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第1章 共和国の旅
第23話 港町の魔術師協会
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イカの一夜干しを手伝っていたら、少し遅くなってしまったな。
アイシャは俺達が帰るまで食事を待っていてくれたみたいだ。
「すまなかったな、アイシャ。カリンと朝の港に行っていたんだ」
「街中だから、あまり心配はしてないけど、伝言くらいは置いて行ってほしかったわ」
「ごめんね、アイシャ。ユヅキとね、港で海の魔物を食べたのよ。はい、おみやげ」
カリンが焼いたイカをアイシャとチセに渡した。
「確かにこれは魔物ね」
「足がこんなにいっぱいですよ。これが海で泳いでいたんですか」
アイシャ達にすれば、イカは完全に魔物扱いだな。
「ほら、こいつだ。港で安く買えたんだ」
港から持ってきた生のイカを見せる。もう死んではいるがまだ鮮度は落ちていない。後でキイエに食べさせてあげよう。
「うわっ、これはすごい生き物ですね」
チセが、指で突っつきながら確かめているが、アイシャは触わろうともしないな。
「焼くとね、すごくおいしいの。焼いたのを持って帰ってるから、朝食と一緒に食べましょう」
港での出来事をカリンが楽しそうにおしゃべりしながら、みんなと食事を共にする。
「今日は魔術師協会にマンドレイクを売りに行くが、俺と村の人とで行ってくるよ。アイシャ達はこの町の観光でもしていてくれ」
「師匠、あたしは一緒に行ってもいいですか」
チセはマンドレイクに興味があるようだから、売る先で聞きたいことがあるみたいだ。
「それじゃ私はアイシャと街を見て回るわ、今日の昼にはこの町を出るんでしょ」
「そうだな。それじゃあ、お昼の鐘4つに城門の所で待ち合わせしよう」
俺とチセは鐘3つの少し前に馬車に乗って城門に行くと、村人は既に来ていて早速出発する。宿屋で書いてもらった地図を見ながら、魔術師協会へと向かった。
「ユヅキさん、俺達は魔術師協会の事は分からない。すまないがマンドレイクの換金をお願いしたい」
「ああ、任せてくれ」
魔術師か魔道具の関係者でもないと、協会の扉を叩くことはないからな。村人が知らないのも無理はない。
マンドレイクを1本だけ持って受付窓口の人に尋ねる。
「すまないが、これを売りたいんだがどこの部署に行けばいい?」
魔術師協会は、魔術や魔道具などの部署に分かれていて、各々の専門分野で活動している。
「マンドレイクですね。それなら錬金部門です。奥の13番の部屋にお入りください」
礼を言って、13と書かれた部屋に入りカウンターにマンドレイクを置く。
俺達を見て女性の狐獣人の職員がカウンターにやって来た。
「すまないがこれを売りたいんだが、ここでいいか?」
「マンドレイクとは珍しい。失礼ですが、冒険者の方ですよね。これをどこで手に入れられましたか」
「シャウラ村で俺達が採取した」
やはりマンドレイクは珍しいようだな。手に取りあれこれ見て品定めしているようだ。
「シャウラ村産は初めてだと思います。産地によって毒の入り方や質が違います。少し調べたいのですが端を切ってもいいでしょうか?」
「ああ、それぐらい大丈夫だ。全部で30本ある。全部持ってこないとダメか」
「ええっ、30本ですか……それはまた大量に採りましたね。調べるのはこれ1本で結構です。しばらくお待ちください」
奥へと歩いて行った職員を見送り、チセと後ろの椅子に腰かける。
「師匠、ここにはマンドレイクに詳しい方はいるのでしょうか。少し話を聞いてみたいのですが」
「そうだな。さっきの人が戻ってきたら聞いてみるか」
チセの目的はマンドレイクの知見だったな。育ててみたいと言っていたから、そのヒントが欲しいんだろう。
「お待たせしました。調べた結果、毒抜きも容易で良い品質だと判定されました。1本銀貨15枚で買い取りますが、よろしいでしょうか」
銀貨15枚もするのか……珍しいと言うだけあって、高価だな。
