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第1話 魔王の国1
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【前書き】
本編第1部 旧69話以降と同じ内容となっています。
---------------------------
「魔王様。どうされましたか」
「……んん。昔の夢を見ていたようだ」
「遠征続きですもの。お疲れになったのではありませんか」
「いや、俺はヴァンパイアだからな。ずっと起きていられる……とはいえ徹夜続きだな。精神的に疲れたか……」
ここは次の戦場へと向かう馬車の中。ここのところ作戦案を考え続け眠る間もなかったからな、側近の三人と移動中に寝ていたようだ。
「お疲れなら、わたくしの血を吸ってもらえれば結構ですわよ」
「いや、それならオレの血を吸ってくれよ。最近、力が有り余っているからよ」
まあ、そんな事を言われたからといって、ここで血を吸う訳にもいかんだろうな。吸血されると性交した時と同様の快楽が得られる。昼日中から腑抜けられても困るからな。
「ところで魔王様、どのような夢を見ていたのですか」
「昔作った、眷属の里の事を少しな」
「眷属の里というと、先代の長老が住んでいたと言う場所の事か」
「ああ、そうだ。今の魔族の国とは違ってすごく小さな所だったな」
まだ眷属も少なく、他の種族から隠れるように住んでいた場所だ。なんだか懐かしく思えてくる。
この世界に転生してきて洞窟に百年、その後世界を巡るようになって百五十年。何も分からずに、この世界に放りだされてやっと俺にも、国を持つことができるようになった。
「魔王様。今の国だってすごく小さいんですのよ」
「そうだぞ、もっと国を広げんと他国からの干渉を受けちまうからな」
元より俺達は異質の存在。この姿形を見て、忌み嫌う者が多い。
最初に獣人の町に入った時もそうだったな。素顔で歩く俺を見て化け物だとか言ってきた。顔を仮面で隠し冒険者にもなったが、俺の魔術や力を見て人型の魔獣だと言われたものだ。
今は顔も隠さず、派手ではないが貴族のようなロココ調の黒い服を着ている。眷属にも顔や白い肌を見せて、堂々とするようにと言っている。
この異世界に人間という生き物は存在しない。そのため他の種族は我々のような者を悪魔だとか魔族と呼ぶ。
そのいわれなき迫害に対して立ち向かうため、今も国を大きくしようと努力している途中だ。今では魔王と呼ばれ時々は悪役を気取り、獣人達を怖がらせるのもいいストレス発散になっている。前世でこんな事はゲーム以外では、味わえなかっただろうからな。
「それにしても周りはオレ達の事を、魔族だと言う奴らばかりだよな。まあ、今となっちゃ魔王や魔族だと言われる方がしっくりくるけどな」
「しかし、魔王様を悪魔とか化け物なんて言われるのは、我慢なりませんわね」
「ほんとそうよね。こんな麗しいお顔を見もせずにね。私は魔王様のダークブラウンの巻き毛が好きだわ」
「わたくしは、愁いを帯びた黄金の瞳がたまりませんわ。長身ですし、その貴族にも勝る気品や紳士な態度もいいですわね」
「いやいや、何といっても筋肉だろう。魔王様の広い背中に胸板の厚さ。そこいらの戦士にも負けやしねえよ」
いや、ちょっと待ってくれ。本人を目の前にしてそう賛美されると、いくら何でも照れてしまうぞ。この三人は、長年眷属として付き添ってくれた者達だからな。こう言うたわいない話ができるのも、こいつらぐらいなのだが……。
「さて、次に攻略する町は、今どうなっているのかな」
「はい、魔王様。町への進軍ルートは確保できています。これにより町を包囲する事はできるのですが……」
「んん……どうした」
「この地を治める領主が町に立てこもっていまして、門を固く閉ざして住民を巻き込んで籠城しています」
この町の産業は、裏山にある鉄鉱石の鉱山。鉄の生産を生業としている。町ごと包囲殲滅する事はできるだろうが、そうすると産業自体が潰れてしまう。リカールスは、それを心配しているのだろう。内務を司る者としては当然の事だな。
「将軍として兵を率いるメディカントは、どう考える」
「包囲し東西どちらかの城門を破壊して、町に侵入する事は可能だ。しかし時間がかかるだろうな」
