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第2章
第55話 森の魔女3
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翌朝も朝食を作ってくれた。家にある保存食と昨日のお肉で作ったと言う野菜とお肉のスープ、これも絶品だわ。私もここで一人暮らしをして、ちゃんと料理もできるけど何が違うのかしら。
「ところで、リリアベーヌさんは、この森の中で、ずっと一人で研究を続けるのですか。私達、王都の魔術師協会から帰って来るように説得してほしいと言われていまして」
「今、私は魔獣の魔石に関する研究をしているのよ。この森には貴重な魔獣がいるの。王都の森ではその研究はできないのよ」
魔獣の体内で生成される魔石。その起源や生成過程、魔力を溜める仕組みなどを研究している。ここはその研究には都合のいい場所なのよ。
「お一人だと不便でしょうし、危険じゃないのですか」
「この家は安全よ。魔獣を調べるために何日も森の中に入る事もあるけど、注意すれば危険は無いわよ」
「何日もって夜もですか! 夜警なんか一人でできるんですか」
「あなた達は火を焚いて地面で警戒しているようだけど、木の上で枝や葉っぱで身を隠せば襲われることはないのよ」
すごく驚いているようだけど、魔獣の生態を知っていれば、ちゃんと危険を回避する方法はいくらでもあるのよ。
「それにね、魔獣だからと言って、殺す事しか考えていない王都のバカな連中とは話が合わないの」
私達も魔獣も自然の一部。人に害を成すからと言って一方的に根絶やしにしていい訳がないわ。王都の魔術師協会でそんな話をしても分かってくれる人はひとりもいなかった。
「魔獣との共存ってやつですか? 私もよくは分からないんですけどね」
この娘は、何でも屋で魔獣を殺す側のはず。なんで共存なんて言葉が出るの? 魔獣を殺すのは可哀想だと言う人は王都にも何人かいたけど、共存という概念を持つ人はいなかった。
私も魔獣は殺す。食料と身を守るため。私の場合は研究のためもあるけど。しかし必要以上に殺すことはない。それは魔獣も同じだ、無暗に襲ってくる訳ではない。無駄な殺し合いをせず、お互いの生活が成り立っている。この森に来て、そのことが良く分かった。その事をこの娘が知っていると……。
「それにね、ここなら珍しい魔獣にも会えるの。新種の魔獣も発見しているわ」
新種については、絵に描いて魔術師協会に届けて調べてもらってから発表する。魔術師協会が役に立つのはそれぐらいでしょうね。
珍しい魔獣を記録した図鑑をこの子達にも見せる。
「あっ、これキリン牛だよ。こっちは一角牛だね」
ユイト君が村の森で見たことがあると答える。
「ツアーの時に見た魔獣ね。この森にも同じ魔獣がいるのね。あのお肉美味しかったわね。もう一度食べたいわ」
「なに言っているの。これは森の奥地に行かないと見れない魔獣よ。なんであなた達が知っているのよ」
しかもそのお肉を食べたの。こんな巨大な魔獣を倒して?
「この間行った、シャウラ村で見かけましたよ」
「何それ! 詳しく教えなさい!」
村のすぐ近くに、人の手が入っていない魔の森があると言う。ここも町の近くで手つかずの森があるから来たんだけど、その村も同じような環境、いえ、もっといいかもしれないわ。
「その村に少し興味が出てきたわ。そろそろここを引き払ってエルフの里に帰るつもりだったけど、その前にシャウラ村に行ってみようかしら」
「じゃあ、王国に残ってくれるんですね」
こうなる事を見込んで、魔術師協会はこの子達を私の元へ送ったの? いえ、そんなはずないわね。私の研究の真意を理解していない協会にできる事じゃないわ。
「その村に引っ越すのならそう言う事になるけど、まだ決まった訳じゃないわ」
研究拠点を移すと言うのは大変な事なのよ。それに見合った移転先じゃないと。
でも行ってみる価値はありそうね。この子達に村の場所を教えてもらう。
「ここからだと、まあまあ距離があるわね」
王都方向に戻るような回り道になる。馬車で1週間ほどだろうか。旅のために少しお金がいるわね。
「あなた達、この論文を魔術師協会に出してくれるかしら」
前に書いて、協会に出すのが面倒で置いておいた論文。少しはお金になるわ。
「ええ、結構ですよ。お届け物の依頼も終わったので後は王都に帰るだけですから」
