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第4章
第88話 奇襲
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「おい、あれはなんだ!」
海の彼方、海洋族が住む黒石島に対して、奇襲攻撃にための艦艇が何隻もやって来る。
「ビラマニ軍が攻めてきたぞ。みんな避難しろ」
その大艦隊に対して抵抗するすべはなく、島に砲撃が加えられた。
「地上はそのままでいい。全員、海に避難だ!」
港や地上の建物、山積みの石炭もそのままに海洋族は海へと飛び込む。
平地は港を含めて島全体の4分の1ほど。その全てが焼かれ、火柱と黒煙が立ち昇りいつまでも消えることは無かった。
「これで敵の軍事基地は機能しなくなった。水上に出てきた海洋族を逃すなよ」
島には200人程がいたはずだ。その者達が仲間に救援を求めに行かせないために、艦艇の上から海洋族が浮かび上がってくるのを持つ。
島の周りには網も仕掛けて海洋族を出さないようにしているが、誰一人として網にかからない。
「完全に逃げられたのか……」
海洋族との戦いはこれが初めて。エラ呼吸で目を使わずとも暗い海底まで潜れる海洋族の特性も分からず、ビラマニ軍は全ての住民を取り逃がす。
海軍司令部に報告が入る。『奇襲は成功。島を制圧するも、敵住民は一人として捕らえる事敵わず』と。
「第1目標は達成された。北航路の貨物船は出港した後だ。救援の連絡を取るとすると鬼人族の国の沿岸に住む海洋族だろう」
至急、北の国境付近に配備された艦隊に、海洋族の監視を強化するように通達された。
だがその頃には、ビラマニ国海岸の海洋族が島から立ち昇る黒煙を見て、既にモリオン国海岸の仲間に異変を伝えている。海洋族にとっては国境など意味が無い。船や馬などよりも速く泳げ、伝達速度は大陸一である。
黒石島の異変は、3日後にはビラマニ国の大陸間航路の港へと伝わる。大陸間の連絡は通常船を使うが、海洋族には魔力波による通信網がある。
魔力波は海中を直進することができ、大陸までの島々と海底に中継器が設置されている。これはシャウラ村からの技術供与で構築した指向性アンテナによる魔力通信。これで一気にアルガルド大陸からセシウス大陸の海洋族へと黒石島の状況が伝えられた。
「ビラマニ軍がコークハーバーを奇襲しただと」
「空母の寄港地が燃えており、その少し前にビラマニ国の軍港から戦艦が出撃するのを確認しております。現在、住民の安否は不明であります」
人族の国にもたらされた第一報に対する反応は早かった。人族の国、北の港で整備と補給を行っていた空母のハウゼル艦長はアルガルド大陸への出航を決断。臨戦態勢装備の準備を急がせた。
その3日後、全ての準備を整え空母は出港する。前回の調査で判明した安全な航路を選び全速でアルガルド大陸を目指す。
一方、ビラマニ軍は黒石島に上陸し地上施設の破壊と、周辺海域における海洋族の監視を行なっていた。
その上空。何十機にもなる飛行機の編隊が空を駆け、海上の船舶を爆撃する。不意を突かれたビラマニ軍の戦艦は慌てて錨を上げるが、その側面に魚雷攻撃を受け大きな水柱と共に海底へ沈んで行く。
「どこだ、どこから攻撃を受けている!」
周辺に艦影は見えず、上空に小さな飛行機だけが見えている。上空と海中、双方からの攻撃に成す術もなく黒石島周辺の艦艇は壊滅する。
「なにぃ! 誰が攻撃していると言うのだ」
黒石島に配備していた艦艇が攻撃を受けているとの報告に海軍の最前線司令部は驚きを隠せない。島を襲撃してからまだ20日も経っておらず、新大陸からの船がそれほど早く来れる訳がない。モリオン国から海洋族の侵入もない。
「航空機を確認いしております。おそらくあの巨大な船と思われます」
