入れること自体が露見のリスクにもなりえたが、デスタードの名前で紹介状を書くわけにはいかなかった。
「いいえ、侯爵様があのような街に入られるわけにはいかないでしょう。ここから先は私1人で大丈夫です」
「しかし……」
「恐れながら申し上げれば、侯爵様のような方に連れられてあの街に行くことこそ、私にとって危険だと考えます」
それは道理であった。
彼はお忍びの格好とはいえ、こういった歓楽街には不釣り合いな生地の服を着用している。
このままシーラを送り届ければ、彼女と貴族の関係を疑われかねない。それで即座にどうなるという話ではないだろうが、彼女の今後の生活に良い影響はあるまい。
デスタードは懐から紹介状と当面の生活費、貴金属を取り出してシーラに渡した。
「ありがとうございます」
彼女は遠慮することなく、それを受け取る。今後生き残るために必要な者だからだ。
「このような形になってあなたには申し訳なく思う。私のことを恨んでくれてもかまわない」
「いいえ。私にも本来ならお腹の子ごと殺されてもおかしくないということは理解できます。ここまで送っていただき、新しい生活のための支度金までいただいて、お恨みすることなどございません」
「すまない」
「ここまで、ありがとうございました」
シーラはそう言って頭を下げ、シーラは歓楽街に向けて歩き始めた。
0
お気に入りに追加
760
あなたにおすすめの小説
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
異世界で俺だけレベルが上がらない! だけど努力したら最強になれるらしいです?
澤檸檬
ファンタジー
旧題 努力=結果
異世界の神の勝手によって異世界に転移することになった倉野。
実際に異世界で確認した常識と自分に与えられた能力が全く違うことに少しずつ気付く。
異世界の住人はレベルアップによってステータスが上がっていくようだったが、倉野にだけレベルが存在せず、行動を繰り返すことによってスキルを習得するシステムが採用されていた。
そのスキル習得システムと異世界の常識の差が倉野を最強の人間へと押し上げていく。
だが、倉野はその能力を活かして英雄になろうだとか、悪用しようだとかそういった上昇志向を見せるわけでもなく、第二の人生と割り切ってファンタジーな世界を旅することにした。
最強を隠して異世界を巡る倉野。各地での出会いと別れ、冒険と楽しみ。元居た世界にはない刺激が倉野の第二の人生を彩っていく。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる