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第三章
第40話 動物病院2
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この週末はちょっとしたホームページを作るため、部屋に籠ってパソコンに向かっている。膝にはナルが座ってモニターを見たりキーボードにちょっかいを出したりしている。
「あまり、邪魔せんでくれよ」
ナルの背中や頭などを撫でて構ってやると、大人しくなって膝の上で丸くなっている。ナルに触れながら過ごす休日もいいもんだ。
「よし、できたぞ。まあ、こんなもんだろう」
半日ほどを掛けて作ったホームページ。各ページへのリンクも上手くいっているみたいだし、完成では無いが、まずまずの出来だな。
「こんにちは。今日の診療が終わってから、先生と話したい事があるんだがいいだろうか」
来たのは、先週ナルのワクチン接種をした動物病院。受付に言うと、診察室の方から女医さんが顔を出してきた。
「やあ、君かい。猫の具合でも悪くなったのかい」
「この病院のホームページを作ってみたんだが、一度見てくれないか」
「ほう、今ここで見れるのかね」
「サーバーには登録してある。俺のスマホならすぐに見れるようになっている」
俺の作ったサイトには暗証番号が設定してあって、それを入力しなければ見る事ができないようになっている。一般公開する前の仮のホームページとなる。
「もう、午前中の診療は終わって、そろそろ閉めようと思っていたところだ。こちらに来て見せてくれるかね」
女医さんは受付のスタッフに言って病院を閉めさせて、俺を診察室に呼んだ。
「今のここのホームページは、最小限の情報しか無くて病院の場所も分かりにくい。新しいものは地図を埋め込んだり写真を載せたりしている。写真データは仮の物だが、ここの家の写真を撮影して貼り付けるつもりだ」
作った新しいホームページの説明をしていく。
「私もここのスタッフも、こういうものに疎い者ばかりでね。ホームページもずいぶん前に作った物を使っていてね。君はこういうのに詳しいのかな」
「まあ、仕事柄パソコンの扱いは慣れている。この病院には今後もお世話になるつもりだし、俺の作ったホームページで良ければ使ってほしい。当然制作費は無料だ」
「こちらからの、要望も聞いて修正もしてくれると……」
「もちろんだ。使うのはそちらだからな。写真の肖像権もある。そちらの了解なく作る事はできないさ」
今は仮の写真や文字を入れているが、正式に作るとなると文章の作成やチェックなどをして双方で創り上げていくことになる。
「お互いに仕事がある中で、このホームページを作る作業が増える事になる。どうだろうか」
「前からこういう事もしないといけないとは思っていたんだが。今のところ、お客さんも少ない。時間があると言えばあるんだが……」
業者に頼んでホームページを作る事も考えていたようだが、知識もなく業者の言いなりになって自分の思っている通りの物ができるか不安だったと言う。どのように進めていけばいいのかも分からなかったらしい。
「先生。これいいじゃないですか。ここの紹介文程度なら私が書きますよ」
「私もお手伝いします。作ってみましょうよ」
受付をしていたスタッフさん二人もやって来て、協力してくれると言っている。
「そうだな。それなら君にお願いしてみようか。何といっても無料でできると言うのがいいからね」
そう言って、いつものように大きな声で笑っている。
「但し、この医院長の写真や名前というのは無しにしてくれ。女医であることを売りにしたくはないんだよ。医者というのは技術力で勝負するものだからね」
なるほど。そう言うコンセプトなら、それに合わせた造りにすればいい。
ホームページのアドレス……と言っても分からないようなので、ここのパソコンとスマホに登録してアイコンを作っておいた。そして暗証番号を教えていつでも見れるようにしておく。
詳細についてはメールなどで連絡し合うようにして、俺は病院の写真を撮らせてもらう。
俺にできる事で貢献できるなら、その知識や技術を使ってもらえればいいさ。
その後も連絡を取りあい、病院側の意向に沿ってホームページを修正していく。撮って来た写真を貼り付け、書いてもらった説明文を入れ込む。週末に動作の確認や、デザインの修正をして仮のホームページに反映させていく。
修正した内容は病院のパソコンとスマホですぐ確認できるから、それを見てもらって要望を聞き、こちらからもアドバイスをする。仕事として期限が決まっている訳でもないので、納得がいくまで修正を加えていく。
「篠崎君。なかなかいい物ができたじゃないか。これなら公開しても大丈夫だろう」
病院に行って、女医さんと最終打ち合わせをしたが気に入ってくれたようだな。スマホとパソコン画面の両方に対応できているし、俺も満足のいくホームページができたと思っている。女医さんもスタッフの人も結局、顔写真を載せなかったが、病院の雰囲気は伝わっているように思う。
「後は今のホームページと差し替えれば、公開という事になるがそれでいいか」
「ああ、お願いするよ」
これでより多くの人に、この病院の事を知ってもらえるだろう。
その後、時々動物病院に立ち寄ったが、いつも駐車場に車が停まっているようだし繁盛しているみたいだな。忙しくなって困っているよと、女医さんからのメールも届いていた。
ナルのためにも、この動物病院は潰れてもらってはこっちが困るからな。あの女医さんには今後も頑張ってもらいたいものだ。
「あまり、邪魔せんでくれよ」
ナルの背中や頭などを撫でて構ってやると、大人しくなって膝の上で丸くなっている。ナルに触れながら過ごす休日もいいもんだ。
「よし、できたぞ。まあ、こんなもんだろう」
半日ほどを掛けて作ったホームページ。各ページへのリンクも上手くいっているみたいだし、完成では無いが、まずまずの出来だな。
「こんにちは。今日の診療が終わってから、先生と話したい事があるんだがいいだろうか」
来たのは、先週ナルのワクチン接種をした動物病院。受付に言うと、診察室の方から女医さんが顔を出してきた。
「やあ、君かい。猫の具合でも悪くなったのかい」
「この病院のホームページを作ってみたんだが、一度見てくれないか」
「ほう、今ここで見れるのかね」
「サーバーには登録してある。俺のスマホならすぐに見れるようになっている」
俺の作ったサイトには暗証番号が設定してあって、それを入力しなければ見る事ができないようになっている。一般公開する前の仮のホームページとなる。
「もう、午前中の診療は終わって、そろそろ閉めようと思っていたところだ。こちらに来て見せてくれるかね」
女医さんは受付のスタッフに言って病院を閉めさせて、俺を診察室に呼んだ。
「今のここのホームページは、最小限の情報しか無くて病院の場所も分かりにくい。新しいものは地図を埋め込んだり写真を載せたりしている。写真データは仮の物だが、ここの家の写真を撮影して貼り付けるつもりだ」
作った新しいホームページの説明をしていく。
「私もここのスタッフも、こういうものに疎い者ばかりでね。ホームページもずいぶん前に作った物を使っていてね。君はこういうのに詳しいのかな」
「まあ、仕事柄パソコンの扱いは慣れている。この病院には今後もお世話になるつもりだし、俺の作ったホームページで良ければ使ってほしい。当然制作費は無料だ」
「こちらからの、要望も聞いて修正もしてくれると……」
「もちろんだ。使うのはそちらだからな。写真の肖像権もある。そちらの了解なく作る事はできないさ」
今は仮の写真や文字を入れているが、正式に作るとなると文章の作成やチェックなどをして双方で創り上げていくことになる。
「お互いに仕事がある中で、このホームページを作る作業が増える事になる。どうだろうか」
「前からこういう事もしないといけないとは思っていたんだが。今のところ、お客さんも少ない。時間があると言えばあるんだが……」
業者に頼んでホームページを作る事も考えていたようだが、知識もなく業者の言いなりになって自分の思っている通りの物ができるか不安だったと言う。どのように進めていけばいいのかも分からなかったらしい。
「先生。これいいじゃないですか。ここの紹介文程度なら私が書きますよ」
「私もお手伝いします。作ってみましょうよ」
受付をしていたスタッフさん二人もやって来て、協力してくれると言っている。
「そうだな。それなら君にお願いしてみようか。何といっても無料でできると言うのがいいからね」
そう言って、いつものように大きな声で笑っている。
「但し、この医院長の写真や名前というのは無しにしてくれ。女医であることを売りにしたくはないんだよ。医者というのは技術力で勝負するものだからね」
なるほど。そう言うコンセプトなら、それに合わせた造りにすればいい。
ホームページのアドレス……と言っても分からないようなので、ここのパソコンとスマホに登録してアイコンを作っておいた。そして暗証番号を教えていつでも見れるようにしておく。
詳細についてはメールなどで連絡し合うようにして、俺は病院の写真を撮らせてもらう。
俺にできる事で貢献できるなら、その知識や技術を使ってもらえればいいさ。
その後も連絡を取りあい、病院側の意向に沿ってホームページを修正していく。撮って来た写真を貼り付け、書いてもらった説明文を入れ込む。週末に動作の確認や、デザインの修正をして仮のホームページに反映させていく。
修正した内容は病院のパソコンとスマホですぐ確認できるから、それを見てもらって要望を聞き、こちらからもアドバイスをする。仕事として期限が決まっている訳でもないので、納得がいくまで修正を加えていく。
「篠崎君。なかなかいい物ができたじゃないか。これなら公開しても大丈夫だろう」
病院に行って、女医さんと最終打ち合わせをしたが気に入ってくれたようだな。スマホとパソコン画面の両方に対応できているし、俺も満足のいくホームページができたと思っている。女医さんもスタッフの人も結局、顔写真を載せなかったが、病院の雰囲気は伝わっているように思う。
「後は今のホームページと差し替えれば、公開という事になるがそれでいいか」
「ああ、お願いするよ」
これでより多くの人に、この病院の事を知ってもらえるだろう。
その後、時々動物病院に立ち寄ったが、いつも駐車場に車が停まっているようだし繁盛しているみたいだな。忙しくなって困っているよと、女医さんからのメールも届いていた。
ナルのためにも、この動物病院は潰れてもらってはこっちが困るからな。あの女医さんには今後も頑張ってもらいたいものだ。
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