「薬を売りに行くついでに 、カフの町までは私が送っていくわ」
「ありがとうございます」
今から出れば、昼頃には町に着けるでしょう。
準備をして私が先頭で森に入る。
―― チリン、 チリン。
杖に鈴を付けて歩く。
「あっ、それ魔獣避けの鈴ですよね。この森でも効果あるんですね」
「でも、付けているのが私だから効果があるのよ。この森では私は強者ですからね」
強者である私がここにいることを、魔獣に知らせて無駄な争いが起きないようにしている。でもこの魔術師さんがよくそんな事を知っているわね。
「シャウラ村でも護衛の人が鈴をつけていたんですよ」
シャウラ村。ますます興味が出てきたわ。観光地ということで研究対象から外していたんだわ。人の居ない奥地で研究がしたかったんですもの。
町まで来て、何でも屋さんと別れる。
「あんな大きな車で来ていたのね」
エアバイク2台で引っ張る車。王都まで1日で帰れると言っていたわね。
私は町で薬を売ってお金に換える。シャウラ村まで行く馬車の事を聞いてみたら、直通は無くて2つの町を乗り継いで行けば9日で行けるみたいね。
数日後、お金もできて村へ行ってみた。思っていたより多くの人が観光地を歩き回っている。ユイト君に聞いた旅館から、村長さんに連絡を取ってもらって村に入った。
「あんたが、リリアベーヌさんだね。ユイトから聞いたが魔獣や魔法の研究をしているそうだね」
「はい、この村でも研究ができそうなのか見に来ました」
「それじゃ、村の研究所を見て回るといい。誰かに案内させよう」
この村でも魔道具や魔獣、薬草の研究をしているという。案内してもらった研究所は立派な建物だった。設備は最新の物だし、研究員のレベルも高い。
「あなたが、リリアベーヌ博士ですか。新種の魔獣の発見でお噂はかねがね聞いております」
研究所の所長という方にお会いした。
「この研究所で魔獣の研究をしておられると聞きましたが」
「研究もですが、調査が主ですね。村に被害が出ないようにスタンピード級魔獣の実態調査や生態について研究していますよ」
「スタンピード級魔獣ですか!!」
「ええ、この村の周辺には4体のスタンピード級魔獣が確認されておりまして、その生息域を常に調査しています」
スタンピード級魔獣なんて資料でしか見たことがない。それもスタンピードが起こった後に討伐したり、逃げたりした魔獣の絵やその一部の毛などだ。生きた姿を見るなんて考えたこともないわ。
研究よりも実態調査が主だと言うけど他の魔獣についても、その特性や行動観察などきめ細かな調査がなされている。王都の研究所でも無いような、素晴らしい資料が沢山ある。
「ここは王都の魔術師協会とは別の組織なのですか? この資料は論文発表していないのでしょうか」
王都でこれほど詳しい資料を見たことはなかった。
「まあ、ここにある資料は村を守るために昔からあるローカルな資料ですので。でもここで働いている研究員は隣街にあるトリマン魔術師協会の研究員の方もおられるので、まったく無関係というわけではないですよ」
派遣された職員や、トリマンからここに移り住んだ職員もいるそうだ。魔獣だけでなく防衛のための魔道具開発、薬品や魔石、魔術についても研究していると言う。
それらは村人を守るという、実用的な地に足のついた研究だ。論文のためだけの研究なんかじゃない。
そして目指すは魔獣との共存だと言う。この先もこの村と魔獣が暮らしていける環境を作りたいと言っていた。
私が探し求めていたものがここにある気がする。今まで一人森の中で研究し、その先を見つめてきた。私のような考えを持っている人はいないと思っていたけど、遠い昔から私と同じような研究を続けていた人達がこの村にいたなんて。
◇
◇
「あの森の魔女さん、シャウラ村に引っ越すそうよ。それで森にあった資料を運ぶ手伝をして欲しいって私達に依頼してきたの」
「カーゴなら沢山積めるものね。ボクも一緒に行っていい? また村に帰れるし」
「ええ、いいわよ。私とユイトで行きましょう」
魔女さんからの論文を持ってきてくれたと、魔術師協会からも依頼料を上乗せしてくれたし、今回も引っ越しの依頼を受けられた。これからもご贔屓にしてもらいたいわね。
---------------------
【あとがき】
お読みいただき、ありがとうございます。
今回で第2章は終了となります。