兵士の数や武装は揃えているが、相変わらず兵士の士気は低いらしい。占領した町や村から徴兵した獣人の兵士だからな。家族を人質にして戦えと言っても、士気は上がらんか。
「それに西方から敵の国軍が迫って来ている。どちらが早いか時間勝負と言ったところだな」
籠城すると言う事は、援軍を期待してのことだ。援軍のない籠城は死期を遅らせるだけの愚策だからな。自国のパルゲア皇国と何らかの方法で連絡を取りあっているのだろう。
「ピキュリア。軍師として何か意見はあるか」
「わたくしとしては、領主の暗殺をしていただきたいと思っております。頭さえ潰せばあの町一つくらい占領する事は容易いかと」
「それは、ヴァンパイアである俺の力を借りたいと言う事か」
「心苦しい限りではありますが、今はそれが最善だと考えております」
魔王だ魔族だと言っても、俺達の兵力は貧弱だ。前世の知識で新兵器を開発して、何とか敵に打ち勝っている程度だからな。兵を無駄死にさせないためにも、暗殺などという汚れ仕事をする必要もある。
「そうだな……領主と言わず、今回は城そのものを破壊しても良かろう。城に産業的価値は無い、どうせなら派手な方が良いのではないか」
その言葉に、内務のリカールスが賛同してくれる。
「そうですね。城の近くには溶鉱炉の施設もありませんし。魔王様、ど派手にいきましょう」
「それなら、オレも外から砲撃させてくれよ。大きな花火を上げてやるぜ」
メディカント将軍もやる気のようだな。
「メディカント。あなたはダメよ! あの迫撃砲は精度が悪いでしょ。溶鉱炉に当たったらどうするの。城が陥落した後の町の占領に力を注いでくださいな」
将軍と言えど軍師ピキュリアには頭が上がらんか。しゅんとしているメディカントの肩を叩き慰める。
「よし、ではその作戦でいこう。細かな事は現地に着いてから詰めるとしよう」
---------------------
【あとがき】
お読みいただき、ありがとうございます。
転生ヴァンパイア様に関する、設定と地図を投稿しています。
タイトル名
【設定集】転生ヴァンパイア様の引きこもりスローライフ。お暇なら国造りしませんか
小説の参考になさって下さい。
本編第1部 旧69話以降と同じ内容となっています。
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「魔王様。どうされましたか」
「……んん。昔の夢を見ていたようだ」
「遠征続きですもの。お疲れになったのではありませんか」
「いや、俺はヴァンパイアだからな。ずっと起きていられる……とはいえ徹夜続きだな。精神的に疲れたか……」
ここは次の戦場へと向かう馬車の中。ここのところ作戦案を考え続け眠る間もなかったからな、側近の三人と移動中に寝ていたようだ。
「お疲れなら、わたくしの血を吸ってもらえれば結構ですわよ」
「いや、それならオレの血を吸ってくれよ。最近、力が有り余っているからよ」
まあ、そんな事を言われたからといって、ここで血を吸う訳にもいかんだろうな。吸血されると性交した時と同様の快楽が得られる。昼日中から腑抜けられても困るからな。
「ところで魔王様、どのような夢を見ていたのですか」
「昔作った、眷属の里の事を少しな」
「眷属の里というと、先代の長老が住んでいたと言う場所の事か」
「ああ、そうだ。今の魔族の国とは違ってすごく小さな所だったな」
まだ眷属も少なく、他の種族から隠れるように住んでいた場所だ。なんだか懐かしく思えてくる。
この世界に転生してきて洞窟に百年、その後世界を巡るようになって百五十年。何も分からずに、この世界に放りだされてやっと俺にも、国を持つことができるようになった。
「魔王様。今の国だってすごく小さいんですのよ」
「そうだぞ、もっと国を広げんと他国からの干渉を受けちまうからな」
元より俺達は異質の存在。この姿形を見て、忌み嫌う者が多い。
最初に獣人の町に入った時もそうだったな。素顔で歩く俺を見て化け物だとか言ってきた。顔を仮面で隠し冒険者にもなったが、俺の魔術や力を見て人型の魔獣だと言われたものだ。
今は顔も隠さず、派手ではないが貴族のようなロココ調の黒い服を着ている。眷属にも顔や白い肌を見せて、堂々とするようにと言っている。