「それでお願いする。残りを持ってくるので待っていてくれ。それともしマンドレイクに詳しい人がいたら話を聞きたいのだが」
「薬師の方ですね。聞いておきますね」
俺達は外で待たせてある村人の馬車から、マンドレイクを運び込んだ。村人にも手伝ってもらい4人でマンドレイクを抱えて運んでいると、周りの魔術師から物珍しそうに振り向かれた。これだけ大量のマンドレイクを持ち込むのはあまりない事のようだ。
カウンターに全部運び込んで金貨4枚と銀貨50枚を受け取る。
「俺達はまだ用事があるから、先に馬車に戻っておいてくれ」
村人にはお金を持って先に戻ってもらい、しばらくすると事務所の奥から年老いた羊の獣人がやって来た。
「マンドレイクの事について聞きたいと言うのは、あんた方かの?」
「はい。あたし達マンドレイクを育てようとしているのですが、どうすれば良いか分かりますか」
チセの質問に、その老人は少し考えてから答える。
「マンドレイクの育成について、いくつか文献はあるんじゃが、成功したという記録はないな」
魔術師協会ともなると、そのような研究は既にしているのか。
「生息地にはそれぞれ違う毒があるんじゃが、同じような毒の土に埋めても育たんのじゃよ」
「そんな……」
マンドレイクが育成できないと聞いて、チセは肩を落とす。折角実験用のマンドレイクも手に入れたのに、少し残念だな。
「すまんがマンドレイクの毒抜きはどのようにしている。特殊な方法と聞いたが」
「特殊という程でもないが、薬品で煮出せば毒は抜ける」
「その薬品を譲ってもらえるか」
実験用として3本あるんだから、毒抜きをして薬として使えないか試したい。
「毒抜き用の薬品ならここでも販売しとるよ。ただし毒を抜いた後のマンドレイクを、興味本位で食べたり煎じて飲まないようにな」
「マンドレイクは薬になると聞いていたが?」
「あれは薬にも毒にもなる。適切な処置と量を守らないと危険じゃ。できれば魔術師協会に持ってきてくれるか」
なるほどな、専門知識を持たないと、こういう物は危険なんだろうな。同じ草の根が猛毒になったり、漢方薬になったりすると聞いた事がある。注意しておかないとな。
俺達は窓口でマンドレイク用の薬品を買って外に出た。
アイシャは俺達が帰るまで食事を待っていてくれたみたいだ。
「すまなかったな、アイシャ。カリンと朝の港に行っていたんだ」
「街中だから、あまり心配はしてないけど、伝言くらいは置いて行ってほしかったわ」
「ごめんね、アイシャ。ユヅキとね、港で海の魔物を食べたのよ。はい、おみやげ」
カリンが焼いたイカをアイシャとチセに渡した。
「確かにこれは魔物ね」
「足がこんなにいっぱいですよ。これが海で泳いでいたんですか」
アイシャ達にすれば、イカは完全に魔物扱いだな。
「ほら、こいつだ。港で安く買えたんだ」
港から持ってきた生のイカを見せる。もう死んではいるがまだ鮮度は落ちていない。後でキイエに食べさせてあげよう。
「うわっ、これはすごい生き物ですね」
チセが、指で突っつきながら確かめているが、アイシャは触わろうともしないな。
「焼くとね、すごくおいしいの。焼いたのを持って帰ってるから、朝食と一緒に食べましょう」
港での出来事をカリンが楽しそうにおしゃべりしながら、みんなと食事を共にする。
「今日は魔術師協会にマンドレイクを売りに行くが、俺と村の人とで行ってくるよ。アイシャ達はこの町の観光でもしていてくれ」
「師匠、あたしは一緒に行ってもいいですか」
チセはマンドレイクに興味があるようだから、売る先で聞きたいことがあるみたいだ。
「それじゃ私はアイシャと街を見て回るわ、今日の昼にはこの町を出るんでしょ」
「そうだな。それじゃあ、お昼の鐘4つに城門の所で待ち合わせしよう」
俺とチセは鐘3つの少し前に馬車に乗って城門に行くと、村人は既に来ていて早速出発する。宿屋で書いてもらった地図を見ながら、魔術師協会へと向かった。
「ユヅキさん、俺達は魔術師協会の事は分からない。すまないがマンドレイクの換金をお願いしたい」
「ああ、任せてくれ」
魔術師か魔道具の関係者でもないと、協会の扉を叩くことはないからな。村人が知らないのも無理はない。