「すると黒石島を襲撃した日に新大陸を出港した計算になるがそれでも早過ぎる。それとも周辺に待機していたのか」
「司令長官。あの島より西は魔の海。待機などできるはずありません。北航路の貨物船もまだ大陸には到着していないはずです」
どのようにして来たのかは後で考えればいい。
「まずは、港に停泊している艦艇を全て出撃させろ」
幸いなことに、まだ敵は来ないものと思い大部分の艦艇は港に停留待機している。それを全て島に向かわせる。
飛行機への対応策は魔術師による魔法攻撃、訓練も十分だ。陸軍の応援ももらい対抗できる数を用意している。
これだけの数を一度に投入すれば、あの巨大な船が出てきたとしても対抗できるだろう。
「まだ官邸に連絡をせずとも良いぞ。出撃した艦隊の戦果を聞いてからにしよう」
ここからでは島は見えす、戦闘の音もしない。艦艇を出した後は補給の準備と負傷兵が帰ってきた場合の手配をしておくだけだ。
夜が明けた。今だ状況も分からず島の方向を見ていると、黒い煙が何本か立ち昇っているのが見えた。そしてその方向から飛行機が1機こちらに向かって来て、また引き返していった。
「何だ! 一体どうなっている。勝敗がついたのか」
海の彼方、あの巨大な船がこちらに向かって来る。その左右にここから出撃させた艦艇の内4隻が並走している。巨大な船を拿捕して連行してきたのか。
他の司令官も窓から乗り出すようにして、遠見の魔道具で海を見つめる。船が港に近づき分かった。我が艦隊の甲板には負傷兵が隙間なく座り込み、艦橋の上には白旗が掲げられている。
我らは破れた。たった1隻の船に。戦艦は全て沈み護衛艦などが海に投げ出された兵士を乗せて戻って来たのだ。これほどの戦力差があったのか。
負傷兵を乗せた護衛艦や補給艦は帰港し、海洋族からの伝文が指令所に届けられた。
『今回の軍事行動に関する説明と謝罪、その賠償についてビラマニ国代表と話をする場を設けよ』との事だった。
完全敗北した今、その要求を呑む他ない。首相官邸への報告と我ら海軍司令官も首都へと戻る。
海の彼方、海洋族が住む黒石島に対して、奇襲攻撃にための艦艇が何隻もやって来る。
「ビラマニ軍が攻めてきたぞ。みんな避難しろ」
その大艦隊に対して抵抗するすべはなく、島に砲撃が加えられた。
「地上はそのままでいい。全員、海に避難だ!」
港や地上の建物、山積みの石炭もそのままに海洋族は海へと飛び込む。
平地は港を含めて島全体の4分の1ほど。その全てが焼かれ、火柱と黒煙が立ち昇りいつまでも消えることは無かった。
「これで敵の軍事基地は機能しなくなった。水上に出てきた海洋族を逃すなよ」
島には200人程がいたはずだ。その者達が仲間に救援を求めに行かせないために、艦艇の上から海洋族が浮かび上がってくるのを持つ。
島の周りには網も仕掛けて海洋族を出さないようにしているが、誰一人として網にかからない。
「完全に逃げられたのか……」
海洋族との戦いはこれが初めて。エラ呼吸で目を使わずとも暗い海底まで潜れる海洋族の特性も分からず、ビラマニ軍は全ての住民を取り逃がす。
海軍司令部に報告が入る。『奇襲は成功。島を制圧するも、敵住民は一人として捕らえる事敵わず』と。
「第1目標は達成された。北航路の貨物船は出港した後だ。救援の連絡を取るとすると鬼人族の国の沿岸に住む海洋族だろう」
至急、北の国境付近に配備された艦隊に、海洋族の監視を強化するように通達された。
だがその頃には、ビラマニ国海岸の海洋族が島から立ち昇る黒煙を見て、既にモリオン国海岸の仲間に異変を伝えている。海洋族にとっては国境など意味が無い。船や馬などよりも速く泳げ、伝達速度は大陸一である。
黒石島の異変は、3日後にはビラマニ国の大陸間航路の港へと伝わる。大陸間の連絡は通常船を使うが、海洋族には魔力波による通信網がある。