この異世界に人間という生き物は存在しない。そのため他の種族は我々のような者を悪魔だとか魔族と呼ぶ。
そのいわれなき迫害に対して立ち向かうため、今も国を大きくしようと努力している途中だ。今では魔王と呼ばれ時々は悪役を気取り、獣人達を怖がらせるのもいいストレス発散になっている。前世でこんな事はゲーム以外では、味わえなかっただろうからな。
「それにしても周りはオレ達の事を、魔族だと言う奴らばかりだよな。まあ、今となっちゃ魔王や魔族だと言われる方がしっくりくるけどな」
「しかし、魔王様を悪魔とか化け物なんて言われるのは、我慢なりませんわね」
「ほんとそうよね。こんな麗しいお顔を見もせずにね。私は魔王様のダークブラウンの巻き毛が好きだわ」
「わたくしは、愁いを帯びた黄金の瞳がたまりませんわ。長身ですし、その貴族にも勝る気品や紳士な態度もいいですわね」
「いやいや、何といっても筋肉だろう。魔王様の広い背中に胸板の厚さ。そこいらの戦士にも負けやしねえよ」
いや、ちょっと待ってくれ。本人を目の前にしてそう賛美されると、いくら何でも照れてしまうぞ。この三人は、長年眷属として付き添ってくれた者達だからな。こう言うたわいない話ができるのも、こいつらぐらいなのだが……。
「さて、次に攻略する町は、今どうなっているのかな」
「はい、魔王様。町への進軍ルートは確保できています。これにより町を包囲する事はできるのですが……」
「んん……どうした」
「この地を治める領主が町に立てこもっていまして、門を固く閉ざして住民を巻き込んで籠城しています」
この町の産業は、裏山にある鉄鉱石の鉱山。鉄の生産を生業としている。町ごと包囲殲滅する事はできるだろうが、そうすると産業自体が潰れてしまう。リカールスは、それを心配しているのだろう。内務を司る者としては当然の事だな。
「将軍として兵を率いるメディカントは、どう考える」
「包囲し東西どちらかの城門を破壊して、町に侵入する事は可能だ。しかし時間がかかるだろうな」
兵士の数や武装は揃えているが、相変わらず兵士の士気は低いらしい。占領した町や村から徴兵した獣人の兵士だからな。家族を人質にして戦えと言っても、士気は上がらんか。
「それに西方から敵の国軍が迫って来ている。どちらが早いか時間勝負と言ったところだな」
籠城すると言う事は、援軍を期待してのことだ。援軍のない籠城は死期を遅らせるだけの愚策だからな。自国のパルゲア皇国と何らかの方法で連絡を取りあっているのだろう。
「ピキュリア。軍師として何か意見はあるか」
「わたくしとしては、領主の暗殺をしていただきたいと思っております。頭さえ潰せばあの町一つくらい占領する事は容易いかと」
「それは、ヴァンパイアである俺の力を借りたいと言う事か」
「心苦しい限りではありますが、今はそれが最善だと考えております」
魔王だ魔族だと言っても、俺達の兵力は貧弱だ。前世の知識で新兵器を開発して、何とか敵に打ち勝っている程度だからな。兵を無駄死にさせないためにも、暗殺などという汚れ仕事をする必要もある。
「そうだな……領主と言わず、今回は城そのものを破壊しても良かろう。城に産業的価値は無い、どうせなら派手な方が良いのではないか」
その言葉に、内務のリカールスが賛同してくれる。
「そうですね。城の近くには溶鉱炉の施設もありませんし。魔王様、ど派手にいきましょう」
「それなら、オレも外から砲撃させてくれよ。大きな花火を上げてやるぜ」
メディカント将軍もやる気のようだな。
「メディカント。あなたはダメよ! あの迫撃砲は精度が悪いでしょ。溶鉱炉に当たったらどうするの。城が陥落した後の町の占領に力を注いでくださいな」
将軍と言えど軍師ピキュリアには頭が上がらんか。しゅんとしているメディカントの肩を叩き慰める。
「よし、ではその作戦でいこう。細かな事は現地に着いてから詰めるとしよう」
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【あとがき】
お読みいただき、ありがとうございます。
転生ヴァンパイア様に関する、設定と地図を投稿しています。
タイトル名
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