次回からは 第3章 開始です。お楽しみに。
お気に入りや感想など頂けるとありがたいです。
よろしくお願いいたします。
「ところで、リリアベーヌさんは、この森の中で、ずっと一人で研究を続けるのですか。私達、王都の魔術師協会から帰って来るように説得してほしいと言われていまして」
「今、私は魔獣の魔石に関する研究をしているのよ。この森には貴重な魔獣がいるの。王都の森ではその研究はできないのよ」
魔獣の体内で生成される魔石。その起源や生成過程、魔力を溜める仕組みなどを研究している。ここはその研究には都合のいい場所なのよ。
「お一人だと不便でしょうし、危険じゃないのですか」
「この家は安全よ。魔獣を調べるために何日も森の中に入る事もあるけど、注意すれば危険は無いわよ」
「何日もって夜もですか! 夜警なんか一人でできるんですか」
「あなた達は火を焚いて地面で警戒しているようだけど、木の上で枝や葉っぱで身を隠せば襲われることはないのよ」
すごく驚いているようだけど、魔獣の生態を知っていれば、ちゃんと危険を回避する方法はいくらでもあるのよ。
「それにね、魔獣だからと言って、殺す事しか考えていない王都のバカな連中とは話が合わないの」
私達も魔獣も自然の一部。人に害を成すからと言って一方的に根絶やしにしていい訳がないわ。王都の魔術師協会でそんな話をしても分かってくれる人はひとりもいなかった。
「魔獣との共存ってやつですか? 私もよくは分からないんですけどね」
この娘は、何でも屋で魔獣を殺す側のはず。なんで共存なんて言葉が出るの? 魔獣を殺すのは可哀想だと言う人は王都にも何人かいたけど、共存という概念を持つ人はいなかった。
私も魔獣は殺す。食料と身を守るため。私の場合は研究のためもあるけど。しかし必要以上に殺すことはない。それは魔獣も同じだ、無暗に襲ってくる訳ではない。無駄な殺し合いをせず、お互いの生活が成り立っている。この森に来て、そのことが良く分かった。その事をこの娘が知っていると……。
「それにね、ここなら珍しい魔獣にも会えるの。新種の魔獣も発見しているわ」
新種については、絵に描いて魔術師協会に届けて調べてもらってから発表する。魔術師協会が役に立つのはそれぐらいでしょうね。
珍しい魔獣を記録した図鑑をこの子達にも見せる。
「あっ、これキリン牛だよ。こっちは一角牛だね」
ユイト君が村の森で見たことがあると答える。
「ツアーの時に見た魔獣ね。この森にも同じ魔獣がいるのね。あのお肉美味しかったわね。もう一度食べたいわ」
「なに言っているの。これは森の奥地に行かないと見れない魔獣よ。なんであなた達が知っているのよ」
しかもそのお肉を食べたの。こんな巨大な魔獣を倒して?
「この間行った、シャウラ村で見かけましたよ」
「何それ! 詳しく教えなさい!」
村のすぐ近くに、人の手が入っていない魔の森があると言う。ここも町の近くで手つかずの森があるから来たんだけど、その村も同じような環境、いえ、もっといいかもしれないわ。
「その村に少し興味が出てきたわ。そろそろここを引き払ってエルフの里に帰るつもりだったけど、その前にシャウラ村に行ってみようかしら」
「じゃあ、王国に残ってくれるんですね」
こうなる事を見込んで、魔術師協会はこの子達を私の元へ送ったの? いえ、そんなはずないわね。私の研究の真意を理解していない協会にできる事じゃないわ。
「その村に引っ越すのならそう言う事になるけど、まだ決まった訳じゃないわ」
研究拠点を移すと言うのは大変な事なのよ。それに見合った移転先じゃないと。
でも行ってみる価値はありそうね。この子達に村の場所を教えてもらう。
「ここからだと、まあまあ距離があるわね」
王都方向に戻るような回り道になる。馬車で1週間ほどだろうか。旅のために少しお金がいるわね。
「あなた達、この論文を魔術師協会に出してくれるかしら」
前に書いて、協会に出すのが面倒で置いておいた論文。少しはお金になるわ。
「ええ、結構ですよ。お届け物の依頼も終わったので後は王都に帰るだけですから」
「薬を売りに行くついでに 、カフの町までは私が送っていくわ」
「ありがとうございます」
今から出れば、昼頃には町に着けるでしょう。
準備をして私が先頭で森に入る。
―― チリン、 チリン。
杖に鈴を付けて歩く。
「あっ、それ魔獣避けの鈴ですよね。この森でも効果あるんですね」