魔力波は海中を直進することができ、大陸までの島々と海底に中継器が設置されている。これはシャウラ村からの技術供与で構築した指向性アンテナによる魔力通信。これで一気にアルガルド大陸からセシウス大陸の海洋族へと黒石島の状況が伝えられた。
「ビラマニ軍がコークハーバーを奇襲しただと」
「空母の寄港地が燃えており、その少し前にビラマニ国の軍港から戦艦が出撃するのを確認しております。現在、住民の安否は不明であります」
人族の国にもたらされた第一報に対する反応は早かった。人族の国、北の港で整備と補給を行っていた空母のハウゼル艦長はアルガルド大陸への出航を決断。臨戦態勢装備の準備を急がせた。
その3日後、全ての準備を整え空母は出港する。前回の調査で判明した安全な航路を選び全速でアルガルド大陸を目指す。
一方、ビラマニ軍は黒石島に上陸し地上施設の破壊と、周辺海域における海洋族の監視を行なっていた。
その上空。何十機にもなる飛行機の編隊が空を駆け、海上の船舶を爆撃する。不意を突かれたビラマニ軍の戦艦は慌てて錨を上げるが、その側面に魚雷攻撃を受け大きな水柱と共に海底へ沈んで行く。
「どこだ、どこから攻撃を受けている!」
周辺に艦影は見えず、上空に小さな飛行機だけが見えている。上空と海中、双方からの攻撃に成す術もなく黒石島周辺の艦艇は壊滅する。
「なにぃ! 誰が攻撃していると言うのだ」
黒石島に配備していた艦艇が攻撃を受けているとの報告に海軍の最前線司令部は驚きを隠せない。島を襲撃してからまだ20日も経っておらず、新大陸からの船がそれほど早く来れる訳がない。モリオン国から海洋族の侵入もない。
「航空機を確認いしております。おそらくあの巨大な船と思われます」
「すると黒石島を襲撃した日に新大陸を出港した計算になるがそれでも早過ぎる。それとも周辺に待機していたのか」
「司令長官。あの島より西は魔の海。待機などできるはずありません。北航路の貨物船もまだ大陸には到着していないはずです」
どのようにして来たのかは後で考えればいい。
「まずは、港に停泊している艦艇を全て出撃させろ」
幸いなことに、まだ敵は来ないものと思い大部分の艦艇は港に停留待機している。それを全て島に向かわせる。
飛行機への対応策は魔術師による魔法攻撃、訓練も十分だ。陸軍の応援ももらい対抗できる数を用意している。
これだけの数を一度に投入すれば、あの巨大な船が出てきたとしても対抗できるだろう。
「まだ官邸に連絡をせずとも良いぞ。出撃した艦隊の戦果を聞いてからにしよう」
ここからでは島は見えす、戦闘の音もしない。艦艇を出した後は補給の準備と負傷兵が帰ってきた場合の手配をしておくだけだ。
夜が明けた。今だ状況も分からず島の方向を見ていると、黒い煙が何本か立ち昇っているのが見えた。そしてその方向から飛行機が1機こちらに向かって来て、また引き返していった。
「何だ! 一体どうなっている。勝敗がついたのか」
海の彼方、あの巨大な船がこちらに向かって来る。その左右にここから出撃させた艦艇の内4隻が並走している。巨大な船を拿捕して連行してきたのか。
他の司令官も窓から乗り出すようにして、遠見の魔道具で海を見つめる。船が港に近づき分かった。我が艦隊の甲板には負傷兵が隙間なく座り込み、艦橋の上には白旗が掲げられている。
我らは破れた。たった1隻の船に。戦艦は全て沈み護衛艦などが海に投げ出された兵士を乗せて戻って来たのだ。これほどの戦力差があったのか。
負傷兵を乗せた護衛艦や補給艦は帰港し、海洋族からの伝文が指令所に届けられた。
『今回の軍事行動に関する説明と謝罪、その賠償についてビラマニ国代表と話をする場を設けよ』との事だった。
完全敗北した今、その要求を呑む他ない。首相官邸への報告と我ら海軍司令官も首都へと戻る。
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