マンドレイクを1本だけ持って受付窓口の人に尋ねる。
「すまないが、これを売りたいんだがどこの部署に行けばいい?」
魔術師協会は、魔術や魔道具などの部署に分かれていて、各々の専門分野で活動している。
「マンドレイクですね。それなら錬金部門です。奥の13番の部屋にお入りください」
礼を言って、13と書かれた部屋に入りカウンターにマンドレイクを置く。
俺達を見て女性の狐獣人の職員がカウンターにやって来た。
「すまないがこれを売りたいんだが、ここでいいか?」
「マンドレイクとは珍しい。失礼ですが、冒険者の方ですよね。これをどこで手に入れられましたか」
「シャウラ村で俺達が採取した」
やはりマンドレイクは珍しいようだな。手に取りあれこれ見て品定めしているようだ。
「シャウラ村産は初めてだと思います。産地によって毒の入り方や質が違います。少し調べたいのですが端を切ってもいいでしょうか?」
「ああ、それぐらい大丈夫だ。全部で30本ある。全部持ってこないとダメか」
「ええっ、30本ですか……それはまた大量に採りましたね。調べるのはこれ1本で結構です。しばらくお待ちください」
奥へと歩いて行った職員を見送り、チセと後ろの椅子に腰かける。
「師匠、ここにはマンドレイクに詳しい方はいるのでしょうか。少し話を聞いてみたいのですが」
「そうだな。さっきの人が戻ってきたら聞いてみるか」
チセの目的はマンドレイクの知見だったな。育ててみたいと言っていたから、そのヒントが欲しいんだろう。
「お待たせしました。調べた結果、毒抜きも容易で良い品質だと判定されました。1本銀貨15枚で買い取りますが、よろしいでしょうか」
銀貨15枚もするのか……珍しいと言うだけあって、高価だな。
「それでお願いする。残りを持ってくるので待っていてくれ。それともしマンドレイクに詳しい人がいたら話を聞きたいのだが」
「薬師の方ですね。聞いておきますね」
俺達は外で待たせてある村人の馬車から、マンドレイクを運び込んだ。村人にも手伝ってもらい4人でマンドレイクを抱えて運んでいると、周りの魔術師から物珍しそうに振り向かれた。これだけ大量のマンドレイクを持ち込むのはあまりない事のようだ。
カウンターに全部運び込んで金貨4枚と銀貨50枚を受け取る。
「俺達はまだ用事があるから、先に馬車に戻っておいてくれ」
村人にはお金を持って先に戻ってもらい、しばらくすると事務所の奥から年老いた羊の獣人がやって来た。
「マンドレイクの事について聞きたいと言うのは、あんた方かの?」
「はい。あたし達マンドレイクを育てようとしているのですが、どうすれば良いか分かりますか」
チセの質問に、その老人は少し考えてから答える。
「マンドレイクの育成について、いくつか文献はあるんじゃが、成功したという記録はないな」
魔術師協会ともなると、そのような研究は既にしているのか。
「生息地にはそれぞれ違う毒があるんじゃが、同じような毒の土に埋めても育たんのじゃよ」
「そんな……」
マンドレイクが育成できないと聞いて、チセは肩を落とす。折角実験用のマンドレイクも手に入れたのに、少し残念だな。
「すまんがマンドレイクの毒抜きはどのようにしている。特殊な方法と聞いたが」
「特殊という程でもないが、薬品で煮出せば毒は抜ける」
「その薬品を譲ってもらえるか」
実験用として3本あるんだから、毒抜きをして薬として使えないか試したい。
「毒抜き用の薬品ならここでも販売しとるよ。ただし毒を抜いた後のマンドレイクを、興味本位で食べたり煎じて飲まないようにな」
「マンドレイクは薬になると聞いていたが?」
「あれは薬にも毒にもなる。適切な処置と量を守らないと危険じゃ。できれば魔術師協会に持ってきてくれるか」
なるほどな、専門知識を持たないと、こういう物は危険なんだろうな。同じ草の根が猛毒になったり、漢方薬になったりすると聞いた事がある。注意しておかないとな。
俺達は窓口でマンドレイク用の薬品を買って外に出た。
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