「でも、付けているのが私だから効果があるのよ。この森では私は強者ですからね」
強者である私がここにいることを、魔獣に知らせて無駄な争いが起きないようにしている。でもこの魔術師さんがよくそんな事を知っているわね。
「シャウラ村でも護衛の人が鈴をつけていたんですよ」
シャウラ村。ますます興味が出てきたわ。観光地ということで研究対象から外していたんだわ。人の居ない奥地で研究がしたかったんですもの。
町まで来て、何でも屋さんと別れる。
「あんな大きな車で来ていたのね」
エアバイク2台で引っ張る車。王都まで1日で帰れると言っていたわね。
私は町で薬を売ってお金に換える。シャウラ村まで行く馬車の事を聞いてみたら、直通は無くて2つの町を乗り継いで行けば9日で行けるみたいね。
数日後、お金もできて村へ行ってみた。思っていたより多くの人が観光地を歩き回っている。ユイト君に聞いた旅館から、村長さんに連絡を取ってもらって村に入った。
「あんたが、リリアベーヌさんだね。ユイトから聞いたが魔獣や魔法の研究をしているそうだね」
「はい、この村でも研究ができそうなのか見に来ました」
「それじゃ、村の研究所を見て回るといい。誰かに案内させよう」
この村でも魔道具や魔獣、薬草の研究をしているという。案内してもらった研究所は立派な建物だった。設備は最新の物だし、研究員のレベルも高い。
「あなたが、リリアベーヌ博士ですか。新種の魔獣の発見でお噂はかねがね聞いております」
研究所の所長という方にお会いした。
「この研究所で魔獣の研究をしておられると聞きましたが」
「研究もですが、調査が主ですね。村に被害が出ないようにスタンピード級魔獣の実態調査や生態について研究していますよ」
「スタンピード級魔獣ですか!!」
「ええ、この村の周辺には4体のスタンピード級魔獣が確認されておりまして、その生息域を常に調査しています」
スタンピード級魔獣なんて資料でしか見たことがない。それもスタンピードが起こった後に討伐したり、逃げたりした魔獣の絵やその一部の毛などだ。生きた姿を見るなんて考えたこともないわ。
研究よりも実態調査が主だと言うけど他の魔獣についても、その特性や行動観察などきめ細かな調査がなされている。王都の研究所でも無いような、素晴らしい資料が沢山ある。
「ここは王都の魔術師協会とは別の組織なのですか? この資料は論文発表していないのでしょうか」
王都でこれほど詳しい資料を見たことはなかった。
「まあ、ここにある資料は村を守るために昔からあるローカルな資料ですので。でもここで働いている研究員は隣街にあるトリマン魔術師協会の研究員の方もおられるので、まったく無関係というわけではないですよ」
派遣された職員や、トリマンからここに移り住んだ職員もいるそうだ。魔獣だけでなく防衛のための魔道具開発、薬品や魔石、魔術についても研究していると言う。
それらは村人を守るという、実用的な地に足のついた研究だ。論文のためだけの研究なんかじゃない。
そして目指すは魔獣との共存だと言う。この先もこの村と魔獣が暮らしていける環境を作りたいと言っていた。
私が探し求めていたものがここにある気がする。今まで一人森の中で研究し、その先を見つめてきた。私のような考えを持っている人はいないと思っていたけど、遠い昔から私と同じような研究を続けていた人達がこの村にいたなんて。
◇
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「あの森の魔女さん、シャウラ村に引っ越すそうよ。それで森にあった資料を運ぶ手伝をして欲しいって私達に依頼してきたの」
「カーゴなら沢山積めるものね。ボクも一緒に行っていい? また村に帰れるし」
「ええ、いいわよ。私とユイトで行きましょう」
魔女さんからの論文を持ってきてくれたと、魔術師協会からも依頼料を上乗せしてくれたし、今回も引っ越しの依頼を受けられた。これからもご贔屓にしてもらいたいわね。
---------------------
【あとがき】
お読みいただき、ありがとうございます。
今回で第2章は終了となります。
次回からは 第3章 開始です。お楽しみに。
お気に入りや感想など頂けるとありがたいです。
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